たくまし可愛いい、ロボの戦い

乳がんと戦う、ロボの戦闘日記。
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初秋という季節

2005-09-05 | 闘病日記
青い銀杏の並木を見て寒気がした。

銀杏なんて春から葉をだしていたはずで
かつ月に一度以上は病院へのこの並木道を通っているのに
葉を伸ばしきる夏の終わりになってはじめて
記憶の光景と一致し、そして気付く
そこまで強烈にこの季節の並木が焼き付いていたとは思わなかった。

チクッと痛んだのを覚えている。
お風呂上がりで、まだ季節も体も暑くてパンツ一枚で涼んでいた。
でも取ろうとした服は長袖、今またそんな季節を向かえた。

あの頃は例えば虫刺されのように
「かゆいからさっき刺されたんだ」という位に
癌細胞は最近出来たんだろうと無意識に思っていたけれど
本当はいつからあったんだろう。
乳癌は進行が遅いというからもっともっと前だったりするのかもしれない。

転移が早いものだからあの時気付けて本当によかった。
乳癌は多くの場合は痛みがないというし
私は手術までの間よく痛んだけれど、胸板に定着しつつあったから
引っ張られて痛いというのもあったかもしれない。
最初に気付いた時の痛みなんかは特にそう思う。

そしてその痛みで病気に気付く事が出来た。
出来た位置が違ってたら、この闘病は顔つきを変えていただろう。
私は私で居られただろうか。

そしてそんな問いを私に落とす分岐点は、実はそこら中に溢れていて意識も薄い。
振り替えるともう怖い綱渡りをした後で、さて私は無事に渡り終えたのか、足を踏み外したのか。
成功と失敗、ここはどこなのだろう。
私は不安に気付かないフりを続けよう。