横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

新年の修理事始め(犬のおもちゃ)

2019-01-19 23:11:05 | 活動の記録
新年、明けましておめでとうございます。
すっかり、ブログ更新を怠っていましたが、港北おもちゃ病院の活動はしっかりやってます。

2019年菊名地区センタに持ち込まれた、犬のおもちゃの修理を紹介します。やってきたのは、電池で動く犬のぬいぐるみ。
電池は新しいのを入れたけど、動かないとのこと。うーん、これが得意なドクターが大阪に行ってしまったので、引き受けてしまったけど、ちょっと心配。


ぬいぐるみを剥がして、モータユニットを出してと作業は決まっているのですが、結構コツがいるのです。まあ、やってみるしかありません。
ということで、早速、ぬいぐるみを剥がしてみると、なんとブリキのモータユニット。


このぬいぐるみ、結構古いのこと。ブリキのモータユニットは、分解すると形がゆがんでしまうし、シャフトはかしめでストッパーを作っているので、分解するとやっかいなのです。
故障箇所を調べていると、モータの音はします。逆さまにして調べていると、割れたギヤがポロンと落ちてきました。特殊なギヤが真っ二つ。原因はわかりましたが、交換するギヤはありませんし、ブリキのギヤボックスを分解して、ギヤを圧入するシャフトを取り出すのはかなり難しそうです。

難しい修理なので、治らない可能性もお伝えして、入院してもらうことにしました。

まずは、ギヤをどうしたものか。接着しても強度が出ません。悩んでいると、物知りのドクターがフランジのついているギヤなので、フランジ部分にスリーブ(わっかのこと)を圧入したらどうかと案をくれました。さらに、いいスリーブとして、ラジコンのロッドアンテナを少し切って、スリーブにしたらと材料まで提供してくれました。少しギヤのフランジをヤスリで削って、見事ピッタリはまりました。これってすごいでしょう。


さてここからが大変。ブリキのギヤボックスを開けて行きます。犬の足、ギヤのシャフトなどは、ブリキのギヤボックスに組み立てた後、シャフトの端をカシメて少し直径を広げ、ワッシャのストッパーとしています。つまり、外すためには、シャフト端のかしめの出っ張りを削ることになりますが、油圧のカシメペンチでもないと、修理後に同じようにカシメることはできません。ギヤ同様、困っていると、さっきのドクターがやってきて、「これ使ったら」と。


「これ、なんですか」。「これ、網戸の張り替える時のゴムだよ。穴が空いているので、ゴムのストッパーになるよ」。なんと素晴らしいアイディアでしょう。網戸のゴムは、直径が重要なのですが、真ん中に穴が空いていることは知りませんでしたし、その穴を使って網戸ゴムストッパーができるとは。

ということで、次々とシャフトのカシメ出っ張りを削って、ワッシャを取り外し、修理後には、網戸ゴムストッパーで固定しました。




写真にはありませんが、修理したギヤをブリキのギヤボックスに組み付けるのが大変でした。これは、動画をとって編集でもしないと、お伝えできませんね。

ということで、修理完了しました。

本当は、動いて止まって、ワンワンと吠えるのですが、ふいごの調整をいくらやっても治りませんでした。
しばらく、ブリキのユニットの調整をして見たのですが、ギブアップ。お客さま、ごめんなさい。