お気楽 Oh! My Way

勝手気ままな日々。散らかり気味な趣味はインドア派。

火垂るの墓

2005年11月02日 | 映画・テレビ
まさか、今さらドラマ化されるとは。
「火垂るの墓」といったらジブリのアニメーションだ。
ひどく無感情で淡々と綴られた原作が、あんなにも感情的な作品に仕上がるとは。
もう何度も見ているので、印象に残るシーンは頭に入っている。
ドラマを見ながら、ああ、このシーン、アニメではこうだったなと、やっぱり比べてしまうのだ。

冒頭のドロップ缶が投げられるシーン、母親が負傷して節子に詳しいことを隠すシーン、泥棒をして駐在所に連れて行かれたシーン、節子を焼くシーン・・・あと他にも色々あるけど、膨らませて演出したくなるシーンというのはやっぱり同じらしい。

今回ドラマを見て思ったのは、終戦直後の日本人は何をよりどころに生きていたのか、ということだ。
清太が選んだ道を、弱い人間だという人もいるかもしれないが、父も母も亡くし、日本も戦争に負け、誰もが他人を思いやってあげられる余裕もない中、途方に暮れて生への執着心が失われたとしても、それは責められたことじゃない。

ふと祖母のことを思い出した。
認知症にかかり入院している祖母に会いに行くと、疎開した時のことをよく話す。
住み慣れたその土地にいたかったんだろうなと思う。
何十年も前のことだが、おそらく、祖母は今、戦後直後を生きているんじゃないだろうか。
わたしのことを近所に住んでいる娘のように思いこんでいる。
生々しい悲惨な話しは聞いたことがない。
ただ目の前にある生活に、必死になって生きているだけだ。
「お父さんが戻ってくるからもう帰らないと」
いつも話しを切り上げるのは祖母である。
コメント
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