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中国進出の日系企業,反日デモでリスク再認識。

2012-09-21 12:30:41 | 「身の丈」経営

   石原慎太郎東京都知事

 日本政府による尖閣諸島(中国名:釣魚島)の国有化に端を発した一連の反日デモで,一部が暴徒化。パナソニックの青島工場の生産設備が破壊されたり,イオンの「ジャスコ黄島店」や平和堂の店舗が甚大な被害を受けた。日系企業の工場が操業停止や店舗の営業休止に追い込まれたことは,中国進出に当たってのカントリーリスクを,あらためて強く再認識させられることとなった。

 だが,中国政府がデモの取り締まりに動いたことで「中国本土における事業への悪影響は短期的なものにとどまる」(ムーディーズ)という認識が強まっている。 反日デモは鎮静化の方向にあるが,国民感情の悪化,さらには政治問題化していることもあって不安定な状況は続く。幸いなことに,今春のタイの洪水被害のように,数カ月にわたって生産が休止したり,製品の供給体制への懸念は,現時点では生じていないが,長期化のリスクは避けられない。 日本貿易会の槍田松瑩会長(三井物産会長)の日本から中国への通関に遅れの兆候が出ているとの指摘もあり,影響の拡大は懸念されるところである。

  中国で事業を展開する企業にとって今回の事態は,カントリーリスクを強く再認識させることとなった。ただし,もともと中国へ進出している企業は,多かれ少なかれこうしたリスクは想定していただけに,パニックには陥っていない。

 日本電産の永守重信社長は20日,記者会見で中国での反日デモの影響について「いくつか工場があるが,今回は幸いにも操業を一切停止していない」と述べた。新興国などでのカントリーリスクに関しては「我々は世界30カ国に出ているが,中国だけでなく,どこの国にいっても色々なことがある。リスクを負って外に出て行かないとどこにも行けない」との考えを示した。
 リスク対策については,「今回のデモでは従業員が工場に火を付けた企業もあったようだが,中国だけの問題といえるのか。自分たちにも問題がないのかを改めて考えないといけない」との認識を示した。

 友野宏・住友金属工業社長は,「隣の国であれだけの経済規模という一方,やっぱりこういうことが起こるということもある」と語る。藤原健嗣・旭化成社長は「投資抑制で,イエス・ノー的な結論にはならない。仕事を進めるうえでリスクがあることを認識することは大事だが,(投資を)止めるとかいう状況ではない。中国以外でも国と国のトラブル,国内でもトラブルはある。リスク認識をしっかり持って行動しなければならない」と述べている。
  そして,「中国事業の見直しを判断するのは時期尚早。冷静に見なければならない。長い歴史の中ではいろいろなことが起こる。脳みそを冷やして判断していく」とし,拙速な判断を戒めている。
 
 とはいえ,中国での事業展開でリスクを回避するうまい方法は見あたらない。いまのところ,民間レベルでの信頼関係に依存するしかないのが実情である。

 9月9―12日に中国を訪問していた三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は,中国の大手石油化学トップと会った際,「非常に友好的だった。事業のカウンターパートとしては友好的で,今後についてもネガティブな感覚はなかった」と語っている。そのうえで,ビジネスを進めるためには「日ごろの付き合いを築くしかない。腹を割って,一緒に事業をする態度でやれば,とんでもない影響は出ない」との考え方は,示唆に富む。

 中国は隣国であり,経済規模世界第2位の大国とあっては,撤退や事業展開の手を緩めることは難しい。企業は,「リスク認識を持ちながら事業を進める」というスタンスで臨むしかあるまい。

                          出典:ロイター通信,日経新聞など各紙,NHKテレビニュースの報道

 

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