ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

アナログ・サウンドへの回帰4~FOSTEX R8(8チャンネル・オープンリール・テープレコーダー)

2015年10月05日 | 音楽制作
 FOSTEXのR8、こちらは高額商品として89年頃思い切って購入したものだ。これを入手するということは、ミキサーや録音テープも必要ということで、大変コストがかかる。それにもかかわらず私のルーム・スタジオには必要だと思ったのだ。後年ネット・オークションでようやく同じFOSTEX製の8チャンネルミキサー454を手に入れたのだが、購入当時はやはりそこまで手が回らず、手持ちのキーボード用ミキサーを使って録音していた。

 それ以前はカセットの244を使用していたので、音質的にはこのR8で録った音は素晴らしく良く聞こえた。実際テープ幅もスピードも違うのだから(38cm/sec)当然である。加えて8トラック録音が可能だから、私の音楽制作は無限に広がったように感じた。ただ録音に必要なオープンリール・テープが高額でなかなか買えない。主にAMPEXの456と457を使っていたが38(サンパチ)で回すと1本に付き20分程度しか録音できないので、テープは貴重だった。

 そのような状況でもとうとう念願の8チャンネル・レコーダーを手に入れたのだから、その後はこれを駆使し音楽制作に没頭することになった、はずだったのだが…。何と間もなくMDというデジタルで録音のできる機器が登場し、その後そのMDを使ったマルチトラック・レコーダーが発売された。結局4チャンネルMDレコーダーに目移りしてしまい、SONY MDM-X4を購入したためR8の使用は短期間に終わった。しかしR8のようにアナログかつアマチュア・レベルでの高音質なレコーディング機材は、アナログ回帰の今最良のものと言える。テープの入手や部品の調達が難しいというハンディはあるが、今後DAWと同時並行で上手に使っていけたら良いと思う。


10 コメント

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ampexのテープについて (若原一輝)
2015-11-19 08:01:21
 初めまして。僕も宅録マニアです。

 さっそくですが、1995年頃、僕もFOSTEXR8で、バンドでレコーディングしていたのですが、同じようにテープもampexでした。

 最近はやりのハイレゾで、そのテープのマスター化をしようと思って、下記のオープンリールデッキ修理屋さんに連絡をしたら、

 川島洋一郎
川島オーディオサービス
京都市右京区京北下弓削町狭間谷1-53
050-3585-5755
http://openreel.net/

 「ampexのテープに関しては多くの場合、新品から10年くらいで劣化が始まり、15年くらいで磁性体をポリエステルベースに塗布するバインダーが加水分解をおこし、ねばねばになりテープ走行部に付着して再生不良になります。
以下のページも参考にご覧ください。
http://openreel.net/baking.htm

 とメールにありました。

 飛呂彦さんのampexのテープは大丈夫ですか?

 奇跡的に大丈夫なときもあるのかどうか、よろしければ教えてください。


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ampexのテープについて (飛呂彦)
2015-11-19 19:12:32
投稿をありがとうございます。
ブログの写真にあるように先日久しぶりにテープを再生してみました。結果、ちゃんと再生されました。再生ヘッドにも特に汚れはつきませんでしたので、問題ないと思われます。が、最後まで再生後、何とデッキのリール部分が回らなくなりました。明らかに内部のどこかが破損した様子です。従って、他のテープの再生ができず完全な確認ができておりません。参考にならずすみません。中を開けて補修しなければという状況です。
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返信ありがとうございます。 (若原一輝)
2015-11-19 23:53:03
 そうですか・・・

 R8、古いですもんね・・・

 ご自分で修理されるのですか?直ったらいいですね。

 飛呂彦さんの文のおかげで、ampexのテープの磁性体が、そんなに簡単に剥離しないことがわかりました。ありがとうございます。

 また何かありましたら、その時はよろしくお願いいたします。

 記載のURLは僕の日記のページです。よければ読んでみてください。

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FOSTEX R8を中古で手に入れました。 (若原一輝)
2016-03-16 19:58:02
 お久しぶりです。

 FOSTEX R8を僕も中古で手に入れました。いろいろ整備していたら、僕のも、リール部分が回らなくなりました。

 ですが、本体前面を開けて、サプライ(テークアップでなく)リールテープ直下の回転部分をベルトで回転させる部分(たぶんモーターで回る方)が、けっこう簡単に空回りするようになってしまっていることがわかり、そこを、ベルトがうまくまっすぐ回るくらいに押し込んで、回転部分の中心の穴に瞬間接着剤を一滴垂らして、空回りしないように止めてみたら、うまく再生できました。

 オープンリールテープ自体が多少重いのにかかわらず、その回転系に、経年変化で空回りしてしまう作りがしてあるのは、ちょっと設計ミスでしょうか?中心の金属棒と回転系にギザギザがあって、空回りしない作りだと良かったのに・・・。

 まだあまり再生していませんが、様子を見てから、まだ空回りしてしまうようであれば、「回転系の穴に挿さる中心の金属棒に数本の刻みを入れて瞬間接着剤が広い面積で付くようにし、固める」などしてみようと思っています。

 また何か、進展があれば、書き込みますね。

 よろしければ、助言などありましたら、コメントよろしくお願いいたします。

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R8修理 (飛呂彦)
2016-03-17 19:10:03
若原様、投稿をありがとうございます。
ご自分で修理しようとした状況、大変参考になります。Fostexに連絡入れて修理対応を聞いたのですがやはり扱っていないとのこと。諦めかけていましたが何とかなるかもしれませんね。実は今引っ越しの準備でR8は荷物の中です。新年度落ち着いたら頑張ってみようと思います。ぜひ「進展」状況について教えて下さい。
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お久しぶりです。 (若原一輝)
2016-09-23 06:11:38
 お久しぶりです。その後、FOSTEXR8の調子はどうですか?

 僕のは、瞬間接着剤で歯車と軸棒をくっつけただけでは、結局テープの重さに耐えられず空回りしてしまうことが分かったので、歯車の丸筒の根本(ねもと)部分を加工し、軸棒が見えるところを作り、そしてその加工した歯車をいったん軸棒にはめてみて軸棒が見えている部分にマジックで印をつけ、その部分をダイヤモンドヤスリで少しの刻み(へこみ。1~2mm)を入れて(軸棒はステンレスのようで、普通のやすりでは無理だった)、そして、歯車を軸棒に取り付けて、加工した部分をエナメル線などで数回ぐるぐる巻いて止め、瞬間接着剤で少し固めました。
 この状態では、回転時、加工した部分に負荷がかかりすぎて破壊されてしまう恐れがあるので、改善策として、硬質化する接着剤でしっかり固めるかどうしようか迷っています。

 ところで、僕もFostexさんのサポートに連絡を取りました。日本語の説明書(pdf)と、こちらは英語ですが保守・修理説明書(pdf)を、メールで送ってもらえました。
 保守は、すでに冶具やテストテープ(オープンリオルテープ)が会社内に存在しないため、もう行えないとの同じ回答でしたが、英語の保守説明書を苦労しながらなんとか読んでみたら、いろいろとわかることがありました。
 本体前面の板を外すとわかるのですが、下部にある半固定可変抵抗器をマイナスドライバーで回す・調整すると、

 BIASレベル、消去レベル、録音EQ調整、録音レベル、再生EQ調整、再生レベル、録音キャリブレーション

 などを変えることができます(保守説明書 4.3.14)。

 たぶん製造時にきちんと調整されているので(保守説明書の半固定抵抗器の図の値と、僕のR8の半固定抵抗器の値とは、設定が異なっていた)、気軽には触りたくない部分ですが、これから使っていくにつれ気づくことがあったら、調整してみようかなぁと思っています。

 それでは、また何か進捗があったら書き込みます!
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Re: お久しぶりです。 (飛呂彦)
2016-09-23 19:13:10
若原様 詳しいレポートをありがとうございます!R8の所有者で同じような状況の人がいたら、大変参考になると思います。
私の方は4月の引っ越し以来バタバタしてR8をまだ箱から出していませんでした。
その後テープの方は順調に回るようになったのでしょうか?電気のことに詳しく、手先も器用だと拝察しましたが、私はその辺が全くダメで、R8の修理に関してはどうしたものかと悩みます。
でもこのオープンテープにしか残っていない録音もあり、何とかせねばと今回のコメントをいただいて感じた次第です。
今後も、その後の状況についてご連絡いただけると嬉しいです。
ありがとうございました。
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若原様よりコメントをいただきました。 (飛呂彦)
2017-07-04 23:14:13
 「お久しぶりです。R8のその後を報告します。
 前回のコメント後、R8の片方のリールを直した(空回りするプラスチックの歯車とモーターの軸は、銅単線を使ってしっかり固定。そのように加工しました。)状態で再生してみましたが、しばらく再生・巻き戻しなどをしていたら、今度はもう片方の修理をしていない方が空回りをするようになってしまいました。
 やはり、今度は修理をしていない方に力が懸かりすぎたようです。
 しばらく放心状態、全て投げ出したい気持ちになりましたが、修理をしたほうはガッチリ回るようになったので、次はもう片方の修理をするだけです。
 R8を使って、僕の昔のバンドの音を少し聴けましたが、オープンリールならではの音で味があり、最近デジタルな音を聴いていてばかりだからか(地デジや携帯音楽プレイヤーなど)新鮮味も覚えました。以上、参考になれば幸いです。」
 ありがとうございました。R8は経年劣化でなかなか手強い機種のようです。私の方は自努力を諦め、先日専門家に修理をお願いしようと見積もり依頼をしました。R8を何度か修理した実績がある方です。徹底的に対応して頂けるようですがそれだけ費用も高額になるとのことで、結局見合わせております。それでも頼めば何とかなる、一種の保証のようなものがあると勝手に思い、少し安心しています。
 デジタル音楽が主流となった今の時代に、あえてアナログ・サウンドに新鮮さを感じることには同感です。私の場合は昔に帰るという安堵感のようなものですが。
 若原様には何とかもう片方の修理にチャレンジして頂きたいと期待しております。成功のあかつきにはまたご連絡を頂ければと思います。
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完全に直りました!!(もう片方のモーター軸の歯車の修理について) (若原一輝)
2017-10-22 02:10:13
飛呂彦さま。

前回のときからやる気を失って、少し放ったままだったFOSTEX R8の修理、心の余裕が復活してきたのでまたまた再開して、今回は完全に動くようになりました!!!(このコメント欄も見返したら数年がかりですね・・・。読んだ人は「おい、何年がかりだよ。」と思うかなぁ・・・。)

もう片方のモーターの軸にある歯車もがっちり留まるようにし(空回りしないようにし)、早送り(主に右側のモーターと歯車が動く)・早戻し(主に左側のモーターが動く)を行っても、両モーターの歯車は空回りしないようになりました。この『早送り・早戻し』が、最も歯車に負荷のかかる操作のため、歯車が空回りしてしまっていたようです(飛呂彦さんのように、テープを最後まで再生させたときも、片方のリールにテープがかなり溜まるため=片方が重くなるため、モーター軸の歯車が空回りしてしまいやすい。)。

もう一度、モーター軸の歯車が空回りしないようにする修繕行程を書いておきます。

「モーターの軸にダイヤモンドヤスリで凹みを作り(モーター軸の直径の三分の一程度の凹み)、歯車の根元にあるパイプ部分にも凹みをいれてモーターの軸に取り付け、その両方の凹みの重なった部分に、太い銅線(直径0.65ミリ)を巻いてその上からさらに細い銅線でしっかり巻いて、瞬間接着剤で少し固める(歯車を取り外すときのことを考えて、少し固める程度)」

電子工作等の勘がないと難しさを覚える作業と思います。

現在、練習スタジオでのアマチュア・バンドの録音は、コンピューターによる録音がほとんどだと思いますが、このようなアナログ機材での録音、アナログテープによる8トラック録音は、ビートルズの頃のようなマルチトラック録音黎明期の味があり、いろんな音作りという面からもかなり楽しめそうです。

テープヘッドの消磁(磁気を帯びたテープヘッドの磁力を消す)や、剥離してしまったテープの磁性体の掃除など、使用するたびに手間のかかる保守作業もありますが、テープコンプ(アナログテープ録音時にかかるコンプレッサー)や、テープ再生速度の変化させるなど、その一方楽しそうなこともたくさんあります。

ビートルズの逸話として、プロデューサーのジョージ・マーチンが、テープを切り刻んでバラまいて、わざわざまたつなぎ合わせて効果音を作ったのは有名な話ですが、これもいつかやってみたいと思っています。

それでは、またFOSTEX R8にバンドで録音したときに書き込みますね!!!(飛呂彦さんのブログ『アコースティックギター・マガジン』ギターの弦の特集号、参考になりました。ありがとう!!)
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R8修理について (飛呂彦)
2017-10-22 13:03:35
若原様 修理完了のご報告をありがとうございます。長年の努力がとうとう実りましたね。おめでとうございます。拝読いたしますと「 」の部分がポイントのようで簡単に書かれていますが、ここに至るまで色々紆余曲折があったのではと思います。これから改めてアナログ録音を再開されるとのこと、ぜひその時の様子もお知らせ下さい。当方、自己修理はすっかりあきらめておりますが、その気になった時にはご教示くださいね。よろしくお願いいたします。
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