まるで居直り強盗です。昨日、野党から提出された内閣不信任案に賛成を表明していた民主党議員に大義があったとは思いませんが、総理の資質、否、人間の資質も疑われる菅氏のこれ以上の続投は百害あって一利なしですから、それはそれでいいと私は思っていました。
ところが、今日の採決前の民主党内の代議士会で、「震災対応への一定の目途をもっての退陣表明」をしたことから、一転、不信任案に賛成する意向を示していた小沢グループは自主判断となり、大差で否決されました。
マスコミは一斉に「退陣」の報を飛ばしましたが、時期を明言せず「先頭に立たせていただきたい」などと発言し、「ひょっとして居座りでは…」との疑念がもたれていましたが、今夜の会見を聞く限り、やはり居座りだったことが明らかになりました。この男はどこまで厚顔無恥なのかと思います。二次補正予算の成立、復興後の新しい社会のあり方の検討(これってどこで一定の目途がつくのか)、さらには原発事故の収束(これだってもはや誰も想像がつかない深刻さじゃないですか)の目途がつくまでやるつもりだと述べました。これでは退陣表明でも何でもありません。
今日の「退陣表明」を受けて翻意した民主党議員に対して「大嘘」をついていたことになり、今後の紛糾は必至です。さらに、内外に退陣を表明した首相に対し、求心力はなく、ただでさえ弱体化した内閣は死に体になります。内政外交とも停滞は必至です。それで、どんな責任を果たしていくというのでしょうか。
全力をあげて復興にあたらなければならない時に、この人の言動でどれだけの時間を浪費してきたのでしょう。初動段階でのパフォーマンス視察、東電に乗り込んでの恫喝、注水中断問題、ひきこもり報道、パフォーマンス視察、対策会議乱立問題、浜岡原発横取り会見、etc.etc.。そして、今日再び居座り表明をして、またまた多くの時間を浪費すること必至です。本当にもううんざりです。顔も見たくありません。
この恥知らずな人は、どうも後世に名を残したいと思っている節がありますが(既に悪名高さで、十分に後世に名を残していると思いますが)、そのためにはたった一年で辞めるわけにはいかないんでしょう。そういう誇大妄想の一念だけが肥大化しているような気がします。小沢グループを嫌悪している現政権に近い面々だって、本気でこの人を支えている人はいないでしょう。だったら、本気でこの人をいさめたり、気づかせる行動をとるべきでした。
自民党政権末期もひどかったですが、本当に世も末です。