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No.0740 泉ヶ岳遭難危機検証

2019-01-29 19:14:42 | 登山
先日の泉ヶ岳登山遭難危機を振り返って(反省)

先日泉ヶ岳雪山登山でこのままさまよったら遭難するのではないかという経験についてよくよく考えてみた。

遭難するのは心理的影響が大きいのではないかと今になって感じる。
滑降コースはもともと登ってる人が少ないコースで踏み跡がしっかりしていないだろうとは予想していた。
それでも、踏み跡が消されて分からなくなっている状況まではまったく予想していなかった。
また、泉ヶ岳は標高もさほど高くなく、多くの人が常に登っている山なので遭難するなんてあり得ないと油断していた。

登り始めて直ぐ道を間違ってしまった。分かれ道で周りの状況を良く確認しないまま先行する登山者が見えたため
ためらいなく付いていってしまった。
先行者はスキーの跡を頼りに登っていたようでおかしいと気づいたらしく、一緒に引き返した。
このコースはやはり迷いやすいとその時に感じた。

そこからは自分のほうがペースが速かったため、先行して登った。
周りの景色も雪のない時期に登っている景色だったため安心して登っていた。

しかし、標高があがるにつれて踏み跡があやふやになっていった。強風で新雪が飛ばされたため。
上部に行くと、はっきりしない踏み跡らしき模様が2~3本に分かれてる箇所に遭遇したり、更に迷いやすい状況が続いた。

そろそろ山頂も近いなと思われる場所まで来ると、さえぎるものがなく強風が更に強くなり踏み跡がまったく分からなくなった。周りには登山者は居ない。

わずかに雪面に凹凸のような模様が見えるが、それがいく筋もありどれが踏み跡なのか分からない。
ここまで、何回か踏み跡に迷いそうになっていたため、徐々に不安が大きくなっていった。

そこに痛いくらいの冷たい強風が吹きつけ、ロンT一枚の薄着の体温が奪われ、コースを外れたことによりひざ
上までの雪を掻き分け進まなければならず体力も消耗してきて、防寒着も帽子も食料も無くこのままさ迷ったら
凍死すると不安が募り、ここで冷静な判断ができない状況(半分パニック)に陥っていたのではないか。。

GPSでコース確認すれば良かったのかも知れないが、目を開けるのも酷いくらいの強風と、指が冷たく手袋をはずしても上手く操作できないだろうと確認しなかった。仮にルートを確認できても、そこまで戻るのには深い雪をかき分け余分な体力を使うことになる。それよりは山頂方向を目指したほうがいいのではないかとの思いが強かったように
思う。

踏み跡が分からなくなりコースを外れて雪を掻き分け体力消耗してきた段階で引き返す選択ができなかったことが
遭難の危険に繋がったと思う。
一度、引き返すことも頭をよぎったが、「せっかくここまできて引き返すのか?情けない」と思ってしまい、行けるとこ
まで行く判断をしてしまった。
今考えると「撤退する勇気」とはこういう場面でのことなのかとあらためて思う。

ピークと思われる所が見えたため山頂方法へ向かった。登りきった所に雪面にケルンがわずかに頭だけ見えたた
めここは”さいの川原”だと分かり、いつも登ってる山頂方向へ向えばきっとわかる場所に出ると思った。
しばらく登ったら泉ヶ岳の標柱が見えた。

助かった

安心するとともに帰りが分からなくならないように後ろを振り返り景色を記憶しておこうと思ったらすでに踏み跡が
分かりづらくなっていた。
今度は下山できるか不安がよぎる。
すでに精神状態が半分パニックになってるため冷静に判断できなくなっていたのでは。

パニックになっていたと思うが、山頂まで来た証拠写真は撮らないといけないという意識があり強風の中、山頂の
写真一枚撮ってぺらぺらのパーカー取り出し着ていると二人組みの登山者に「こんにちは」と声を掛けられた。
それまで全く気付かず、どこから来たのかも分からない。
それだけ焦っていたのだろう。

二人に、水神コースを降りるのか確認したら「そうだ」と言うので、後ろに付かせてもらった。
二人は、スノーシューを履いてすたすた歩いていたのでスノーシューの必要性を改めて、感じた。

水神コースの踏み跡も消えていたためこの二人に合わなかったら果たして無事下山できただろうか。
水神コースはもう何度も登ってるので、冷静な精神状態だったら踏み跡が無くても下山できたかもしれない。

遭難するというのは冷静な判断ができない状態になっていることが大きく影響するのだと実感した。
正常な判断が出来ない中で動き回り、体力を消耗するのが最も危険なのではないかと思う。

この経験がきっとこれからの登山に役立つと思う。いい経験(無謀だったが)をしたと思う。

慣れた山、標高の低い山であっても最低限の装備(防寒着、食料、水)は持参すべしである。(反省