腫瘍性骨軟化症(tumor-induced osteomalacia, TIO)はPMTMCT(phosphaturic mesenchymal tumor, mixed connective tissue variant)によって産生される過剰なFGF23のためにリンの排泄が促進し、重篤な骨軟化症に至る疾患ですが、日本では抗FGF23抗体burosumabが治療薬として承認されています。FGF23は共受容体であるKlothoとともに受容体であるFGFR1に結合して細胞内へのシグナルを伝えますが、この論文では66歳の男性TIO患者に対してFGFR1–3 tyrosine kinase inhibitorであるinfigratinibが有効であったことを報告しています。Infigratinibは胆管癌などに対して臨床試験が行われていますが、副作用などの問題がなければ今後TIOに対する治療薬としても使用される可能性があるかもしれません。