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米産牛肉問題、馬・政権は大丈夫?

2009年12月13日 23時19分05秒 | 台湾ニュース

(これが台北市が業者の資格を認めた上で発行している「アメリカ産牛肉の内臓とひき肉、脊髄は食べません」というマーク。牛が宇宙飛行士のような格好をしている気がするが、その真意は不明・・・)

中華民国政府は今年10月、アメリカ産牛肉の輸入可能な範囲をそれまでの、生後30ヶ月以内の牛の肉の骨のついていないものから、骨つき肉、内臓、ひき肉まで広げると決めた。「寝耳に水」の発表だった上、発表時にはアメリカ側とすでに合意した後だった。
驚いたのは国民。野党はもちろん、与党・国民党内部でも国民の「食の安全」がおろそかになると懸念し、食品衛生管理法を改正して輸入を阻もうとする動きになっている。また、国民党所属の郝龍斌・台北市長は専門が食品衛生だったこともあり、真っ先に政府の決定に反対する立場を表明、台北市でアメリカ産牛肉のひき肉や内臓を取り扱っていない飲食店のためにその旨を示すマーク(上の写真)をデザイン、台北市では自主管理を徹底する態勢を整えた。消費者団体も黙っていない。消費者文教基金会、董氏基金会など民間団体は、輸入規制を緩和するこの政策を「否決する」公民投票(住民投票)を計画、今月8日には提案に賛成する12万9065人分の署名を中央選挙委員会に届けた。これらの団体は、アメリカとの交渉やり直しを求めている。

中華民国台湾で2004年に施行された公民投票法によると、提案にはまず、直近の総統選挙の有権者数の5/1000の署名が必要。これが集まれば、行政院公民投票審議委員会が内容を審査して第二段階の署名に入る。第二段階の署名で直近の総統選挙の有権者数の5/100の署名が集まれば公民投票が実施されることになる。

直近の総統選挙(2008年)の有権者数は1732万1622人。このため、第一段階の署名には8万6000人あまりが必要だったが、13万人近く集まった。第二段階では86万人あまりが必要になる。中央選挙委員会は11日にこの提案を行政院公民投票審議委員会に送ると決定しており、手続きは確実に進んでいる。第二段階の署名は旧正月前からになると見られ、そこから6ヶ月以内に規定の署名が集まれば公民投票が実施されることになる。公民投票になった場合、有権者の半数が投票することが必要。投票率が50%以上で、「同意」が有効投票数の半数を超えてはじめて公民投票の案が「通過」したことになる。アメリカ産牛肉の輸入制限緩和は「否決」というわけだ。

公民投票のハードルは高い。しかし、仮にこれが実施されて政府の決定が否決された場合、馬英九・政権はアメリカ側と交渉をやり直さなければならなくなる。アメリカにとっては迷惑な話。米軍基地問題で、地元や連立政権を組む友党とアメリカとの間で落としどころの見えなくなった、どこかの政府と通じるところがあるように感じるのだが。(U)
 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
内臓やひき肉の輸入は ('A`) (◆G9FlhTJB1k)
2009-12-14 18:09:53
WTO提訴をされても勝てる見込みのある法制度が必要だと思います。
>マーク
「C00047」と見えるのは、通し番号でしょうか?
>食品衛生管理法を改正
少なくとも、両罰規定と犯罪収益を没収する規定が必要だと思います。
>公民投票
台湾の有権者が、投票日に投票所で決める事ですね。
これの結果によって、日本の消費者がどう動くか(=外国旅行の際、何処に行くのか)という点にも興味があります。
>地元とアメリカとの間で落としどころの見えなくなった、どこかの政府
あぁ、ものすごく身近にあるような気がします・・・・・(涙;;
その上、今上天皇の体調を考慮せずに政治利用するとか、もうね ―ω―*
日本国内のニュースを見る度、腹立たしくなる今日この頃です
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Unknown (???)
2009-12-15 13:35:24
輸入は義務ですか?

台北市がこんなポスターを売り出すことからして、このポスターは信用できない気がするね。

ポスターの偽物が出廻るだろうな。
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