CRIMSON(クリムゾン)。中森明菜1986年リリース10枚目のアルバムで、私はこれが大好きなのである。特に1曲目のMIND GAME の曲調、アレンジに最初に聴いた時から惹き付けられた。カッコイイ。作曲者が小林明子というのも驚きだった。「恋におちて」のイメージが強かったから。2曲目は竹内まりあ作の「駅」。作者の夫君がこちらのヴァージョンを聞いて異議を唱えた?という話があるが、私はこの明菜の囁くように歌い上げる方が断然好みだ。その他、何回も聞いたアルバムなので全曲耳に馴染んでいる。
前置きが長くなったが、今年このアルバムのアナログ盤が再発された。それも今回は45回転2枚組でのリリースだ。気がついた時には少しばかり時機を逸してしまったが、何とか手に入れることができた。そして、前回紹介した新しいレコードプレーヤーにて聴いている。A面からD面までの4サイドがあるわけだが、前述の2曲を聴くことのできるA面ばかりヘビーローテーションしている。ついでにいうと、この盤は1枚目が赤、2枚目が青のカラーディスクである。また、ジャケットがモノクロ(全然クリムゾン=深紅でない!)で味わい深く、このLPサイズは部屋に飾りたくなる。
個人的には当時流行のシンセサイザーの音が多用されているのが懐かしい。そして、オリジナルでは最終曲「ミック・ジャガーに微笑みを」にラジカセにカセットを入れるなどの効果音が重なっているのだが、この度のヴァージョンでは効果音なしのテイクがボーナストラックとして収録されているのも話題になっている。
さらに、今月「中森明菜ベストアルバム Best Ⅱ」が2CD+2LP+カセットテープから成るボックス形態で発売された。シングル盤がほとんど1位を取った時期の作品(DESIRE、TOTTOOなど)10曲が収録されているのだが、45回転2枚組のLPと今回はカセットまで付いている。価格も1万ちょっととのことで、思わず予約を入れていた。そちらも先日届いたばかりだ。ちなみに今回のLPも赤色とピンク色のカラーヴァージョンである。
このように中森明菜については「中森明菜デビュー40周年記念ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ」として過去の作品が次々リイシューされているのだが、解説を読むと今回の音源は「ラッカーマスターサウンド」と呼ぶ手法で制作された。曰く、「アナログレコードの原盤であるラッカー盤にカッティングし、カートリッジ(レコード針)で再生した音を、デジタル化した音源。原音に限りなく近く、アナログレコードの持っているふくよかなサウンドを再現!」。ということはレコード音源をデジタル化してレコードにしたのを今聴いている?(これに関してはいつも疑問に思うのだが、アナログをデジタル化した音源はアナログ的な音色なのだろうか?)
さて、中森明菜は林哲司氏トリビュート・アルバムのため「北ウイング」を再録音(これが大人の雰囲気でオリジナルとは全く別物だが素晴らしい!)するなど、徐々に活動再開に向けた動きが感じられる(という世論の読み)。長らく活動を休止していた状況から、ファンの皆さんは再登場を心待ちにしているのだろうが、音源的にはすでに再登場を果たしてくれた。私としてはこれらのレコードを聴くだけでひとまず満足だが、はたして年末の復活はあるのだろうか。
そんなことも気にかけながら2023年が終わる。来年こそ世界に紛争のない良い年であることを願い、今年最後のブログとします。