臍帯血バンク・シービーシーの犯罪履歴

臍帯血バンク・シービーシーの未公開株詐欺・振り込め詐欺の被害者さま臍帯血保管された皆さまへ

さい帯血バンク FGK 高裁判決書 2

2017-02-25 23:42:26 | 日記


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  (イ)  本件ファクシミリ文書3の
      「FGKの代表窪田好宏は、ネットワークビジネス詐欺グループのメンバー」
       及び「クボタは・・・ヒキョウな人間です。詐欺師らしいです。」
       との記載について

     a 1審被告は、前記第2の4(2){1審被の主張}
      (引用に係る原判決第2の4(2)のイ)のとおり、
      本件ファクシミリ文書3は、
      事実の公共性、目的の公共性の要件を満たしているほか、
      摘示された事実が真実であり、
      仮に真実でなくても真実であると信じたことについて
      「相当の理由」があるから、
      その違法性は阻却される旨主張する。

     b そこで検討すると、本件ファクシミリ文書3の上記記載のうち
      「FGKの代表窪田好宏は、ネットワークビジネス詐欺グループのメンバー」
      との部分は事実を摘示した名誉毀損行為に該当する。
      また、「クボタは・・・ヒキョウな人間です。詐欺師らしいです。」
      との部分は、一見、証拠等をもってその存否を決することが
      可能な他人に関する特定の事項に当たらず、
      1審原告らの過去ないし現在の行状等の悪性を強調する意見ないし
      論評にとどまるように見えるが、
      上記部分の前後の文脈等を総合的に考慮すると、
      当該部分の叙述の前提として1審原告窪田が
      1審被告が主張する詐欺グループ
      (ネットワークビジネス詐欺グループ)のメンバーであることを
      黙示的に主張するものと理解することができるから
      (平成9年判例法理①)、
      結局、本件ファクシミリ文書3の上記記載は、
      いずれも事実を摘示しての名誉毀損行為に該当するものということができる。
      そして、その摘示された事実の内容・性質に照らすと、
      「公共の利害に関する事実に係り」(事実の公共性)、  
      かつ、「その目的が専ら公益を図ること」(目的の公益性)に
      あったということができる。
      そこで、本件ファクシミリ文書3に摘示された事実、
      すなわち
      「FGKの代表窪田好宏は、ネットワークビジネス詐欺グループのメンバー」
      であることの真実性についてみると、1審被告は、


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     原審の本人尋問等において、
     上記摘示事実は真実である旨の供述等をしているが、
     いずれも伝聞に基づくか、
     または単なる推測ないし憶測に基づくものというべきであって、
     たやすく信用することはできず、
     他に、上記事実が真実であると認めるに足りる証拠はない。
     そしてまた、その供述内容から見て、
     これを真実であると信じたことに
     「相当の理由」があるとも認められない。

  (ウ) 以上のとおり、本件各ファクシミリ文書の違法性阻却事由に関する
     1審被告の上記各主張は、いずれも採用の限りではない。

    
 (2) 結論

     以上によれば、本件各ファクシミリ文書の送信によって、
    1審原告らの名誉が毀損され、
    ひいてはその信用も害されるに至ったというべきであるから、
    不法行為が成立する。



 3 争点2-本件各ファクシミリ文書の送信等による営業妨害の成否

 (1) 認定した事実(以下、「認定事実1」という。)

   ア 前提事実のほか、掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、
    以下の事実が認められる。

   (ア) CBCの代表取締役であった宍戸は、平成24年3月に死亡し、
      同年6月には、その子で同会社の取締役である宍戸大介も死亡したため、
      CBCの経営は事実上破綻した
     (甲20、原審における1審原告会社代表者)。

   (イ) そうしたところ、その前後頃から1審被告は、
      批判の矛先をCBCやエコプランニングから
      1審原告やCBCサポートに向けかえ、
      全国に点在している1審原告の代理店等に対して、
      1審原告らがCBCの未公開株詐欺集団の一員であることを疑わせ、
      また、詐欺集団に関与しているかのように決め付ける記載のある
      本件各ファクシミリ文書を含む同趣旨の多数のファクシミリ文書を
      送信し、1審原告会社の臍帯血保管業務


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      を混乱させる一方、1審原告会社の事業所に対しても、
      毎日のように、朝から夕方まで、頻繁に
      電話を架けてくるようになっただけでなく、
      対応に出た女性従業員に対して、
      「お前らみたいな会社はぶっつぶしてやる」などと暴言を吐いたり、
      その当時、CBCサポートの代表取締役に就いていた
      竹永幸弘に対して、
      「あんたの娘は石川県にいるよね。」などと
      脅迫まがいの発言をすることもあった
      (以下、これらの電話を「電話攻撃」ということがある。
      甲20、原審における1審原告会社代表者)。


   (ウ) そこで1審原告会社は、警視庁世田谷警察庁(刑事組織犯罪対策課)
      に対し1審被告から電話攻撃を受けているとして相談を持ちかけ、
      担当の刑事に依頼して、直接、1審被告からの電話に出て
      厳重注意をしてもらうなどした。  
      すると一時は1審被告からの電話攻撃は収まったものの、
      暫くすると再び頻繁に電話がかかって来るようになったため、
      1審原告会社は、改めて同刑事に依頼して、
      1審原告会社に電話をかけないように1審被告に約束させるとともに、
      石川県警察の所轄警察署にも依頼して、
      担当者に1審被告宅に出向いてもらい、
      1審原告会社への嫌がらせを止めるよう注意してもらったところ、
      1審被告は、1審原告らに対し、インターネットを利用して、
      本件各書き込みを行なうようになった。
      (甲14の1ないし3、15、25、ないし27、32、
      原審における1審原告会社代表者)。

   イ この点に関し、1審被告は、1日に何度か電話をかけた程度であって、
     1日に100回近くも電話をかけたことはなく、
     それも、1審原告会社が存在しなくなっていないか
     不安に思ったため電話をしただけであるとか、      
     1審原告らが未公開株詐欺を働いているとの内容の
     ファクシミリ文書を送信したことはないなどと主張し、
     原審の本人尋問等においてこれに副う供述等をしているが、


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      前記1で検討したとおり、1審被告が、
     読み手に1審原告らが未公開株詐欺を働いているとの
     印象を持たせかねない内容の本件各ファクシミリ文書を
     送信したことは紛れもない事実である上、
     1審原告らに対する電話攻撃の頻度やその内容が
     1審被告が主張する程度のものでないことは、
     上記(1)のア(ウ)で認定した警察の対応からも
     明らかというべきであるから、
     1審被告の上記供述等は到底信用し難く、
     他に、上記(1)の認定を左右するにに足る証拠はない。


(2)  上記認定事実1によると、1審被告は、
    CBCの代表取締役等の死亡により、
    CBCの経営が事実上破綻したことを機に、
    批判の矛先を1審原告らに向け変え、
    1審原告会社の代理店等に対して、
    1審原告らがCBCの未公開株詐欺集団の一員であることを疑わせ、
    また、詐欺集団に関与しているかのように決めつける内容の
    本件各ファクシミリ文書を含む同趣旨の
    多数のファクシミリ文書を送り付けるとともに、
    1審原告会社の事務所に対しても、
    毎日のように、朝から夕方まで、頻繁に電話を架けただけでなく、
    対応に出た女性従業員に対して
    「お前らみたいな会社はぶつぶしてやる。」などと暴言を吐いたり、
    CBCサポートの代表取締役に対して、
    「あんたの娘は石川県に居るよね。」などと
    脅迫まがいの発言をするなどとして
    1審原告らに警察対応を余儀なくさせ、
    実際にこれに応じて動いた警察から
    1審被告は厳重注意を受けたというのであるから、
    かかる1審被告の一連の言動は、いたずらに
    1審原告会社の業務(とりわけ臍帯血保管業務)を混乱させ、
    その円滑な遂行を妨げる営業妨害行為に当たるというべきであって、
    不法行為が成立する。


 4 争点3-本件各書き込みによる名誉及び信用毀損の成否

    
 (1) 争点3の(1)ー本件各書き込みが
    1審原告らの名誉及び信用を毀損するか否か


   ア 本件各書き込みの内容並びに前提事実(5)及び(6)において
    認定した経緯に


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    照らすと、本件書き込みは、
    1審原告らへの本件各ファクシミリ文書の送信や
    1審原告会社に対する電話等による業務妨害の
    延長線上にある一連の行為というべきであって、 
    1審原告らが未公開株に関する詐欺行為を行ったと決め付けた上、
    これに関連する事実関係を暴露し、
    上記認識を広めることを目的として作成、
    掲載された文書であると見るのが自然である。

     以下、本件書き込みについて、
    一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、
    これらの文書に1審原告らの名誉及び信用を毀損する内容の
    記載が含まれているか否かについて検討する。


   イ(ア) 本件書き込み1ないし3及び6ないし8についてみると、 
    証拠(甲7及び14の各1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば、
    本件書き込み1ないし3及び6ないし8中の
    「FGK」が1審原告会社を指し、
    「窪田」、「くぼた」等が1審原告窪田を指していることは
    十分に認識することが可能であるところ、
    上記の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、
    本件書き込み1ないし3及び6ないし8は、いずれも、
    「民間さいたい血バンク株式会社シービーシーの代理店
    ー@未公開株道場」(甲14の1)、
    「民間さいたい血バンクCBC未公開株詐欺
    ー@未公開株道場」(甲14の2)
     及び「幹細胞再生医療集団詐欺株式会社シービーシー
    ー@未公開株道場」(甲14の3)という
    タイトルのスレッド内に書き込まれている上、
    そのスレッド内にはCBCの未公開株の出資金詐欺に関する
    多数の書き込みがされているほか、
    「悪徳マルチ」や「ウソの説明を受けています」、 
    「CBC代理店から巻き上げたお金 約2億はここに」、
    「詐欺行為」及び「投資詐欺」との記載が散在していること、
    そして、上記書き込み自体にも、
    「シービーシーは消える予定でした」、
    「代理店結集して、FGKに代理店加盟金返還請求してください」など
    CBCの未公開株の出資金詐欺に関連して、
    CBCに代わって1審原告会社に


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対する責任追及しているとしか取りようのない記載まで
    存在していることが認められる。
    そうすると、一般閲覧者の普通の注意と読み方からすれば、
    「悪徳マルチ」及び「ウソの説明受けています」という記載は、
    読み手に対して1審原告らが詐欺行為の一環として
    違法なマルチ商法を行い、
    嘘の説明を行っているという印象を
    強く植え付けるものであって、
    1審原告らの社会的評価を低下させるというべきである。
     また、本件書き込み1ないし3及び6ないし8の中の
    「窪田は悪徳マルチ、クラブイッツのトップ」
    及び、「シービーシー、FGK、ときわ会は初めからつなッがてます、
    宍戸親子が死亡したことは予定外ですが、
    器材も人材も、ときわ会のものになり、
    シービーシーは消える予定でした。・・・目論見済みです。
    代理店結集して、FGKに代理店加盟金返還請求してください。」との
    記載は、一般閲覧者の普通の注意と読み方からすれば、
    悪徳マルチなどの違法行為を行っている会社のトップである
    1審原告窪田及び同1審原告が経営する1審原告会社が、 
    CBC及び上記ときわ会と共に未公開株詐欺を行っているとした上、
    経営が事実上破綻したCBCに代わって、 
    1審原告らに対し、代理連加盟金を請求するよう
    促しているように受け取れる。
     そうすると、上記書き込みも、
    1審原告らが未公開株詐欺に加担しており、
    1審原告窪田が首謀者として、
    1審原告会社の代理店から金銭を搾取するなどの
    犯罪行為に関与しているといった印象を与えるものといえ、
    1審原告らの社会的評価を低下させるものである。


    (イ) もっとも、この点、1審被告は、
    「悪徳マルチ」とは、1審原告窪田がマルチ商法をしていた
    クラブイッツのトップであったことを記載したものであり、
    CBCの未公開株詐欺とは関係ないと主張し、
    原審の本人尋問において、これに副う供述等をしているが、
    一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、
    本件書き込み1の内容をその前後の文脈



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を含めて検討すると、1審原告らが詐欺行為の一環として
    違法なマルチ商法を行っているという
    虚偽の事実を摘示しているという印象を
    与えるものであることは否定できない。
     また、1審被告は、「ウソの説明受けています」とは、
    1審原告会社が1審原告会社の代理店に対し、
    高崎市所在のCBCの臍帯血保管施設につき
    衛生検査所登録が休止になっているのにも拘わらず、
    CBCサポートがそのことを隠し、
    CBCが衛生検査所登録を続けるているかのように
    装った旨を述べたものであると主張し、
    原審の本人尋問等でも、これに副う供述等をするが、
    甲7及び14の各1ないし3を精査しても、
    上記書き込みの前後の文脈に、
    そのような1審原告の意図を読み取ることができる説明を
    した文章は見当たらず、
    他に、上記書き込み部分を1審被告が主張するような意味に
    解することを可能にする証拠はない。

     更に、1審被告は、
    一般閲覧者は、本件書き込み1ないし3を見ても、
    1審原告らが未公開株詐欺に加担しているとは受け取らない、
    スレッドの中では、すべてがタイトルに関することを記載すると
    いうわけではないと主張するが、
    本件各書き込み(甲7の1ないし3)の内容を精査しても、
    スレッド内の記載が、がタイトルとは関係がないということを
    説明する部分は見当たらないのであって、上記記載は採用できない。
     なお、1審被告は、本件書き込み6ないし8について、
    いずれの記載についても未公開株詐欺とは関係がなく、
    一般の閲覧者は、1審原告らが詐欺その他の違法行為により
    代理店から金銭を詐取しているとか、
    1審原告らが投資詐欺を行なっているなどどは受け止めないと主張するが、
    一般の読者の普通の注意と読み方を基準とする限り、
    上記の各書き込みについて、
    そのような理解が成り立たないのは明らかである。  
     以上によれば、1審被告の上記主張は、
    いずれも上記認定、判断を左右しない。


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  ウ 本件書き込み4について
  
   (ア) 証拠 (甲8)によれば、
     本件書き込み4の中にある「窪田」が1審原告窪田を指していることは、
     他の書き込みも合わせて読むことにより、
     十分に認識することが可能であると認められるところ、
     同じスレッドの一つ前 の書き込みにも
     「CBCが実際は悪いわけではありません。
     実情として詐欺行為すべてを動かしている会社は、
     株式会社FGKの窪田という男になります。」との記載が
     あることも考慮すると、
     一般の読者の普通の注意と読み方からすれば、
     本件書き込み4も、
     CBCの未公開株詐欺に関連する記載であることが優に窺われ、
     読み手に対して、
     1審原告窪田ひいては1審原告窪田が代表取締役を務める1審原告会社が、
     詐欺の一環として違法なマルチ商法を行っているという事実を
     強く印象づけるものであって、
     本件書き込み4も、1審原告らの社会的評価和低下させるというべきである。

  (イ) もっとも、1審被告は、本件書き込み4の
     一つ前の書き込みをしたことを否定した上、
     1審原告らが詐欺行為をした事は記載していない旨主張するが、
     証拠(甲8、原審における1審被告人(尋問調書20貢))によれば、
     本件書き込み4が
     CBCの未公開株詐欺に関連して記載されたものであることは明らかであって、
     これを否定する供述は見当たらないのであるから、   
     1審被告の上記主張は採用の限りではない。


  エ 本件書き込み5について 
   
     証拠(甲13、33)によれば、
    本件書き込み5の中にある「窪田」が1審原告窪田を指していることは、
    同書き込みがされた「あぐら物語日記 隠れているものは、見たい」 という  
    ブログのスレッド内における他の書き込みを合わせて読むことにより、
    十分に認識することが可能であると認められるところ、
    本件書き込み5がされた上記 スレッドを精査すると、
    同ブログの10貢と 11貢に
    「詐欺集団のシービーシー親子とその関係者達



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    が問題でした・・・シービーシー未公開株詐欺犯罪以来
     まだ続いています」とか、 
     シービーシーを調べなかった窪田にも責任はないのですか」と
     いった記載があるだけでなく、
     その9ないし12貢及び15貢の
     同ブログの管理人と控訴人のやり取りの中に、
     したらば掲示板の
     「民間さいたい血バンクCBC未公開株詐欺ー@未公開株道場」
     (甲7の2、14の2)、
     「幹細胞再生医療詐欺集団詐欺株式会社シービーシーー@未公開株道場」
     (甲7の3、14の3)という
     タイトルのスレッドのURLが記載されており、
     これをクリックすることにより容易に上記イで認定した
     1審原告らの名誉を毀損する書き込みにアクセスすることが
     可能であったことなどに照らすと、
     上記スレッド内に「悪徳マルチ」との記載があれば、
     その記載は、読み手に対して、少なくとも
     1審原告らが詐欺行為の一環として違法なマルチ行為を行っている
     との印象を与えるものであると認められ、本件書き込み5も1審原告ら
     の社会的評価を低下させるものというべきである。


  オ 本件書き込み9について
    
  (ア) 証拠(甲15)によれば、本件書き込み9の中にある
     「フューチャーイング・ゲート・クボタ」及び「FGK」が
     1審原告会社を指していること、
     「窪田好宏」が1審原告窪田を指していることは、
     十分に認識することが可能であると認められるところ、
     証拠(甲15原審における1審被告本人)
     及び弁論の全趣旨にによれば、   
     本件書き込み9に係るスレッドの最初の書き込みは
     1審被告自身が行っている上、
     「フューチャーイング・ゲート・クボタ FGK エフジーケー|
     詐欺被害相談」という
     タイトルのスレッド内においてなされており、
     しかも、そのスレッド自体には 
     1審原告らが詐欺を行っているという記載があること、
     そして、このスレッド内にも、
     「無登録のFX取引業者」及び「シービーシーの周りは
     マルチぼけの詐欺集団ばかり」との記載があることが認められる



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     のであるから、
     一般の読者の普通の注意と読み方からすれば、
     これらの記載も、読み手に対して、
     1審原告らが詐欺その他違法行為を働いているとの
     印象を与えるものであって、
     1審原告らの社会的評価を低下させるものというべきである。


 (イ) もっとも、1審被告は、
     「無登録のFX取引業者」は、未公開株詐欺とは関係がないし、
     1審原告らのことを述べたものではないとか、
     「シービーシーの周りはマルチぼけの詐欺集団ばかり」との
     記載があっても、
     一般閲覧者は1審原告会社が詐欺を行ったとは思わないなどと主張
     するが、上記のとおり、これら記載は
     「フューチャーイング・ゲート・クボタ FGK エフジーケー
     |詐欺被害相談」という
     タイトルのスレッド内に書き込まれているところ、
     このスレッド自体にも、
     1審原告らが詐欺を行っているとの表示がされていることが認められ、
     このような事実に照らすと、
     1審被告の上記主張も採用の限りではない。


   カ 以上のとおり、1審被告がした本件各書き込みは、
    いずれについても1審原告らの名誉を毀損する行為に該当する。
    そして、その記載内容に照らすと、
    1審原告らの信用を害することも明らかというべきである。
     なお、1審被告は、自己が未公開株詐欺に関する書き込みをする際、
    閲覧者に対して、1審原告会社が未公開株詐欺に加担しているような
    誤解を与えないようにするため、敢えて、
    「株式会社フューチャーイング・ゲート・クボタ(FGK)と
    株式会社フューチャーイング・ゲート・クボタ(FGK)の代理店が
    「CBC」に未公開株詐欺にか関わっていると  
    主張しているものではありません。」と   
    注意書きをしていると主張し、
    甲25の52貢に上記記載がある旨を指摘するが、
    証拠(甲25、49貢)によれば、上記記載は、
    本件書き込みが行われてから1年以上も経過した後である
    平成27年6月13日になされたものであると認められるから、
    上記判断を何ら左右しない。



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 30ページ

     
 (2) 争点3の(2)ー本件各書き込みに係る違法性阻却事由の有無


   ア 本件各書き込み1ないし4について

    (ア) 「窪田は悪徳マルチ、クラブイッツのトップ」との書き込み部分
       1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり、
       上記書き込み部分には違法性阻却事由が認められる旨主張する。
        確かに書き込み部分は、
       証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
       特定の事項に当たるところ、
       上記書き込み部分の摘示事実は、その内容・性質から見て、
       1審被告が主張するとおり
       「公共の利害に関する事実」に当たり、
       かつ、その書き込みの目的は
       「専ら公益を図ること」にあることができる。
        そこで、上記摘示事実の真実性が問題となるが、
       この点、1審被告は、
       1審原告会社の代理店・・及び・・が
       上記摘示事実を裏付ける供述をしていたと主張し、
       原審の本人尋問においても、これに副う供述をしているが、
       いずれも単なる伝聞ないし推測の城を出るものではなく、
       他に、上記摘示事実が真実であることを認めるに足る証拠はなく、
       また、1審被告において、上記・・らの供述の信用性について
       慎重に検討を加えた形跡が全く窺われないことなどに照らすと、
       上記摘示事実を真実だと信じたことに
       「相当な理由」があるということはできない。
        以上によれば、本件書き込み1ないし4の上記部分の
       違法性阻却事由に関する1審被告の主張は採用の限りではない。


   (イ) 「代理店の皆様は、くぼたから、ウソの説明を受けています」との
       書き込み部分 
        1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}
       (引用に係る原判決第2の4(4))のとおり、
       上記書き込み部分には違法性阻却事由がある旨主張する。
        そこで、平成9年判例法理①及び②に基づいて検討すると、
       上記書き



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 31ページ     
   
     
       込み部分は、
      1審被告からどのような嘘の説明を受けているのかが
      文章自体からは明らかとはいえないから、
      その内容が証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
      特定の事項を摘示するするものということはできず、
      1審原告らを「嘘つき」であると決め付ける意見
      ないし論評に準じて考えるのが相当であるところ、
      その前後の文脈を精査しても、
      1審被告が主張する上記事実を間接的ないしえん曲的に表現した記載、
      あるいは、これを黙示的に表現したものと認めるに足る記載はなく、
      CBC未公開株詐欺の出資金詐欺事件に関する情報提供をしつつ
      意見表明をしたものと理解できるから、
      本件書き込み1ないし4の上記書き込み部分は、
      事実を摘示しての名誉毀損には当たらない。
      そして、1審被告が主張する上記事実が、
      本件書き込み1ないし4の上記書き込み部分の
      重要な前提事項であったと認めるに足る証拠はないから、
      結局、上記書き込み部分の
      違法性を阻却する事由があるということはできない。


   (ウ) 「シービーシー、FGK、、ときわ会は初めからつなッがてます、
      宍戸親子が死亡したことは予定外ですが 
      器材も人材も、ときわ会のものになり、シービーシーは消える予定でした。
      ・・・目論見済みです。
      代理店結集して、FGKに加盟金返還請求してください」との
      書き込み部分  
       1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり
      上記書き込み部分には違法性阻却事由がある旨主張する。
       確かに、上記書き込み部分は、
      証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
      特定の事項に当たると解されるところ、
      上記書き込み部分の摘示事実は、
      一般閲覧者の普通の注意と読み方からすれば、
      1審原告会社、CBC及びときわメディックスは、
      当初から未公開株の出資金詐欺に繋がっており、
      ときわメディックスに器材も人材も引き継がれることが
      予定されていたというものであると解されるから、
      その内容・性質から見て、
      1審被告が主張するとおり「公共の利害に関する




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 32ページ     
   
     
       事実」に当たり、
       かつ、その書き込みの目的は「専ら公益を図ること」にあると
       いうことができるものの、
       かかる摘示事実が真実であることを認めるに足る的確な証拠はなく、
       また、これを真実だと信じたとしても、そのように信じたことについて
       「相当の理由」があると認めるに足る証拠はない。


   イ 本件各書き込み5ないし9について


    (ア) 「窪田は悪徳マルチ、クラブイッツのトップ」との書き込み部分
        1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり
       上記書き込み部分には違法性阻却事由がある旨主張する。
        上記書き込み部分は、   
       証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
       特定の事項に当たると解されるところ、
       上記書き込み部分は、その内容・性質からみて、
       1審被告が主張するとおり
       「公共の利害に関する事実」に当たり、
       かつ、その書き込みの目的は
       「専ら公益を図ること」にあるということができるが、
       かかる摘示を真実であると認めるに足る的確な証拠はなく、
       また、これを真実だと信じたとしても、 
       そのように信じたことについて「相当な理由」があると
       認めるに足る証拠はない。

   
    (イ) 「CBC代理店から巻き上げたお金 二億円はここに」との
       書き込み部分 
        1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり 
       上記書き込み部分には違法性阻却事由がある旨主張する。
        上記書き込み部分は、   
       証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
       特定の事項に当たるところ、
       上記書き込み部分は、その内容・性質からみて、
       1審被告が主張するとおり
       「公共の利害に関する事実」に当たり、
       かつ、その書き込みの目的は
       「専ら公益を図ること」にあるということができるが、
       かかる摘示を真実であると認めるに足る的


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       確な証拠はなく、
       また、これを真実だと信じたとしても、 
       そのように信じたことについて「相当な理由」があると
       認めるに足る証拠はない。


    (ウ) 「詐欺」及び「投資詐欺」との書き込み部分
        1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり 
       上記書き込み部分には違法性阻却事由がある旨主張する。
        そこで検討すると、「詐欺」あるいは「投資詐欺」という
       記載は、それだけでは
       証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
       特定の事項に当たらないというべきであるが、
       ただ、その前後の文脈等からみて、1審原告らがCBC未公開株
       の出資金詐欺に関与していることを黙示的に主張しているものと
       理解することができるから、上記書き込み記載は事実を適示しての
       名誉毀損に当たるものと解されるところ
       (平成9年判例法理①)、
       その適示された事実の内容・性質からみて、「公共の利害に関する事実」
       に当たり、(事実の公共性)、かつ、その目的が
       「専ら公益を図ること」(目的の公益性)にあったものということが
       できるが、かかる適示を真実であると認めるに足る的確な証拠
       はなく、また、これを真実であると信じたとしても、そのように
       信じたことにつき「相当な理由」があると認めるに足る証拠はない。


    (エ) ①「フューチャーイング・ゲート・クボタ FGXの代表 窪田好宏
         が行っている、無登録のFX取引業者です。」
         及び、②「シービーシーの周りはマルチぼけの詐欺集団ばかり」。
         との書き込み部分

          1審被告は、前記第2の4(5){1審被告の主張}に記載のとおり 
         上記①及び②の各書き込み部分には、
         いずれも違法性阻却事由がある旨主張する。
         上記書き込み部分は、
         証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する
         特定の事項に当たると解されるところ、
         上記各書き込み部分は、その内容・性質からみて、
         1審被告が主張するとおり「公共の利


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34ページ     
   
     
      
       害に関する事実」に当たり、
       かつ、その書き込みの目的は
       「専ら公益を図ること」にあるということができるが、
       ただ、以上の各摘示を真実であると認めるに足る
       的確な証拠はなく、
       また、これを真実だと信じたとしても、 
       そのように信じたことについて「相当な理由」があると
       認めるに足る証拠はない。



 (3) 結論

     以上によれば、本件各書き込みについて、
    1審被告の主張する違法性阻却に関する抗弁は
    いずれも理由がないから、
    本件書き込みは、1審原告らの名誉を毀損するものとして、   
    不法行為を構成する。

    
5 争点4ー1審原告らに生じた損害の有無及びその額


 (1) 認定した事実(以下、「認定事実2」という。)

    上記1ないし3の各検討によれば、 1審被告は、

    ①本件各ファクシミリ文書の送信により、
     1審原告らの名誉及び信用を毀損し、

    ②インターネット(掲示板)上への本件各書き込みにより、
     1審原告らの名誉及び信用を毀損したほか、
     上記①②に加えて

    ③本件各ファクシミリ文書の送信や電話攻撃によって
     1審原告の業務を妨害したことが認められる。

 
     そこで以下、かかる1審被告による一連の不法行為によって
    1審原告らが被った損害について検討すると、
    前提事実のほか、掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、
    前提事実(2)ないし(5)の事実ほか、以下の事実が認められる。


    ア 1審被告による上記一連の
     名誉・信用毀損及び業務妨害行為が続いている間、
     1審原告会社においては、活動を停止する代理店が相次ぎ、
     代理店契約や臍帯血保管契約の希望者が、
     契約を取りやめたり、
     連絡を取ろうとしなくなるという事態が続いた。

     その結果、これらの契約件数も前年
     (平成23年12月から平成24年4月頃)に比べ減少し、
     その結果、同年1月ころには、
     1審原告会社は、臍帯血保管事業を継続することができなくなった。




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35ページ
     
   イ 1審原告会社は、1審被告によるインターネット上の
     掲示板への書き込みを削除するため、
     専門家に対して相談を持ちかけ、
     相当の対策を講じて一定程度削除を終えた。     
     (甲19の1・2・20・34・原審における1審原告会社代表者)。


(1) 1審原告会社の損害


    ア 得べかりし利益の喪失


      1審原告会社は、1審被告が行った
     上記一連の不法行為により、営業活動ができなくなり、
     平成25年11月を持ってやむなく事業譲渡を行わざるを得なくなり、
     当初予定していた代理店数(800件)は
     平成24年4月末時点で半数以下の323店にとどまり、
     登録1年後から支払われることが予定されていた更新料
     (年3000円)も取得できなかったと主張し、
     1審原告会社代表者は、原審における本人尋問において、
     これに副う供述をするとともに、
     同旨の陳述書(甲20)を作成、提出する。
      確かに、1審原告会社の臍帯血保管事業は
     所期の目的を達することなく中途でとん挫したが、
     その原因としては、
     1審被告の上記一連の各不法行為の影響が考えられるものの、
     最初に臍帯血保管事業を計画し、その展開を企図していたCBCが、
     代表取締役等の相次ぐ死亡により経営破綻したことが
     相応に大きな要因であると考えられるのであって、
     1審原告会社が主張する得べかりし利益の喪失が、
     専ら1審被告の上記一連の各不法行為により
     生じたものとみることには無理があるから、
     1審原告窪田の上記供述をたやすく信用することはできない。
      もっとも、1審原告会社の上記事業計画が
     とん挫した原因の一つとして、
     1審被告の一連の上記各不法行為が
     何らかの影響を及ぼしていることは
     否定できないと解されるが、
     それが1審原告会社主張の得べかりし利益の喪失に
     具体的にどの程度寄与していたかは
     本件全証拠によっても明らかになっているとはいえない。
     そうすると、この点は、後に検討する
     「1審原告



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36ページ
     
     会社の社会的信用の失墜及び業務妨害による損害」の額の
     一認定資料として斟酌するにとどめるのが相当である。


    イ 書き込み削除費用

     認定事実2のイによると、1審原告会社は、
     本件書き込みを含め、
     1審被告のインターネットへの書き込みを削除するため、
     専門の業者に対して、対策を依頼し、
     一定の書き込みを削除したこと窺われるものの、
     具体的にどの程度の費用を現実に出損したかについて
     的確な証拠はない。

     そこで、この点についても、以下において検討する

    「1審原告会社の社会的信用の失墜及び業務妨害による損害」の額の
     一認定資料として、本件各書き込み等を削除するための
     対応等を余儀なくされたという事実を斟酌するのが相当である。


しんしゃく
【斟酌】
《名・ス他》あれこれ見計らって手加減すること。
?先方の事情をくんでやること。?「この点を―して今度だけは許す」
?条件などを考え合わせて適当に処置する。?「双方の言い分を―する」





   ウ 社会的信用の失墜及び業務妨害による損害

     1審原告会社は、1審被告による上記一連の不法行為
     (電話攻撃等による業務妨害、
     本件各ファクシミリ文書の送信及び本件各書き込み)によって、
     その社会的信用は大きく低下したと認められる。
     この点に関し、1審原告らは、
     1審原告会社の店舗を移転するための移転先を探そうとしても、
     不動産会社からインターネット上の書き込みを理由に
     不動産会社の審査が通らなかったとか、
     1審原告会社の代表者である1審原告窪田が
     全国にある代理店を直接訪問し、
     1審被告の上記一連の不法行為に関する状況説明と
     謝罪を余儀なくされたとか、
     臍帯血保管事業から撤退した現在も
     新規事業を行うことすらままならなず、
     円滑な経済活動を行うことができない状況が続いているとか、
     1審被告の電話攻撃により業務の遂行が著しく妨害され、
     女性社員がノイローゼになり欠勤する事態などが発生した
     などと主張して、
     原審における1審原告会社代表者尋問において、
     これに副う供述をしている。
      しかし、上記の各損害について、
     1審原告窪田の供述以外にこれを裏付
   

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


37ページ


     ける客観的な証拠がないことに加え、
     上記アで検討したとおり、
     1審原告会社が挙げる具体例の原因が、
     専ら1審被告の上記一連の不法行為にあるかは
     必ずしも明らかではなく、 
     また、本件各ファクシミリ文書の送信や電話攻撃が原因で
     女性従業員がノイローゼになり欠勤を余儀なくされたことを
     裏付けるに足る的確な証拠があるわけではなく、
     また、その業務妨害の程度がどの程度のものであったかを
     推知させるに足る客観的な証拠の提出もないのであって、
     1審被告窪田の上記供述をそのまま採用することはできない。
      もっとも、認定事実2によれば、

    ① 1審被告が行った上記一連の各不法行為
     (電話攻撃等による業務妨害、
     本件各ファクシミリ文書の送信及び本件各書き込み)は、
     世田谷警察署や石川県警察に所轄警察署から
     厳重注意があったにも拘わらず、
     不法行為として認定した期間だけでも
     2年以上にわたって繰り返されたものである上、

   ② その内容も事実的根拠に欠ける悪質なものが殆どで、
     単なる誹謗中傷ないしは人身攻撃にすぎないと思われるものも
     多々含まれていること、そして、

   ③ とりわけ本件書き込みに関しては、
     インターネット上の掲示板を利用して
     少なくとも1年以上にわたり繰り返されたものであって、
     そこでの書き込みは情報として拡散され、
     1審原告会社の営業活動に何らかの悪影響を
     及ぼしたことは否定し難いことなどの事情を総合すると、
     かかる1審被告の上記一連の不法行為により
     1審原告会社の名誉及び信用は害され、
     かつ、その業務の円滑な遂行が妨げられたことによって
     無形の損害が発生したものと認められる。
     そして、その損害は、上記不法行為の内容・程度・態様・期間、
     被害法人に対する影響等からみて
     金銭的評価が可能というべきであるから、
     1審原告会社は、上記無形の損害につき、
     民法709条、710条により、
     1審被告に対して不法行為に基づく損害賠償を
     請求することができるものと解されるところ
     (最高裁昭和39年1月28日
     第小法廷判決・民事18巻1号


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
     


38ページ


     136貢)、
     その額は、上記①ないし③及び上記ア及びイにおいて
     指摘した各事情を考慮すると、150万円が相当と判断する。
     そして、本件事案の難易度、請求額、許容された額、
     その他の証拠等から認められる諸般の事情に照らして、
     1審被告の上記各不法行為と
     相当因果関係のある弁護士費用としては
     認容額の1割に相当する15万円と認めるのが相当である。


 (3) 1審原告窪田の損害

 
    ア 認定事実2のとおり、1審原告窪田は、
     1審被告の上記一連の不法行為
     (本件各ファクシミリ文書の送信及び本件各書き込み)により、
     その名誉及び信用を毀損されたことが認められ、
     その加害行為の内容・程度等に照らすと、
     これに対する慰謝料の額は50万円が相当である。
     そして、本件事案の難易度、請求額、容認された額、
     その他の証拠等から認められる諸般の事情に照らして、
     1審被告の上記各不法行為と
     相当の因果関係のある弁護士費用としては
     認容額の1割に相当する5万円と認めるのが相当である。


    イ なお、1審原告窪田は、
     個人として独自のブランドを立ち上げ、
     ブレスレットや財布を販売しようと考え、
     商品開発・製造まで終わっていたのに
     1審原告窪田の名前を出して販売することができなくなり、
     デパートに出店する予定であったが
     取りやめとなってしまうなど
     事業活動を著しく阻害された旨主張し
     これに沿う供述をするが、
     裏付けとなる客観的な証拠を欠いており、
     直ちにこれを採用することはできない。




6 結論
  以上に認定、説示したとおりであって、1審原告らの本件各請求は、
 1審被告に対して、不法行為に基づく損害の賠償として、
 1審原告会社については合計165万円、
 1審原告窪田については55万円及びこれらに対する不法行為の後で
 ある平成26年5月16日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで
 いずれも民法所定の年5分の割合による遅廷損害金の支払いを
 求める限度で理由



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39ページ


 があるからこれを認容し、その余の請求は
 いずれも理由がないからこれを棄却すべきものとする。



第4 結語


   以上の次第であるから、上記第3の6に示した当番の判断と
  一部結論を異にする原判決はその限度で変更を免れず、
  したがって、1審原告会社の本件控訴に基づいて
  原判決中1審原告会社に関する部分を
  当番判決主文1項のとおり変更し、
  1審原告窪田及び1審被告の本件各控訴は
  いずれも理由がないからこれらをいずれも棄却として、
  主文のとおり判決する。





東京高等裁判所第9民事部
裁判長裁判官 奥田正昭
裁判官    石井浩
裁判官    伊良原恵吾



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これは正本である。  
平成28年7月20日
東京高等裁判所第9民事部
裁判所書記官 林薫   印
 
     


















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