等価原理を野放しにしてはなりません。一般相対性理論を考察するには、あくまでも等価原理の延長線上に一般相対性があるのですから。任意の系で等価原理が観測される。このことは、任意の系で物理法則が同等に記述できることの一断面である。実は任意の系で物理現象は同等に観測されている。このように考えを整理すると相対論で何が述べてあるのかがわかります。ベクトルやテンソルは、この事実を数学的に矛盾なく説明するためのツ－ルです。
一般相対性と等価原理はマンホールの穴と蓋のような関係です。蓋が外れていては邪魔で、また道理にも穴があり危険です。ところが真ん丸い穴と真ん丸い蓋がちょうど整合し、蓋も邪魔にならず、また穴もふさがり、安全になります。等価原理がマンホールの蓋です。相対論の本では、ベクトルやテンソルの式が羅列してあり、うんざりしますが、何のことはない、このように等価原理により一般相対性が確立されたら、その要求を満たす数学がテンソル構造であるというだけのことです。そして運動量やエネルギーをテンソルで表現するとあのように偏微分の式になるのだと考えればよいのです。なにはともあれ一般相対論では何のことをどう云っているのかをつかめばしめたものです。
一般相対性理論は、等価原理の延長線上にあり、等価原理が確認されたので成り立つ理論である。それゆえ、等価原理と一般相対性原理を同格並列に扱うと混乱するのであるが、どういうわけか今までそのことを指摘した本がない。ここで会ったが１００年目ということでこのことを指摘したい。そして相対性理論を国民的常識にしたいのである。
特殊相対論における光速度不変の原理が特殊相対性の表れであると記述した本はあります。しかし、等価原理が一般相対性原理の現れであると記述した本はありません。そこでこのブログでそのことを強調したいのです。等価原理は任意の系で観測される。このことは任意の系で物理現象が同等に観測されることの一断面であるといいたいのです。