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とくおかレディースクリニック~ブログ~

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どうか宜しくお付き合い下さい。

11月のラボ便り

2009年11月09日 | Weblog
11月のラボ便り


”卵と精子の出会い”


前回、前々回と精子・卵子についてお話させて頂きました。
そこで今回は卵子と精子の出会い“受精”について触れたいと思います。

まず受精とは何なのか??
卵子と精子が接触すること?
卵子の中に精子が入ること?


受精の始まり・受精の完了と様々な解釈がありますが、
一般的には卵子の核と精子の核が一つになる(=融合する)と、受精が完了したとされています。

つまり、卵子の中に精子が入っただけでは受精したとは言えないわけです。
これは、精子が卵子の中に入る事が出来たとしても、必ずしも受精するわけではないということも表しています。


精子が卵子に入ると、精子からある"物質"が放出され卵子が活性化されます。
言い換えると、眠っていた卵子を精子が起こすわけです。
しかし、侵入した精子がこの"物質"を持っていなかったり、上手く卵子を起こすことができないと受精は起こりません。

じゃあ、卵子を起こせそうな元気な精子を何匹も入れればどれかが卵子を起こすだろうと思われるかもしれません。
ところが、2匹以上の精子が卵子に入ってしまうと異常受精が起こってしまうのです。


ヒトは46本の染色体を持っています。
成熟した卵子は46本、精子は23本の染色体を持っています。
卵子は精子に起こされると半分の染色体つまり23本の染色体を排出します。
残った卵子の染色体23本と精子の染色体23本が合わさって、新しいヒトの46本の染色体が出来上がります。

では、2匹の精子(AとB)が卵子に入った場合はどうなるでしょうか。

卵子の23本、精子Aの23本、精子Bの23本、
全部で69本の染色体になってしまいます。
これでは受精卵はうまく育つことができません。

卵と精子の世界でも1対1でないと上手くいかないみたいですね。


※ここでは受精しない原因として精子についてお話しましたが、
精子以外にも卵子や他の要因が原因となって受精しない場合もあります。



追伸ー”9月のラボ便り””10月のラボ便り”も遡ってお読み頂けましたら、この”11月のラボ便り”が更にご納得頂けるよう、シリーズものになっております。


とくおかLC 胚培養室スタッフより

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