宇宙(そら)へ(メアリ・ロビネット・コワル/ハヤカワ文庫)
久しぶりのハヤカワ文庫のSF。
1952年。アメリカ合衆国。冒頭、巨大な隕石の落下に遭遇し、夫とともにかろうじて生き延びる女性パイロットが描写される。そういうタイプのSFかなと思っていたら、だんだんと、「アメリカ合衆国が、本気で宇宙開発に取り組んでいたら」という「もしも」の物語だとわかる。宇宙への進出が人類生き残りに必要、という状況を設定するために、隕石が利用されている。
つまりこれは、「歴史改変SF」と呼ばれるもの。
歴史改変ものと呼ばれる作品には、単なるフィクションで、わざわざSFと呼ぶ必要があるのかと思うものもある。この作品は、宇宙開発をテーマとしているので、SFではない、とは言いにくいが、私が期待していた内容とは少し違う。女性蔑視、人種差別があからさまだった時代を舞台にしているから、そうなってしまうのはやむを得ないのかもしれないが、むしろ、戦う女性の物語、という色彩が強い。
と思いながらも、上下2巻、約800ページを、かなりのペースで読み切ってしまった。この感じは、ジャンルは全く違うが、ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』に少し似ていると思った。話の筋には違和感があるのに、読むことを止めることができない。
アメリカ主要SF3賞を受賞しているが、むしろSFファンでない人にお勧めかもしれない。地球温暖化や政治の混迷など、今の時代にも響く作品だと思う。

久しぶりのハヤカワ文庫のSF。
1952年。アメリカ合衆国。冒頭、巨大な隕石の落下に遭遇し、夫とともにかろうじて生き延びる女性パイロットが描写される。そういうタイプのSFかなと思っていたら、だんだんと、「アメリカ合衆国が、本気で宇宙開発に取り組んでいたら」という「もしも」の物語だとわかる。宇宙への進出が人類生き残りに必要、という状況を設定するために、隕石が利用されている。
つまりこれは、「歴史改変SF」と呼ばれるもの。
歴史改変ものと呼ばれる作品には、単なるフィクションで、わざわざSFと呼ぶ必要があるのかと思うものもある。この作品は、宇宙開発をテーマとしているので、SFではない、とは言いにくいが、私が期待していた内容とは少し違う。女性蔑視、人種差別があからさまだった時代を舞台にしているから、そうなってしまうのはやむを得ないのかもしれないが、むしろ、戦う女性の物語、という色彩が強い。
と思いながらも、上下2巻、約800ページを、かなりのペースで読み切ってしまった。この感じは、ジャンルは全く違うが、ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』に少し似ていると思った。話の筋には違和感があるのに、読むことを止めることができない。
アメリカ主要SF3賞を受賞しているが、むしろSFファンでない人にお勧めかもしれない。地球温暖化や政治の混迷など、今の時代にも響く作品だと思う。
