ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

’86年の自分と共演する3〜Cubaseへ移植された音源の整理・修正と再録

2019年04月05日 | 音楽制作
 前回の作業では音源をダビングするのではなく、R16の入力とカセットプレーヤCMX100を繋げ、R16をオーディオインターファイスとしてiMacと接続することでテープから直接音源をCubaseに移植することができたかもしれない。だが、一度R16にダビングしておく方が便利であることがわかった。それについては後述する。

・手順3:「Cubase上の4トラックの音源を整理する」
 カセット244で録音したデモ作「もうひとつの風景」は導入となるインストゥルメンタルのイントロ部分(Invocationと名付けた)と本編のあるメドレー曲である。各トラックを確認すると、ドラムマシーンの打ち込み音に手弾きのベースとバッキングとなるシンセのコードのミックスしたものがトラック1に、ヴォーカルがトラック2に録音されているが、残りの2トラックには、エレクトリックギター、シンセのブラスとパッド、ハープなどが隙間を埋めるようにいろいろ入っている。ヴォーカルトラックのイントロとコーダ部分にもシンセの和音が録音されていた。少ないトラック数を最大限に活用しようとしたかつての自分の姿を思い出す。
 Cubaseでは新たにオーディオ・トラックをいくつか起こし、コピー&ペイストにて楽器音ごとのトラックを作成し整理した。同時に最初のサビには入っていたが、他の音を入れたがために2回目のサビでは消えていたシンセをコピペで足すなどの作業も行った。
 ドラム+ベース+シンセがミックスされているトラック1の扱いは音的にやっかいである。しかし、これはこのまま使うしかない。Cubaseの音質補正を使って多少のイコライジングを施したが、逆にアナログ録音としての不安定な音のうねりが迫力を増している気もする。

・手順4:「ヴォーカルの音程を補正する」
 自分のヴォーカルを改めて聞いて音程の不安定な部分がある。ここで、「モノフォニック (単音)のヴォーカル録音で、個々のノートのピッチを編集」する機能であるVariAudioを使って音程等の修正は可能だろうか?もちろんできるはずという予想で進めたのだが、案の定、可能であった。オーディオ・トラックにマイクを使って録音した場合と同じなので当然である。細かくピッチの修正を行い、より聞きやすいヴォーカルとなった。30年前には考えられなかった「魔法」である。

・手順5:「イントロ曲を再録する」
    
 実は今回の作業に着手するに当たり、イントロ部分を新たに録り直したいなと考えていた。86年当時使っていたシンセはDX7とJUNO-106だったので、今も手元にあるその2台を使って音色を再現することと、それにマイクロコルグのアルペジエーターやソフトシンセの音色を加えモダンな雰囲気を出してみたいと思った。そして、吹奏楽で打楽器を担当していた息子にドラムをたたいてもらうこと、これが最大のねらいだった。
 そこでR16の再登場である。息子のエレドラの出力とR16の入力を繋げて、すでにカセットからダビングしてあるR16の音源を聴きながら自己流に叩いてもらい録音する。その後は手順2と同じようにドラム音のwavファイルのみを取り込む。すると頭がぴったりと合う形でCubaseにエレドラの音が移植される。これが前述したR16へダビングしておくことのメリットである。
 さらに、オリジナルの音源に重ねる形で当時と同じようにキーボードを弾いてみた。こうして新たに完成したイントロInvocationだが、その仕上がりは音質の悪いオリジナル音源の方が迫力があり、再録の方は音はクリアだがこぢんまりしてしまった印象だ。ただ、ドラムのフレーズは圧倒的に再録の方が良い。やはり人による感性・演奏は素晴らしいものである。(以下続く)

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