近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

『ビワコミズシタダミ』 採取の喜びは分かるまい

2010年03月10日 08時09分55秒 | 滋賀県の貝類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する水生生物の紹介、今日の1匹はビワコミズシタダミ。カドヒラマキガイを探しに行った時に採取できた微小巻貝です。側面から見ると螺塔が少し高くなっていますので、ヒラマキガイ系では無くビワコミズシタダミではないでしょうか?
<データ>
名前:ビワコミズシタダミ
分布:琵琶湖 
体長:殻径で40mm前後 
生息:湖北の岩礁、礫底、水深2mよりも深い砂底
     
特徴:
 漢字で「琵琶湖水細螺」と書くと”つっちぃ”さんに教えて頂く。琵琶湖固有種の巻貝です。殻の形状は円形に近く、通常の巻貝に比べれば著しく螺塔が低いです(逆にヒラマキガイ系と比べれば遥かに高い)。殻色はやや黄色が入った褐色系をしていて、殻は半透明上ですがヒラマキガイ系よりもやや厚めのように思います。
滋賀県のレッドリストでは分布上重要種にあげられていますね。
類似種との違い
ビワコミズシタダミ:螺塔が少しは付き出ている
ヒラマキガイモドキ :螺塔はぺったんこ
参考・引用文献
私見:
 琵琶湖の深いところしかいないのかと思っていたら、意外と浅い所にいました。
採取できた事は私の中で驚きでしたが、共感できる人はいないでしょうね~ 
採取:
 石を除けて拾いました
飼育:
 飼育経験無し。
動画:

画像:


よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

『ヌマガイ(ドブガイA型)』 几帳面な性格?

2010年02月27日 08時03分44秒 | 滋賀県の貝類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する貝類の紹介、今日の1匹はヌマガイ(ドブガイA型)。水田環境の用水路で採取した二枚貝、ヌマガイかも知れませんね~。
西村さんのコメントより、ドブガイを”タガイ”と”ヌマガイ”に分けました。
<データ>
名前:ヌマガイ(ドブガイA型)
分布:滋賀県の平野部 
体長:最大200mmくらい 
生息:溜池や用水路、田圃の日当たりの良い泥底の中らしい
     
特徴:
 漢字で書くと「沼貝(溝貝A型)」ですかね?殻は卵形よりも丸く両殻が膨れ、噛み合わせの歯がありません。殻の色は外側が黒系(一部緑褐色などが混じる)で内側が白色系ですね。雌雄異体で産卵期は春から夏頃らしく、年に1度しか繁殖しないそうです。生まれた幼生はヨシノボリなどに寄生して移動します。幼貝期は成貝と異なり、殻色が黄色っぽいですね。
類似種との違い
タガイ:やや長く膨らみが少ない。流水域などで見られる
ヌマガイ:円系に近い形で膨らみ、サイズ共に大きい。止水域などで見られる
滋賀県版レッドリスト:記載無し
参考・引用文献
私見:
 A型と言う事は几帳面な方なのでしょうね~
採取:
 河床から出ている殻の周りをタモ網や素手で漁る。
飼育:
 水槽飼育は難しいと思います。
動画:

画像:
         
        
        トップ画像とは別の個体ですが、多分ヌマガイかな?
        
        ヌマガイの幼貝と思えわれる個体、殻の色がまだ淡いです。


よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

『メンカラスガイ』 琵琶湖固有”亜”種

2010年01月28日 08時05分04秒 | 滋賀県の貝類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する貝類の紹介、今日の1匹はメンカラスガイ。琵琶湖沿岸の漁港で見掛けた二枚貝の殻、翼状突起からメンカラスガイかな?と思われます。そう言えば、滋賀県の生体を紹介するのはいつ以来だろうか?
<データ>
名前:メンカラスガイ
分布:琵琶湖では確認
体長:最大で200mmを超えます
棲息:琵琶湖、淀川、余呉湖など
    
特徴:
 漢字で「面?烏貝」と書く大型の淡水二枚貝。殻は変形した卵形で、縁に大きな翼状突起があります。この翼は幼貝では非常に発達して、成長とともに目立たなくなるようです。殻色は幼貝期は淡い黄褐色で、大きくなるほど黒褐色に近づきます。メンカラスガイの名では売られていませんが、琵琶湖産の貝類加工品に入っている事があります。
類似種との違い
メンカラスガイ:殻が薄く幅広で、翼状突起が顕著
カラスガイ  :殻がやや厚く幅はそれほど広くは無く、翼状突起は顕著ではない
滋賀県版レッドリスト:希少種
※現在、メンカラスガイと書かれていますが、後にはカラスガイに名前が統一されるようです。(西村さんに教えて頂きました)
参考・引用文献
私見:
 殻じゃ無くて中身有りを撮影したいですねー、生体採取経験無し。
捕獲:
 運良く拾うくらいか?殻は漁港などで見られます。
飼育:
 飼育経験なし
動画:

画像:
           
      幼貝期は、色も薄く殻の突起が顕著です。   

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「オオタニシ」 確かに大きい!

2009年09月01日 08時04分27秒 | 滋賀県の貝類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する貝類の紹介、今日の1匹はオオタニシ。琵琶湖流入河川で採取したこの大きなタニシ、見た目のままオオタニシではないでしょうか?
<データ>
名前:オオタニシ
分布:滋賀県の平野部全域
体長:殻高60mm程度まで確認
棲息:河川、湖沼、溜池など
    
特徴:
 漢字で「大田螺」と書く、マルタニシと共に大型なタニシの仲間です。形状は円錐型の殻でして、殻は平滑で光沢がありやや角張っていますね。殻の色は緑褐色~茶褐色をしています(画像の個体も磨けば光る!)。繁殖期は梅雨~夏頃でして、卵胎生で30前後の稚貝を水槽内でも産みました。稚貝の頃は鋭く尖った殻をしていまして、色も淡いです。成貝はマルタニシに比べて殻の体層周縁が角ばっていて、幼貝はマルタニシに比べて貝頂が尖ります。食用にもされていたそうで、佃煮以外に酢みそ和えなどで食べるようです。
参考・引用文献
私見:
 国産の純淡水巻貝では、トップクラスの大きさですね~。
捕獲:
 やや深みなので、網で掬う。
飼育:
 水槽に入れておくだけで殖えました
動画:

画像:
     
 10.05.13追加画像。
     
      
 10.05.20追加画像。上の個体の稚貝が生まれていました。

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「タイワンシジミ」 貝も外来種

2009年07月29日 08時22分14秒 | 滋賀県の貝類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する水生昆虫等の紹介、今日の一匹はタイワンシジミ(正確にはタイワンシジミ種群の一種でしょうか?)。先日、photo_lakelandさんのコメントでタイワンシジミ(カネツケシジミ型含む)の紹介をしていない事に気付きました!分類が確定されていない様なので、マシジミの所に纏めておこうか?と考えましたが、ネタ稼ぎのために独立させて紹介します、有難う御座います(ネタが増えた)。
<データ>
名前:タイワンシジミ
分布:滋賀県全域
全長:35mm前後の個体まで確認
棲息:河川や水路、湖沼、など様々な環境
    
特徴:
 漢字で「台湾蜆」と書く外来の二枚貝ですね。形状はマシジミと変わらず、我々素人が肉眼で同定するのは難しいのではないしょうか(そもそも、マシジミがタイワンシジミの異名という考えもあるそうで、その辺の線引きが定まっていないようですが)。雌雄同体の雄性発生という、他個体の遺伝子を必要とせずに殖える事ができるタイプらしく、1個体でも爆発的に殖える可能性がありますね。アメリカ、ヨーロッパなどでも勢力を拡大しているとの事です。『向上高等学校 生物部』の方のレポートを拝見していると、在来シジミと交雑するようですね。
外来生物法では、「要注意外来生物」に指定されています。
参考・引用文献
私見:
 滋賀県南部でもセタシジミが見られますが、タイワンシジミの方が多いのでしょうねー。見分け方が簡単ならいいのですが・・・。中身を見れば分かると言われても、中身を見るには殺さなくてはいけませんしね・・・。
捕獲:
 水草周りを目の細かい網で掬う。
栽培:
 飼育経験無し。
動画:

画像:
        
        
 タイワンシジミ(上)とマシジ(下)と思われる個体。内面が濃い紫ならタイワシジミの傾向が強く、白っぽい場合はマシジミの傾向が強いそうですが、見た目では判断不可能かと思われます(正確にはDNA鑑定?)。飽く迄、参考程度ですね。
   

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎