横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

ダボも作ります(まゆ玉転がし)篠原地区センター

2022-01-23 22:17:46 | 活動の記録

1月22日(土)は篠原地区センターで活動しました。

この日、予約は15件と多かったのですが、午前中は出足が遅く、ちょっと心配していました。おもちゃ病院の活動時間は10時から15時ですので、多くのおもちゃが午後にやってくると、15時までに終了できなくなるからです。オミクロン株の影響かキャンセルも何件かありましたが、結局難しい修理のおもちゃが残ってしまった日でした。

午前中に来たおもちゃは、この「まゆ玉転がし」。

昔からあるおもちゃで、まゆ玉がコロンコロンと坂を転がっていき、端までくると下の坂に落ちてまたコロンコロンと転がります。まゆ玉でなくて、丸い玉を転がすものもあります。この写真は修理した後の写真なのですが、持ち込まれた時は、こんな感じ。

お子さんがまゆ玉転がしに乗ってしまったらしく、バラバラです。坂の板と支柱の板は、ダボで接続されているのですが、それらがポッキリおれてしまっています。まずは、折れてしまったダボを取り除くため、ドリルでダボ穴を削り出します。

このダボは直径4mmでした。コンビニの丸い竹箸が良さそうなのですが、ちょっと太い。家に帰れば、4mmのダボはありますが、お預かり(入院)するのでなく、なんとかする方法はないものかと考え、ドリルを旋盤風に使って、コンビニの丸い竹箸の直径を細くすることにしました。ドリルに箸を取り付け、ゆっくり回し、やすりを当てて削っていきます。

ダボ穴があき、ダボができれば、それらを木工用ボンドで接着して完了です。

そうそう、恐竜(多分、スピノサウルスかな)もやってきました。遠吠えをしながら歩くはずなのですが、歩かないとのこと。

早速、中を開けてみると、足を動かすクランクが外れていました。右写真が正常な右足、左写真が動かない左足です。これは、クランクを組み付けて戻すと、のっしのっしと遠吠えしながら歩くようになりました。

最後は、結構苦労したハイパーレスキュー。

音が鳴らないとのことでしたので、スピーカを交換するだけなのですが、分解するのも組み立てるのも結構難しい。ハイパーレスキューは、一種のトランスフォーマーなので、形が変身するように個々の部品が複雑に組み合わされているためです。なんとかなりましたが、結局40分近く、残業となりました。。。

持ち込まれるおもちゃの修理時間を見立てるのは結構難しいです。時間がかかるものは、入院をしていただくのですが、簡単だと思って修理を始めても、意外に”嵌る”ことも多いです。想定外がおもちゃ病院の本質かもしれないなと感じさせられた日でした。

 

 

 

 

 

 


おもちゃ修理は工夫がいっぱい!(ラジコンのコントローラなど)菊名地区センター

2022-01-10 23:10:22 | 活動の記録

新年明けまして、おめでとうございます。今年もコロナに負けず、出来る限りおもちゃ病院を活動していきます。どうか、オミクロン株が広まりませんように。

新年最初の活動は、1月8日に菊名地区センターで行いました。この日もコロナ感染予防を考慮し、予約していただいたおもちゃをお預かりし、修理しました。7人のドクターでたくさんのおもちゃを修理したのですが、今日はかなり特殊(?)な修理をご紹介します。

壊れたおもちゃを修理する場合、壊れた部品を新品と交換できるなら話は簡単ですが、交換用の部品があることはむしろ少ないです。例えば、プラレールなら、車輪のゴムや連結器は補修部品としてトミカから販売されていますから、部品は交換で対応できます。また、モータやスピーカ、ギヤ、電池ボックスの電極板などは同等品があれば交換できます。しかし、そのおもちゃ専用に作られた部品が壊れた場合は、その壊れた部品そのものをなんとか修理しなければなりません。そんな苦しい(?)状況を工夫で乗り切った修理事例をいくつかご紹介します。

まず、ラジコンのコントローラ内のスイッチ部品修理です。壊れたラジコンは、これ。日産のGT-Rです。左右のハンドル操作はできますが、前進後進ができなくなってました。

故障箇所は、コントローラを開けてみると一目瞭然。前進後進は人差し指でトリガーを引いたり押したりすると、内部の3極スイッチが変化するようになっています。しかし、左右の操作をする3極スイッチと前進後進を操作する3極スイッチを比較してみると、前進後進の3極スイッチは、真ん中の電極が折れてなくなっていました。

原因はわかりましたが、このような3極スイッチは手持ちにありません。交換することはできませんし、スイッチ自体を元通りにすることは不可能です。しばらく、考えていましたが、逆転の発想で、反対側に折れてなくなった電極相当を作ることにしました。言葉で説明するのは難しいのですが、こんな感じ。

ラジコンを持ってきたお母さんには、この修理の苦労をお伝えでなかったのが残念でした。

次はプラレールの特殊な修理を2つご紹介します。これはプラレールのモータユニットです。どこを修理したかわかりますか?

赤いスイッチレバーが修理したところなのですが、元々は赤いスイッチレバーなんてありません。プラレールのスイッチレバーは、折れてしまうことがあるのですが、保守部品は販売されておらず(直す人なんか、おもちゃドクターしかいませんから)、古いプラレールの部品を修理用にストックしておくしか手がありません。今回のスイッチレバーは、こんな風に修理しています。左側が折れてしまったスイッチレバー。右が折れたスイッチレバーを補修したもの。補修は別のプラ部品を細い針金でつなぎました。

同じように、特殊なギヤが取り付けられた車軸のギヤが割れた時、交換するギヤはなく、どうすることもできません。今回は、クラッチ付きの固定側のギヤが割れた修理内容です。割れたギヤを車軸に固定するため、割れたギヤを慎重に削り、手持ちの金属リングを圧入して固定しました。

最後は、子供用のデジカメ修理です。故障内容は、レンズが外れてしまっています。何でもお子さんがレンズを本体内側に向かって押してしまったらしいです。

本体を開けてみると、確かにレンズが外れています。これをつけるのは簡単ですが、同じように子供がレンズを触ってしまえば、同じことがおきます。レンズと基板の隙間をなくしてしまえば、レンズの脱落はなくなるので、ウレタンを入れてみました。

結果としては、脱落したレンズを直すだけでなく、ウレタンを入れたことにより、元々の設計以上の修理となりました。

 

どれも、おもちゃドクターの工夫がいっぱいの修理ばかりでした。毎回、壊れたおもちゃ部品を目の前にするたび、どうしよう?と悩みますが、なんとかなった時の爽快感は格別です。壊れたおもちゃ、お待ちしてます!