サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第16回ユーラシアフェスティバル報告

2014年03月28日 | ユーラシアフェスティバル
3月16日(日)午前11時から愛知民主会館2階ホールをメイン会場として第16回ユーラシアフェスティバルが
開催されました。まず新入会員の紹介があり、それから軽食タイムに。

今回はピロシキと紅茶です。


ピロシキを食べながら 初めて会う人も久しぶりの人もしばし歓談。


最初はこれでよかったのですが お昼頃から小さい子供を連れた国際結婚のカップルがどんどんやってきました。
このままではとてもみんなが座ることはできません。それで参加者のみなさんにもお手伝いをお願いして
テーブルを片付けて 椅子を並べなおしました。



午後からのプログラムは1時半に始まる予定でしたが 小さい子供たちが多く、とても待ちきれません。そこで
予定を早めて 日ユ協会会員で モスクワ音楽院出身のピアニスト樋渡紗矢香さんに演奏していただくことに
なりました。おなじみのショパンの「ノクターン」とチャイコフスキーの「瞑想曲」です。


続いて山崎先生とブレンコーワ先生による人形劇「めんどりちゃん」の上演です。めんどりちゃんが産んだ
不思議な金の卵。それを割ってみようとガンガン叩くおじいさんとおばあさん!でも卵はなかなか割れません。


「コーッ、コココー」とかわいい声で鳴く(山崎先生の名演!)めんどりちゃんの動きに子供たちの目は釘づけでした。


続いて登場したのはアキーモワ先生の「キッズバレエとロシア語教室」の小さな女の子たち!
ロシア民謡「カリンカ」の歌声に乗って赤いココシュカ(ロシアの女性の帽子)に赤いスカートで踊るかわいいダンスに
拍手喝さいです。


ダンスの後にアキーモワ先生によるインタビューもあったのですが 先生の日本語の質問に 4歳から6歳までの
小さな女の子たちがロシア語でお返事ができるのにはびっくりでした。


恒例の合唱団「ミール」の歌です。男性の衣装は「ルバーシカ」!
「夕べの鐘」など美しいロシアの歌が歌われました。伴奏はアコーディオンです。


日本の楽器を紹介しようということで 上村啓子さんにお琴の演奏をしていただきました。
この美しい衣装は着物をリフォームしたものだそうです。


このころになると小さな子供は飽きてしまって あちこち走り回ったり騒いだりして せっかくの演奏を
静かに聞くことができなかったのはとても残念でした。

会場のコーナーにはにはたくさんの画集が展示されていました。これは会員から寄付されたもので
今日はこれらの画集がオークションにかけられました。有名なイラストレーターのヴァスネツォフや
ロシアの画家セロフやシーシキンの画集、さらにエルミタージュの名品を紹介するものなど いずれも
美しい装丁の豪華な画集でした。


オークション担当は高橋さん。「さあ、もう一声ありませんか!いかがですか!」と彼の声に誘われてつい
つい 「xx円!」と言ってしまうのでした。


落札されたバスネツォフの画集を見せていただきました。かわいいですね~


最後はこれも恒例のくじびき抽選会です。コンサートのチケットやワインや民芸品など素敵なものが当たります。
写真は左から 総合司会の山森さんと抽選会進行役をつとめた高校生の林さん。そして当たりくじをひくのは
アリビーナ・ブレンコーワ先生です。


一階には会員の持ち寄った品のバザーの他にロシアやユーラシア諸国の食品を売るコーナーが設けられて
いました。かわいいパッケージのウクライナのチョコレートやロシアの蜂蜜や白樺の樹液のジュース、そして
グルジアの赤ワインが人気でした。また ロシア風のパンも完売しました。


こちらはロシアの民芸品や雑貨のコーナーです。大小さまざまなマトリョーシカやアクセサリーなどかわいい
ものがたくさんあったのですが 売れ行きがよくなかったとのことです。最近はロシアの雑貨のお店があちこちに
できて こういうものも珍しくなくなったのかもしれません。


こうして今年も(いろいろハプニングがありましたが)無事にユーラシアフェスティバルが終わりました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。今回の参加者は日本人、ロシア人、ウクライナ人、
ベラルーシ人合計150名でした。会場はぎっしり満員になり、暑くなって途中から冷房を入れたほど
でした。今後は会場をもっと広いところにするか、参加者を制限するか、工夫が必要だと思われます。

第91回 ロシア語サロン報告

2014年03月18日 | ロシア語サロン
3月2日(日)午後2時からロシア語サロンが開かれました。ゲストはウクライナ人のイーゴリ・ダツェンコさんです。


ダツェンコさんは去年の2月にもサロンに来てくださっていますが、今回のお話のテーマは「ロシアの迷信やジンクス」です。

迷信やジンクスには たとえば「目の前を黒猫が横切ると何か悪いことが起こる」というような、多くの民族に共通するものもあります。
でも非常に多くの迷信やジンクスは民族に固有のものであり、外国人には理解しにくいものです。またそれを信じている人でさえ、なぜ
そういう迷信が生まれたかが説明できないのです。迷信やジンクスの持つ威力はそれが数世紀も何世代にもわたって受け継がれてきた
ものであり、そのために意識に深く根付いていることにあります。

イーゴリさんのお話から:

もし自分や家族や知人についてなにかよいことをいうと そのよい状態はすぐに終わってしまうと考えられています。例えば
「お子さんは元気?」と聞かれて「ええ、うちの子はとても丈夫なんですよ」と言ってしまったような場合、子どもがこれから
先もずっと丈夫でいられるように「おまじない」をしておきます。それは木を3回叩くと言う動作です。

キリスト教が伝わる以前の異教の時代から 樹木にはある種の力があって、自分を守ってほしいと頼めるという考えがありました。
3回叩くのは樹木に限らず、木製のテーブルや棚でもよいのです。この「木を叩く」と言う動作に付け加えられる動作、あるいは
その代わりに行われるのは左の肩越しに3回唾を吐くことです。つまり頭を左の肩に向けて 舌と唇で唾を吐く真似をします。
口の中から 今言ってしまったことをぺっと吐き出すために。
必ず左肩の方へ唾を吐くことが大事です。右肩ではなく。右肩には天使が座っているので その天使は大事にしておかなければ
なりません。左肩には悪魔がいるので こちらには唾を吐いてもよいのです。

敷居越しにあいさつしたり、物のやり取りをしてはなりません。もしだれかがドアのチャイムを鳴らしたら家の中にいる人は
ドアを開いて、やってきた人をドアの中に入れるか、自分が外へ出るかして、挨拶したり用事を済ませたりしなければなりません。
敷居は他の世界との境界線と考えられるので これを挟んで話をするのはよくないことなのです。

もし遠くに出かけるなら(たとえば2-3日でも)家を出る前に(出かける人も出かけない人も全員が)ソファや椅子に座って
静かに、おしゃべりしないで、30秒ほど座ります。
これは、家には「家の精」がいて、家の人が家をほったらかしてでかけてしまうことに腹を立てるので、こうして静かに座ってから
大急ぎで支度をしてさっと出かければ彼らをだますことができると考えたためです。この習慣は出かける前に考えをまとめ、
忘れ物がないかを確認するのに役立ちます。

からのバケツを持って道を歩いてはなりません。からのバケツを持って歩けば出会う人にも 不幸をもたらしてしまいます。
そのため、ロシアの道路掃除人たちは からのバケツにはよくほうきなどの器具を入れています。だれにも不幸をもたらさないように。

その他にもたくさん面白い例がありました。「どうして???」と頭をひねってしまうことも多かったのですが、イーゴリさんも
「どうしてなのかはわかりません。」という答えでした。

面白いお話に思わず身を乗り出して。


女性の髪の毛については なにか不思議な力が宿っているものという考えがあったようです。髪の毛をむき出しにした女性、髪を
きちんと整えてない女性はつねに警戒されました。「ひょっとしたら魔法使いか魔女ではないだろうか?」と。

「家族の髪を刈ってはならず、切り取った髪の毛を取っておいてはいけない。」というジンクスもあるとイーゴリさんが語られると、
参加者のナタリア・カズミナさんが「あー、それについて面白いお話があるんですが。」

彼女からはいつも面白い発言が。


ロシアでも日本と同じように若い女性たちが髪を長くするのが流行っているのですが、髪の毛はなかなか長く伸びません。そこで
日本と同じく彼女たちは「エクステンション」(他人の髪を自分の髪の毛の先に付けて長くすること)をします。というわけで
今では新聞や雑誌に「35センチ以上の長さがあれば あなたの髪を買います!」という広告がいっぱい載っているそうです。

「私もそういう髪を買っていますよ。母は”死んだ人の髪だったらどうするの!!“って嫌がるんですけど、、私は平気!
時々髪の色を変えるので うちにはいろんな色の髪の毛があります。」というので一同大笑いしてしまいました。

多くの迷信やジンクスは現代では実情に合わなくなっていることもあり、あまり気にしない人も多くなっているそうで、、
これはその典型的な例かもしれませんね。

ただし、心から信じているわけではないにしても 気になる人がまだ多くいるのも事実なのだそうで、迷信やジンクスについての
知識を持っていれば ロシア人の行動を理解しやすくなりコミュニケーションも円滑になるかもしれません。

今回もとても面白いお話でした。ダツェンコさんには今年7月のロシア語特別講座の講師もお願いしています。
どんなお話を聞かせていただけるでしょう、お楽しみに!