スローライフ~子どもと楽しむスローな時間

4人の子ども達と楽しむ自然な暮らし。子供達は、自然の中で生きる力をつけています。
日々の暮らしの様子を夫婦で綴ります。

萌出山の春。子ども達の森遊び

2016-05-05 00:23:06 | 子どもの時間

萌出山.春

この山での森遊びも今年で10年ほどになります。

子供たちも成長しました。

でも、森は変わらない姿でいてくれます。

大きい子に面倒を見てもらっていた娘も、

今は小さな子の面倒を見れるようになりました。

森は子ども達を育ててくれます。

毎年この春のキャンプを楽しみにしていた子供たち。

今度は、他の子ども達へと伝えていきたい。

 


愛すべき悪ガキ達

2015-01-27 12:02:33 | 子どもの時間

冬休みの間、悪ガキ達はうちに来なかった。

クリスマスやお正月で買ってもらったゲームで

ゲーム三昧だろうな、

と、思っていた。

三学期も始まり、しばらくすると、

なんの前触れもなく、再びあらわれた悪ガキ達。

「久しぶりだね~。ゲームばっかりしてたんじゃないの?」

って言うと、

「テストがあってさ~、テスト終わるまで遊んじゃダメだって

親に言われて来れなかったんだよ。

今日やっとテスト終わったんだ!」

だって。

ちょっと意外だった。

「でも、お母さん見てないときはゲームしてたよ。」

まあ、そうだろうね(*^▽^*)


そんな彼らについて、少し思うところがあるので、

今回は、それを書こうと思います。

 

悪ガキ達のことを知らない方のために、

ちょっぴりこれまでの経緯説明します。


私は、去年の夏から、

子どもの居場所を作ると決意し、

自宅の庭を開放しました。

大工道具や廃材を用意し、

庭に秘密基地を作ったり、

たき火をして、食べ物を煮炊きしたり。

集まって来た近所の子ども達。

その中に、悪ガキ三人組がいるのです。

言葉遣いも態度も乱暴で、

それまで平和に遊んでいた子ども達を押しのけ、

ここは自分達の遊び場だぞ!って言わんばかりに

好き勝手にする。

物は壊すし、

大工道具は出しっぱなし。

けんかして切れて馬乗りになって殴る蹴る。

大人が居ないときに、

勝手に火をおこしてたき火してたり、

とにかくすごい子ども達。

でも、一方で、

憎めない子どもらしさと、

遊びを作り出すことに対しては天才的な才能があるのです。

大人では考えつかないアイディアをつぎつぎ出して、

びっくりするようなことをする子達なんです。

彼らがいることで、遊びは飛躍的におもしろくなり、

刺激的になるのです。


そんな愛すべき悪ガキ達ですが、

共通することがあります。

それは、お父さんがめちゃくちゃ怖いらしいと言うこと。

お父さんが怒ると手や足が出る。

だから、お父さんのことは、ものすごく怖がっている。

でも、そのせいで、

腹が立ったり、自分の思い通りにならないと、

悪ガキ達も手や足が出ます。

父親に顔を蹴られたりもするから、

けんかすると顔を蹴る子も。

だって、怒ったときは、暴力ふるうって、

からだで覚えてきたんだもん。

「顔はやめなさい!」

というと、

「だって、俺のお父さんだって、おこると顔蹴るよ」って。


でも、そんな彼らも、お母さんのことは大好きなのがわかります。


4歳の息子が私に甘えておんぶしてくると、

「いいな~。でも、おれ、あかちゃんいるから、甘えないんだ。

お母さんにくっつくと、あっちいってって言われるし。」って。

ちょっとせつないな~って思います。


最初は乱暴な子達が来て、困ったな~って思ったけど、

彼らを見ているうちに、

彼らが愛おしくて仕方がなくなりました。

悪ぶってるけど、子どもらしくって、

口も悪いけど、カラダで体当たりしてくるし。


4,5年生だけど、まだほんとは親に甘えたい。

でも、それが出来ない。

甘えたいなんて、かっこわるいとこ見せたくないから、

精一杯かっこつけて、悪ぶって、

強く見せようとしているのがわかってしまうと、

強がってる彼らが、かわいく見えて来ちゃうんです。


彼らのことを知ってるお母さんから、

「乱暴で口は汚いし、物は壊すし、

あんな子達の好きにさせちゃダメよ!

よく許してるね」

って言われたこともあるけれど、


学校でも、家庭でもあまされてて、

怒られ続けてきて、

怒られることには全然こたえない彼らが、

ありのままを受け止めてもらえる場を

見つけたと思ってうちに来てくれるのなら、

彼らを全面的に受け入れようと思っています。


子どもには、受け入れてもらえる場が必要です。

それがほんとうは家庭であって欲しい。


毎日忙しくって、子どもも大きくなってきたし、

手も離れたから大丈夫。

もう自分で何でも出来るでしょ、って思うけど、

いくつになっても、

自分のこと大切にしてくれる人がいるって事が、

子どもにとって、大きな安心感と、

情緒の安定に大きく関係していると思うのです。

手をかける必要はない。

目をかけ、こころをかけてあげて欲しいのです。

 

子どもの出来ないことばかりに目を向けず、

出来ることを認めてあげて欲しいのです。


かつて、今は高校生の長男が小さい頃、あんまり褒めすぎて、

すごいね!ばっかり言ってたら、

天狗になっちゃうんじゃないかと心配した時期もありました。

心配無用でした。

人に迷惑をかけないように育てようと思うあまり、

随分しかりました。

感情的に怒りました。

そのたび反省しました。

でも、怒りすぎても、ちゃんと、ほんとは大好きなんだよって

伝えてきました。

なんの問題もなく、やさしい子に育ってくれました。


長男は、買ってあげたラジコンを

かたっぱしから分解してしまう子でした。

そんなにたくさんは買ってあげられないけど、

誕生日やお正月など、特別なときにはラジコンを買いました。

中学校に入って、自分でパソコン作ると言って、

パソコンを作ってしまいました。

高校生の今、

好きなギターにLED埋め込み、ネットで注文とってお金を稼ぐようになりました。

将来はギター職人になりたいと言っています。

それで稼いでいけるかどうかはわかりませんが、

自分の”好き”を仕事にすることを本気で考えています。

勉強して、いい高校、いい大学行って、

いい会社に勤めることだけが幸せじゃない。

好きなことを仕事に出来るなら、そんな幸せなことはない。

お金にはならないかもしれない。

でも、経済的に豊かなことだけが幸せではなく、

いかに満ち足りた人生を送れるか、

そんなことも、子ども達に伝えていきたいと思っています。

 

ありのままを認めてあげる。

その子の”好き”をちょっとだけサポートしてあげる。

それだけで、

子ども達は、自分の夢を見つけていけるのかもしれない。


みんなと同じ、型にはまって、

誰にも迷惑をかけない子が幸せなんじゃない。

個性豊かで、自分にしかない物をもってる事に気づけたら、

それだけでその子の可能性は明るく開いて行くのかなって思います。


ちょっと話はそれましたが、

最低限、人を傷つけないとか、物は大切にするとか、

注意すべき点は厳しくしなければならないこともありますが、

ただ感情のままに怒るんじゃなくて、

大切なあなたに向けてのメッセージとして愛をもって伝えたら、

そのときは、聞いてないふりして目をそむけるけれど、

ちゃんと分かってくれるように思います。

甘えたい、愛されたい、自分を見て欲しい、

そんな彼らの想いを満たしてあげられるように、

根気よく。すこしづつ。

その子の可能性を信じて。


クリスマスの魔法

2014-12-28 16:53:07 | 子どもの時間

≪サンタなんていないよ≫

夏から秋の間、毎日のようにやってきては

何かしら事件を起こしていた悪ガキ達でしたが、

冬になり、日の暮れるのも早くなったこともあり、

ぱったり遊びに来なくなっていました。

うちは以前のようにおだやかな毎日で、

どこかほっとしたような、ちょっと寂しいような気がしていました。

そんな中、冬休みに入り、クリスマスがやってきました。

サンタさんが来るかとうきうきしている息子。

 

そして、クリスマスの朝。

うちの子ども達のところにもサンタがやってきました。

それぞれ、欲しかった物が届いて、大喜びの子ども達。


ツリーにつるしてあったクッキーも


サンタさんが食べていった形跡があり、


サンタさん、やっぱり来てくれたんだ~!と、子ども達。


そんな楽しい一時を過ごしているところに、

 


ピンポ~ン♪

 


なんとクリスマスの朝にやってきたジャイアンとスネ夫。

 


一瞬固まる息子。


スネ夫は来るなり、

「サンタさんなんていないよ。


うちはお母さんの車に隠してあったから、どうせおれの物だから、

勝手に出して使ってた!」

ジャイアンも、

「うちは、お父さんに言えば、好きな物買ってもらえるよ。」


固まるうちの子ども達。

「・・・」


私は思わず


「あんた達は悪い子だからサンタさん来ないの知ってて、


お父さんとかお母さんがプレゼント用意してくれたんだよ。


やさしいおうちの人だね~」


って、嫌みたっぷりに言ってしまった。


「信じてる子のところにしかサンタさんは来ないんだよ。」と。

 


その後も、みんなで息子がもらったプレゼントのボードゲームで遊び始めるが、


スネ夫はいちいち息子の言葉に文句をつけて、


ついに息子を泣かせてしまった。


そこでも私は、せっかくのクリスマスを台無しにされてしまった気持ちがして、


スネ夫に、「楽しく遊べないなら来ないで!」


と突き放し、帰してしまいました。


「いいよ!おれ、うちでゲームするから!」

 


何度も振り返りながら、帰って行くスネ夫。


残ったジャイアンは、


「あいつ、ばっかだな~。


いっつもあんなんだよ。」


私が 「あんなんじゃ友達いないんじゃない?」


と聞くと、


「うん。あいつと遊ぶの、おれらか、もう1人くらいだよ。」

 

 


その後は、平和に、遊んでいた子ども達ですが、


私の心には、スネ夫に対するひっかかりがありました。

 

 


その日のことをFBでアップしたところ、いろんなコメントや


メッセージ、心温まる投稿に触れて、


私のちょっとへこんだ心が戻ってきました。

 


以下、FBで投稿されていたお友達の投稿を抜粋して紹介します。

 


~クリスマスが近づいたある日 三女がこう訊ねてきた。

「お母さん、サンタさんって、ほんとはお母さんなの?

○○君が言うとった。」

あ、きたか‥

いつかはこんな日が来ると思っていた。

純粋な三女は もっと後かと思っていたけど‥

「サンタさんはね、信じる子のところにはちゃんと来るんだよ。

サンタを信じられなくなると、サンタさんはお母さんの心の中に入って、

代わりにプレゼントを買ってくれるんだよ。」

と私は答えた。

そうなのだ、プレゼントを買いに街へ出るとき、

私の心には確かにサンタがしのびこんで

クリスマスの魔法にかけられていた。

その魔法とは大切な人のために何かをしてあげて、

それを喜んでもらえるという、最高に幸せな魔法。

子育ての疲れなんか吹き飛ぶ、ほんとに幸せな魔法。

その年、長女が4年生になった年のクリスマス。

私のお腹には5人目の赤ちゃんがいた。

男の子だとわかっていた。末っ子の長男にも 弟ができるわけだ。

家族みんなが次男の誕生を楽しみにしていた。

予定日を2週間後に控えたイブの夜、

いつものように子どもたちの枕元に4人分のプレゼントを置いて

私は布団にもぐりこんだ。

彼らがなかなか眠らなかったため 

それはすでに夜中の2時を回っていたが

天使のような寝顔は子育ての疲れを忘れさせてくれた。

私は体中が愛でいっぱいだった。

 

翌朝…

 

目覚めた私の枕元にはなんと絵本のプレゼントが置いてあった

手紙まで添えられて‥

手紙には、「お母さんと これから生まれてくる赤ちゃんへ」と書いてあった

長女からだった。

私は泣いた。

サンタは長女にまで クリスマスの魔法をかけてしまったらしい。

 

・・・中略

 


「子育ても 一段落ついたし、自分も輝きたい!」

と、資格に挑戦して仕事を増やしたものの、

エゴからのがんばりがうまくいくはずはない。

お金と時間をかけたのに、結果がでず

逆に家族との繋がりとか 大事な物が ポロポロこぼれていった。

空回りの繰り返し、自信喪失、枯渇感‥

私の心の中のサンタはどこかへ行ってしまった。

 

あの頃からもう、6年経ったのかな


今は、私の心に またクリスマスの魔法が戻ってきている。

子育てと自己実現の狭間を迷い続けて ずいぶん回り道をしたけど

ふたたび、ほっこりした暖かさが戻っている。

人に喜こんでもらう仕事が幸せへの道

大切な誰かのために働いて、それを喜んでもらえるのが最高の幸せ

それは昔、子どもたちが教えてくれた。

今は、仕事でお会いするたくさんの方からその喜びを頂いている。

2歳児を持つ母となった長女も きっと最高の幸せを手にしてくれるだろう。

なぜなら彼女は すでにクリスマスの魔法を知っているから。

 

そしてもう1人。

温かい気持ちになるコメントも。

 

娘たちとさっきまでサンタさんのはなしをしていました。

中2と小3の娘。友達に今朝届いたプレゼントを見せて

サンタさんは実在すると説得したらしいです。

絶対いないという友達に次女がいった言葉は

「サンタさんに何もお願いしなかったし、

みんなが楽しいクリスマスになりますようにってお願いしたら

幸せを贈るクリスマスカードの本が来たんだよ。

心でお願いしたことがわかるのは不思議でしょ」と。

長女に至っては

「いないということを証明しても誰も幸せにならないよ。

いるってことを証明できたら誰もが幸せになるんだよ。

って言うかいるし!」

って言ったらしいです。

これは、本当に幸せがなんなのか知ってる幸せな奴らです。

幸せな奴がきっとまわりのさみしい人を励ましてくれますよ。

幸子 さんのお子様方がまわりのさみしい人の光となるでしょう

そしてもう1人、

嬉しいメッセージを下さった方。

「抱っこをせがむスネ夫たち」

「末っ子君のおもちゃを持ち帰った話」

知り合いにご夫妻のお話をしたら、

突然「僕を泣かせに来たんですか」と、

ハラハラと涙をこぼしたのでびっくり。

「僕の想像ですけど、そのスネ夫は、

4歳の坊やに「嫉妬」してるんです。

甘えたいのに、親の性格なのか、

下に子供がいるのか、

ずっとかまってもらえない家庭環境下にいると思います。

だからいつも暖かで甘えさせてくれる

家庭にいられる坊やが面白くないんです。

だから叩いたり、泣かせたり困らせたりするんです。

潜在的に嫉妬してます。「スネ夫、さびしいんです」

 

こうして、

あたたかいこれらの投稿を見て思いました。

誰の心にもサンタの心は宿るんです。

心に温かい灯火がともるんです。

親からあたたかい灯火を受け取った子供には、

そのまま子供に灯火が受け継がれていくのです。

親から灯火を受け取れなかった子供は幸せじゃないか?

というとそんなこともなく、

私だって子供の頃はサンタなんて来なかったし、

クリスマスのお祝いをしたこともなかった。

プレゼントをもらえる友達のうちがうらやましくて仕方なかった。

でも、大人になった私の心にはクリスマスの魔法がかかり、

サンタの心の灯火が灯っています。

サンタが信じられない子は、

心の灯火が小さすぎて消えそうなのか、消えてしまった子。

でも、そんな子だって、

周りにいる心に灯火を持った人が照らしてあげればいいんです。

そしたら、きっとその子にも

クリスマスの魔法はかかって、

心に灯火が灯るのだと信じています。

ひとり、暗闇を手探りで歩いている彼らの前を、

明るく照らしてあげましょうよ。

ときには、こっちだよって手をとって。

 

だって、サンタがいる世界を信じた方が、どれだけ幸せな気持ちになれるか。

自分がサンタになって、幸せを届けてあげればいいんです。

大切な誰かに喜んでもらえる幸せは、

大人も子供も同じです。

いくつになっても。

 

「サンタなんていない」って思うのも、「サンタは居るよ」

って思うのも、どちらの世界を望むのも、その人の自由。

Happyな世界を望むのか、心配事があって不安な世界を望むのか、

それもまたその人の自由。

自分がどの世界を選択するか。

そして、自分が望む世界のために、

自分が出来ることを何か始めたなら、

望む世界にシフトできるのだと思うのです。

 

みんなでHappyな世界にジャンプしましょう

それがクリスマスの魔法なんです。

クリスマスの魔法は一年間有効。

クリスマスが過ぎた今、新年を迎えるにあたり、

こころに灯火をともしたまま、

来年はどんなHappyな世界にしようか、

わくわくしながら未来を描いてみて下さい。


秘密基地

2014-12-01 12:26:34 | 子どもの時間

<秘密基地作り>


悪ガキ三人組が来るようになり、それまでうちの庭に遊びに来ていた近所の子達の遊びは変わっていきました。


毎日のように新しい遊びを考える悪ガキ達。


言葉遣いも態度も乱暴で、道具や木の使い方も雑で乱暴だった。


ジャイアンは、剣を作れば振り回し、だれかれ構わず戦いを挑む。

怖がるちびっ子とおとなしめの子達。


そんなジャイアンは、初めてうちの庭に来たときに、

「この土地、何円するの?」

「俺、大人になったら、こんな庭付きの家買って、

子どもの遊び場作る!」

と言ってくれた子です。


その言葉を聞いたとき、すごくうれしかった。



「この子達には、次なる何かが必要だね」

と、主人と話していました。


庭にはサクランボの木が2本あり、

一本は、小さいながらもたくさん実を付ける木で、

もう一本は、大きい実がなるけど、

うまく受粉しなくてほとんど実をつけない木でした。

 

植えてから10年ほど経ち、木もだいぶ大きくなっていたので、


2本の木を眺めながら、


「実があまりならないこっちの木に、秘密基地を作らせようか!」


と、主人と話し、休日に、どの枝を残すか、

どことどこの枝に木を渡せばいいか、

吟味しながら木を剪定していました。


剪定してる最中、ボスがやってきて、

「何してるの?秘密基地?おれも手伝う!」

と言うので、

「じゃあ、木に登って、そこの枝を切り落として」


 



「次はこの枝」

と、指示を出しながら切ってもらいました。

暗くなってきたこともあり、

「あとは、土台になる木を固定するから、

基地を作るのは、この木を固定した後ね」

と話すと、その日は剪定だけしてボスは帰って行きました。

 

翌日、ボスは来なくて、

代わりに、ジャイアントスネ夫がやってきました。

木の上に土台が出来てるのを見て、


「なにこれ!ここに基地作っていいの?」

と、嬉々として木の上に板を打ち付け始めました。




その日のうちに、釘はあちこち飛び出してるけど、

子ども二人が乗るには十分な基地が出来ました。






「おれんち、じいちゃんが大工だから、大工仕事は得意なんだ!」


と言うジャイアンだったが、彼の打つ釘もみんな曲がっていました。



その翌日、用事があって夕方車を走らせていると、

通りをすごい形相で走っているボスの姿を見かけました。


その顔には、

「ちくしょ~!あいつら、

俺のいない間に勝手に基地を作りやがって!!」

と書いてあるようでした。


きっと、学校で、ジャイアントスネ夫が、


「おれたち、昨日、秘密基地作ったんだぜ!」


って、ボスに自慢したんだろうな~って。

 

用事が終わってうちに帰ると、

子ども達が基地に壁をつけるとか、屋根をつけるとか言いながら、

木の上にさらに板を打ち付けていました。

しかし、壁や屋根は難しすぎて、あきらめたようでした。


こうして、木の上の秘密基地は出来たのでした。





<遊びのルールはどうすれば守られる?>


木の上の秘密基地作りは、

悪ガキ三人組が他の子が来ることを許さず、

彼らだけで作り上げました。

他の子達は、やりたげに遠巻きに眺めているだけ。

仕方がないので、別な遊びを考えます。

しかし、彼らは、終わった後も、道具は出しっぱなし。

木の下には、大量の釘が落ちているし、

のこぎりやトンカチもその辺に投げたまま帰ります。

おまけに、コンクリートブロックをのこぎりで切ろうとしたり・・・。

あまりにも道具を大事にしないので、

ここで遊ぶルールを決めました。



 

『~子どもの遊び場~

ここは、こどもが自由に遊べる場所です。

でも、ルールがあります。

★大人が居るときだけ遊べます。

★大工道具は、大人に、「貸して下さい」と言ってから使って下さい。

★使った道具は片付けてください。

★道路ではあそばないように。』

 

 

もともとうちの近所の子達は、言えばちゃんと分かってくれて、

帰る前にはお片付けをしてくれます。


しかし、悪ガキ3人組は、全く片付けようとはしませんでした。

いつも最後まで遊んで、帰る時間ぎりぎりに、

「じゃあ!」と言って走って帰ってしまうのです。

おまけに、大人がいないときでも、勝手に大工道具を出して使うので、

彼らがどうやったら片付けをしてくれるか、考えました。

 

そんなある日、やっぱりその日も大工道具を出しっぱなしにして、

くぎも散乱させたまま帰った悪ガキ達。

翌日、玄関に出してあるお約束ボードに

怒りの張り紙をしました。



『今日は大工道具は使えません!!

昨日もその前もず~っと大工道具出しっぱなしだから。

今日は火もダメです!!

ルールをまもらないからだよ!』

 

その日やって来た近所の子ども達は口々に、

「おれ、片付けたよ」

「おれ片付けた後に、あいつら使ってたよ。」

と言います。

そこへやってきた悪ガキ達。

張り紙を見て、


「・・・・」


「いっつも出しっぱなにしてるから、お父さんがものすご~く怒って、大工道具貸すな!って言ってたんだよ。最低でも一週間は使えないよ。反省しなければ、もっと使えないし。」

 

それから数日は、悪ガキ達は、道具出せとか、火やりたいとか、

わがまま言わずに、わりとおとなしく遊んで帰って行ったのでした。


一週間経った頃、子ども達には、ちゃんと片付けるか、

確認した後、大工道具を再び解禁しました。

ほっとした子ども達。

それからしばらくの間は、

悪ガキ達も道具を片付けて帰るようになりました。


大工道具を解禁した頃、

火をつけるのも許しました。


火をおこすと、子ども達がとても喜びます。

「なんか焼いて食う!」

「マシュマロ焼く?」

キャンプなどでよくマシュマロ焼きを楽しんでいたのを思いだし、

マシュマロを買ってきて、

木の枝にマシュマロをさして火にあぶります。

ちょっと焦げ目がついた頃がとろ~っとして、

何ともおいしい焼きマシュマロ。


食べ物があるだけで、断然盛り上がるのです。

こうして、庭での遊びも、毎日がキャンプのようになりました。


ルールさえ守れば、楽しく遊べる。


近所の子達はそれを分かってくれました。

悪ガキ三人組は・・・

まだまだこれから事件を起こすのです。


つづく



悪ガキ三人組

2014-11-02 22:24:09 | 子どもの時間

<二人の少年>

ある日突然庭に現れた二人の少年。

彼らは、夏休み前にクワガタ取りに来てた子達だった。

「あれ?なんか見たことある人だ!」

「何ここ?すげえ。」

「誰が作ったの?」

矢継ぎ早に質問してくる子供達。


「ここ、好きなように遊んでもいいよ。」

「この小屋は、お父さんが子供の遊び場にするために作ったんだ。」

「いつでも、遊びに来ていいよ。」

と答えると、

「小屋、入っていいですか?」

「犬、触れる?」

 一応礼儀正しく聞いてくる子供達。

 なんで隣の空き地から出てきたのか聞くと、

どうも、まだクワガタいないか探しに来たらしい。

だけど、クワガタはいないし、川沿いは工事中だし、

ぶらぶらしてたら、うちの隣の空き地を見つけ、

空き地に入って奥まで行ったところで、

うちの庭を発見したんだとか。

うちの庭は、川沿いからはそんなに目立って見えないので、

偶然うちの庭を発見したというのも、すごい出会いだな、

と思ったのでした。

二人は、

 「小屋の中を掃除してあげる」

 「俺たち、掃除得意なんだ!」

「ほうきありますか?」

 と言って、もくもくと小屋の掃除を始めた。

 娘が、友達とちらかしっぱなしにしていた小屋の中は、

 見違えるようにきれいになりました。

 

「なんか暗いな〜」

と言うので、手回しのランタンを渡すと、

「これ、いいね〜」って。

かけるところが欲しいというので、

釘とトンカチ渡して、

「適当に釘打っていいよ」

というと、早速、トントンやり始める。

「小屋に、鈴とか、ベルとかあればいいのにな〜」って言うので、

風鈴を渡すと、「お、これいいじゃん!」って、

また釘で風鈴打ち付けて。


「前のと、今のと、どっちがいい?」って聞くので、

「今の方がいいと思うよ。」

っていうと、満足げで、一通り遊ぶと、「じゃあね〜。」

と、風のように去って行ったのです。


《悪ガキ三人組》

その子たちは、それから毎日来るようになった。

一人は、ボス。大人が怒るのなんかへでもない。

かっとなってキレると、手も出る足も出る。

ただ、突拍子もないアイディアで、次々遊びを考え出していく子。

もう一人はスネ夫。

同じように、大人の言うことはちっとも聞かないし、

調子に乗ると、危険なことまで平気でやらかしちゃう子。

そして、彼らに連れられてやってきたジャイアン。

体格がよくて、乱暴者。長い棒を振り回して威嚇したり、

他の子達は、びびってしまいます。

 

そんなスネ夫が、

小屋の中に置いてあった一斗缶を見つけて、

「これなんですか〜?」

と言うので、

「ロケットストーブって言って、木が、よく燃えるストーブだよ。つけてみようか?」

と言って、剪定した木切れを差し込み、火をつけると、

じきに、ゴ〜という音とともに勢いよく燃え始めました。


スネ夫は火に魅了され、息子とともに、

木の枝の先に火をつけて遊びだします。

振り回したり、他の子に火のついた枝先が行くと危険なので、そ

の辺は声かけながら、注意しながらの火遊びです。

スネ夫はその後も、「火つけて〜」と、火遊びにはまってましたが、

「大人がいる時しか火はつけられないし、私が忙しい日は、火はつけないよ」と伝えました。

それからは、ノコギリとトンカチと釘を買い足し、端材をもらってきて、

子供たちに自由に使わせました。

男の子がまず作るのは剣。

みんなで競うように剣を作りました。

悪ガキ三人組の他に、

もともとうちに遊びに来ていた近所の子達も再び来るようになり、

多いときで11人の子どもが庭に集まるようになりました。

ノコギリの使い方がうまくなかった子も、コツを教えると、

だんだん上手くなっていきました。

でも、悪ガキ三人組が来ると、

遊び場は彼らに仕切られ、

プレイハウスも彼らの物のようになり、

我が物顔で好きなように作り替えてしまいます。

そのうち、

「あいつらなんか来なければいいのに・・・」

と言う声が聞こえるようになりました。

 

つづく・・・