Sally's BLOG

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青の炎。

2005-04-08 00:40:42 | 映画
私は基本的にアイドルが出演する邦画は見ないことにしています。
いい事ではないのですが、「見ると、高い率で、時間を無駄にした、と後悔する」と決め付けているフシがあります。
と、言うわけで、この「青の炎」、全く見る気が無かったのですが、知人に話を聞き、何となく見る気が沸き起こったので、少し前に録画していました。
主人公、秀一にアイドルグループ「嵐」の二宮和也、そのガールフレンドにはアヤヤこと松浦亜弥がキャストされています。
演劇界の鬼才、蜷川幸雄が監督したからなのか、彼らの本質なのか、すぐにも壊れそうに脆い、少年時代の危うさを、彼らは水を満たしたグラスのように、危うく、みずみずしく演じています。

【以下、ネタバレあり】
主人公、秀一は、母親思いで、且つ、妹も可愛がる、家族思いの高校生だが、凶暴な義父だけはどうしても受け入れられず、義父からの解放をひたすら願って生きてきた。
彼の忍耐が限界に達したとき、彼は「解放」を求めて、義父の殺害計画を実行するが・・・

この映画のタイトル「青の炎」とは、放射能物質が臨界状態に達したときに発する「チェレンコフ光」を象徴し、一貫して、青い光が画面のあらゆる場面で見られます。
コレは秀一の「解放への欲求」が臨界に達したことを意味しているのでしょうか。
そして、しばしば彼は自分の部屋に置いてある、空のガラス水槽の中で眠りますが、これは彼にとって、核シェルターであり、産まれる前の世界でもあるかのようです。
母親の胎内にいる胎児のように、体を丸め静かに眠るその姿は神秘的でもあります。
そして、その水槽を挟んで、松浦亜弥演じるガールフレンドと秀一が、手で「交信」するシーンがあるのですが、その不思議なシーンが印象的で、そのとき、水槽内の空間は彼らにとっての「宇宙」であったのかもしれません。
さまざまなシーンで、蜷川監督が舞台で培った、ライティングやカット割などのワザが駆使され、何とも言われぬ雰囲気のある映画です。

ラストシーン、秀一が手にする「解放」と「自由」の透明さを、清々しいと感じるのか、切ないと感じるのか、悲しいと感じるのか・・・
また、機会があれば、ご覧になってください。
青の炎 特別版
二宮和也 貴志祐介 蜷川幸雄 松浦亜弥

おすすめ平均
素直に良かった
とても感動作
リアルかつクールのすごい映画

二宮和也という素晴らしい青年俳優を発見した気がした。

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