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少し偏った読書日記

エッセイや軽い読み物、ミステリやSFなどエンタメ系、海外もの、科学系教養書、時代小説など、少し趣味の偏った読書日記です。

アイム・トラベリング・アローン

2019-08-11 09:53:03 | 読書ブログ
アイム・トラベリング・アローン(サムエル・ビョルク/ディスカヴァー文庫)

ノルウェーの警察小説。推理小説の世界は深い泥沼で、足をとられると抜け出せない気がするので近づかないようにしているが、これだけ世に犯罪小説があふれていると、完全に避けるのは難しい。これは、ノルウェーの作品であることと、タイトルに魅かれて本屋で買ってしまった。

この作品の良さは、主人公の女性警官に負うところが大きい。過去の事件で心に深い傷を負っている、という設定は鬱陶しいが、それも物語に欠かせないピースになっている。6歳の少女の連続殺人という陰惨な事件ではあるが、主人公の異様な明晰さ、捜査チームの結束、簡潔で平易な文章などが混然となって、一種の軽快さを生んでいる。

続編がすでに翻訳されているので、いずれ読むことになると思う。