ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(39)

2007-11-14 07:53:59 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠    加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、奈良の旅館「吉野屋」で働く

雄一郎  村上弘明 : 毎朝新聞の文芸部記者(姓はヨシノ)、「おたふく」の常連

たみ   町田米子 :「吉野屋」の中居
ジョージ ジェフ・カーソン:秋篠寺の仏像を見ていた外国人
源さん  北見唯一 :「吉野屋」の板さん

刑事   荻原郁三 :ジョージを尾行している刑事
      はりた照久 :ジョージを尾行している刑事

      アクタープロ

弥一郎  小栗一也 :雄一郎の祖父、話がわかる唯一の人間
お常    高森和子 :老舗旅館「吉野屋」の女将、雄一郎の母

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

ジョージは熱も下がりお腹が空いたと言い出す。
看病してくれた悠に
「親しい誰かに似ている。母のようでもあるし、マリアさまのようでもある。
 やっぱり仏像かも」

熱が下がったと聞いたお常は
「盛大に食べさしてやんなさい。
 今日は西川先生もいるし、おじいちゃんにお菓子でもこしらえてもらいましょ。
 それにしても空腹で倒れるやなんて外人さんも意外と弱いもんやな」と笑い出す
「すんません」
「あんたが謝ることと違いますやろ。
 奈良に勉強に来てはるお人はどこの人でも大事にせんとな」

おたみと源さんは、
外を目つきの悪いのがウロウロしている、
外人さんが来てからや、やっぱりスパイやったんや と騒ぐが
「そんな人と違います」と悠はかばう。

それでも、あんたに何がわかる、出ていってもらった方がいい と言うが
「いっぺん部屋に上がってもらったら、お客さん、お帰りになるまで心を尽くすのが
 あたしらの仕事と違いますのか」とお常

それでもおたみは、「外人さんが泊まってると思うと気色悪うて」



ジョージの部屋では、弥一郎と悠が、話をしていた

「悠さんが仏さんになぁ」
「そんなもったいない、バチがあたります」
「人間てやつは困った時に助けてもらうと、誰でもその人が仏さんに見えるもんや」

が、ジョージにはわからなかった「チャントセツメイシテクダサイ」

「悠さんは、あなたにとって、マリアさまのように、見える。

 Miss Haruka looks just like the Virgin Maria to you」

「サンキュー、オジイサンのエイゴはジョウズだー。
 ハルカサン?」
「イエス?」
「My name is George」
「ジョージさん」
「My name is Yaichi」

正座して、日本式にお辞儀をしあう2人。

「おじいちゃん、どこで英語勉強しはったんですか」
「これでも英語の先生になりたいと思ったことがあった」
「ほんまですか」
「ばぁさんに惚れられたのが間違いやった」と笑う

「ナンデスカ?」

「私は妻に惚れられて、この家の婿養子になった。
 だから英語の先生になれなかった。彼女は悪い妻だ。

 The daughter of this family love with me and she asked me to ‥‥ 」
と説明する弥一郎。
「She was a bad wife」

「NO~! コンナニ  カワイイ ムスメサンガ アル。Good wife 。」
「いや、違うんだ」と弥一郎。
「私は、このホテルのメイド。I'm a maid in this hotel 」
「メイド?」
「イエス 」
「シンジラレマセン ホントデスカ? 」とジョージ


「男の人に仏さんと思われたらあんたもこで働く資格ができたというもんや、
 お常に言ってやらんと」
「ほんまですか」


刑事たちが物陰伺っているとは知らずに、雄一郎が帰って来る。

「ただいま」と、板場を覗く。
「坊ちゃん、お帰り~」と、おたみ
「何ですか雄一郎、あんた、また帰って来ましたの」
「悠さんは?」
「心配ですか」
「明日休みだから1日ゆっくりしようと思って」
「へぇ~今までそんなこといっぺんでもおましたかな」
「いいじゃないか、たまには。悠さんどこ?」 つまみ食いする雄一郎
「うん、ちゃ~んとお客さんの相手してはります」
「じゃあ、もう働いてるんだ」
「悠さんが初めて連れて来たお客さんやしな」
「誰? 男の人?」「うん」
「なんや、あの男にもう知らせたのか。
 誰にも言わないなんてしょうがないね、女ってやつは」

お常が、お膳を持って客室に行くと、興味津々のおたみが聞く。

「あの男の人って悠さん前から知ってはる人ですか?」
「初恋の人だよ」
「えぇっ? あの外人さんが」
「外人さんて何だよ」
「悠さんのお客さんは外人さんだすがな。あれが初恋のひと‥‥」
「ちょっと待って、説明してくれ」


その時、ジョージと悠は弥一郎から、仏像の説明をうけていた。

「仏像は、
 如来-にょらい-さん(格好を真似る)、菩薩-ぼさつ-さん、
 明王-みょうおう-さん、天部-てんぶ-さん この4つに分けられる。
 その中で一番位が高いのが如来さん。
  頭の上にこぶがあって、髪の毛は巻き毛のつぶつぶや。

 釈迦如来は慈悲と知恵の仏さん 薬師如来は病を治すと言われている。
 
 見る人の心を優しゅうしてくれるのが弥勒菩薩、いつもこうして(格好を真似る)考えていらっしゃる」


「おじいちゃん」 雄一郎がドスドスと入って来る。

「一体これはどういうことですか。
 こんな時に外国人を泊めたらどういうことになるか、おじいちゃんならわかっているでしょう。
 外国人国外退去命令、ってのが出てるんですよ。
 大使館関係者以外の人間は、すぐに本国に帰らんといかんのです。」
「そのぐらいのことは知っておる」
「許可のない外国人を泊めたら、泊めた方も捕まってしまうんですよ」

「すんません、うちがお連れしち人なんです」とハルkが言うのを聞いて
「ちょっと‥‥」と悠を廊下に連れ出す雄一郎。

「いくら君だって、今日本とアメリカがどういう状況にあるか、少しぐらいわかっているだろう」
「‥‥」
「すぐに帰ってもらった方がいい」
「そんな。あの人はまだ熱が下がったばっかりです」
「じゃ警察に電話して引き取ってもらおう。いや、もう尾行が付いている筈だ。
 病気が治るまで置いてあげたってことにすればいい」
「あの人は奈良の仏像を見に来はっただけです。スパイなんかと違います」
「例えそうでも人はそうは思わないよ」

声に気がついたらしいお常が二階に上がってくる。

「雄一郎、他にもお客さんいはりますのやで」
(えっ、どこに?  旅館ものはあまり他のお客さんがいるかわからない)


「なんだよ母さんまで。あんな人泊めるなんてどうかしてるよ」
「どないもしてません、ただのお客さんや」
「アホなことを。母さんまでスパイだって言われるんだよ?
 宿の営業まで危うくなる。僕はそれを心配してるんだ」
「そらなぁ、スパイを泊めたらそないなことになるかも知れません。
 けどあの人は違います」
「どこが違うんだ!外国人を泊めてはいかんと言ってるんだ」
「多分な、あのお人は学生さんや。日本の美術を勉強しに来てはるんです」
「ハーバード大学留学生、東洋美術史研究、ジョージ。1919年生まれ22歳。
 宿帳にも書いてあります 」
「そういう留学生こそ、早く帰れと本国は言ってるんだよ」
「アメリカに帰る前にどうしてももいっぺん奈良の仏像見ときたかったて。
 そんなにまで奈良を好きな人を追い出すなんてひど過ぎます」
「一度スパイ容疑をかけられたら、何かある度にに疑われて、お客まで来なくなるんだ!」
「雄一郎。ここへ来はるお客さんはな、みんなあたしのことを信じてくれはるお人ばっかりや。
 そんなもんが怖くて長年この商売やって来たと思うてはるのか?」
「ふー」
「雄一郎、そんなにこの商売のこと心配してるとは思わなんだ」
「商売のことと違う。母さんのこと心配してるんや」
「おおきに。けどなこれは悠さんの仕事や。気の済むまでいてもらいす」

階段を降りていくお常、それから雄一郎。


悠は雄一郎が寝転がっている部屋(雄一郎の自室?)に行く

「すんませんでした。えらそうなこと言うてしまって」
「僕には君の怒った顔が阿修羅に見えた」
「仏像は見る人の心でいろんな風に見えるんです」
「じゃあ僕も阿修羅だって言うのか?」
「今日の吉野さんは阿修羅に見えました」
「人間はいざとなったらそうなるということがわかったよ‥‥。
 オレは自分の身を守りたかったのかも知れない。
 新聞社にいて軍部の力、有無を言わさない官憲の圧力をこの目で見てるからな。
 もしお袋がスパイ容疑で捕まったら、オレも働けなくなる」
「そうなったらここへ帰って来はったらよろしい」
「人のことだと思ってあっさり言ってくれるなよ」
「すんません。けど吉野さんにはいざとなったら帰るところがあんのやし、
 あんな立派なお母さんがいはります。」
「立派だと思うか」
「(うん。)
 最初は冷たい人かと思いましたけど、ただ働くだけが能やないってことも、だんだんわかってきました。
 人の心がわかるには勉強せんといかんのですね」
「君はたいした人だ。急に大人になったみたいだ」
「大阪で吉野さんに言われたこともようわかります。」
「オレ何を言ったかな」
「勉強して、自分の目でモノを見るようにせんといかんって」
「そんな偉そうなこと、言ったっけ」
「はぃ、もう帰るとこもないようになってやっとわかりました」

「この間、葵さんの病院に呼ばれた。
 君がいなくなったこと、どうして教えてくれなかったと怒られた。」
「すいません」
「葵さんには京都には言わないという約束で、君がここにいるということだけ話しておいた。
 ‥‥京都のお姉さんが、君がお父さんに書いた手紙、読んでしまったらしい。」
「桂姉ちゃんが どんな思いしはったやろ」
「それが、何が何でも竹田屋を継ぐから京都へは絶対帰ってくれるな
 ということだったらしい」
「‥‥」頷く悠


しゃべっている所にお常が来る

「悠さん、明日から表の掃除頼むわな」
「ぇ?」
「人さんから仏さんに見られるようになったら、もう一人前や」
「それは‥‥ジョージさんの目が悪いんです」
「あ~そやろな~、あはは。
 いやぁ、でもななんぼキレイでも優しさがないと仏さんには見られんもんですよ。
 それに比べて雄一郎。
 あんたいつまでたっても自分のことしか考えてられへん子やな」

はぁ~っとため息をつく雄一郎だった。




ジョージはん! 悠が大仏さまに見えたとは!
加賀美屋に行ってカツノ大女将と、夏美に会ってみてくださいな~


『ちりとてちん』(39)

2007-11-14 07:43:11 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻り、塗箸職人に
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟
緒方奈津子  原 沙知絵:塗箸の取材に来た、フリーライター
徒然亭草々  青木崇高 :元落語家・徒然亭草若の二番弟子
熊五郎    木村祐一 :酒場「寝床」の店主
菊江      キムラ緑子:「菊江仏壇店」の女主人。酒場「寝床」の常連
徒然亭小草若 茂山宗彦 :一応落語家・徒然亭草若の実の息子、草若の三番弟子
徒然亭草原  桂 吉弥 :元落語家・徒然亭草若の一番弟子。「おとくやん」の店員継続中?
徒然亭四草  加藤虎ノ介:元落語家・徒然亭草若の四番弟子。中国料理店「延陽伯」でバイト中?
和田正平    橋本 淳 :喜代美の弟
咲        田実陽子 :酒場「寝床」の店主・熊五郎の妻
吉田志保   藤吉久美子:草若の亡くなった妻
和田小梅   江波杏子:喜代美の祖母、もと芸者
徒然亭草若  渡瀬恒彦:元天才落語家。今はのんだくれている


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草々(青木崇高)たちの落語会に喜代美(貫地谷しほり)は手打ちそばを出すことに。だが、突然熊五郎(木村祐一)が店を貸せないと言いだす。落語会を妨害しようとした小草若(茂山宗彦)の仕業だった。小草若はかつて母親の志保(藤吉久美子)が病床についた時、草若(渡瀬恒彦)が見舞いにもこず、一門会をすっぽかして別の女の元に通ったことに深く傷ついていた。草若は毒づく小草若に向かい「おれは二度と高座には戻らん」と告げる。



後半‥‥! (≧∇≦)! (≧∇≦)! 

小浜ご一行さま~~

糸子はん、やっぱり母は、あれでわかるのよね~~~