横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

電源DCジャックの修理(ミッキーの学習パッド)

2016-08-21 22:50:33 | ノウハウ集
白幡地区センターでの修理で、記録しておきたいおもちゃ修理があったので、三件目としてアップします。

ミッキーの学習パッドという知育玩具が壊れたとお父さんが持ってきました。故障状況を聞くと、ACアダプタを使うと動作するのに、(ACアダプタは使わないで)内部に電池を入れても使用できないとの事。


お父さんは「むずかしいでしょうか?」と尋ねられましたが、おもちゃとして正常動作している訳ですからなんとかなるでしょうと引き受けました。ケースをあけて、中の基板に電源電圧がかかっているか確認します。DCプラグが入っている状態で問題なし。ケースに電池をいれたまま、電池ボックスからでている電圧を測ると、これも異常なし。むむ。何もおかしくないのですが、DCプラグを引き抜くと、確かに電源が入りません。どうやら、DCプラグを挿入するDCジャックが怪しそうです。
DCジャックは、DCプラグが挿入されると、そのプラスとマイナスの電圧を受けとります。それなら、DCジャックは2極のはずですが、電池との切り替えができるように、三極の構造となっています。写真のDCジャックは、(見えませんが)三極で基板にハンダ付けされている訳です。


このDCジャックの構造は、DCプラグが挿入される事で電極が変形し、内部の回路が切断されます。逆に、DCプラグが抜去されると、電極が弾性で元の形に戻り、内部の回路が接続されます。


今回の故障は、DCジャックの三極のうち、変形して回路を遮断・接続していた電極が曲がってしまい、DCプラグを抜いても回路が接続されなくなっていたのでした。故障がわかれば、DCジャックの電極を修正し、修理完了となりました。

それにしても、タブレット型コンピュータ相当のおもちゃにびっくりしました。




隠しネジに大苦戦(電子ピアノ)

2016-08-20 17:10:17 | 活動の記録
白幡地区センターで次ぎに修理したのは、電子ピアノ。ボタンを押すと、LEDは点滅するけど電子音がならないとのこと。これは、スピーカ交換でしょうから、簡単だと思ったのですが大苦戦しました。

何が大変かというと、上側のケースと下側のケースを一体化するためのネジが見当たりません。ネジがなければ、ケースをあけることはできないわけで、スピーカ交換にたどりつけません。一般的に子供向けのおもちゃは、大量生産が基本ですから、上側のケースと下側のケースをプラモデルのように接着することはまれです(作業性が悪いということ)。もし、接着しているとすると、カッターで栗を割るようにケースをあけていくか、プラスチック用ののこぎり(ピラニア)で切っていくしかありません。途中まで、ケースを切り始めたのですが、それを見ていたドクターの一人が、隠しネジを見つけてくれました。


音符やキーボード等は押すと音が出るボタンになっていますが、四隅にある星は押しボタンではありません。この星、隠しネジのふただったのです。当初、そうかとも思ったのですが、このふた自体が接着されており、なかなかとれないため、ケースを切り始めていたのでした。ケースがあけられれば、予想通り、スピーカの断線でしたので、交換して、修理完了。


隠しネジのカバーだった4つの星のうち、ひとつは取り外しに苦労し、プラスチックが一部、破損してしまいました。これは、お客様に事情を話したところ、音がでるようになって、問題ありませんとご理解頂きました。修理してよかった、よかった。故障原因そのものより、ケースを開けるのに苦戦した修理でした。



ロッキングチェアーを揺らす熊

2016-08-20 16:04:29 | 活動の記録
本日は、白幡地区センターのおもちゃ病院でした。


まず、最初に持ち込まれたのは、ロッキングチェアーを揺らす熊のぬいぐるみです。吠えたり、体を揺らしたりする犬のぬいぐるみは、子供たちに人気があり、よく骨折やピニオンギアの破損などで持ち込まれます。しかし、ロッキングチェアーに座っている熊は初めてです。故障状況は、スイッチを入れても鳴かないとの事。たぶん、スピーカの交換が必要でしょう。


ぬいぐるみのおもちゃは、電池ボックの周辺からぬいぐるみをはがし、中にある動力ユニットを取り出す事から始めます。電池ボックスとぬいぐるみは接着している事が多いですが、このおもちゃは束線バンドで固定してありました.束線バンドを外して、中の動力ユニットを取り出すと、


モータによって振り子を揺らし、熊の頭を揺らすための仕掛けがでてきました。この仕掛け自体は、うまく動きます。このユニットの下部に組み込まれているスピーカを確認すると、予想通り断線していました。


スピーカを交換して、ぬいぐるみに動力ユニットを組み込めば修理は完了。熊の頭の中にある綿の量を調整し、動力ユニットで頭が動くように調整しました。これで、足に組み込まれたスイッチを押すと、曲が流れ、熊が椅子を揺らし始めました。なかなか、ほのぼのしたおもちゃの修理でした。