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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:ボードマッチシステムの是非

2023年02月18日 10時46分49秒 | 社会全般
恥ずかしながら、この”ボードマッチ”の事をつい最近まで知らなかった。昨日、東京都都のどこかの選挙で(多分、杉並区)この仕組みを採用する事で進めていたらしいが、「公選法抵触の可能性」があるとの事で、使用を断念したとの事である。

杉並区のホームページを見ると、「年の課題となっていた若年層を中心とした投票率向上のために、既存の啓発事業にとらわれないインターネットを活用した新たな手法の啓発事業として、投票マッチング事業の準備を進めてまいりました。」との記載が見つかった。

実際に昨年の参議院選挙に対するボードマッチを試した所、杉並区が云っている”新たな手法の啓発事業”に対応していると感じた。政治をあまり知らない人に取っては大変有効な仕組みであであろう。但し、ある程度政治に関心があり、分かっている人に取っては殆ど価値のない仕組みであるが…。

但し同時に不安も感じた。それは主に以下の2点である。
・質問の仕方、または選択できる回答によっては、適切なマッチングデータを得られない可能性がある。
・各質問に対する各政党のスタンスがマッチングシステム上では公開されていない様で(朝日デジタル以外は)、マッチングのアルゴリズムの設定に不安を感じる。

実際に、4種類のボードマッチを2022年の参議院選挙に対して試してみたのだが、どの仕組みも大体似た様な結果になった。但し、やり方が悪かったのか、NHKのは、政党別のマッチ度を確認する事が出来なかったが...。
結果として面白いと感じた点は二つある。一つ目は、自分が絶対に投票しない5個の政党については、そのボードマッチでも適合率が下位の5政党になっていた事である。もう一つは、表向きの方針には共感できる事が多いが、実際の選挙では絶対に投票しない政党のマッチング率が一番高かった事である。そういった結果からも、これはそれ程悪い仕組みでもないのであろう。

但し、やはり懸念は大きい。質問の仕方や選べる選択肢から、マッチング率が誘導されてしまう懸念は拭い去れない。特に政治に疎い人や経験の浅い若者に取っては薬にもなるが、毒にもなる可能性が高い。そしてもしこの仕組みを頼り過ぎると、大衆迎合になる可能性も秘めている。
これらの問題点や懸念を払拭するために、質問内容と選択できる回答の公開と適時見直し、そして各候補者別の回答内容の公開が必要であろう。


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