ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『都の風』(40)

2007-11-15 08:00:06 | ★’07(本’86) 37『都の風』
脚本:重森孝子
音楽:中村滋延
語り:藤田弓子

   出 演

悠    加納みゆき:京都の繊維問屋「竹田屋」の三女、奈良の旅館「吉野屋」で働く

雄一郎  村上弘明 : 毎朝新聞の文芸部記者(姓はヨシノ)、「おたふく」の常連

喜一   桂 小文枝 :雄一郎の父
たみ   町田米子 :「吉野屋」の中居
秋子   三木美千枝  喜一が連れて帰って来た、隠し子(雄一郎の異母妹)12歳
ジョージ ジェフ・カーソン:秋篠寺の仏像を見ていた外国人
源さん  北見唯一 :「吉野屋」の板さん
西川先生 岩田直二 :「吉野屋」に宿泊中の美術史のえらい先生、お帰りになる。

刑事   荻原郁三 :ジョージを尾行している刑事
      はりた照久 :ジョージを尾行している刑事

      アクタープロ

弥一郎  小栗一也 :雄一郎の祖父、話がわかる唯一の人間
お常    高森和子 :老舗旅館「吉野屋」の女将、雄一郎の母

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 
アメリカの青年を吉野屋の客として、心を尽くして世話をした悠はお常から合格点をもらい、やっと働くことを許されました。



しかし刑事たちはまだ吉野屋を見張っていた。

ジョージの部屋にお膳を運ぶ悠、ジョージはすっかり体調が戻っていた。

「ボクニハ、キョウ、イチニチシカ ナイ。
 ドウシテモ ブツゾウヲ モウイチド ミテオキタイ」
「はい。その前にお食事しましょ。具合が悪ならはったらはよ帰ってきて下さいね」
「イタダキマ~ス」

悠からお弁当を渡され、ジョージは「やっぱり仏さまだ」と出かけ
「行ってらっしゃい」と見送られるが、刑事たちに尾行されていた

宿泊していた西川先生も「来月また来るよ」と帰って行く。

見送るお常と悠。(コノ加賀美屋のように立ったままではない)

「あんた今まで旅館で働いたことなんかないのやろ?」
「はい。でも女将さんのやること見てましたし、大阪でもいろいろ教わりました」
「へえ~」
「帳簿かてつけられます」
「うちは帳簿なんかつけることない、儲けなんかありませんしな」

笑いあう二人

「吉野屋は静かで有名な宿なんやろ?
 朝っぱらからうるさい、この人、クビにした方がいいんじゃないか」と雄一郎が起きてくる。
「すんまへん」
「吉野屋はな、女将の優しい心で有名なんです。
 久しぶりやな~家でこんな若い人、働いてくれるのは」
「吉野さん、いま食事の準備しますから
「その吉野さんってのやめてくれないか」
「はい。 いろいろ文句の多い人ですね、
 大阪にいる時は、猫かぶってはったんですか 雄一郎さん」


「母さん、頼むあの子。もうここしかいるところがないんやから」
「ふん、あんたも優しいとこありますのやな。私には見せてくれたことないけど」
「ここまで連れてきた以上、俺にも責任があるからな」

「な、悠さんの好きな人って今どこにいてるの」
「東京」
「手紙なんか来たことないけど?」
「知らせてないんやろ、ここに来たこと」
「別れるつもりですかいな」
「いや、一生好きな人だそうだ」
「あんたそれでよろしいのか?」
「うるさいな。客にうるさがられるわけだよ」
「ま、あんたも私の息子や。人を見る目はありますな」
「え」
「たまに帰ってきたんならおじいちゃんの畑仕事手伝ってあげなさいよ。
 だんだん食料がのうなってくるんやからせめて新鮮な野菜ぐらいは食べさしたいよってに。ええか」
「あーあ。ほんまに旅館て所は男のいる所やないね。親父の気持ちがようわかる」


さて雄一郎の父、喜一が女の子を連れて玄関で入りにくそうにしている。

「父さん、何してんのや」
「雄、帰っとったのか」
「さっさとあがんなさい、自分の家やろ。母さん、気楽さんのお帰りやよ」
「しーっ、大きな声出すなや」
「どうして。誰?この子」
ばつの悪そうな喜一

「お帰りやす、自分の家やろさっさっと上がってください。
 (女の子を見て)あ~手伝いの女の子やったらいま十分です~、
 せっかくだんさん連れてきてくれはりましたけど」


しかしその女の子は、喜一の子で、その子のお母さんは、逃げ出してしまったのだという。
そやから預かってほしいとのことなのだった。

お常に頼まれて、お茶を出しにいった悠は、いや~な雰囲気なのに気づいた。

しかし、お茶を出しクッキーを出すと、その女の子は早業でクッキーをに手を伸ばし
あっと言う間に食べてしまった。

「お腹すいてるんやな、あとでむすびでも食べるか?」と聞き
「余計なことは言わんでもええ 」と雄一郎に怒られる悠。

しかも、そのまま、そこに座る悠 (まヒロインですし

「この子、いくつですのや」
「12や」
「あっはっは、まぁよく今まで隠し通しはったもんや。あんたにしては上出来や」
「母さん、母さんは認めても僕は認めませんからね。
父さんのこういうだらしない所僕嫌いなんだ」と部屋を出ていた。
「雄一郎さん‥‥」



雄一郎は帰り支度をしていた。悠は、のぞきにいく

「このままで帰らんといて下さい。あの子に罪はないのやし。
 おじさんがかわいそうです、あんな言い方しはったら」
「子どものことじゃない。君の父親かあんなこしたら君は許せるか」
「いいえ、父はあんなことする人と違います。
「君はどんなことがあってもお父さんを信じているんだね。いや愛してるんだ」
「はい、心から憎んだことなんかありません」
「俺の父親は君のお父さんほど立派じゃないってことだ」
「けど優しい人です」
「優しければいいってもんじゃない。早く洗濯もの持って来てくれ」
「やっぱり帰らはるんですか」
「ジョージが帰ってくるまで待ってようとおもったんだが」
「ジョージさんのことなら大丈夫です」
「君は大丈夫でも、どこまで警察が彼を自由にしておくかだ。
 もうすぐ、帰国する最後の船が出るはずだ。
 彼が帰ってくたら必ずその船に乗るように伝えてくれ」
「はい、そのとおりにします。
 せやからせめておじさんを責めんといてあげて下さい。
 私の父はあんなことはしないけれど、今は父が何をしても許せそうな気がします。
 うちの方から縁切り状を出してみて初めて父を好きなことがわかりました。
 せやからゆうて京都には帰りません。けど親子の縁は切って切れるもんと違います」


「名前は?」お常に訊かれても答えない女の子
「秋子、秋に生まれたがら」 喜一
「あんた黙ってて。あんたこの家来るか? それともお父ちゃんと二人で暮らすか」
「お常。ひょっとして別れるつもりか?」
「かっ、そうしたいのはやまやまやけど、女にも逃げられたあんた放り出すわけにもいかんしな」
「そうや。それができるんやったら、今頃連れてきたりしませんがな~」
「ほんっまに気楽さんらしいっ」

ふんっ! とばかりに決して答ない女の子を見ながら、
「ほんまにあんたの子なんやな?」と訊くお常。
「ああ」と、弱気に答える喜一だが、その女の子は喜一を鋭い目つきで睨むのだった。


「母さん、母さんの思う通りにしたらええ。オレがここにいなければいいんやから」

「雄一郎」
「父さん、俺はこの旅館のおやじにはならないよ。惨め過ぎるからな」
「雄一郎。あんたのことは諦めてます。せやさかい今の仕事、一生懸命やんなさい。
 勉強してえらい人になんなさい」


玄関で悠は雄一郎を見送った。

「しっかりがんばれよ」
「はい。時々は帰ってきください。もう会えないなんて寂しいんです。
 一人ぼっちにせんといて下さい」
「俺はいつも心配してる。困ったことがあったら連絡してくれればいつでも来る」
「(うん)」


「大事な息子なくしてまで、よその女がうんだ子、預からんといかんのかね。
 あの子、あんたの部屋で寝かしてやってくれるか」
「はい」
「目の前にいるのも腹が立つし、家のひとにベタベタされのも目障りや。
 さて、ここ水巻いといてや、そろそろお客さんお帰りや」



ジョージが「シャシンモ トッテ キマシタ」と帰ってきたところに警察!
連行されてしまった。


一生懸命振り返りながら、「悠さん、あなたのことわすれません、さよなら」


(つづく)




雄一郎さん(村上弘明さん)が、実家の奈良に帰ってきても、5%ぐらいしか奈良の言葉にならないのは、まぁご愛嬌?

無理にしゃべるよりは、いいってコトだったのかなぁ~

そういえば、スタッフに「方言指導」って方、いないなぁ

『ちりとてちん』(40)

2007-11-15 07:39:31 | ’07 77 『ちりとてちん』
作  :藤本有紀
音楽 :佐橋俊彦
テーマ曲ピアノ演奏:松下奈緒

語り :上沼恵美子

   出 演

和田喜代美  貫地谷しほり
和田糸子    和久井映見 :喜代美の母
和田正典    松重 豊  :喜代美の父、一家で鯖江から小浜に戻る
和田小次郎  京本政樹 :喜代美の叔父・正典の弟
緒方奈津子  原 沙知絵:塗箸の取材に来た、フリーライター
菊江      キムラ緑子:仏壇店の女主人。酒場「寝床」の常連
徒然亭草々  青木崇高 :元落語家・徒然亭草若の二番弟子
徒然亭小草若 茂山宗彦 :一応落語家・徒然亭草若の実の息子、草若の三番弟子
和田正平    橋本 淳 :喜代美の弟

        奥井隆一 

        NAC
        グレース

吉田志保(写真) 藤吉久美子:草若の亡くなった妻
和田小梅   江波杏子:喜代美の祖母、もと芸者
徒然亭草若  渡瀬恒彦:元天才落語家。今はのんだくれている


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落語会の準備を進める喜代美(貫地谷しほり)の元に、小浜から突然、正典(松重豊)ら家族が一同でやってきた。喜代美は早速糸子(和久井映見)からそば打ちを教わり、草原(桂吉弥)は小梅(江波杏子)から三味線を教わる。にぎやかな一同の登場で、冷めていた草若(渡瀬恒彦)と草々(青木崇高)ら弟子たちの距離も縮まり出す。小草若(茂山宗彦)のことが気になる喜代美は、草々に亡くなったおかみさん(藤吉久美子)のことを尋ねる。