ヒロヒコの "My Treasure Box"

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NHK-FM「今日は一日フレンチ・ポップス三昧」~パリの思い出3(ラベック姉妹とパリ管弦楽団)

2014年10月08日 | フランス
 さすがは芸術の街パリである。ルーブルやオルセー美術館は言うに及ばず、音楽関係でもその充実度はすごい。現地に入ってから情報誌(日本の「ぴあ」のようなもの)を見たら、ちょうどピアニストのラベック姉妹とパリ管弦楽団のコンサートが開催されるのを知った。当時ラベック姉妹は日本でも売り出し中で有名な存在だった。で、ツアーで一緒だった人達も行きたいと言うので引き連れて出向いたのだが、その入場料の安さに驚いた。正確には覚えていないのだが日本の相場の三分の一くらいではなかったろうか。とにかく安いなと感じたことを覚えている。

 会場はSalle Pleyel(サル・プリュイエル)というホールで、題目はモーツアルトの「二台のピアノのための協奏曲」「三台のピアノのための協奏曲」そしてメンデルスゾーンだった(写真)。当時の記録には「隣の席にいたマドモアゼルからミカンをもらったのでロンドンで買ったガムをあげた。」とある。というわけで聴衆は会場にびっしりだったが、気軽にクラシック音楽を楽しんでいる雰囲気だった。こんな体験も私がさらにフランス好きになった一因だろうと思う。

 そういえば思い出したが、パリでも気さくで親切な人が多かった。初訪問の時ルーブル美術館に行こうと乗ったメトロ(地下鉄)の中で地図を広げて友人とチェックしていたら隣の女性が声をかけてきて、自分も少し日本語を勉強している、もし良かったらルーブルまで案内するわ、と言ってくれた。数年後、妻とモネの家のあるジヴェルニーに列車で行こうとして駅で迷っていたら、現地の女の子が自分もその列車に乗るからついてこい、と言って下車駅まで付き添ってくれた。また、その帰りの列車はとても混んでいて座れず、仕方なくデッキに二人でいたら車掌が来て手招きしている、ついて行くと離れた席ではあったが二人分の席を確保してくれていたのだ。パリに仕事で住んでいた友人からはスリの集団に出会った怖い話も聞いたし、ツアーのガイドからも観光地での治安の悪さについてさんざん注意されたが、私が行った時はこのような良い経験ばかりである。フランス人の親切さに改めて感謝。今回のNHK-FMの番組はそんな昔の体験を思い出させてくれた。

 最後に番組の感想を。後半での大貫妙子氏出演部分を興味深く聴いた。フランスで録音したアルバムはLPで私も持っているのだが、その時のエピソードやミシェル・ルグランとの交流もあるという司会の濱田高志氏とのやり取りがとても面白かった。その時かかったLilicubというグループもとても良かった。また、前半部分ではパトリック・ヌジェ氏の生演奏には耳を引きつけられたし、司会の加藤紀子さんが本格的フランス語で曲を録音していることにも驚いた。とどめはミシェル・ルグランVSフランシス・レイのコーナーはまさに私のためにやってくれた企画だとも思った。祝日のNHK-FMは、プログレ三昧、ボサノヴァ三昧など本当に素晴らしい番組作りをしてくれる。今後も期待している。

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