サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

新春サモワールお茶会 報告

2013年01月22日 | サモワールお茶会
1月20日(日)午後2時から 「新春サモワールお茶会」が開かれました。

いつもの殺風景なロシア語教室もちょっと華やかなパーティのムードに。


今日のゲストはベラルーシ人のナタリア・アレーシュカさん。
このかわいいチュニックもベラルーシ製とのことでした。


「ロシア語サロン番外編」ですので まずナタリアさんにサモワールの歴史についてお話していただきました。サモワールがロシアで普及したのは約250年くらい前のことでした。サモワールはロシアで発明されたものではありません。最初のサモワールがロシアに出現したのは有名なピョートル大帝(1672年 - 1725年)の時代だったと言われています。オランダが大好きでよくオランダに行っていた彼は様々な面白いもの、便利なものをロシアに持ち帰りました。サモワールの前身となった湯わかしもたぶんその中にあったものだったでしょう。当時はとても高価なものだったに違いありませんが ロシアは寒いので熱い飲み物をしょっちゅう飲む習慣があったことやお茶の普及もあって急速に広まりました。ウラル地方やトゥーラで金属工業が発達するにつれてサモワールは量産されるようになり、様々な形やサイズのものが作られました。また形や装飾に工夫をした贅沢なものもできました。サモワールは便利な湯わかしというだけではなく、家庭の暖かさやくつろぎの象徴でもあります。


お話が終わったところで 今日のお茶菓子のブリヌィを焼くことにしました。初めての人も、経験者もみんな自分でフライパンでブリヌィの生地を焼くのです。


Первый блин комом.(最初のブリヌィはお団子になる。何事も最初には失敗するものだ)というロシアの有名なことわざの通り、薄く焼き過ぎて破れてしまうブリヌィ、ちょっと油断をしたら焦げてしまったブリヌィ、ホットケーキみたいにぶ厚くなってしまうブリヌィ、、といろいろありましたが、ブリヌィを食べて育ったはずのウクライナ人のイーゴリさんが「自分で焼くのは人生で初めての体験です。」と自信なさそうに焼いているのが笑えました。家ではいつもママに焼いてもらっていたそうでした。

焼き立てのブリヌィにはサワークリームとジャムを添えて。赤い色のジャムは今日参加してくださった田口さんお手製の紅玉のジャム。さわやかな酸味がたまりません!このほかにウクライナ産のクロスグリジャムもありました。


ナタリアさんはチョコレートマフィンを焼いて差し入れてくださいました。(右下)


コーヒーカップに入っているのはラトビア産のニシンのオイル漬(缶詰)に玉ねぎ微塵切を加えマヨネーズ合えしたものです。


ライ麦パンに添えて食べたら絶品ですが、今日は胡桃パン。

さらにこちらもラトビア産のオイルサーディン(缶詰)です。どちらも今、日本ユーラシア協会事務所で販売しています。おいしくてリーズナブルな缶詰です。デザインもおしゃれ。


肝心のサモワールですが、ムードはよいものの、容量が少なくて(2リットル弱?)、10人でお茶を飲むとすぐお湯がなくなってしまいます。しょっちゅうお水を足さなくてはなりません。またお湯が沸騰した後、「保温モード」にしておく、という機能はなく ぐらぐら煮立ってしまいますので 時々コードを抜いて一休みです。ちなみに水を注いでいるこのやかんのようなものもロシア製の電気湯わかしです。
サモワールの上にのせた小さなポットから濃いお茶をカップに注ぎ、その後本体についている小さな蛇口から熱湯を注いでお茶を好みの濃さに薄めて飲みます。


ロシアにはこういう言葉があるそうです:
Чай должен быть, как женский поцелуй - крепкий, горячий и сладкий.
(お茶は女のキスのようでなければならない。強く、熱く、甘くなくては。)

参加者はウクライナ人一人、日本人8人とアレーシュカさん(ベラルーシ人)と娘のミライちゃんで11名でした。ロシア語のお話を聞いたり、お茶やサモワールに関することわざを習ったり、ロシア語で自己紹介したり、、とお勉強もしっかりできました。

かわいいサモワールを囲んで、おいしいものを食べながら、のんびりと優雅な午後のティータイムを過ごしました。初めての試みでしたが「またやってほしい。」「ブリヌィをその場で焼くのはあわただしいので お菓子を持ち寄りすることにしたら?」「もう少し参加者を増やしたら?」」などのご意見が出ています。
準備や後片付けをしてくださった皆様、どうもありがとうございました。