ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(53) ★昭和20年1月3日、大阪の空襲

2007-11-30 07:58:02 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠   加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、奈良の旅館「吉野屋」で働く
葵   松原千明 :竹田家の長女(中之島病院で看護婦見習い中)
桂   黒木 瞳 :竹田家の二女

和雄の母 藤田千代美  大阪から子どもを迎えに来た
政子の父 松本圭昌  大阪から子どもの様子を見に来た

京子   大野 瞳 :疎開してきた子どもたち
和雄   坂口弘樹 :疎開してきた子どもたち
勝之   広瀬 修 :疎開してきた子どもたち
政子   福岡由美 :疎開してきた子どもたち
真     松本 淳 :疎開してきた子どもたち
きみ子  池ノ内美紀 :疎開してきた子どもたち
ふじ子  藤見ゆかり :疎開してきた子どもたち

      そとばこまち

弥一郎 小栗一也 :雄一郎の祖父、お常の実父
お常  高森和子 :奈良の旅館「吉野屋」の女将、雄一郎の母

巴     宝生あやこ:三姉妹の祖母、静の母  前回は 10月23日(20話)
市左衛門  西山嘉孝 :「竹田屋」の主人、三姉妹の父(婿養子)
静     久我美子 :三姉妹の母、市左衛門の妻

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

昭和19年10月、ガム島の玉砕が報道された後、ついに神風特別攻撃隊が出撃、
11月には東京がB29に初めて爆撃されました。

そして昭和20年1月3日、大阪も空襲を受けたのです。



悠は、葵の勤める中之島病院を呼び出して貰おうと電話するが繋がらない。
ラジオでは大したことはないと言っていたが悠は行かせてほしい、
姉が元気だったらすぐに帰ってくるから‥と、お常に頼んだ。

「こんな時に雄一郎がいたら助かるのにあの子は手紙の一つもくれんと、
 日本にいるのか戦地にいるのか‥‥もう」とお常

弥一郎はここでイライラしててもしょうがないから行って来なさいと言った。


京都でも、桂が行かせて下さい、葵姉ちゃんが元気やったらすぐに帰ってくると、
母・静に頼んでいた。

しかし、静は端切れを縫いながら何があったら立花さんからなんぞ知らせがあると言う

(あ、静はB型だ)

桂は、葵は立花の家を出て一人で働いているのだから、いつ空襲があるかわからんし、
京都に帰るように言ってもよろしいやろ と更に頼む。
が静は、葵の帰る所は立花さんどす、竹田屋の娘ではない、立花さんの嫁だと譲らない。


市左衛門が謡っているのも気に入らない桂は
「葵姉ちゃんが生きてるか死んでるかもわからんのに、
 ようそんなぬかみそが腐るような声を出していられますなぁ」と辛辣

「お前もえらいキツい女になってしまいましたなぁ」

「お母ちゃんがあまりにも頑固モンやから」
「お母ちゃんは昔から頑固もん6どす。だから竹田屋の女主人が務まってきましたんや」

そして、大阪行きは、今、自分は隠居の身だから、義二が良いと言えば見に行っても良い
と市左衛門は許した。

「葵が帰りたいなんて言い出したらどうしはりますの」
「桂もお前に負けないぐらい大人しそうに見えて頑固もんやからええ勝負どすなぁ」
「葵のことも心配やけどほんまは悠のことも心配なんどすやろ?
 葵を呼び戻して悠の居所を聞いたら、今度は自分で悠を迎えに行っておくれやっしゃ」

誤魔化すように謡いなら出て行く市左衛門

「頑固もん同士仲直りさせるには色々回り道せんといかん。まだまだ女主人は譲れまへん」


市左衛門は巴の部屋でお茶をいただいていた。

「いよいよあきまへんな、お義母さん‥‥」
「そうどすか。あきまへんか」
「‥‥どないなことになりますか」
「せやけど京の街は何度も焼かれて来ましたやおへんか。大昔から」
「今度は異人さんどすさかいになぁ。色々と覚悟もいります」



大阪の中之島病院では、桂と悠が会えていた。
空襲警報発令~~~ と聞こえる中、葵がやって来て
「防空練習や、すぐ裏の防空壕に来て!」と連れて行く。

防空壕の中で、なぜかのんびり話をする三姉妹

「お父ちゃん、そんな弱くなったんか?」
「ふりをしてるだけや」
「けど葵姉ちゃんがここにいるおかげで桂姉ちゃんとも会えるし」
「ほんまや、うち悠が来てると確信してたわ」
「ちょっとあんたら~? うちのこと心配して来てくれたんと違いますのん?」
「大阪に空襲があったって聞いた時はそれはもう心配で心配で」
「葵姉ちゃんのことやから大丈夫やとは思ったけどな~。
 元気な顔、見ぃひんとじっとしてられへんしな」
「おおきに。うちはどんな空襲におうても死なへんえ。
 死んだら今まで何のために苦労したかわからへんもん」
「葵姉ちゃんやったら爆弾の方で逃げてしまうな」 悠はのんきに茶化す
「ほっといて」

「せやけど、うちほんまに安心したわ~」
「でもな、あんたこれから空襲の度に来てくれんでも、ええで」
「ほんまは来てほしいんやろ?」
「相変わらずいけずやな、桂は」
「けどな、葵姉ちゃん、ほんまに危ない時は京都に帰りよし。
 今に大空襲が来るいう噂やし」
「悠、あんた何かあったさかいて京都帰れるか」
「‥‥」
「せやろ? 
 そりゃお父ちゃんとお母ちゃんの顔は見たいけど、逃げて帰れるとこと違うもん‥‥」
「うん‥‥うちにもうちの仕事があるし」
「な。せやし桂、あんた頑張って時々は京都の様子知らしてな」
「うん‥‥けどほんまに困ったら、帰って来てもええのんえ。葵姉ちゃんも、悠も。
 食べるもんはないけど寝るとこはいっぱいあるし、いつでも置いてあげるえ」
「おおきに。竹田屋の若奥さんは優しい人やし、助かるな」
「ホンマやわ」

「警報解除~~~」との声が聞こえてきた。

葵は仕事に戻った。


この時はまだ人々は本当の空襲がどんなものか知りませんでした。
しかし 3月13日の夜半、B29、274機が大阪を攻撃を仕掛けたのです。

(とナレーション)

吉野屋から、大阪の方角の空が真っ赤なのを見る子どもたち‥‥

「お母ちゃん‥‥」

数日して、和雄の母が吉野屋を訪れた。「和雄ちゃん、和雄ちゃ~ん」悠は声をかける

和雄は2階から走り降りて来た。「お母ちゃん!」


和雄を抱きしめながら話をする和雄の母

「空襲警報からあっという間でした。防空壕なんか何の役にもたちまへん。
 目の前にひゅうひゅうって焼夷弾が落ちて来ますねや。
 子どもの名を叫ぶ人が火の海の中、あっちいったりこっちいったり‥‥。
 燃え落ちた柱の下敷きになっている人見ても助ける方法もありまへん。
 着のみ着のまま、火から逃げるのが精一杯。 地獄でした」

言葉にならない‥‥悠たち

「中之島病院はどうなってますのやろ」
「私は詳しくはわからんですけど何や大変だったみたいです。
 コンクリートだけ残ってるらしい」

悠はいてもだってもいられず、立ち上がった。

「悠!」
「いいえ行きます」
「2~3日したらわしも一緒に行く、待ちなさい」


「ごめんください」と声がした。

「あ、お父ちゃんや!」 駆けていく政子 声でわかるのね

政子をだきしめる父。
「お母ちゃんは?よっちゃんは?」と聞くが 「私が工場から帰ったらもう‥‥」

「どうぞ上がって下さい」と悠が言ったが
政子の父は 政子の顔だけ見に来て、
家族を探しに大阪に戻る、2~3したら必ず迎えに来るから待っといてと言って、
吉野屋を後にして行った。


京子は「うちは誰も迎えになんか来てくれん」

悠は「お姉ちゃんがずっとそばにいてあげる」と、
京子と残された政子を抱きしめてやるだけだった。


電話が鳴った。

それは京都からの葵の安否確認で、京都にも連絡はないらしい。
市左衛門が自ら「ワシが行く」 と言ったと桂は電話を切った。


悠には父のうろたえる様子が手にとるようにわかりました。
でも今は葵の無事を祈るしかなかったのです。
(とナレーション)




巴おばあちゃま、お元気だったのね。 
スペインに行ってたってわけじゃなかろうが 


『ちりとてちん』(53)

2007-11-30 07:39:13 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり 
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻り、塗箸職人に
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟糸子
和田秀臣    川平慈英  :大手の「若狭塗箸製作所」社長。友春・清海兄妹の父
熊五郎     木村祐一 :酒場「寝床」の店主
磯七      松尾貴史 :散髪店(磯村屋)の店主。酒場「寝床」の常連
徒然亭草々  青木崇高 :落語家、徒然亭草若の二番弟子
徒然亭小草若 茂山宗彦 :タレント落語家、徒然亭草若の実の息子、草若の三番弟子
徒然亭草原  桂 吉弥 :落語家、徒然亭草若の一番弟子。
徒然亭四草  加藤虎ノ介:落語家、徒然亭草若の四番弟子。中国料理店「延陽伯」でバイト中?
和田正平   橋本 淳 :喜代美の弟
野口幸助   久ヶ沢 徹 :「魚屋食堂」の店主、順子の父。
咲       田実陽子 :酒場「寝床」の店主・熊五郎の妻

       NAC
       日本芸術センター

和田小梅  江波杏子:喜代美の祖母、もと芸者
徒然亭草若 渡瀬恒彦:元天才落語家。徒然亭一門会の後、高座復帰を宣言。


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喜代美(貫地谷しほり)の最初のネタは、「ちりとてちん」に決まった。しかしただでさえ不器用な喜代美にとって、ひとりで二役を演じ分け、いくつもの動作をしながらせりふをしゃべり続けることは、無理難題に等しかった。家事とけいこに追われてまたも落ち込む喜代美のもとに、突然小浜から小梅(江波杏子)が現れる。


スペインに ‥‥ 飛ぶのねぇ~ ‥‥