Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

多数決の原理

2011年08月16日 | 社会学/社会批評
 印籠を見せて、控えおれ~、テレビ番組の水戸黄門のシーンである。
視聴率の低迷で打ち切られるらしいが、そのことを残念だと考える人もいれば、
このような番組に人気があるのは、日本はやはり近代化から取り残されている
証拠だと考える人もいる。
 悪代官が出てきて、お主もよほどのワルよの~というのは全くのウソで、
実際には地方民政官として農民のために尽力したのが代官の姿である。
 村落共同体で揉め事が起こると長老が出てきて、その場をまとめるのも
まったくのウソで、実際には納得いくまで議論をし尽くす、その為には
何日かけてもトコトン話し合い全員の合意を得る。
だからこそ、みんなで決めた「掟」を破ると、村八分という制裁が科せられた。
これは、アジア全般で見られる姿である。いわば、アジア型の民主主義と言える。
それに対して、西欧型の民主主義は多数決の原理である。
決定に時間がかからない、合理的な方法と思われるが、この多数決の原理は常に
少数者は多数者に対して異議を唱えることが出来る権利を持っている。
今の日本では、この大切な事が忘れられている。
みんなで決めたことだから文句を言うなとか、もう決まったことだからとか、
 どこかの知事が「選挙で勝ったから、自分の意見には、民意が反映されている」
と言ったか、言わなかったか。言ったとすれば、アホとしか言いようがない。
多数決の原理には常に少数者は多数者の決定に異議を唱える事が出来る、
このことを忘れないで欲しい。