わんこと一緒♪ マールママ日記

愛しいシェルティ2匹と暮らすマールママの記憶と記録のためのページ

最後の時間

2007年07月28日 | 私&家族

「俺は親父が死んで、やっと本当の親子になれたような気がする。涙も出ないと思ったけど涙も出た。。」夫がポツリと言いました。

長い間、皆を悩ませ頑固に自分の意思を貫き通して部屋に立てこもり続けた父でしたが、最後は残された者に悔いを残さぬように時間を与えてくれました。

   

救急車で病院に運ばれる前の日、父と息子は何年ぶりかでで話をし最後に話した言葉が「ありがとう!」だった。
それきり言葉が出なくなってうなづくだけになってしまったが、夫も私も病院に足げく通いだんだん心が通っていった。

下の妹も施設に行ってからは毎日のように会いに行き優しく言葉をかけ手を握ってあげていた。

3ヵ月後、容態が悪くなり、どしゃ降りの雨の中を夜中に病院に呼ばれて一人で行った夫に、父は手を上げて言葉にならない声を発し看護婦さんも驚いていたが「大丈夫か?」との問いにいつもはうなづいていた首を横に振ったという。
夜が明けるのを待って妹たち二人も呼ばれ医師から長くはないと告げられながらも、その時がもうすぐだとは誰も思っていなかった。

   

夕方「容態が急変したとの病院から連絡が入った」と私の携帯に夫から連絡を受けたとき私は仕事を早く切り上げ病院の駐車場にいた。
「家族の者です」と病室に入った私に先生は「自発呼吸が出来なくなっています」と告げ看護婦さんたちがあわただしく注射をしたり措置をしていた。
「手を握ってあげてもいいでしょうか・・」「どうぞ!」
どんなに心細い思いだろう・・苦しかったのか目頭に涙が 
みんなが来るまでの間、私が付いていてあげる!
嫁として専属のヘルパーに望まれながら果たしてやれなかったせめてもの最後のお務めだった。

その手はまだ温かく白く柔らかだった。
「おじいちゃん!おとーさんが、もうすぐ来るから・・頑張って!・・」

ひとりの一生の幕が閉じられる荘厳な時間の中に私はいた。

長女(義妹)が来た。「手を握ってあげて・・」と席を譲った。
顔をなでながら「頑張った!がんばった!もう、ゆっくりしていいよ」と咽びながら声をかけていた。

そして、夫、次女、みんなに代わる代わる手を握ってもらい父は息を引き取った。

    

先日の兄弟三夫婦が揃って父を偲ぶ席において、長いこと親しく言葉を交わすことのなかった長女の口から思いもかけない言葉が出た。

「おじいちゃんはいつだって兄さんのこと頼ってた。今までずっと好きなようにそこの部屋で暮らしてきたのだから幸せだったのよ。最後のときに、おじいちゃんが流した涙は手を握ってもらいながら姉さんに”ありがとう”の涙だったのよ」
私と義父との最後の場面のことは夫にも話してなかったので皆が一様に驚いていた。その事と、彼女の思いがけない発言に。
「そんなことがあったのか?!それを聞いて今頃になって涙がでるよ・・」と夫。

最後の時間 それは誰も予期できません。
 このいとし子たちとも、いつの日か悲しい別れの日がやってくる。。
最後の時間、この胸の中で抱きしめて看取ってあげたいと切に思う。

今日は我が長男、愛するロッキーの4回目の命日です



ロッキーの眠る庭に代わる代わる咲いていた百合も、もう咲き終わりました。




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2 コメント

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Unknown (パチママ)
2007-07-28 14:47:20
こんにちは~~~♪
ロッキー君、4回目の命日ですか・・・・・
きっとローキー君のこと思い浮かべられ、ティシュペーパーに手を延ばしておられる事でしょう
私も我がことのように、スルズル~~~~~しています。
虹の橋へ行った子の事は、何年経っても、忘れられないですよね。
胸がキューーーンと痛くなります
ご兄弟の気持ちが一つになり、よかったですね。
そして、マールママさんを見つめておられた義姉妹の
本当の気持ちが分かりよかったですね。マールママさんにたいして、皆さん、感謝の気持ち一杯でしょう。
慢性疲労、気を付けて下さい。
いつか赤いスポーツカーに一人と一匹を乗せて北上する夢実現したいです。
二匹の貴公子と一緒に南下して来て下さい。
ところで、私の方97歳の母が突然調子を崩しました。
母は入院しました。今のところ落ちついています。
あまり突然だったので,世話をしてくれている姉が混乱し、姉妹の間でちょっと波風がたっています。
私は今動ける状態にないので、混乱している姉の電話の聞き役です。
来月くーパパの夏休みに優を連れて一度京都へ行こうと思っています。
五姉妹が仲良く母を見送る事ができ,その後仲良く過ごす事ができますように、祈る毎日なんですよ~~
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☆パチママさん (マールママ)
2007-07-28 22:32:54
こんばんは~
月日の経つのが早いですね。もう4年になります。
ロッキーは、やっぱり長男でした。
マールは二男、ショウは三男それぞれ不思議なくらい特徴がでています。ワンダフルライフ♪
ロッキーがいたから今の生活があると思っています。

うちのおっとー、ぜひクーパパさんの真っ赤なスポーツカーに乗せて欲しいと言っています
男のロマンに火がついてしまったみたい。
こちらからは、うるさいワンズ乗っけての遠出は無理のようです。
ぜひ、いらしてくださ~い

ご実家のお母様、心配ですね。
親の介護をめぐって波風立つのはよくあることですが、うちの場合も父の突然の病気で母が混乱したのがきっかけでした。
長いトンネルをやっと抜けでて、振り返ってみればなぜここまで問題が大きくなってしまったのだろうと思います。
冷静に、混乱している人の気持ちを聞いてあげることが大事ですよね。ちょっとしたことが思わぬ揉め事のもとになってひびが入ると身内ほど修復が難しくなってしまいます。
歳を取るほどに兄弟姉妹仲良くやっていきたいですよね。
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