りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

―シャーロットの翼―2幕 3

2019年12月29日 22時07分17秒 | 脚本

   
   

   その時、シャーロットの悲鳴が聞こえてくる。(段々大きく。)
   2人、上を見る。

ビリー「え?」
アレック「何だ!?」
ビリー「わぁーっ!!」
アレック「えーっ!!」
ビリー「兄貴!!人が落ちて来る!!」
アレック「子どもだ!!」
ビリー「女の子だ!!」
シャーロット「キャーッ!!」
アレック「ビリー、受け止めるぞ!!」
ビリー「ガッテンだ!!」
アレック「わーっ!!」

    シャーロット、アレックとビリーの上へ落ちる。
    アレックとビリー、シャーロットを受け止めようと
    するが倒れる。

アレック「いってぇ・・・」
ビリー「イテテテテテテ!!兄貴・・・兄貴ー!!痛いよ!!腕が!!
   (腕を押さえて飛び跳ねる・)」
シャーロット「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
アレック「ビリー!大袈裟なんだよ、おまえは!!」
ビリー「だって兄貴!腕がグニャって!!きっと骨が折れて・・・」
アレック「馬鹿!骨が折れてたら、そんな風に動かねえよ!」
ビリー「あ・・・そっか・・・へへっ・・・」
アレック「それよりおまえ・・・(上を見て。)どっから落っこちて
     来たんだ?」
シャーロット「あの・・・さぁ・・・私にもよく分からないの・・・」
アレック「ふーん・・・(不思議そうに上を見ている。)ま・・・
     いいか・・・。そうだ、先ず名乗んねぇとな。俺はアレック!
     こっちは弟分のビリー。訳あって今は無職だ!で?おまえは・・・」
シャーロット「あっそ・・・(周りをキョロキョロ見回している。)」
アレック「あっそ?あっそって一体何だよ・・・ははーん・・・何か?
     おまえの名前はあっそ・・・」
ビリー「(笑う。)」
シャーロット「ねぇ!それより・・・ここはどこ?」
アレック「え・・・?ここか?ここは・・・」

    音楽流れる。アレック、ビリー、歌う。
   (途中、紗幕開く。)

  アレック゛ここは俺達の居場所
       貧乏暮らしでも
       ただの田舎者さ
       だけどいい村なのさ
       あの山の 上の城
       この国を守る者が暮らす
       俺達に 関係は
       ないかも知れないがそのお陰だと
       こうして平和に暮らしているのは
       皆が感謝しているこの国の全て”

  ビリー゛守られてることが
      だから俺達も
      人の役に立つ生き方をするんだよね?”

  アレック゛迷惑ばかりかけることが
       駄目だと分かったんだ“

  ビリー゛そんな風に 考えてたの
      ちっとも知らなかったよ”

  アレック゛成長しないとな”

  ビリー゛見直したよ これからは俺も心を新たに“

  アレック゛この村に住む俺達は
       皆と同じよう
       村が幸せになる為に働くぞ
       これからは この村の
       中に住む者同士力を
       合わせよう そうすれば
       おのずと国全体が平和になる
       この国を守る誰かの為に
       皆が協力することこそが
       皆幸せになると言うこと
       誰もが誰かの為になること
       幸せの輪が出来る筈さ
       その中心に 誰も知らない
       守る者がいる国さ”

シャーロット「へぇ・・・それで・・・あのお城に住む誰が、この国を
       守っているって言うの?」
ビリー「さぁ・・・」
アレック「それは分かんねぇ。ただの言い伝えだけかも知れねぇしな。
     それよりおまえ、俺達の質問にまだ答えてねぇだろ?一体おまえは
     どっから落っこちて来たんだよ。(上を見る。)」
シャーロット「あ・・・えっと・・・それは・・・多分あのお城の先の森の
       中で・・・イタチさんに教えられた木の幹に開いてた穴を
       覗いてたら・・・あーっ!!それより私こんなところで遊んで
       る暇なんてなかったんだわ!!私、お城へ戻らなきゃ!!
       もう直ぐ私の15歳の戴冠式が始まっちゃう!!」
アレック「お城?」
ビリー「戴冠式?」

    アレック、ビリー笑う。

アレック「何言ってんだか。あの城に、おまえみたいに15になるって言う
     娘はいねぇよ。今はシャーロット王女があの城の当主で・・・
     だけどシャーロット王女はとっくの昔に戴冠式を済ませたんだ。
     おめぇみたいなガキじゃねぇよ。」
シャーロット「シャーロット王女?シャーロット王女ですって!?」
アレック「あ・・・ああ・・・」
シャーロット「何言ってるのよ!!シャーロット王女は私・・・」

    その時、上手後方、机の前に座っていた占いの老女、
    顔を上げる。

老女「お嬢さん・・・!何か困り事ですか?」
シャーロット「え?」

    音楽流れる。

老女「私があなたの困り事を占って差し上げましょう・・・」

    老女、大きな虫眼鏡を取り出し、シャーロットの側へ。
    シャーロットを覗き込むように。


    


  老女゛何か見える 影だ 背後 何かよからぬ影がある
     これは一体 何の 印 なんて不吉な影
     見えないのか? 恐ろしくで 得体の知れぬもの

    (アレック、シャーロットの背後を覗き込むように。)

     邪悪なもの 気配に満ち 周りを渦巻いて”

  シャーロット゛私に何か良くない影がある?”

  老女゛その通り 見えるぞ見える”

老女「今からその影の取り去り方を占ってしんぜよう。ごにょごにょごにょ
   ・・・うむ・・・うむ・・・おお・・・おー・・・」
ビリー「(老女の背後を驚いたように見て。)ば・・・ば・・・ばあちゃん
    尻尾・・・?尻尾だ!!」
アレック「ん?」
老女「煩い!!(虫眼鏡でビリーの頭をコツンと叩く。)」
ビリー「あ・・・れ・・・?俺・・・」
老女「ふん!黙っとれ!!」
アレック「ビリー?どうかしたか?」
ビリー「ううん・・・」

  老女゛あの城の頂にある 恐ろしい黒い雲
     あれこそがそなたの元凶
     取り払わねば
     今直ぐに城に赴き
     住む者を追い出して
     城を浄化しないと
     悪い事が起こる
     そなたの影も消えぬ”

シャーロット「分かったわ!直ぐにお城へ戻って、お父様お母様にお願い
       してみるわ!!」

    シャーロット、下手へ走り去る。

アレック「あ・・・おい!!そんな城に勝手に行ったって、中に入れて
     もらえる訳・・・!!」
ビリー「兄貴・・・」
アレック「仕方ねぇな!!待てよ!!おい待てったら!!一緒に行って
     やるよ!!おーい!!」
ビリー「兄貴ー!!」

    アレック、シャーロットの後を追って下手へ走り去る。
    ビリー、続く。

  老女゛我が魔族を封じ込めた
     我が魔力の源を
     それを奪い 我らやっと
     自由になりえるぞ”

    老女、笑いながらゆっくり上手へ去る。
    紗幕閉まる。











― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ―

(どら余談^^;)

気付けば今年も後わずか・・・
皆様、如何お過ごしでしょうか(^.^)
リトルパインは27日に年内最後の練習日を終え、僅かな冬休みへと
突入致しました。
休みが明けると早々に小学校公演があります。
人形は前回の本公演のを使いまわして出来るように書いた新作なので、
洋服を着替えさせるだけで大丈夫だったりするのですが・・・
矢張り初めての作品と言うのは、動きの練習もイロイロと大変で、
メンバー一同、今年は暖冬傾向であるのも加わり、大汗をかきながら
練習に励んでおります^^;

それでは・・・
これからも少しでも皆様の心に留めて頂けるような作品を、
書いていきたいと思っていますので、引き続きリトルパインを
よろしくお願い致します<(_ _)>
今年一年、応援諸々ありがとうございました!
よいお年をお迎えください(^_^)/


          ミュージカル人形劇団リトルパイン
                      どら



    
         ゛海の向こうに”より






















 













シャーロットの翼—2幕― 2

2019年11月28日 11時14分09秒 | 新作(人形劇用)


   ― 第 1 場 ― B

   音楽流れ、上手よりじぃ1、2、慌てた様子で登場。

 じぃ1「シャーロット様ー!!」
 じぃ2「シャーロット王女様ー!!」
 じぃ1「どこにもおらんぞ。」
 じぃ2「やれ・・・」

   じぃ達、歌う。

  じぃ1゛一体         じぃ2゛どこに
     行かれた            どこだ
     こんなに            捜し
     毎日              毎日
     捜す              どこを
     捜す              そこを
     捜す              全部
     捜す              捜し回るぞ
     目を離すな           いつでも側に
     見張りを            見張りを
     立て              立て
     必ず              必ず
     守る”              姫”

  2人゛我らで守る”

  コーラス゛心配”

  じぃ1゛どこかに       じぃ2゛隠れ
      そっと            覗き見ている”

 じぃ1「シャーロット王女様をこの国の外へ出すのではない
     ぞ。」
 じぃ2「ああ、分かっておるとも。」
 じぃ1「しかし一体、王女様はどこに行ってしまわれたの
     じゃ。」
 じぃ2「まもなく15歳の戴冠式を迎えられ、正式にこの
     国のシャーロット王女様となられると言うのに。」
 じぃ1「そうすればいよいよ・・・」
 じぃ2「ああ、いよいよじゃ・・・」
 じぃ1「さぁ、もう一度、城の庭の方も捜しに行ってみよう
     。」
 じぃ2「そうじゃな。」

  2人、慌てた様子で下手へ去る。

  — 2 場 —

  音楽流れ、紗幕開く。と、森の様子。


  


  上手よりシャーロット登場。木々には小鳥達。歌う。

 小鳥(ピッチ)「シャーロット!どこへ行くんだい?」

  シャーロット゛思うままに 私は自由よ
         どこでも行く
         羽のあるあなた達と同じ
         もう嫌なの 囲われた暮らし
         好きにしたい
         私はただの女の子 変わりはないわ”

  ピッチ゛君には役目が 大切なことだ
      君にしか出来ないよ
      僕には分からない
      だけど君だけに 与えられたと”

 ピッチ「僕達は皆そう思っているよ!シャーロット!」

  シャーロット゛なぜ私 何代かごとに
         役目なんて 
         お父様お母様言うけど
         この広い 世界の中
         一人だけに
         引き継がれていく特別な力なんて
         欲しくない私”

 ピッチ「だけど今までのシャーロットも皆そうやって、自分
     に与えられた力を、国の為に使ってきたんだよ・・・
     きっと。」
 シャーロット「なぜ私は自由にどこへ行くことも出来ないの
        ・・・。私もあなたのように、どこへでも
        飛んで行ける翼が欲しい・・・。」
 ピッチ「これからも僕がシャーロットの代わりに国の外の
     世界を見て来て、君に色々と教えてあげるよ!
     ・・・それじゃあ駄目かい・・・?」
 シャーロット「ピッチ、優しいのね・・・。ありがとう。」

  その時、小鳥達騒ぎ出す。

 小鳥「イタチだ!!皆、逃げろ!!」
 ピッチ「え?」
 シャーロット「ピッチ!」

  小鳥達、飛び去る。ピッチ、シャーロットの肩へ。

 イタチ「こんにちは、お嬢さん・・・。」

  
  


 シャーロット「何かご用?イタチさん。」
 イタチ「いえ何・・・もしやあなたは、この国のシャーロット
     王女ではないかと・・・」
 ピッチ「だったら何だよ!」
 イタチ「おや、勇ましいおチビさんはお黙り!!」
 ピッチ「ピー・・・」
 シャーロット「イタチさん!確かに私はシャーロット王女よ
        !何か私に用があるの?」

  音楽流れる。イタチ歌う。

  イタチ゛聞いていた 本当か”

 イタチ「自由になりたいと話していた・・・」
 シャーロット「ええ・・・」
 ピッチ「シャーロット!」

  イタチ゛それなら いいこと
      教えて やろう”     コーラス゛話”

 イタチ「私について来るがいい。」
 シャーロット「え?」
 イタチ「自由の国への扉へ案内してやろう。」
 ピッチ「そんな話、信じちゃ駄目だよ!!」
 シャーロット「自由の・・・」

  イタチ゛この先に 誰も知りはしない
      隠された 秘密の扉ある”

  (イタチ、下手方を指差す。)

 シャーロット「秘密の扉・・・?」
 イタチ「ああ。」

  イタチ゛木の幹に ひっそりと
      開いた穴 それこそが!”

  シャーロット、下手へ走り去る。

 ピッチ「行っちゃ駄目だ!!」
 イタチ「煩い!!(ピッチへ向かって杖を振り上げる。)」
 ピッチ「あっ・・・(倒れる。)」

  イタチの笑い声で、紗幕閉まる。

  — 第 3 場 —


  

  
  紗幕前。音楽流れ、上手より黒いスーツに身を包んだ
  2人組の男達(アレック、ビリー)登場。歌う。
  (途中、紗幕開く。と、昔の村の様子。)

 アレック「あー退屈だねぇ。」
 ビリー「ああ、全く・・・」

  アレック゛毎日何してりゃ  ビリー゛やることがないんだ
       飽き飽きする程
       俺ら           俺ら
       昔            昔
       ちょいと         知られた
       有名           泥棒”

  アレック゛ただのやさぐれ者
       情けない姿”

  ビリー゛悪いことするのが
      俺らの生きがい”

  アレック゛だけども
       今はこの姿
       ただのチンピラ
       野良犬さ”

  ビリー゛戻ろう また前みたいに
      悪いことやり カッコ良く”

  アレック゛馬鹿言うな これからは
       真面目に生きると決めた”

  ビリー゛いいじゃんか またやろう
      面白可笑しく生きる”

  ビリー゛悪いことやるのがカッコいい?
      馬鹿言ってんじゃないよ
      俺らは
      正義の味方にゃなれなくてもいい
      何か出来る筈だろ
      人様のお役にさ”

 ビリー「兄貴、本気でそんなこと考えてんの?」
 アレック「いや・・・まぁ何、今まで散々悪事を働いて来て、
      今更こんなこと言えたギリでもないがよ。たまに
      はちょっとぐらい・・・いい事ってのをやって
      みても、バチは当たんねえんじゃないか?」
 ビリー「えー、兄貴、マジで言ってるのかよ・・・」
 アレック「ま、おまえもこの際だ、俺と一緒に心を入れ替え
      てみねぇか?」
 ビリー「えー!!俺やだよ・・・」

  アレック゛いいことが 出来たなら
       きっと悪行消え去る”

  ビリー゛そんなこと 本当に
      考えてるの嘘だろ 笑っちゃう”

 アレック「だったら何か?おまえは・・・」

  アレック゛悪いことやるのがカッコいい?
       馬鹿言ってんじゃないよ
       俺らは
       正義の味方にゃなれなくてもいい
       何か出来る筈だろ
       人様のお役にね”

 アレック「兎に角だ!俺はもう二度と盗みも強盗も空き巣も
      スリもやんねぇ!」
 ビリー「しっ!!兄貴、声がでかいよ!!」
 アレック「あ、悪い・・・しかしまぁ・・・」        





       ―゛シャーロットの翼” 3へつづく—






― ♪ — ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 (どら余談^^;)

 皆様、ご無沙汰しておりました(>_<)
 長い間来ないうちに、季節はすっかり冬・・・

 やっとこさ書かなければいけなかった、来年9月に行う
 15周年記念公演の台本と・・・(こちらのお知らせは
 まだしていなかったですね・・・^^;)1月以降、来年度
 小学校ボランティアに持って行く為の台本を仕上げ、残る
 は後2作品の台本を書くのみ!となりました、今の時点で・・・
 (^^)v(これをサッサと仕上げないと、また後ろが詰まって
 くるので頑張らないと・・・です)

 リトルパインとしましては・・・ただ今台詞練習を行いつつ、
 来週にその内の1作品を録音・・・再来週には育児サークル
 のボランティアにお邪魔しつつ・・・1月半ばに依頼のある
 小学校公演の練習・・・↑で録音した作品を仕上げて持って
 行きます^^;・・・なんかこう並べてみると、忙しそうです
 ね、とっても・・・(*_*)

 でも楽しんで忙しくしてます(^^)v
 でも・・・なかなか更新しに来れなくてすみません<(_ _)>





 (リトルパイン15周年記念公演のお知らせ♪)

 
  『フワリ』—2幕—


  日時 ・・・ 2020年9月11日(金) 

           18時30分開演

  場所 ・・・ 吹田メイシアター 小ホール

       

 
   また詳細は後日に・・・
   よろしければご覧になりにいらして下さい(^^)v



















゛シャーロットの翼”—2幕―

2019年06月23日 19時30分41秒 | 新作(人形劇用)


 〈主な登場人物〉

 シャーロット ・・・ 本編の主人公。ある王国の姫君。
            ある役割を担う。

 アレック ・・・ 心を入れ替えた泥棒。過去に住む。
 ビリー ・・・ アレックの弟分。

 じぃ1
 じぃ2

 王様 ・・・ シャーロットの父親。
 王妃様 ・・・ シャーロットの母親。

 イタチ(占いの老女) ・・・ 悪い魔族。

 シャーロット(過去)

 小鳥(ピッチ) ・・・ シャーロットの友達。

 その他



― ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪



   




   音楽が流れ、中央スポットにゆりかご。(赤ん坊の
   泣き声が聞こえる。)その横に2人のじぃ。ゆりかご
   を覗き込むように。

 じぃ2「おお、よしよし・・・いい子じゃ・・・」
 じぃ1「なんと利発そうなお顔じゃ・・・。我々、そなたの
     生まれてくるのを、どれ程の時、待っておったか
     ・・・」

   コーラス゛この国を守る役目を持つ者
        生まれし時から与えられた”

   じぃ2人゛待ちわびてた 巡り合うこの日
        遠い昔に 我らは知っていたのだ”

 魔女の声(エコー)「また次なる我が魔族の敵となる娘が生
           まれたわ。何百年も昔から、我が一族
           を封じ込める力を持って生まれた忌々
           しい運命を持つ娘よ。今にみておれ・・
           ・」

   ―プロローグ―

   音楽流れ、幕が開く。
   舞台明るくなる。(と、村の様子。村人達、板付き。
   歌う。)


   


   村人達゛この国は 平和と希望に満ち溢れた国
       素敵な国
       誰でもが 幸せになれる暖かな場所さ
       守られた国
       昔からの語り継がれた物語
       この国に伝え聞いた物語 言い伝え
       この国に伝わる伝説 
       守る者がいる 素晴らしい国”

   村人(女)゛今      村人(男)゛今
        ここに          現われたもの
        いつでも         昔からの
        今           直ぐそこにいるさ
  
   村人(男女)゛いつでも”

   下手より一人の娘(シャーロット)、沈んだ様子で
   登場。歌う。


   


   シャーロット゛皆が期待するような
          私にどんな力がある
          気のせい”

   シャーロット、上手へ去る。

   村人達゛物語 言い伝え
       この国は昔からいつも 守る者がいる
       不思議な国
       でも誰も 誰かは知らない
       ただの言い伝え 守られた国”

 村人(女)「さぁ、早くお城へ行きましょう!」
 村人(男)「今日はシャーロット王女の15歳の誕生日!」
 村人(男2)「皆で盛大に盛り上がるんだ。」
 村人(女)「ええ!」
 村人(男)「行こう!」

   村人達゛今日は誕生日 今日は特別な日”

   紗幕、閉まる。

   ― 第 1 場 ― A

   (鐘の音が聞こえる。)
   紗幕前。上手より、王、王妃、話しながら登場。


   


 王妃「あなた、シャーロットがまたお城を抜け出して、村へ
    遊びに出かけたようですわ。」
 王「全く・・・今日はあの子の15歳の誕生日・・・やっと
   15になったばかりの娘に・・・我が王国の役割とは
   言え、国を守っていくなどと・・・あまりにも重荷では
   あるまいか・・・。」
 王妃「ですが、私のおばあ様も・・・そのずっと前のご先祖
    様も、そうやって役割を担ってきたのです・・・。
    この国は、何代かごとに大きな魔力を持った者
    が生まれ、その者が次の力を持つ者が生まれるまでの
    間、この国を悪い魔族から代わる代わる守ると言う
    ・・・。ただ、どうして私ではなくシャーロット
    なのかと・・・。あの子はまだまだ自由ですわ。
    (音楽流れる。)小さい頃から聞かせて育ててはきま
    したけれど、どれだけ自分の背負う役割のことを理解
    していると言うのでしょう・・・。」 ※

   王、王妃、歌う。

   王妃゛この国に伝わる
      代々引き継ぐ
      国を守る役割持つ
      シャーロットの名前”

   王゛早過ぎはしないか
     代々受け継ぐ
     たとえ役目だとしても
     まだまだ子ども”

   王妃゛心配          王゛心配だ”
      勿論
      大切な可愛い子
      いつまでも
      この日が
      こなければいいと”

   2人゛私達2人で これからも守る
      その思い変わらず
      愛しい我が子よ
      何も変わりはない
      大切な思い
      これからも続いていく
      思いはひとつ”

 王妃「おばあ様がお亡くなりになられる時・・・シャーロット
    が15歳になるまで、この国に結界を張って下さった
    のです。ですがそれ以上は、おばあ様の力も持たない
    ・・・。これからはシャーロットが国を守る役目を
    引き継ぐこと・・・それはあの子が生まれた時から、
    決められたことなのです・・・。」
 王「私達が、あの子を守っていこう・・・」
 王妃「ええ・・・」

   王、王妃、下手へ去る。

   ― 第 1 場 ― B

   音楽流れ、上手よりじぃ1、2、慌てた様子で登場。







      

       —゛シャーロットの翼”2へつづく—










― ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪

  ※ 改めてここの台詞を書いて見て・・・どうしても
    可笑しい?と思い書き直しました^^;
    本番はその可笑しな台詞を皆様にお聞かせしてしまい、
    いやはや申訳ございませんでした<(_ _)>



  (どら余談^^;)


  12月26日(水)

  皆様、お変わりないですか?
  素敵なクリスマスを過ごされましたか?
  今年もあとわずかですね(^^)
  リトルパインは12月も2か所にボランティアにお邪魔させて
  頂きました。・・・のですが・・・
  今年ラストのボランティア公演、私、とんでもない失敗をして
  しまいました(*_*; 
  なんと、公演CDを間違えて持って行ってしまったうえに、
  音楽が流れ始めても、暫くの間、それがその日に公演する作品
  ではないということに気付かず、子ども達が音楽に乗って 
  いる途中で゛ブチッ”と音を途切れさすという・・・
  本当に申し訳ないことをしてしまいました(;'∀')

  そんな失敗もしつつ、リトルパイン、来年も頑張って活動して
  参ります。今年一年、ありがとうございました<(_ _)>  






  2019年1月11日(金)

  皆様、年末年始、いかがお過ごしでしたか?
  新しい年になり、まもなく半月・・・
  一昨日から6月公演の台詞練習も再開致しました。
  今年は私的な都合で、数か月ボランティア公演を
  控えさせて頂いており、この6月公演からリトルパイン
  の公演始動となります。
  この間に、作品を書き溜めようと考えているのですが・・・
  6月公演の人形作りに多分手間取る予定で・・・^^;
  ですが、すでに依頼も数件お受けしているので、頑張って
  準備しなくては・・・(*_*;
  頑張ります(^^;)

  本年もヨロシクお願い致します<(_ _)>








    
  リトルパインホームページが変更になりました(^^)

      http://littlepine.starfree.jp





  ホームページ担当の方には、いつも本当にお世話に
  なっております。この場を借りてお礼申し上げます
  <(_ _)>












第12回人形劇公演報告

2019年06月23日 15時19分30秒 | リトルパインニュース


  
 ゛海の向こうへ” ―2幕―


 2019年6月23日(日)

 
  皆様、随分とご無沙汰してしまいました^^;

 21日に第12回公演が無事に終了し、本来であれば

 その前に皆様にお知らせなどをしようと考えていたのですが、

 ちょっとドタバタとしてしまい・・・

 正直言いますと、前日まで人形制作に追われていて・・・(◎_◎;)

 それはいつまでも「やる気スイッチが・・・」などと怠けていた

 私自身のせいなのですが・・・^^;

 すみません<(_ _)>

 ・・・と言うことで、今日は「公演報告」と言うことで・・・






 今回、初めて通してのリハーサルを行いました。

 以下の写真はそのリハーサル時のものになります。

 (本番時のものはまた後日に・・・)

   

  

  今回、照明にすごくこだわって、海の中のお話に
  素晴らしい色を添えて頂きました(^^)v


  

  ↑ 今回、中幕(今まで紗幕と言っていましたが、今回
  より「中幕」と変更させて頂きます。)を2枚使用
  しました。1枚はいつもの幕、もう1枚は海の中のような
  雰囲気の布を団員が見つけてきてくれ、その布の幕になっ
  ています。
  

  



  

  ↑ 舞台上から照明を見た風景。
  かなり眩しいです^^;でもすごく綺麗です(^^)

  

  

  ↑ この左端のおじいさん(長老)が、前日に出来上が
 ったお人形です^^;・・・つまり、この人形操作する団員
 は、本番当日に初めてこの人形に触ったことになります(*_*;
 劇団立ち上げ当初からのベテラン団員なので、私もつい甘えて
 しまいました・・・^^;ゴメンね<(_ _)>


  
  

  ↑ リハーサル中だと言うことで、立って人形操作
 しています^^;本番は皆、膝立ちです(;'∀')本番終了後は
 膝がガクガクの状態で片付けに追われることになります。
 分かりにくいかもしれませんが、海の中の人々は、皆
 ゛ヒレ”を付けています(^^)



  

  ↑ これも分かりにくいですね・・・^^;
  ノアくん(本作の主人公です。)、青いイルカに乗って
  います♪




  
  
  ↑ これは本番ラストの写真です(^^)v
  ここに写っている中幕が、海のような柄の幕になります。
  この上に、海のようなライトをあてて頂いて、なんとも
  幻想的な雰囲気の場面となりました(^^)
  分かりにくいですね・・・^^;



  

  本番では、背景の絵が落ちると言ったハプニングにも
  見舞われましたが、なんとか無事に終演を迎えることが
  出来ました。
  これも団員達一人一人の頑張りのお陰です(^^)v





  




  今回は夕方くらいに突如として大雨に見舞われ・・・

  しかも平日の夜公演にも拘わらず、沢山の方に見に来て

  頂き、本当に充実した一日を過ごすことが出来ました。

  初めは゛海の中”のお話と言うことで、どんな風に舞台を

  仕上げていけばいいのか・・・団員一同、試行錯誤での

  練習の日々でしたが、当日は会場スタッフの方々の協力で、

  思った以上の素晴らしい舞台になったと思います。

  最後までご協力頂いた全ての方々に、心よりお礼申し上げ

  ます。また、遠くから・・・突然の雨に降られながら・・・

  開場に足を運んで下さったお客様に、本当にありがとう

  ございました<(_ _)>

  
  それでは、また新作でお目にかかれる日を楽しみに・・・




             ミュージカル人形劇団リトルパイン
                        どら。

 







 あ・・・今回も゛仮題”が本題になってしまいました・・・^^;









゛アレクサンダーの秘密”—全5場―5

2018年12月02日 17時55分08秒 | 新作(人形劇用)


  



 老婆の声「止めるのじゃ、メリッサ!!」

 北の国の魔女「・・・誰?私をその天の国の名で呼ぶのは
        ・・・!!」

    下手より老婆登場。

 北の国の魔女「・・・アリッサ・・・」
 アレクサンダー「おばあさん!!」
 北の国の魔女「・・・おばあさん?」
 老婆「アレクサンダー、大丈夫かの?」
 アレクサンダー「うん!!僕は大丈夫だよ。」
 北の国の魔女「見た目は随分と変わられたけれど・・・(
        小声で。)やっと現れたわね!!私がどれ程
        、今まであなたが来るのを待ちわびていたか
        !!」
 老婆「知っておる・・・」
 北の国の魔女「じゃあ何故さっさとやってこなかったの!?
        私がこれ程まで首を長くして待っていたと言
        うのに。」
 老婆「おまえはわしをどうしようと言うのじゃ?」
 北の国の魔女「そんなこと決まっているでしょ!!目障りな
        の、あなたの存在が!!」
 老婆「だからじゃ。今はまだわしは命をおまえに差し出す
    訳にはいかんのじゃ。」
 北の国の魔女「そんなことは私の知ったことではないわ!!
        生まれてから今日まで、物心付くより以前
        に私は国を放り出され、たった一人で生きて
        いかなければならなかった私の気持ちを、
        あなたが分かるなんてこれっぽっちも思って
        ないの!!天の国の魔法使いとして守られた
        地位にぬくぬくとあぐらをかいて生きて来た
        あなたなんかにね!!」
 老婆「そうか・・・そうじゃな・・・そんなにも憎まれて
    おったのじゃ、命までも取る覚悟でわしのことを待ち
    続けておったとしても、なんの不思議でもあるまい
    な。じゃが、頼むメリッサ、もう少し、もう少しだけ
    時間をくれ。このやんちゃくれ王子が、せめて王子
    たるに相応しい風格を身に付け、王やお后が安心して
    王子に王位を任すことが出来るようになるまで・・・
    !!」
 アレクサンダー「おばあさん・・・」
 北の国の魔女「・・・そうねぇ・・・駄目よ!!今直ぐに
        ここで私の前に跪き、その首を差し出すが
        いい!!」
 アレクサンダー「おばあさん!!」
 北の国の魔女「・・・そうなのよねぇ・・・おばあさん・・・
        おばあさんなのよ、お姉様・・・。何故!?
        魔法界の住人は年をとらない・・・そうで
        なくて?」
 老婆「わしは魔法の国などと言うものとは全て縁を切り、
    そうしてこの人間界へとやって来たのじゃ。人間と
    なった者が、年をとるのは当たり前のことであろう
    。」
 北の国の魔女「魔法の国と縁を切った・・・?」
 老婆「ああ・・・」
 北の国の魔女「どうして・・・でも・・・何故お姉様まで
        天の国を出てしまわれたの!?あなたが天
        の国を出て行く意味が分からないわ!!」
 老婆「わしは・・・そなたの姉じゃ・・・。双子として生
    を受けたからには、二人共に天の国を引き継ぐのが
    道理じゃと思っとった・・・。」
 北の国の魔女「・・・お姉様・・・」
 老婆「のうメリッサ・・・そろそろ天の国へ戻ってみんか
    ?」
 北の国の魔女「え・・・?」
 老婆「二人共が天の国を捨て、跡取りがいなくなった訳じゃ
    ・・・。わしはまだこのイタズラなやんちゃ坊主が
    立派な王となる日まで、面倒を見て行かねばならん
    のじゃ・・・。だからそなたが天の国へ戻り、跡取り
    がいなくて先行きを不安視しておる天の国の人々を
    安心させてやってはくれんか?」
 北の国の魔女「お姉様・・・ふざけないで頂戴!!私はあの
        国から追い払われたのよ!!私から捨てた訳
        ではないわ!!そんな冷たい仕打ちをしてき
        た人々など、どうして私が安心なんて・・・
        !!」
 老婆「それは違うぞ、メリッサ・・・。天の国の人々は二人
    別々にしたことをとても悔いておったのじゃ。何も
    天の国の魔法使いが一人である必要はないと、おまえ
    を北の国の魔女に望まれるまま、北の国へやってから
    気付いたんじゃ・・・。」
 北の国の魔女「北の国の魔女に望まれるまま・・・?」
 老婆「そうじゃ・・・。跡取りのおらんかった北の国の魔女
    の口車に、まんまと乗せられ、おまえを手放したこと
    を天の国の魔法使い・・・我々の母は悔いておったぞ
    。」

    音楽流れ、老婆歌う。

    ゛辛い思いさせ 今まできたけど
     これから二人は第二の人生”   コーラス゛今”

    北の魔女、歌う。

    ゛私の思いは私だけのもの
     けれども分かってくれてた
     あなたを知らずに来たけど
     いつでもいたのね”

    老婆、歌う。

    ゛共にこの世に生まれ出て
     歩んだ道は違うけど
     今こうして再び会え
     あらたな未来始まる”

    北の国の魔女、歌う。

    ゛一人ぼっちだと思っていたけど
     ありがとう 私を包んでくれてた”

 北の国の魔女「お姉様ありがとう・・・私は先に、天の国へ
        帰ります・・・。」

    北の国の魔女、消える。

    — 第 5 場 —

    音楽流れ、日が差し込む。
    (城内、グレーから色彩鮮やかな様子へと変わる。)

 アレクサンダー「あ・・・!!石造が・・・!!」
 老婆「魔法が解けるぞ・・・」

    全ての石造が人へと変わる。
    (グリエルモ、老婆の側へ。)

 グリエルモ「チュー!チュー!」
 老婆「グリエルモ、偉かったの。」
 グリエルモ「チュー!」
 后「(大きく息を吐く。)・・・あなた・・・」
 王「(息を吐いて。)・・・后・・・」
 アレクサンダー「(ゆっくり王と后の側へ。)・・・父上
         ・・・母上・・・」
 后「・・・え?」
 王「(振り返り、アレクサンダーを認める。)・・・そなた
   は・・・」
 后「・・・アレクサンダー・・・」
 王「・・・はい・・・」
 后「まぁ、アレクサンダー!!何て立派に・・・!!(涙
   ぐむ。)」
 王「なんと・・・!!」
 老婆「王様・・・」
 王「(老婆を認め。)婆様!良くぞアレクサンダーをここ
   まで立派に・・・守ってくれたこと、礼を言うぞ・・・
   (涙声で。)」
 老婆「(首を振る。)」

    王、歌う。

    ゛大切な者を守ってくれた
     どれ程 感謝に溢れ
     巡り合えたろう”

 アレクサンダー「父上!!母上!!(駆け寄る。)」
 王、后「アレクサンダー!!」

    3人、抱き合う。
    老婆、グリエルモに魔法を掛けると、グリエルモ
    人間の姿へと変わる。
    曲変わる。

 王「さぁ、皆の者達!!王子と共に新しい国造りを始める
   ぞ!!」
 人々「はっ!!」
 アレクサンダー「父上!!」

    グリエルモ、アレクサンダーに駆け寄る。

 グリエルモ「アレクサンダー!!」
 アレクサンダー「グリエルモ?(老婆を見る。)」
 老婆「褒美じゃよ。」

    アレクサンダー、グリエルモ、嬉しそうに話し
    ながら一寸端へ。

 家臣3「王様、王子が立派に成長され、我が国はこの先、
     安泰ですな。」
 王「うむ。」

    アレクサンダー、老婆の背後からコソッとイタズラ
    をする。

 老婆「痛っ!!これっ!!何をするんじゃ、アレクサンダー
    !!」
 アレクサンダー「(笑う。)」
 老婆「やれやれ・・・体は立派に成長したが、中身は子ネ
    ズミのままじゃわ・・・。」
 后「アレクサンダーったら・・・」
 王「すまないな、婆様。」
 老婆「いえ、わしの育て方が悪かったんじゃ・・・。」
 アレクサンダー「おばあさんのお陰で今の僕がいるんだよ
         !!」
 老婆「王子・・・」
 アレクサンダー「ありがとう!!」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛この大空の彼方に広がる
     夢と希望の未知なる世界
     どこまでも行く大切な者を
     守り育む未来”

 アレクサンダー「さよーならー!!」

    音楽、盛り上がり





      ————— 幕 —————
     








  次回からは11回公演の作品「シャーロットの翼」を
  ご覧頂こうと思います。
  お楽しみに(^^)v