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安愚楽牧場のその後 - 「詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-1」

2012-09-20 10:49:58 | 「身の丈」経営

  このブログでは,経営陣の不祥事から経営破綻した林原,焼肉酒家えびす,安愚楽牧場を追跡している。

 昨年8月1日の株式会社安愚楽牧場の事実上破たんから1年が過ぎた。「全国安愚楽牧場被害対策弁護団」のホームページによると,2012年8月9日、東京地裁20部から電話での連絡があり、破綻した安愚楽牧場の役員であった三ヶ尻勲、増渕進両名の債権届け出の期間が、8月31日から来年2月28日まで延期が決まった。
 三ヶ尻久美子に対する債権届け出期限が、当初今年2月8日だったものが、さらに6月25日へ、そしてさらに12月25日に延期されたのと同様、被害者の多くが債権届け出をすることを前提とする措置であるという。

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団http://agurahigai.a.la9.jp/は,安愚楽牧場の被害者を救済するため、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の各消費者問題対策委員会の委員有志により結成されている。現在の依頼者数は6370人、弁護団員は59人である。
 当弁護団も含めて、全国で13の弁護団(全国、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、静岡、東海、京都、大阪、兵庫、福岡、鹿児島)が設立され,全国の依頼者数は7608人で、債権者集会の招集権を持てる可能性のある被害者総数の1割を超えている。
  

>>>「国にも原因」と賠償要求 安愚楽問題で被害弁護団

 和牛オーナー制度が行き詰まり、約4300億円の負債を抱えて破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)をめぐり、「被害拡大の一因は国にある」として全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は8月27日、謝罪や賠償などを消費者庁に文書で要求した

 弁護団によると、農林水産省が安愚楽牧場へ立ち入り調査に入った平成21年時点で出資額は約2900億円、出資者は約4万8000人だった。その後、農水省から業務を引き継いだ消費者庁は同社から必要な報告も受けず、破綻時の出資者は約7万3000人に上った。

 弁護団は再発防止に向けた真相の究明なども求めている。「遅くとも21年に国が必要な規制権限を行使していれば多くの被害は防げた。要求を拒否されれば裁判を起こさざるを得ない」としている。

安愚楽牧場被害に関する解決要求書 http://agurahigai.a.la9.jp/

 

>>>安愚楽牧場問題 対応不備認める 消費者庁福嶋長官  (2011年11月17日)

 消費者庁の福嶋浩彦長官は11月16日,破産手続きに入った安愚楽牧場(栃木県)への対応で不備があった点を認めた。同牧場は2010年7月,預託法に基づき経営の定期報告を同庁に申し入れたが,同庁はこれを受け入れなかった。これが一因となり,同牧場の経営悪化を見逃し,被害が拡大したため,福嶋長官は「(定期報告を)受けるべきだった」と述べた。
 
 同牧場への対応では,農水省が09年1月,預託法に基づき牧場に立ち入り検査を実施。同省は会計上の不備を指摘し,同年3月と7月に定期的な報告を同牧場に指示した。しかし,09年9月の消費者庁設立を受け,預託法の所管が農水省から消費者庁に移った。
 
 同牧場からの報告を受けなかった理由について,福嶋長官は「会計上の問題点が改善され,事業全体として大きな問題はないと判断し,定期報告を受けなかった」と述べた。
 
 ただ,口蹄(こうてい)疫の発生など牛肉をめぐる問題が相次いで発生した中,同牧場の経営を監視する立場でありながら資金繰りの悪化に気付かなかったことについて,福嶋長官は「消費者からの相談があまり寄せられていなかったため,立ち入り調査をしないといけないという判断にならなかった」と説明した。
 
 預託農家の救済は「農水省と連携しながら,消費者庁としてできることがあれば何らかの対応をしたい」と述べた。

安愚楽牧場:管財人 
 東京地裁は,破産手続き開始決定に伴い,渡辺顕(あきら)弁護士を破産管財人に選任。管財人の連絡先は成和明哲法律事務所(0120・130・560)。 同社の財産状況を調査した管財人が「早期に牧場や牛を売却しなければ,資金がショートする可能性がある」として民事再生手続きの廃止を求める上申書を地裁に提出。2011年11月8日に,地裁が民事再生手続きの廃止を決定。

 

▼「安愚楽牧場」ブログーバックナンバー

  ・愚楽牧場の二次被害トラブルが急増  2012-0606

  安愚楽牧場のその後 -栃木の子会社破産 / 鹿児島の会社(カミチク)が一部継承 2012-05-05

  ・安愚楽牧場の破産手続き開始を決定 -東京地裁 (12/13)

  ・安愚楽牧場が破産へ=民事再生手続き廃止―東京地裁(2011-11-08)

和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか
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被害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか?
自他共に「詐欺専門記者」と認める共同通信社記者が、徹底取材で分析した「詐欺犯罪はなぜなくならないのか」。

 

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1 コメント

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はじめまして (roko)
2012-09-24 14:56:12
以前より何度か見させていただいておりました。
初めて見たときから「身の丈,身の程を知って生きる・・・・・」という言葉にブログ主さまの生きる姿勢をみるようで印象深かった覚えがあります。
私は安愚楽牧場の被害者で、昨年の11月から日記ブログを始め今日に至ります。
それでといってはなんですが、こちらのブログを紹介させていただきたいと思っています。
もし、お時間が許すのであれば、私のブログを見ていただけたら幸いです。そしてお断りなら、そう示して下さればと・・・。
なにもお返事のないときには、ブログにて紹介させていただきたいと思います。
誠に勝手ではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。
ブログの名前は 「あぐら物語日記」 です
http://roko1107.blog.fc2.com/
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