お気楽 Oh! My Way

勝手気ままな日々。散らかり気味な趣味はインドア派。

得体が知れない

2022年06月01日 | 小説と創作
常光徹著『学校の怪談』を読み返していた。
この本はそのタイトルどおり、学校や通学路にまつわる怪談・都市伝説を収集した本。
創作ではなく、著者が聞き取り調査して、実際あったこと、あるいは子供たちのあいだで噂されていた話しを集めている。
初版は1990年であるから、今の子供たちにはちょっとなじみがないような話しもある。

「人面犬」の項目に、半分人間、半分動物のような姿をした妖怪の話しを古い文献からもいくつか紹介していた。
昨今有名な「アマビエ」に似た話しもあった。
肥前の国に人魚の姿をした「神社姫」と呼ばれる妖怪が現れたという。
「コロリ」が流行るから気をつけろ。自分の絵を描いてそれをお守りとして持っておけといって消えたという。

気になって調べてみたらわりと似た話が方々に残っているらしい。
もし、一番最初に取り上げられてSNSで拡散したのがほかの名前の妖怪だったら……。
先の本では「人面犬」とか「口裂け女」など想像がつきやすい名前がついていたが、なんとなく、「アマビエ」という意味のわからない名前のほうが、やっぱり浸透していったのではないかと思うのだった。

澤村伊智著「ぼぎわんが、来る」も、なんだからわからない怪異の名が怖いんだよね。
映画のタイトルも変更しないほうがよかったのにと。