横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

バズの骨折(強度の必要な接合方法)

2017-12-11 23:43:26 | ノウハウ集
これも綱島の修理記録です

トイストーリのバズは人気者。色々なおもちゃがあって、修理することが多いです。このバズは、両足を握ると内部の接点が入り、手の光線銃が光り、バズの頭の周囲のLEDチューブが光りながら回転するおもちゃです。


どうやら、力いっぱい握ったらしく、動く方の足(右脚)の骨が真っ二つです。しかも根元で・・・・ これかなり重傷です。


故障は、この折れた部品を直せばいいのですが、握る力がもろにかかる部分なので、接着では強度が足りません。


持ち主さんにはその旨を伝えたところ、動かなくてもよいのでせめて足だけでも繋げてほしいとの依頼でした。さてどうしたもんだかとドクターが集まり、アーでもない コーでもないと修理方法に花が咲いた????ところ、当て木か内部に金属の丸棒を埋め込む方法がよいのではとの結論に達し、当て木から行って強度が低いようならばさらに金属の丸棒を埋め込むことにしました。時間も限られているので二人で手分けして行うことになりました。

当て木には厚さ1mmの真鍮の板を使うことにしました。なんと真鍮の幅は部品の幅と測ったようにピッタリ。何となく幸先の良さを感じながら、穴位置を決めて、穴を開けてボルトナットとタッピングビスを使用して当て木の作成完了。


いやいや、思った以上に良くできました。強度もあるので、丸棒を埋め込むことはせずに、このままで組み込みました。ボルトや補強材が当たる部分は削ったりして調整し、スプリングを組み込むのに若干手こずりながらも完成しました。


二人がかりでも結構、修理に時間がかかり、おもちゃ病院の終了時間、ギリギリに仕上がりました。難しい修理をやり遂げたときの爽快感は格別です。この爽快感を求めておもちゃドクターは難題に挑戦しているのです(カッコつけすぎかな)。

修理に来たご両親や子供たちは、おもちゃが直った喜び、おもちゃドクターは修理がうまくいった爽快感で、一石二鳥。めでたしめでたし。

次々と故障を発見(ホイールローダの修理)

2017-12-11 23:05:28 | 活動の記録
綱島地区センターの修理記録です。

この日は、ほとんどのドクターが勢揃い。さあやるぞと張り切ったものの、出足はゆっくりでした。

そんな中、持ちこまれたおもちゃは米国Caterpillar社のホイールローダ。キャタピラーって、ブルドーザなどの建設機械や戦車に使われるタイヤじゃない、あれ(正式には無限軌道、こっちのほうが馴染みがないですよね)のことを示すことが多いですが、会社の名前だって、知ってました?更に、そのキャタピラー社の無限軌道をつかってないブルドーザのことをホイールローダと言うのです。なんだか、ややこしい。おもちゃの全体写真を撮りわすれたので、ホンモノはこれです。

Caterpillar社のHPからお借りしました

お客様によると、動くおもちゃではなく、エンジン音が出るおもちゃ、それが出なくなったとのこと。スピーカの故障かなと思ってなかをあけてみると、断線をみつけました。これが故障の一つ目。


これで簡単に修理に完了とおもったのですが、中をよく見るとモーターがあります。本当は、動いて、エンジン音の出るおもちゃだったのでしょう。よくよくみると、内部に動力源ではないモータもあって、それに配線が絡みついて、切れています。これが故障の二つ目。つまり、動いて、エンジン音が出て、ブルブルとゆれるおもちゃだったのです。


電池ボックスを確認すると、電極が腐食しています。これが故障の3つ目。


更に、運転席に、レゴを発見!これが故障(?)の4つ目。


全部直して、お客さまに喜んでもらえました。次々と故障を発見する、おもちゃ修理でした。

赤ちゃんメリー(電極の破損)

2017-12-04 00:09:08 | 活動の記録
すっかり、ブログアップをご無沙汰していました。

久々に、師岡コミュニティーハウスでの活動報告です。

師岡のおもちゃ病院は大繁盛でして、予約だけでも20件も。参加ドクターは雑談する暇もなく懸命に修理に取りかかっていました。
そのうちの一つ、赤ちゃんメリーの修理です。


赤ちゃんメリーは、赤ちゃんのベッドの手すりに挟んで使います。ツリーが音楽とともにゆっくり回ると、赤ちゃんが目で追いかける優しいおもちゃです。持ちこまれた赤ちゃんメリーは、かなり年季の入ったもので、何人かに受け継がれているかもしれません。故障状況としては、電池を入れっぱなしにした際に発生する電池の液漏れにより電極が完全に壊れていました。


腐食電極は、リュータで電極を磨く事が多いのですが、ここまで壊れた電極は修理できないので、真鍮の平板を曲げて取付用の穴を開けて自作することにしました。


電極の元の取付は電池ボックスにハトメで接続していますが、小さなハトメが無いのでビスナットにて代用しました。電池ボックス側はビスの頭が飛び出すと電池が入らないのでサラねじを使用して納めました。結構うまく行きました。


これで修理完了と思ったのですが、古いおもちゃはいくつも故障を抱えている事があります。特に、かなり重傷の液漏れの場合には、電線も影響を受けている可能性があるので確認してみると、やはり銅線が真っ黒に変色していました。


これは、基板から取り外して新しい銅線に交換しました。その他は良さそうなので電池を入れて確認したところ音も出てメリーゴーランドもゆっくりと動きました。持ち主には、長期間使用しない際には電池を取り外して、液漏れにならないようにお願いをしました。

めでたしめでたし

と喜びもつかの間、次のオモチャが首を長くして待っていました。
この日は、とっても忙しい日なのでした。