難しいことはわかりませんが。

実は、主夫からアルバイトに成長しました。

項羽と劉邦 / 司馬遼太郎

2024年07月24日 20時21分50秒 | 
9年ぶりに再読。

なかなか面白かったですけど、本(古本で買った)がボロボロなので捨てることにします。
機会があるなら、一度読むことをお勧めします。

9年ぶりに読んでわかったんですが、内容はそれほど難しくないです。詳しく書いてくれているので難しいように思いますが、そんなことないです。
私のような頭の良くない人間が要約すると、秦が統一しました。その秦が嫌われ、あっちこっちで反乱が起きたわけです。その中に項羽や劉邦がおり、韓信や彭越や黥布などがいたわけです。変換して出てくるんだから有名なんですね。

秦を滅ぼし最後は項羽と劉邦の二大勢力の直接対決です。
第三勢力の韓信や、ゲリラ部隊の彭越なんかもいるんですが、彼らは最初項羽の陣にいたのに彼に必要とされなかったので、必要としてくれた劉邦に付いています。
自分の勢力がおおきくなったので日和見していた韓信、劉邦の評価に納得できない彭越、劉邦は彼らを土地と言うエサで釣り、みんなで項羽をやっつけたわけです。と言っても臆病者の劉邦は後ろの方で見てただけですが。

項羽の首を獲った懸賞が大きすぎて、項羽の死骸をよってたかって5人が引きちぎったそうです。
劉邦は平等にその懸賞を五等分したそうです。(これが劉邦の人柄です)
約70年後に二十歳の司馬遷が大旅行した際に楚でこの話を聞いであろうと書いてあります。なので今日に伝わっています。
ついでですが、司馬遼太郎はこの5人を愚劣とまで書いております。


どちらかと言うと、この話よりも統一後に劉邦の奥さんがしたことの方が興味深いです。
韓信も彭越も黥布もみんな彼女に処分されたそうです。

司馬遼太郎が「項羽と劉邦」だけでなく「三国志」も書いてくれたなら、横山光輝の「三国志」とで理解が深まっただろうに残念です。
ご存知の方、少ないと思いますが、本宮ひろ志に「赤龍王」と言う作品があるんですが、私はこれを読んでたので話がすんなり入りました。宦官や阿房宮を知ったのもこの本です。若き日に見た、阿房宮で女性が裸で逃げ回る画は、目に焼き付いてます。




これまでに処分したのは73冊
故郷忘じがたく候1、アームストロング砲1、胡蝶の夢4、真説宮本武蔵1、大坂侍1、北斗の人1、十一番目の志士2、手掘り日本史1、司馬遼太郎の日本史探訪1、尻啖え孫市1、俄-浪華遊侠伝-1、妖怪1、ある運命について1、司馬遼太郎が考えたこと1、歴史と風土1、風の武士2、風神の門2、坂の上の雲8、風塵抄2、功名が辻4、夏草の賦2、義経2、新史太閤記2、箱根の坂3、司馬遼太郎の世界1、城をとる話1、草原の記1、上方武士道1、日本歴史を点検する1、歴史の交差路にて1、ひとびとのあし音2、空海の風景2、韃靼疾風録2、ペルシャの幻術師1、アメリカ素描1、この国のかたち6、人斬り以蔵1、最後の伊賀者1、果心居士の幻術1、戦雲の夢1、項羽と劉邦3

残す作品66冊
梟の城1一夜官女1、おれは権現1、軍師二人1、菜の花の沖6、国盗り物語4、翔ぶが如く10、覇王の家1、豊臣家の人々1、春灯雑記1、播磨灘物語4、関ヶ原3、殉死1、余話として1、歴史を紀行する1、城塞3、馬上少年過ぐ1、酔って候1、世に棲む日日4、歳月1、最後の将軍1、幕末1、花神3、峠2、燃えよ剣2、竜馬がゆく8、王城の護衛者1、新選組血風録1


【生誕100年 好きな司馬作品】(司馬遼太郎記念財団)

1位、坂の上の雲
2位、竜馬がゆく
3位、燃えよ剣
4位、街道をゆく
5位、峠
6位、花神
7位、国盗り物語
8位、菜の花の沖
9位、関ケ原
10位、世に棲む日日


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ある男 / 平野啓一郎

2024年06月17日 19時02分17秒 | 
初めて読む作家さんですが、芥川賞の選考委員をされてるそうです。

さーて・・・たった350ページ読むのに1週間もかかってしまった。
平野啓一郎さんの作品はもう読まないでしょう。

本筋とは関係ない話が多く、村上春樹チックな、服装だとかお酒だとか、音楽だとか、私としてはどうでもよい。
あと、その人物がいま何を考えてるかという説明的なものも多く、しかも考えてることが難しいので3行くらい読んだら眠くなり、何の話してたんだっけ?となってしまう。
それに村上春樹ほど深く?複雑ではない。
この作品も戸籍を交換して、過去を捨て、交換した相手として生きるという、設定は斬新だけど、それだけの話し。それだけの話をよくもこれだけグズグズと書けるなと不思議でしょうがない。
それなのに、妻の浮気疑惑的なとこはハッキリさせない。どうしてこれまでどうでもいいことを散々書いてきて、知りたいことは書いてくれないのか?

ただ、人気作家ですから、私の趣味が合わないだけなのでしょう。
読む人が読んだら面白いらしいです。
そもそも、私の読書家としての出自は、歴史小説ですから。
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悼む人 / 天童荒太

2024年06月11日 09時47分38秒 | 
11年ぶり2度目。
本当は「永遠の仔」を読んでたんですが、上巻200ページくらいでつまらなすぎて投げ出しました。
過去に読んだ天童荒太の「悼む人」を思い出し、自分として高評価だったので読み直したんですが・・・
なぜかこれで天童荒太とは合わないことが発覚してしまいました。

11年前と比べかなり評価が落ちたのに驚きました。
面白くない。
死がベースなので面白いわけはないのですが、読むのに体力を奪われる感じがし、11年前と比べそこまで体力がなかったのかもしれません。もしくは、以前は私の読んだ少ない本の中の一冊だったから面白く感じたけど、少し増えた中で比べるとそれほど面白くないのかな?
10年以上も経てば感受性も変わるだろうし、死への考え方もより身近に思うのも理由かもしれません。

今後この本を読まないように自分へのメモ。
フリーの雑誌記者、主人公の母、夫殺しの若い女性、この3人の視点で主人公坂築静人が語られる。
エグイ記者は最期は静人のよき理解者みたいになり、母は最期まで我を通し、若い女性は静人と愛し合った後、もう一人の坂築静人となり、静人とは別々に回る。
なんだかどの方に対しても理解に苦しんだ。
主人公自身が死者を悼むわりに、亡くなりそうな母とは向き合わないのに矛盾を感じるし、説明がない。
ただ、今思ったのは、この両親からなら坂築静人は生まれそう。

あとがきを読むとなんだか悪く書けなくなるが、どうにもこの本は二度と手にすることはないでしょう。



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平場の月 / 朝倉かすみ

2024年05月28日 16時48分30秒 | 
鈴木保奈美のあの本、読みました?で、凪良ゆう氏だったか誰かが紹介してたので読んでみました。

五十歳の恋愛小説。失楽園的なのを想像してたので安心したというかガッカリしたというか。
あまり心に響かなかったです。

中学生の時の同級生に恋をするって展開はありかな。
私も同年代ですが、常々、同級生に恋をするなんてありえないだろうと考えてましたが、前出の鈴木保奈美さんを見れば、五十代に恋をする可能性は無きにしも非ずと思い直しました。

視点は青砥という男性なんですが、小説自体が女性の日記っぽいので読み難かったです。(女性の日記を読んだことないですが)
最初の章で結末が出てたので、読み進めるのが辛かったです。ずいぶん思い切ったことをなさいましたね。
この年になって辛い恋愛をしてダメージをうけるくらいなら、せずに平穏な生活を送りたい、そんな気持ちです。だから小説の中くらいはハッピーエンドかハチャメチャなのを希望します。

病気の件などかなり興味深かったけれど、二度と読むことはないでしょう。
この本を読んでこの作家の別の本を読みたいとは思いませんでした。
この本を紹介した凪良ゆうさんの本にも興味をなくしました。


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県庁の星 / 桂望実

2024年05月25日 19時24分08秒 | 
2006年本屋大賞9位の作品。
期待したほど面白くなかった。

県庁に勤めている青年が、官民交流で民間スーパーで1年間働くというお話。
織田裕二主演で映画化されているが、こういうのって映像で観たほうが盛り上がるのかもしれない。
ただ、地上波で放送されてない?、私は観た記憶がない。

気になったのは、ちょうちょい区切って目線を変えてるんだけど、
主人公二人、どちら目線なのか数行読まなきゃわからない時がある。
数行読んで、あぁ、二宮だったのか、とか、野村だったのか、という感じ。あんまり親切じゃないかな。

このままだと映画化は限界があるので二宮泰子を若い女性にしていた。
確かにこの原作のままだと、他店へ偵察行くシーンも、おばちゃんから誘われたんじゃ行く気にならない、県庁から来たプライドの高い若い兄さんなんだから。

300万円騙し取られた件とかどうなったんだろう?
こういう無駄を省いて、県庁さんにスーパー全体が動かされるところを丁寧に描いて欲しかった。



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