横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

お父さんが壊した!(電子ピアノ)篠原地区センター

2022-10-22 12:35:13 | 活動の記録

今日、10月22日は篠原地区センターで活動しました。なんと、この日の修理予約は2件でした。時々、こんな日があります。

2件の修理の一つ、電子ピアノの修理を紹介します。お父さんと子供がおもちゃを持ち込んできたのですが、鍵盤の左半分は音が出ない状況でした。聞いてみると、お父さんがおもちゃを踏んでしまったとか。修理するおもちゃの大半は、子供達が遊び過ぎて壊してしまうのですが、お父さんが壊してしまったのは、珍しいです(笑笑)。

左半分の鍵盤は音が出ませんし、いくつかのキーは押すと沈んでいるので、物理的に壊れているようです。電池は確認してOKなので、中を開けてみると、鍵盤の裏側にある基板が完全に割れていました。

基板の丸いところが各キーの下にある接点です。キーが押されると、導電性ゴムが丸い接点に接触してショートし、音が鳴る仕組みです。左半分がならないのは、基板が割れて、配線が切れてしまったからでした。老眼の目を凝らして、プリント基板をみると、11本の配線がありました。これら全てを繋がなくてはなりません。

プリント基板は、ベーク材(茶色)の板の上に、銅箔の配線があり、その上に緑色の保護材(ソルダーレジスト)が塗られています。ソルダーレジストの上からはハンダ付けできません。

修理作業としては、

①カッターの刃でソルダーレジストを削り、切れた11本の配線パタンの銅表面を出す

②導電性ゴムが乗る丸い接点の近くは、リード線でジャンパできないので、リード線の銅素線をハンダ付けに埋め込む

③導電性のゴムの乗らないところは、折れた断面で繋ぐ必要はなく、ハンダ付けしやすいところでリード線を使いジャンパリングする

という作業にしました。

もし、11本のどれか一つでもうまくつながっていないと、音はなりません。慎重にハンダ付けを進め、完了してスイッチを入れてみると、見事復帰しました。子供の壊したおもちゃは、無償で修理しますけど、次からお父さんの壊したおもちゃは、修理料金を頂こうかな(冗談です)。

 

 

 


話をするぬいぐるみ達(エルモ君ほか)綱島地区センター

2022-10-09 11:19:16 | 活動の記録

今週のおもちゃ病院は綱島地区センターで開催しました。ここ綱島地区センターは、隔月開催なので、持ち込まれるおもちゃが多いのが特徴です。この日も、16件のおもちゃ修理予約がありました。この中からはなしをするぬいぐるみ達を紹介します。

まず、お話しする最初のぬいぐるみは、これ。エルモ君です。

スイッチを入れると体を震わせながら、お話しするそうですが、体が動かないとのこと。スイッチは左手についています。エルモ君をゆすると、中で何かの部品が外れているのでしょうか、カラカラ音がします。

モーターユニットの中を開けてみると、モーターの先についていた重りが外れていました。

この重り、中心と重心がずれていますので、モーターの先につけて回すと、ブルブル震えます。携帯電話やスマホのバイブレーションも同じ仕組みです。修理としては、モーターの先に重りをつけ直しておしまい。修理後のエルモ君、話しながら体を震わせています(動画はこちら)。

次の話すぬいぐるみは、いないいないばぁをする熊のぬいぐるみでした。しばらく使っていなかったとのことで、電池を入れても動かないとのこと。

電池の液漏れを疑って、電池ボックスをみると予想的中でした。

修理としては、電極を清掃して修理完了です。同時に持ち込まれ、人の話した言葉を録音して、おうむ返しする熊を並べてみると、二つのおもちゃが会話していました。いないいないばぁの熊が話すと、隣のおうむ返しの熊がその言葉を聞いて、話しています。おもちゃ同士が会話するなんて面白いです(動画はこちら)。

おまけとして、話をするぬいぐるみではありませんが、トミカタウンの一つである、トミカ病院の修理を紹介します。トミカ病院は現在、販売していないようですが、こんなおもちゃです。このおもちゃを持ち込んでくれた男の子は、ここ綱島地区センターのおもちゃ病院が大好きなんです。

男の子が持ってきたのは病院だけ。スイッチを入れても何も動作しません。

中を見ると、電極の腐食でした。リューター電極を清掃して修理完了。

この男の子は、毎回、ドクター全員に挨拶してくれます。今回も治ったおもちゃを喜んでくれることはもちろん、次回もきっと壊れたおもちゃを持ち込んでくれるでしょう。