今日は高校野球は準決勝前の休養日です。たった1日かもしれませんが、以前に比べたら良いことです。ということで、試合についての感想はないので、これまでの試合についての新聞記事について2点触れたいと思います。
一つは、今大会は完封試合が少ないという記事です。その原因を考えると、今大会は、どちらかというと、打高投低の傾向があるのではないかと思います。最近の高校生投手は以前に比べると速球派が結構多いと思いますが(「最近の高校生って速くないですか?」)、今大会は、東海大相模の小笠原投手が話題になっていますが、それ以外では好投手と言われる仙台育英の佐藤投手でも140km/hちょっとで、平均球速130km/h台の投手が多いと思います。打撃はマシンの進化で年々上達しているので、これが完封試合が減っている一つの原因だと思います。ドラフト会議でも、年によって、豊作、不作などと言ったりもしますが、言葉は悪いですが、投手は不作の年かもしれません。
一方でも、投手に関するもう一つの記事は、勝ち上がっているのは、複数の先発投手がいたり、継投をしているチームだということです。優勝候補筆頭の東海大相模は小笠原・吉田の2枚看板ですし、関東第一も継投型です。早実も4投手を繰り出すこともありますし、佐藤投手が柱の仙台育英も3戦では、先発では佐藤投手を温存しました。
今大会の上位チームで、一人のエースに依存したのは、秋田商くらいですが、ちょっと前までは絶対エースがいると、やはり勝ちを優先するあまり絶対エースに依存する傾向がありました。私も世間もそれに対しては異論を唱えていましたが(「タイブレーク!」)、一人に依存するのではなく、複数投手を前提とした戦術を組むことが当たり前になってきたのだとしたら、喜ばしいことですね。
ただし、そう結論づけるのは早計で、一つ目の記事と二つ目の記事は同根の問題の可能性もあります。つまり、投手力が弱く、絶対エースがいないため、複数の投手で継投しているのではないかとも考えられます。逆に、優勝候補の筆頭の東海大相模は、全国レベルの2枚看板だけでなく、3番手ですら他チームのエース級という優秀な選手を集めているがゆえに使い分けが出来るとも言えます。
勝つことを至上命題としている中で、投手の酷使をしないとなると、今年の東海大相模のように他でも十分エースになれる優秀な投手の囲い込みにもつながりますし、絶対エースが一人しかいなければ、やはりその投手に依存してしまう(今年で言えば、秋田商の成田投手)ということがでて来てしまうような気がします。
これを解決するには、WBCほどガチガリでなくてもいいと思いますが、タイブレーク制導入や、やはり何らかの球数制限導入が必要なのではないかと思います。
松坂や、斎藤佑樹対田中将大の延長戦での投げ合いは、観る者の心を打ちましたが、その代償として、選手生命を縮めているとしたら、それこそ本末転倒です。以前よりは少し前進していますが、この国民的行事を意味のあるものとして残すためにも、もう一歩進んだ取り組みを期待したいですね。