ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(47)

2007-11-23 07:50:24 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠   加納みゆき :京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、奈良の旅館「吉野屋」で働く
葵   松原千明 :竹田家の長女(立花家には帰らず、中之島病院で看護婦見習い中)
桂   黒木 瞳 :竹田家の二女

智太郎 柳葉敏郎 :悠の初恋の人。沢木雅子の兄、帝大医学部を休学し入隊志願
義二  大竹修造 :桂の夫(婿養子)

秋子  三木美千枝 :喜一の浮気相手の連れ子、吉野家の養女となる
おばさん 中村廣子  智太郎のための千人針に協力してくれた

子供   大野 瞳 :疎開してきた子どもたち
      坂口弘樹 :疎開してきた子どもたち
      広瀬 修 :疎開してきた子どもたち
      福岡由美 :疎開してきた子どもたち
      松本 淳 :疎開してきた子どもたち

弥一郎 小栗一也 :雄一郎の祖父、お常の実父
雄一郎 村上弘明 :毎朝新聞の社会部記者、「吉野屋」の息子で「おたふく」の常連
お常  高森和子 :奈良の旅館「吉野屋」の女将、雄一郎の母

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

智太郎は、吉野家に宿泊した。
悠の作った夕食を食べながら話しをする二人

     ベートーベンが流れている

「ホンマに父に会わはったんですか」
「ぅん。お父さんに許しをいただいた時は本当に嬉しかった。
なんでもっとはやく勇気を出して会いに行かなかったかと思ったよ」
「けど商売ができんようになった今やから、許してくれたんと思います」
「そうかも知れないけど本当は優しい人なんじゃないかなぁ。
 仕事が人間をかえることだってある」
「うちはホンマに店を継がんで良かった。智太郎さんを好きになって良かった」
「(ぅん)君の作った料理を食べてベートーベンを聞く。こんな生活がしたかった。
 もう思い残すことはないな」
「いやです。そんな言い方、いやです」
「悪かったよ」
「今度お会いできる時はこの続き。そう思うことにします」

廊下で秋子が聞き耳を立てている。

「どんなに世の中が変わっても、この続きがある、そう信じていていいんですね」
「僕も信じていているよ」

お常がそっと秋子を襖からひき離す。

「あの人、お姉ちゃんの好きな人やろ?」
「そうや。そやさかい、そっとしといてあげんのやで」
「今晩お姉ちゃんあの人とずっと一緒やの?」
「そうやで。 はいはいもう遅いからな。はよ降りなさいて」

雄一郎が帰ってきて「表まできこえるやないですか」と蓄音機を止めた。
「こんな時にベートーベンやなんて」

「何をするか! せっかくお客さんに聞かせておるのに」と弥一郎が出てきた
「警防団の人に聞かれたら、後がうるさいんですよ」
「雄。 お前ちっちゃい時から西洋音楽が好きだったのを忘れたのか」
「今だって好きですよ。
 でもね、ジャズレコードやアメリカの音楽が禁止されている中、
 いくらドイツの音楽だって、軍歌以外の音楽はアメリカの音楽だって思われるんですよ」

雄一郎はレコードをしまった。

「お前も随分と人としての当たり前な気持ちを無くしてしまったのぅ」
「そうしないと、戦意高揚の記事が書けません」
「顔も随分と優しさがのうなって来た」
「参ったな。
 でもねおじいちゃん。走り出してしまったんだ。途中でやめられないよ」

秋子が出てきて 「お兄ちゃん、お姉ちゃんの好きな人、来てはるんよ」と教える。
「音楽のわかるええ人や」とちくっと言う弥一郎

「秋子、もう寝ろ!遅いから」と雄一郎は板場に行った。

「母さん、なんか食うもの、ある?」
「お帰り。またなんかありましたんか」
「ふぅ」と座り込む
「悠のことが気になって帰ってきたんですやろ?」
「奈良に取材があって、腹が減ったから寄っただけです」
「私にまでウソつかんかてよろしい」
「本当ですよ」
「雄一郎。何で沢木さんが明日入隊しはること母さんに言うてくれへんかったんや?」
「わざわざ言う必要もないでしょう」
「ホンマは悠を沢木さんに会わせとうないんやな。あんた悠のこと好きなんやな」
「冗談やない。僕には責任があっただけです。
 しかし沢木君に会ったんなら僕も責任を感じることはない。僕は帰ります」
「雄一郎。ご飯ぐらい食べていきなはれ」


悠がちょうどお膳を下げてきた。

「雄一郎さん。ありがとうございます。
 私がここにいること智太郎さんに教えてくれはったんですね」
「当たり前のことをしたまでだ。君があれほど待った人なんだからな」
「はい、今日のこと私一生忘れません。」
「母さんはよ頼む。急ぐんやから」

「お食事でしたら私やります」と言う悠に
「悠、あんたあの人のそば離れんとき」とお常。
「いいんです」
「悠さん、たまに帰った時ぐらいお袋の味が食いたいんだよ」と気を使う雄一郎
「はい」

「それから沢木君には俺が帰ってきたこと言うなよ」
「何で?」
「何でもいい。はやく行ってやれ」
「はい。女将さん、後片付けは私がしますし」
「はぁはぁ」

悠はまた二階へ上がり、布団の準備をした。
「お休みやす。明日は7時にお立ちですね」
「‥‥」智太郎は窓の外を見て、悠の方を振り返らない

汽車の音がする

部屋を出ていく悠の背中に智太郎は言った。
「‥‥お休み‥‥」

おじぎをして部屋を出た悠。 最後の夜にお互いを見詰め合うことはなかった‥


外の畑に出て思いを馳せ、智太郎もまた布団に転がり考えていた‥‥

     ( あ 智太郎もO型だ  胸の名札)


翌朝、
出発の日は教えられない、妹が去年嫁に行った と話をして、
固く握手だけして智太郎は経って行った。



悠はチョッキの千人針を作っていた。
子どもたちに「胸も背中も守れるやろ?」と説明して、お常に最初の一針を入れてもらった

「今からで間に合いますかいな」というお常に
「間に合わせます。あの人と一緒に行けんのはこれだけですから」
「心込めて刺さしてもらいました」
「おおきに」
「あ、悠。 胸のとこにな、5銭玉と10銭玉縫いつけときなさい。
 5銭は死線を越えるって言うしな、10銭は苦戦を越える言うて、
 みんなそないしてはりますのや」
「これ誰にあげるの?」京子が聞いた
「お姉ちゃんの一番大事な人に」


子どもたちと散歩しながらもご婦人に頼む悠。
大佛餅製造所の垂れ幕の下で、
子どもたちは一列に並んで「お願いします」と声をだしてくれた。

吉野屋の前でも立つ悠。どかのご婦人が千人針をしてくれる
「ここの部隊に行ってはるお人のなら、はよせんと間に合いませんで」
「え」
「なんやすぐにも立ちはる様子や」
「ホンマですか」
「ご無事をお祈りしています」
「ありがとうございました」

ちょうど帰って来た秋子に女学校で千人針を頼んでくれないかと 頼むが、
秋子は自分は他の人のやってあげてないし無理やわ と断られた。

「おたふくの女将さんに頼みに行きたいけど子どもらのこと、ほっとけないし」
と悩む悠。
するとお常が
「悠、虎年生まれやったな。
 虎は千里行って千里帰る言うて、虎年生まれの女は自分の年だけ千人針させますのや」と教えてくれる。
「ほな19も」
「いや、しかしぎょうさん残ってるわな。
 子どもらのことは私と秋子に任せて大阪のお姉さんのところに行って来なはれ」
「え」
「病院だったら看護婦さんもぎょうさんいてはるし、なんとかなりますやろ?」



竹田屋では、桂が着物を着て外出するらしく、義二はいい顔をしない。
「もんぺも穿かんといい身分やな。こんな時に遊びに行くやなんて。
 こっちは毎日お国のために働いてるっちゅうのに」
「遊びに行くのと違います」
「悠さんのことがそんなに心配やったら直接会いに行ったらええやないか。
 なにも葵姉さんのとこに行くことあらへん」
「うちは悠と智太郎さんがちゃんと会うて、将来の約束したかどうか、
 それが心配なだけや」
「もう大丈夫や。さすがのお父さんも、もう悠さんに帰ってくれとは言われへん」
「悠が喜んでいる様子を葵姉ちゃんに聞きたいのや~。行ってもよろしいやろ?」

「おはようお帰りやす」



悠が防弾チョッキみたいな千人針を持って葵に会いに来た。
「何であんなん思いついたんえ?」
「智太郎さんにどうしても生きて帰って欲しい思うたら、あんなんできてしもうたんや」
「うちのおかげやな。それを忘れたらあかんえ」
「はいっ。もう大阪には足を向けて寝られません」

笑いあう二人



「桂?」
「桂姉ちゃん」


久しぶりの三姉妹だった


(つづく)
 


どうしてギバちゃん、何もしないの~~~~~~~、
せめてぎゅっとだきしめて~
握手だけで入営するなんて~~~

桜子なんか、ボタンをはずしたんだぞ~ 
(どうしても時代も同じだし、三姉妹の末っ子だし で、引き合いにだしてしまうわ)

ああ、でもそれがギバちゃん じゃない、智太郎なんだわ~~ 



『ちりとてちん』(47)

2007-11-23 07:41:24 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻り、塗箸職人に
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟
徒然亭草々  青木崇高 :元落語家・徒然亭草若の二番弟子
和田友春    友井雄亮 :和田エーコ(清海)の兄、若狭塗箸製作所の跡継ぎ
和田正平   橋本 淳 :喜代美の弟
和田喜代美(幼少・回想) 桑島真里乃 :小学校3年生の喜代美
和田正平(幼少・回想)  星野亜門  :小学校1年生の喜代美の弟

       佐藤 浩 昭和43年10月6日小浜市民会館で、
                     正太郎に録音テープが欲しいと頼まれた職員
       田代寛之 喜代美を往診した医者

       NAC
       舞夢プロ
       劇団東俳
       ひまわり
       グレース
       キャストプラン

和田正太郎 米倉斉加年 :喜代美の祖父(故人)、塗箸の名職人で落語好き。
和田小梅  江波杏子:喜代美の祖母、もと芸者
徒然亭草若 渡瀬恒彦:元天才落語家。徒然亭一門会の後、高座復帰を宣言。


゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜・。+☆+。・゜

独学で落語のけいこを始めた喜代美(貫地谷しほり)だが、無理がたたりカゼをひいてしまう。喜代美は熱でもうろうとした意識のまま、亡き正太郎(米倉斉加年)との思い出の落語のテープを聴きつづけるが、ついに倒れてしまう。そこに突然、福井から正典(松重豊)が現れる。寝込んだ喜代美の看病をしつつ、正典は草若(渡瀬恒彦)に思いがけないことを頼む。



今日もじんわり涙

第一回から出てきたあの落語のテープが
( 昭和43年10月3日 小浜市民会館 と第1話から、しっかりラベルが映っていた)

こ~~んなふうにつながっていたなんて
( 感情移入度が低いと、 そんなに偶然ばかり! ってなるかもしれないなぁ~ )


お父ちゃんが師匠さんに、喜代美の弟子入りを「お願いします 」と頼んだ時
それを見ている草々さん‥。

 中学校で弟子入りしたという草々さんの、お父ちゃんはどんな人でしたか~

と、ちょっと思った瞬間。






 おっきい喜代美ちゃん(貫地谷しほりちゃん)、正太郎おじいちゃんと共演できて
良かったね~~。(一瞬だったけど)

回想シーンなんだけれど、ちっちゃい喜代美じゃなくて、今の喜代美があの仕事場にいる‥
じんわりでした

おじいちゃんとの共演、チビ喜代美ちゃんばっかりずるい~ って、
貫地谷しほりちゃんが言ってたのを どこかで読んだので。