りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“アルベール” ―全14場―

2012年02月09日 19時46分20秒 | 未発表脚本


        

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     〈 主な登場人物 〉

   アルベール  ・・・  本編の主人公。正義感溢れる熱い青年。

   ロバート(カーク)・ジョンソン  ・・・  アルベールの相棒。

   ジュリー  ・・・  アルベールと同じ署内に勤める。

   少年カイト

   殺し屋 J(ジェイ)

   マシュー  ・・・  コーヒーショップのオーナー。

   ヘレン  ・・・  コーヒーショップの店員。

   その他



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         音楽で幕が上がる。

    ――――― 第 1 場 ―――――

         夜のニューヨークの下町の風景。
         遠くに夜を知らないビル街のネオンの輝きが、
         美しく見える。
         左右より男女、ゆっくりと歌いながら登場。
         静かに歌いながら一歩ずつ踏み締めるように、
         真っ直ぐ前を向いて。

         “朝も 昼も 夜も・・・
         絶えず生きづく町
         眠りを知らない町・・・”

         ライト・アップされ音楽盛り上がる。
         静かに歩いていた男女、正面を向いて
         力強く歌い踊る。

         “住む者は何を求め生きるのか
         たった一秒の日付の変更さえ
         感じることなく
         ただ暗闇を知ることなく
         躍動し続ける町・・・
         何の夢も持たぬふり続け
         人は生きるのか
         それが例え意味のない人生でも
         それで当たり前だと
         人は生きるのか!!”

         歌いながら、其々出た方と反対の方を向いて、
         また再び一歩一歩踏み締めるように、だが、
         歌う声は力強く去る。
         去る人々に紛れるように登場した男、ズボンの
         ポケットに両手を突っ込み、後ろ向きに立つ。
         後ろを向いたまま、人々の歌に続きながら歌う。

         “何処までも続く・・・
         この大空を見る限り・・・
         未来に何の陰りもないと
         信じる限り・・・”

         男、振り返ると、アルベール。
         前方へ歌いながらゆっくり進む。
      
         “ただ愛しいと思う気持ちが
         この町への感謝の表われと
         この澄んだ青空を
         何時までも守り抜くのが
         俺の役割・・・
         この空の彼方に
         希望をつなげ・・・
         広い世界のただ中で
         誰もが自由に
         生きれる為に・・・”

         紗幕閉まる。

    ――――― 第 2 場 ―――――

         紗幕前。
         下手より金持ち風の女性、上手よりチンピラ風
         の男登場。
         男、何かを企んでいるように、何気なく回りを
         見回しながら、ゆっくりと女性の方へ近寄り、
         擦れ違いざま、わざと女性にぶつかる。
         女性、手に持っていた買い物袋を落とし、
         驚いて悲鳴を上げ、軽く腰を付く。

  女性「何なさるの!?」
  男「おっと、ごめんよ!(女性の腕を取って、立たせてやる。)」

         男、意地悪そうに笑いながら、下手方へ。
         去る前に、チラッと女性の方を向いて、手に
         持っていた財布を高く放り投げて見せる。

  男「(ニヤリとして。)チョロイもんだな!(下手へ去る。)」

         女性、ぶつかられたことに不愉快そうに、
         服を払い、落とした買い物袋を拾い、
         ゆっくりと上手方へ。
         そこへ下手より、男の腕を締め上げるように
         掴んだアルベール登場。
         続いてロバート、愉快そうに登場。

  男「いてててて・・・何しやがるんだ!!畜生、放せ!!」
  アルベール「マダム?」
  女性「(振り返り、怪訝そうにアルベール達を見る。)・・・何かし
     ら・・・?」
  アルベール「失礼ですが、お財布はお持ちでしょうか?」
  女性「・・・ええ・・・」
  アルベール「本当に?」
  女性「(不愉快そうに。)何なの、行き成り!」
  ロバート「(自分の出番とばかりに、アルベールを止めるように
       女性の前へ進み出る。)我々はニューヨークcity警察の
       者です。(警察手帳を見せる。)」
  男「(驚いて。)刑事!?いてて・・・」
  女性「・・・警察の方・・・?」
  ロバート「今一度、鞄の中に大切なものが、本当に入っているか
       確かめて頂けないでしょうか?」
  女性「・・・ええ・・・」

         女性、何か腑に落ちない風だが、ロバートの
         言葉に素直に、手に持っていた買い物袋を
         ロバートに渡し、鞄の中を見る。

  女性「(驚いたように。)ない・・・ないわ!!私の財布がないわ
     !!」
  アルベール「ほうら、みろ・・・。(捕まえていた男に向かって。)
          さっさと出せよ!!」
  男「知らねぇよ!!」
  アルベール「(溜め息を吐いて、男を見る。男のシャツを捲くって
          、背中とズボンの間に挟んであった財布を取り上げ
          る。)なんだ・・・?これは・・・。」
  男「知らねぇって言ってんだろ!!」
  アルベール「往生際の悪い野郎だな。(財布で男の頭を叩く。)」
  男「いてっ!!」
  アルベール「ロバート!(財布をロバートに投げる。)」
  ロバート「(財布を受け取って。)あなたの大切な財布はこれで
        すか?」
  女性「(ロバートから財布を受け取り、嬉しそうに。)ええ!!こ
     れよ!!これは正しく私の財布!!」
  アルベール「さぁて・・・後はゆっくり署に帰って、言い訳でも聞か
          せてもらうとするかな。」
  男「畜生!!」
  女性「本当にどうもありがとうございました。(頭を下げる。)」

         アルベール、男を引き摺るように、ロバート、
         その女性をエスコートするように下手へ去る。
         車の通行音が聞こえる中、一時置いて上手
         より、ゆっくり回りを見回すように、帽子を深く
         被った一人の少年(カイト)登場。
         ぶらぶらと中央へ。
         そこへ上手より、一人のスーツ姿の紳士風の
         男登場。通りすがりにカイトの側へ。カイト、
         近寄ったその男に、ポケットから出した小さな
         包みをそっと渡す。
         お互い知らん顔のまま、男は下手へ、カイトは
         上手へ去る。

    ――――― 第 3 場 ―――――

         音楽で紗幕開く。と、ニューヨークcity警察署内。
         警官ボビー、婦人警官シンディ、デスクに着いて
         仕事をしている。奥の扉よりジュリー、一人の杖を
         ついた老婦人バーバラを連れて、登場。

  ジュリー「さぁ、お婆さん。お話しはよく分かったから、後のことは
       私達に任せて下さいな。」
  バーバラ「(ハンカチで涙を拭うように。)私はアレックスが出て
        行ってしまったら、どうやってこの先、生きていけばい
        いのか・・・。」
  ジュリー「とりあえず、捜索願は出しときましたから、見つかり次
       第、連絡しますからね。」
  バーバラ「どうか婦警さん!!アレックスを捜して下さいな!!」
  ジュリー「はい、分かりました。私も偶には顔を見せるから、あま
       りアレックスのことばかり考えて、塞ぎ込まないでね。」
  バーバラ「ええ、ええ・・・。アレックス・・・(涙声で、“アレックス”
        の名前を呟きながら、受付カウンターの横を通って、
        上手へ去る。)」
  ジュリー「(溜め息を吐いて。)参ったな・・・。」
  ボビー「家出ですか?」
  シンディ「あら、あのお婆さん、身寄りなんていたかしら・・・?」
  ジュリー「それが家出したのは、愛犬のアレックス君!」
  ボビー「犬!?」
  ジュリー「そう。何でも昼間、庭に放しておいたのを忘れたまま、
       休んじゃったらしいわ。」
  ボビー「そんな、犬なんて見つかりっこないですよ!」
  ジュリー「そうは言ってもね・・・。あのお婆さん、アレックスだけ
       が生き甲斐みたいなものだから・・・。(手に持っていた
       写真を、其々2人に手渡す。)これがアレックス君の写
       真。もしパトロール中にでも見つけたら、連れて帰って
       ね。私も気をつけてみるけど・・・。」
  ボビー「はーい!」
  シンディ「はい。」

         そこへ上手より、スリ男を捕まえたアルベール
         登場。後ろよりロバート、楽しそうに続く。

  アルベール「さっさと歩けよ、スリ野郎!」
  男「いてぇな!!」
  ジュリー「あら、アルベール。またお手柄?」
  アルベール「馬鹿!何が手柄なんだよ。スリの現行犯を見つけ
          ただけさ。おい、ボビー!こいつ、取調室!」
  ボビー「はい!」

         ボビー、男を連れて奥の扉へ入る。

  ジュリー「それでも凄いじゃない。ねぇ、ロバート!」
  ロバート「(ニコニコして。)そうだろ?なのにこいつときたら、目
        当ての大物の尻尾を掴み損ねたからって、機嫌が悪
        いのさ。(笑う。)」
  アルベール「人を駄々っ子の餓鬼みたいに言うんじゃねぇ!!」
  ジュリー「また何時もみたいに、回りに気を取られ過ぎるから、
       目当て以外の小物が目に入るのよ!(笑う。)」
  ロバート「そうなんだ。こいつはボウっとしてるようで、その実は
       鋭いライオンのような目で、町中の奴らを見渡してるの
       さ!(笑う。)」
  アルベール「好きなこと言ってらぁ!一日中、歩き回ってたのに、
          NYインターナショナルの専務の手掛かりはナシか
          ・・・。(椅子に腰を下ろす。)」
  ジュリー「NYインターナショナルって言うと・・・あの大手輸入メー
       カーの?」
  アルベール「ああ・・・。」
  ロバート「どうも麻薬の密輸入売買に係わっているらしいんだが、
        中々その裏を取るのがね。」
  ジュリー「ふうん・・・。大変ね、捜査課は。」

         シンディ、コーヒーを入れて其々に配る。

  シンディ「お疲れ様です。」
  アルベール「サンキュ!」
  ロバート「ありがとう、シンディ。」
  ジュリー「さぁて、じゃあ私もちょっとパトロール行ってこよっかな
       ぁ。家出犬の捜索依頼も受けたことだし。」
  アルベール「家出犬?」
  ロバート「何だい、それ?」
  シンディ「裏通りの一人暮らしのお婆さんが、我が子同然に可愛
       がってた犬が、いなくなったんですって。」
  ロバート「へぇ・・・。」
  アルベール「ミセス・バーバラだろ?あの婆さんは、何時もああ
          なんだから、いちいちそんなのに付き合ってたら、
          切りがないぜ!」
  ロバート「そこがジュリーのいいところなんだよな。」
  アルベール「へぇ・・・そうかい・・・。」
  ジュリー「・・・とか何とか言って、アルベールだって以前、あのお
       婆さんが大切にしてたカナリアを逃がした時、一晩中、
       網を持って町中彷徨ってたのを、私は知ってるわよ!カ
       ナリアより犬の方が、捜しやすいと思うけど。(微笑む。)
       」
  アルベール「知らねぇよ、そんなこと。」
  ジュリー「じゃあ行ってきます!」

         ジュリー、椅子に掛けてあった上着を取って、
         上手へ去る。

  ロバート「ああ、行ってらっしゃい!(手を上げる。)」
  アルベール「(立ち上がって。)全く・・・犬コロのことなんて、放っ
          ときゃいいのに・・・。(ボビーの机の上に置いてあっ
          た犬の写真を手に取って、そっとポケットに仕舞う。
          )」
  ロバート「(そんなアルベールの様子に気付かない振りをして、
       盗み見し微笑む。)だけど、ジュリーはどんな小さなこと
       にも一生懸命になるところが、彼女の魅力でもあるんだ
       から、俺はそんなジュリーが好きだな。」
  アルベール「・・・へ・・・ぇ・・・」
  ロバート「おまえもそうだろ?」
  アルベール「誰がだよ!くだらない・・・。」
  ロバート「じゃあ俺が彼女を口説いても構わない・・・ってことか
       な?」
  アルベール「どうぞ、ご勝手に・・・。」
  ロバート「後で泣いたって知らないぞ。」
  アルベール「俺は今、NYインターナショナルの裏を取ることで、
         頭が一杯なんだよ。(ロバートの肩に手を掛ける。)
         まぁ頑張れよ。応援してやるからさ・・・。さて、ボビー
         の手伝いでもしてやるかな。」

         アルベール、奥の扉へ入る。
         ロバート、アルベールの後ろ姿を見詰めて
         いる。音楽で暗転。紗幕閉まる。

    ――――― 第 4 場 ―――――

         車が走る音の中、一台の車の急ブレーキの
         音が響き渡る。

  男の怒鳴り声「ばっきゃろう!!何処見て歩いてんだ!!」

         車の遠ざかる音。

  カイトの声「畜生、糞親父!!」

         フェード・インする。と、紗幕前。
         カイト、座り込んでいる。

  カイト「(膝を見ながら。)いってぇ・・・。何だ、今の車!!(膝に
      息を吹きかける。)」
  
         そこへアルベール、下手より登場。
         そんなカイトの様子に気付いて近寄る。

  アルベール「如何した、坊主?」
  カイト「(チラッとアルベールを見るが、無視する。)ふん・・・。」
  アルベール「(カイトの膝に気付いて、しゃがんで見るように。)
          ・・・血が出てるじゃないか。」
  カイト「うるせぇな・・・」
  アルベール「こっちへ来い!(カイトの腕を取って、立たせる。)」
 
         紗幕開く。と、公園。

  カイト「放せよ!!放せったら!!糞親父!!」
  アルベール「誰が糞親父だ!?」

         アルベール、カイトを引っ張って、中央ベンチ
         へ連れて行き、座らせる。

  カイト「放っといてくれよ!!」
  アルベール「このまま放っといたら、破傷風になって死んじまう
          んだぞ!!」
  カイト「・・・死ん・・・?」
  アルベール「・・・って言うのは、大袈裟かな?(笑う。)」
  カイト「畜生!!脅かしやがって!!こんな傷くらいで、死んで
      たまるかよ!!」             ※

         アルベール、後ろの噴水まで行って、
         ポケットから取り出したハンカチを濡らす。
         カイト、アルベールの様子を窺って、隙を
         見て、逃げ出そうとする。

  アルベール「待て、小僧!!(ジャケットの中に持っていたピス
          トルを、素早く取り出し空に向かって一発撃つ。)」
  カイト「わあっ!!(耳を塞いで、しゃがみ込む。)」
  アルベール「小僧!!動いたらもっと酷い怪我をするぜ・・・。」
  カイト「(耳を塞いだまま、そっとアルベールの顔を見る。)あんた
      ・・・一体・・・」
  アルベール「さっさと座れ!!」
  カイト「はい・・・。(言われるまま、恐る恐るベンチに腰を下ろす。
      )」
  
         アルベール、濡らしてきたハンカチで、カイトの
         膝の傷を拭い、ポケットから取り出した絆創膏を
         貼ってやる。

  アルベール「ほれ!(膝の傷を叩く。)」
  カイト「いってぇ!!何すんだよ、おっさん!!」
  アルベール「俺って、看護師みたいだなぁ・・・。(笑う。)」
  カイト「・・・馬鹿じゃねぇの?」
  アルベール「ほぅ・・・誰に向かって、そんな口を聞くのかなぁ?」
  カイト「あ・・・(姿勢を正して。)すんません・・・。けど、あんた一
      体・・・」
  アルベール「(カイトの横に腰を下ろす。)聞いて驚くな!こう見
          えても俺は、ニューヨークCity警察の刑事だ!!」
  カイト「げっ!!お巡りかよ!!(思わず立ち上がる。)」
  アルベール「(カイトの服を掴む。)座れ!!刑務所に放り込む
          ぞ!!」
  カイト「(座って。)俺、何もしてないっすよ!!」
  アルベール「へぇ・・・。これは何かなぁ・・・?(カイトのズボンの
          後ろポケットから、小さい袋を取り出す。)」
  カイト「あ・・・それは!!(アルベールから、袋を取り返そうとす
      る。)」
  アルベール「(カイトに取られないように、高く掲げる。)こんなこ
          とやってると、碌な大人になれないぜ。何時からや
          ってるんだ・・・?」
  カイト「何時からも何も、今回が初めてだよ!!たまたま知り合
      ったおっさんに頼まれたんだ!!これ持って、この辺りで
      ブラブラしてっと買い手が現れるから、それと引き換えに
      金貰って来い!って・・・。そしたら一割報酬くれるって言
      うし・・・。こんなことでもやんないと、俺みたいな身寄りの
      ない餓鬼、雇ってくれるとこなんてないし、飢え死にしちゃ
      うよ!!」
  アルベール「(探るような目つきでカイトを見る。)・・・本当だな?
          」
  カイト「本当だよ!!」
  アルベール「(カイトを暫く見詰める。)分かった・・・。信じてやる
          よ。ところで、おまえ働き口がないって言ったな・・・
          ?」
  カイト「・・・ああ・・・。」
  アルベール「いいとこ紹介してやるよ。普通のカフェだが、面倒
          見のいいおやっさんがやってんだ。洗い場にでも置
          いてくれるだろうよ。」
  カイト「・・・え・・・?」
  アルベール「何だ?嬉しくないのか?」
  カイト「いや・・・嬉しいよ!!けど、余りに急だったから・・・」
  アルベール「だから、もう二度とこんなことするんじゃないぞ!!
          」
  カイト「うん・・・。」
  アルベール「・・・名前は?」
  カイト「カイト・・・」
  アルベール「何処に住んでる?」
  カイト「・・・エドワード孤児院・・・」
  アルベール「さっき、飢え死にするって言ったじゃないか!孤児
          院じゃ、食い物に困らないだろ!?」
  カイト「あ・・・あれは言葉の文で・・・すんません・・・。」
  アルベール「しょうがねぇな・・・。で?学校には、ちゃんと行って
          るのか?」
  カイト「あんなの行かなくたって、生きていくのに困りゃしないさ
      !!」
  アルベール「馬鹿野郎!!ただボウっと生きていくには必要な
          いかも知れないがな、人間それだけじゃ駄目なん
          だよ!!生きていくって言うのはな・・・」

         アルベール、立ち上がり歌う。

         “生きると言うことは・・・喜びがあり・・・
         悲しみがあり・・・怒りがあり・・・
         様々な感情が渦巻く中で
         自分を鍛え育て上げていくと言うこと・・・
         ただ漠然と時間が過ぎるのに
         流されていくだけじゃ
         何の生きる意味をも持たない・・・
         それじゃあ生きていないも同然
         生きると言うことは・・・
         様々な困難にぶつかっても
         それから逃げずに立ち向かう
         勇気を造り出し・・・
         喜びがあった時 心から幸せだと感じる
         素直な心を生み出していく・・・
         何にでも向っていく心を・・・
         持つことが・・・
         生きていくと言うこと・・・”

         カイト、立ち上がってアルベールを見詰める。
         暗転。紗幕閉まる。

    ――――― 第 5 場 ―――――

         紗幕前。
         上手よりロバート登場。続いて俯き加減の
         ジュリー登場。

  ロバート「やっぱりね・・・。やっぱりそうだと思ったよ・・・。」
  ジュリー「ごめんなさい・・・。私・・・私ね・・・自分でも気付かなか
       ったの・・・。あなたに今日好きだと言われるまで・・・。ア
       ルベールが私にとって、どんな存在の人だったのか・・・。
       ただ何時も、署内で冗談言い合うだけの、友達だと思っ
       ていたのか・・・それとも・・・。」
  ロバート「(微笑んで。)俺は何となく分かっていたなぁ・・・。ジュ
        リーの気持ちは・・・。」
  ジュリー「え・・・?」
  ロバート「君があいつと冗談言い合ってる時でも、君のあいつを
        見る目は愛しさに満ち溢れていたよ・・・。だけど、ジュ
        リーは見る目があるよな・・・。普通、あいつの内面の
        善さを分かってやれる人間って言うのは、男性にしろ
        女性にしろ、中々表われないんだぜ。同じ課で俺くら
        いじゃないかなぁ・・・。(笑う。)一見、ぶっきら棒で野
        蛮っぽいから、結構敬遠されるタイプなんだけど・・・。
        あいつは優しいよ・・・心からね・・・。外見から言えば、
        俺の方がそう見られがちなんだけど、本当に何に対し
        ても誰に対しても、一番思い遣る気持ちを持てるのは
        奴の方なんだ・・・。君も言ってたカナリア事件がいい
        例さ・・・。普通、夜勤明けで眠りたいばかりの時に、あ
        んなこと言われたって、誰も取り合っちゃくれないぜ。
        なのにあいつは・・・あの時も、散々暴言吐きながら、
        結局はたった一人で黙って網持って、捜しに出たんだ
        から・・・。まさか、本当に見つけて来るとは思わなかっ
        たがね。(笑う。)」
  ジュリー「そうね。(笑う。)」
  ロバート「・・・それにあいつは、何時も相手のことを考え過ぎる
        んだ・・・。それが分かってて、わざと先手を打ったのは
        、少し卑怯だったよな・・・。(自分に言い聞かせるよう
        に。)」
  ジュリー「・・・先手?」
  ロバート「いや・・・あいつも俺と同じ思いの筈ってことだよ・・・。」
  ジュリー「ロバート・・・。」
  ロバート「(ジュリーを見詰め、微笑む。)俺のことは気にするな
        よ!けど、あいつは俺みたいに中々素直になれない奴
        だからなぁ・・・。あいつが自分の気持ちに正直になるま
        でには、少し時間がかかるかも知れないけど・・・。だが
        、あいつのそんなとこは、ジュリーが一番よく知ってる筈
        だな。」
  ジュリー「そうね・・・。」

         ロバート、ジュリー会話するように歌う。

     ロバート“一見明るく悩みがなく
          傷付くことすら知らず
          自由に生きる・・・”

     ジュリー“口が悪くてぶっきら棒
          少し照れ屋で好い加減”

     ロバート“だけど本当は誰よりも
          一番相手を思い遣り
          相手の為を考える”

         曲の流れ優しく。ロバート、微笑ましくジュリーを
         見詰める。

     ジュリー“何時も・・・誰にも・・・
          心からの優しさを・・・
          持って接する
          あの人を見た日から・・・
          多分私の心は・・・
          あの人の・・・
          傍へ飛んで・・・行ったみたい・・・”

         ジュリー、遠くに思いを馳せるように
         見詰める。

    ――――― 第 6 場 ―――――

         紗幕開く。と、舞台は明るい日差し一杯に
         浴びた、お洒落な感じのカフェ。
         店の外に置かれたパラソル付きのテーブル
         に、若い男女、腰を下ろして楽し気に会話
         している。店の中よりウエイトレス姿のヘレン、
         グラスの乗ったお盆を片手に歌う。

         “ここはみんなの集まり場
         ここはみんなの憩いの場
         コーヒー豆のいい香り
         ふっくらマフィンの焼き立て如何
         ここはみんなのカフェレスト
         誰もが集まるいいお店”

         ヘレン、客の男女のテーブルへグラスを置く。

  ヘレン「お待たせしました!」

         その時、下手よりアルベール登場。続いて
         カイト、何となくふてぶてしい態度で登場。

  アルベール「よお、ヘレン!」
  ヘレン「あら、アルベールいらっしゃい!仕事中?」
  アルベール「まぁな。」
  ヘレン「何にする?」
  アルベール「(空いているテーブルに着いて。)コーヒー2つ・・・
          いや・・・(チラッとカイトを見る。)コーヒー1つと(カ
          イトの頭に手を置いて。)こいつにはミルク!」
  カイト「誰がミルクなんか!!餓鬼じゃあるまいし!!」
  アルベール「へぇ?俺には如何見たって“餓鬼”に見えるけどな
          ぁ。(笑う。)」
  ヘレン「そうねぇ・・・。」
  カイト「俺もコーヒー!!」
  アルベール「馬鹿!こいつにコーク!」
  ヘレン「はーい!」
  アルベール「それと、ちょっと親父呼んでくれよ。」
  ヘレン「OK!」

         ヘレン、奥へ去る。

  アルベール「如何だ?いい感じの店だろ?」
  カイト「そんなこと、外見だけじゃ分かんねぇよ!」
  アルベール「おまえ、その口の聞き方、何とかならないのかよ!
          」
  カイト「仕方ねぇだろ!今までずっとこう言う話し方してきたんだ
      からよ!!あんたとも、あんまり変わんねぇと思うけどな
      !!」
  アルベール「糞餓鬼だなぁ!」
  カイト「ほうら見ろ!俺のこと言えた柄かよ!!糞親父!!」
  アルベール「それ止めろ・・・。言っとくがな!おまえより確かに
          年は食ってるが、俺はまだ若いんだ!!“親父”な
          んて呼ばれる年じゃないんだよ!!分かったか!
          ?」
  カイト「はいはい!」
  アルベール「“はい”は一度だ!!」

         その時、奥からマシュー登場。アルベールを
         認め近寄る。

  マシュー「やぁ、アルベール!今日はまた何だい?(空いていた
        椅子に、腰を下ろす。)」
  アルベール「うん・・・。ちょっと頼みがあって・・・。」
  マシュー「金ならないぜ。(笑う。)」
  アルベール「分かってるさ、そんなこと!」
  マシュー「悪かったな。(カイトを見て。)おまえ、弟なんていたっ
        け?」
  アルベール「こんな柄の悪い弟なんていらねぇよ!」
  カイト「(アルベールを睨んで。)それはこっちの台詞だ!!」
  アルベール「違うんだ。今日は(カイトを見て。)こいつのことで
          ちょっと・・・。実はこいつ、そこの公園通りで拾った
          んだけど・・・」
  カイト「俺は犬じゃねぇ!!」
  アルベール「煩い!見ての通り、ちょっと癖のある奴で、孤児っ
          て言うこともあって働き口がないらしいんだ・・・。さ
          っきもヤバい仕事に片足突っ込みかけてたようだ
          し・・・。」
  マシュー「何だ、そんなことか・・・。それくらいのことなら、他なら
        ぬおまえの頼みだ、内で面倒見てやるよ。」
  アルベール「有り難い!(カイトに向かって。)ほら、おまえからも
          よく頼んどけ!!(カイトの頭を押さえる。)」
  カイト「宜しく・・・お願いします・・・。」
  
         奥からヘレン、盆に飲み物を乗せて、
         運んで来る。

  ヘレン「お待ちどう様!(其々の前に、飲み物を置く。)」
  アルベール「サンキュー。」

         カイト、慌てて飲む。

  アルベール「(そんなカイトの様子を見て。)もっとゆっくり飲めよ
          !」
  マシュー「(微笑んで。)相変わらずおまえは、犬にしろ人間にし
        ろ、独りぼっちの奴を見ると、放っとけなくなるようだな
        。」
  ヘレン「ねぇ、この間拾って帰った子犬、如何した?」
  アルベール「ああ、あいつならロバートのところで、幸せに暮らし
          てるよ。本当は俺ん家で飼ってやりゃあいいんだけ
          ど、あのボロアパートじゃ俺まで追い出されちまうか
          ら仕方ないよな。」

         ヘレン、客に呼ばれてその方へ。
         何か注文を受けて、奥へ去る。

  マシュー「おまえも子どもの頃から、随分苦労してきたからな。」
  アルベール「よせよ。別に苦労なんて思っちゃいねぇよ・・・。ど
          んなに碌でもない親でも、俺を生んでくれた親には
          変わりないんだ・・・。その親のことで、俺が受ける
          ものは苦労でなくて、勉強だったんだよ。何にして
          も・・・。」
  
         カイト、飲み物を飲む振りをしながら、黙って
         話しに聞き入っている。

  マシュー「そうか・・・そうだな。」
  アルベール「ジュニア・ハイ・スクールの頃に親に捨てられて、
          途方に暮れたけど、ホッとしたのも事実なんだ・・・。
          とんでもない餓鬼だったよな。こいつのこと、よく知
          らねぇけど、何か俺の餓鬼の頃を思い出してさ・・・。
          まぁ、大変かも知れないけど、ちょっとばかり宜しく
          頼むよ。」
  マシュー「任せとけ。二度と悪の道に、片足突っ込むような真似
        はさせないから。」
  アルベール「そうだな・・・。あんたに任せとけば安心だ。」
  マシュー「ところで、NYインターナショナルの方は如何なんだ?
        何か掴んだのか?」

         カイト、一瞬驚いた表情をして、2人を
         盗み見する。


          







      ――――― “アルベール”2へつづく ―――――











   ※ たまたまですけど、違うページで掲載中のエリオットくん
     作品の”リコ少年”と、似たような設定です^_^;
     今まで紹介した作品の中でも、このお兄さん的な主人公
     と、やんちゃな少年の組み合わせが、時々登場します^^;
     きっと、私がこの設定を好きなんでしょうね~・・・気付いて
     なかったですけど・・・(>_<)




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     (どら余談^^;)

     昨日、お知らせし忘れていましたが、グーグル版“ワールド”
    に、来週保育園のボランティア公演での作品、“ピンクのもも
    ちゃん”のラストの動画をアップしています(^^)v
    この、ももちゃん、手も足もないお魚さんなので、見て頂いて
    お分かりのように、ただひたすら揺すっております^^;
    その内、あの持ち手の棒が、きっと抜けるか折れるか・・・
    公演途中に、そんな大変なことにならないように、注意しな
    ければ・・・と思っています^_^;













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“アンソニー” ―全16場― 完結編

2012年02月04日 08時53分37秒 | 未発表脚本


  エドモン「やぁ、アンソニー君。よく来られた。」
  アンソニー「今日はお招きありがとうございます。」
  ヴィクトリア「(リーザに微笑んで。)こちらの素敵なお嬢さんは?
          」
  リーザ「(恥ずかしそうに、アンソニーを見る。)」
  アンソニー「(微笑んで、頷く。)」
  リーザ「・・・リーザ・シャンドールです。」
  エドモン「リーザ・・・シャンドール・・・?」
  リーザ「はい・・・。」
  ヴィクトリア「じゃあ亡くなられた奥様の・・・?まぁ、何て美しい娘
          さんに成長したこと!お母様がもし生きてらしたら、
          屹度お喜びですよ!」
  エドモン「だが今まで何処に?」
  リーザ「・・・あの・・・」
  アンソニー「彼女はとても体が弱かったのです。」
  ヴィクトリア「まぁ、そうだったの・・・。シャンドール家の方達は、
         何も仰らないから・・・。それじゃあ、もうすっかりお体
         の方は、よくなられたのね?だって頬も紅潮して、と
         てもお元気そう・・・。」

         アンソニー、リーザ、お互い顔を見合わせて
         微笑む。その時、曲が新しく始まる。
         アンソニー、リーザの手を取って、エドモン、
         ヴィクトリアの手を取って、中央へ進み出、踊りの
         輪に加わる。
         エドワード、ルイ、其々ボーイからシャンパングラス
         を受け取り、壁の方へ。
         娘達、目敏く2人を認め、嬉しそうに駆け寄る。
         ルイ、その中の一人の手を取って、踊りに加わる。
         エドワード、困った面持ちで、娘達に取り囲まれて
         いる。
         音楽、少し静かに。中央にアンソニーとリーザ、
         踊るのを止めて見詰め合う。回りに踊る人々、
         アンソニーとリーザを残して、何時の間にか退場
         する。

  リーザ「(嬉しそうに。)こんな風にあなたと踊れるなんて・・・。」
  アンソニー「(微笑んで。)僕は嘘は言わないんだ・・・。特に大切
         な人にはね・・・。」        ※
  リーザ「アンソニー・・・私・・・あたなに出会えてよかった・・・。あ
      なたに巡り合わせてくれた神様に、感謝しなくちゃ・・・。」
  アンソニー「・・・自分の・・・運命を恨むことなく・・・感謝を・・・?」
  リーザ「・・・何故?こう言う運命のお陰で、あなたと出会えたの
      よ・・・。神様は屹度、最初からお分かりだったのね・・・。
      こうして・・・あなたに・・・巡り会えることを・・・。」
  アンソニー「リーザ・・・(思わずリーザを胸に抱く。)僕の方こそ、
         君に出会えたことを感謝する・・・。」
  リーザ「アンソニー・・・」

         再び音楽大きくなり、アンソニー、リーザの
         手を取って踊り出す。
         アンソニーとリーザのデュエットダンス。(スモーク。)
         嬉しそうに寄り添い合うアンソニーとリーザ。
         紗幕閉まる。

    ――――― 第 13 場 ―――――

         紗幕前。
         上手より村人達、話しながら登場。

  オスカー「けど、全くこの間の舞踏会の時には、驚かされたよな
        。」
  エリーズ「ええ。もう私なんかショックで・・・。」
  ミレーヌ「伯爵様の相手が、シャンドール家からは、私達はずっ
       と寝たきりで体の弱い前妻の娘がいるにはいるけど・・・
       と、聞かされていたその娘だったなんて・・・。」
  シャロン「私はシャンドール家に、もう一人娘がいることなんて、
        全然知らなかったわ。」
  シャルル「僕だって隣に住んでいながら、全く驚きだよ。」
  クラウス「僕は子どもの頃、シャンドール邸の庭を覗いた時に、
        色の白い・・・透き通るような肌を持った娘を見かけた
        ことがある・・・。エリザベート達が来る少し前の話しだ
        ・・・。今思えば、あの時あそこにいた娘が彼女だった
        んだな・・・。」
  フランツ「そういやぁ・・・僕もたった一度、シャンドール邸に忍び
       込んだことがあるんだ。皆で鬼ごっこをしている時に・・・
       。森の方へ回った時・・・シャンドール邸の裏口の方だな
       、その時、2階の端の窓から覗く天使を見た・・・。そう思
       ってたんだ、ずっと・・・。屹度彼女だ・・・。その後、執事
       のヨハンに見つかって、こっぴどく叱られたっけ。(笑う。)
       」
  エリーズ「あなたって、昔から悪戯小僧だったのね。」
  フィリップ「僕は全然知らなかったなぁ・・・。けど、綺麗な人だっ
        たよなぁ・・・。」
  ミレーヌ「・・・そうね・・・。悔しいけどお似合いだったと言うべきか
       しら・・・。」

         その時、下手よりジェラール、ミハエル、
         ルドルフ登場。

  ミハエル「先生!今夜はベットの上で眠れますよね!」
  ルドルフ「昨夜は参ったよなぁ。まさか、森の中で野宿するなん
        て・・・。」
  ミハエル「木の上で枝に寄りかかって眠るのは、流石にしんどか
        ったよな。」
  ルドルフ「俺なんか何回も落ち掛けて、その度に目が覚めちゃっ
        たよ。(笑う。)」
  ジェラール「だが眠っている間に、野獣に襲われるよりはマシだ
         ろ?」
  ルドルフ「そりゃあそうですけど・・・。できればフカフカのベットに
        埋もれて眠りたい・・・。」
  
         ジェラール、話し込んでいる村人達に気付いて
         近寄る。

  ジェラール「こんにちは、皆さん。」
  リチャード「(つられるように挨拶をしながら、ジェラール達を見る
         。)こんにちは・・・。」
  ジェラール「君達は、この村の人間かね?」
  リチャード「そうだけど・・・何か・・・?(ジェラール達をマジマジと
         見る。)」
  ジェラール「私はトランシルヴァ二アから来た医者で、ジェラール
         ・パーカー。(ミハエルとルドルフを見て。)この2人は
         私の連れで、ミハエルとルドルフ・・・。」
  ミハエル「どうも・・・。」
  シャロン「・・・トランシルヴァ二ア・・・?」
  オスカー「へぇ・・・そんな遠くから、先生がまた何でこの村へ?」
  クラウス「・・・観光・・・?(ジェラール達を見て。)にしちゃあ、軽
        装だよなぁ・・・。」
  ジェラール「いや、実は人を捜して・・・。ミハエル。」

         ミハエル、ポケットから写真を取り出す。

  ミレーヌ「トランシルヴァ二ア・・・って言うと、伯爵様達のことは
       ご存じかしら?」
  ジェラール「・・・伯爵・・・?もしかして伯爵と言うのは・・・アンソ
         ニー・ヴェルヌ・・・」
  エリーズ「ええ!お知り合いですの?」
  ミハエル「・・・先生・・・。」
  ジェラール「(ミハエルから写真を受け取り、村人達の方へ差し
         出す。)この写真の男を・・・?」
  フランツ「ああ、この人を捜してたんなら、この村に一カ月程前
       から来られてますよ。」
  シャロン「伯爵様のお友達のエドワード様よね。」
  ジェラール「(絞り出すような声で。)・・・年恰好同じにかね・・・?
         」
  シャロン「ええ。ここに写ってる通りの方ですわ。」
  ルドルフ「ずっと追い続けているけど、一体先生とどんなつなが
        りのある人なんですか?まさか、お孫さんとか・・・?」
  ミハエル「馬鹿!孫ならこんなに憎しみを持って、追い続ける訳
        ないじゃないか。」
  ジェラール「・・・この写真の男は・・・私の祖父・・・エドワードだ
         ・・・。」
  ミハエル「え・・・?また冗談ばっかり!!どう見たって、俺達と
        同じ年頃ですよ!!」
  ジェラール「その写真に写っているのは・・・100年前の私の祖
         父、エドワード・パーカー男爵だ・・・!!」
  ミハエル「・・・100年・・・前・・・?」
  フィリップ「100年・・・ったって、シャンドール家に居るのは、この
        写真通りの人物ですよ・・・。(笑う。)」
  ジェラール「(ポケットから、もう一枚写真を取り出し、村人達の
         方へ差し出す。)こいつは・・・?」
  エリーズ「アンソニー・ヴェルヌ伯爵様・・・その人ですわ・・・。」
  ジェラール「そう・・・奴の名は・・・アンソニー・ヴェルヌ・・・ドラキ
         ュラ伯爵・・・。(ミハエルとルドルフの方を見て。)おま
         え達に、この間話したトランシルヴァ二アに伝わる奇
         話は覚えているだろう・・・。あの時、消えた伯爵こそ
         アンソニー・ヴェルヌ・・・。奴がこの世に生を受けた
         のは、400年以上昔の話しだ・・・!!」
  ルドルフ「えーっ!!」
  ミハエル「まさか・・・」
  ミレーヌ「嘘・・・」
  ジェラール「奴が何故、そんなにも生き長らえて来たか・・・それ
         は奴が、夜な夜な美女の生き血を啜る、化け物だか
         らだ!!」
  ルドルフ「えーっ!?」

         皆、一斉に驚きの声を上げる。

  ジェラール「奴をこのまま生かしておくことは出来ない・・・!!そ
         の胸を銀の杭で深く突き刺し、この世の塵と化すの
         だ!!我が祖父のような犠牲者を、これ以上増やさ
         ない為にも!!」

         緊迫した音楽が響き渡り、暗転。

    ――――― 第 14 場 ――――― A

         紗幕開く。と、絵紗前。リーザの部屋。
         ベットの上で、枕に凭れているリーザ。その横に
         腰を下ろしたアンソニー、楽し気に語らっている。

  アンソニー「僕の村では、昔々から春になると色とりどりの花で
         覆われ、それはそれは美しく衣替えをするんだ。冬
         の雪の白から、夏の木々の緑の間にその季節がや
         ってくる・・・。全く、自然の芸術と言うのは、何時の世
         でも本当に素晴らしいと感動させられるよ・・・。その
         後に秋の紅葉がくる・・・。僕は子どもの頃から、春の
         淡色がとても好きだったよ。そのことで、からかわれ
         たりしたこともあったけどね・・・。」
  リーザ「(微笑んで。)昔から優しかったのね・・・。」
  アンソニー「リーザ・・・(微笑んで。)君はどんなことでもプラスに
         考えられる人なんだね・・・。僕は君といると、とても
         心が和むようだ・・・。こんな気持ちになったのは、生
         まれて初めてのような気がする・・・。」
  リーザ「私の方こそ、あなたに色々なことを教わったわ・・・。あな
      たは私の知らないことばかり知っている・・・。あなたといる
      と、とても楽しいわ・・・。」

         その時、突然扉が開いて、エドワードとルイ、
         駆け込んで来る。
         アンソニーとリーザ、驚いてその方へ見る。

  アンソニー「・・・どうした・・・?」
  エドワード「ジェラールが・・・追い付いた・・・。」
  アンソニー「・・・そうか・・・」
  エドワード「早くしろ・・・時間がない・・・。」
  アンソニー「(リーザを見詰める。)」
  リーザ「(何かを悟ったように。)・・・もう・・・行ってしまうのね・・・。
      (涙が溢れる。)」
  アンソニー「リーザ・・・(暫く考えるように。リーザを見詰める。)
         一緒に・・・来ないか・・・。」
  リーザ「・・・え・・・?」
  エドワード「アンソニー!?」
  アンソニー「・・・俺達は・・・君も感ずきつつあるように・・・普通の
         人間とは違う・・・。昔から・・・人の世で疎外され続け
         て来た・・・永遠の命を持つ者・・・ヴァンパイアだ・・・。
         ・・・君を我々の仲間に加える準備をするのは簡単だ
         ・・・。ただ・・・君の意思とは別に、君の体が拒否すれ
         ば・・・君はこの世から消えて・・・なくなるんだ・・・。」
  リーザ「(ゆっくりと。)・・・いいわ・・・例え・・・塵となって消える運
      命でも・・・。私は、あなたに付いて行きたい・・・。あなたと
      共に生きられるかも知れない道を選びたい・・・。例え・・・
      あなたが人の世の運命に逆らって、生きてきた者だとして
      も・・・。誰一人あなたのことを、認めようとしなくても・・・初
      めて、あなたが私に力を与えてくれたあの時から・・・もう
      私はあなたを受け入れてた・・・。あなたは私にとって、たっ
      た一人の・・・あなたこそが、私を初めて受け入れてくれた
      人だから・・・。他の誰でもない・・・たった一人の私が・・・
      生まれて初めて・・・愛した人・・・アンソニーだもの・・・。一
      緒に連れて行って・・・!!(アンソニーに抱き縋る。)」
  アンソニー「・・・リーザ・・・!!僕こそ君を愛している・・・!!(
         暫くリーザを抱き締め、立ち上がる。)そうと決まれば
         急ごう!!(エドワードとルイを見る。)」

         アンソニー、リーザの手を取る。リーザ立ち上がる。

  エドワード「・・・あ・・・アンソニー・・・先に行ってくれるか・・・?」
  アンソニー「エドワード・・・?」
  エドワード「・・・いや・・・ここらで、そろそろ奴とは一度、正面きっ
         て話し合った方がいいと思ってたんだ・・・。(チラッと
         ルイを見る。)・・・奴は・・・俺の・・・身内だからな・・・。
         」
  ルイ「エドワード・・・」
  エドワード「大丈夫、直ぐに追い付くさ・・・。」
  アンソニー「・・・だが・・・」
  エドワード「(微笑んで。)そんな顔するな・・・。奴に会ったら、直
         ぐ追い掛けるって言ってるだろ・・・?」
  アンソニー「・・・分かった・・・待ってるぞ・・・。(リーザの方を向い
         て微笑む。)おいで・・・」
  
         アンソニー、側へ来たリーザを軽々と抱き上げ、
         テラスの方へ行きかける。

  エドワード「(思わず。)アンソニー!!」
  アンソニー「(振り返る。)」
  エドワード「・・・今度は女連れなんだ・・・気を付けて行けよ・・・。」
  アンソニー「・・・分かってるさ・・・。」
  ルイ「(笑って。)・・・変な言い方するんだな。」
 
         暫くアンソニー、エドワード、お互いの心の内を
         悟ったように見詰め合う。
         その時、屋敷の中に村人達がなだれ込んで来た
         音や、アンソニー達の名を呼ぶ叫び声が、聞こえ
         てくる。

  ルイ「来た!!」
  エドワード「早く行け・・・。」
  アンソニー「(エドワードを見詰めたまま、ゆっくり頷く。)」
  ルイ「アンソニー!俺も後からエドワードと行くよ!」
  エドワード「ルイ!!駄目だ!!」
  ルイ「(エドワードの声は耳に入っていないように。)野暮なこと
     はしないよ。さ、早く行けよ、アンソニー!!エドワードのこ
     とは俺に任せな!!」
  アンソニー「ルイ・・・」

         アンソニー、頷いて2人から視線を捥ぎ取り、
         リーザを抱いたまま、風のようにテラスへ出て
         行く。

  エドワード「ルイ!!俺は・・・!!」
  ルイ「(笑って。)分かってるって・・・。これからは、アンソニーに
     はリーザがいるだろ?もう俺の役目も終わる時が来たって
     ことだよ。」
  エドワード「ルイ・・・」
  ルイ「俺はあいつが永遠の命を持っていながら、何ものにも満た
     されない思いを抱いていることに感ずいて、あいつの生き
     方に共に行こうと決めたんだ・・・。そのあいつが・・・今、彼
     女と出会って、やっと生きがいを見出した・・・。見ただろ?
     あいつの嬉しそうな顔・・・。」
  エドワード「(フッと笑って。)ルイ・・・おまえ・・・」
  ルイ「俺にしちゃあ、よく分かっただろ?引き時ってやつをさ。(
     笑う。)」
  エドワード「(笑って。)偉いよ。」
  ルイ「(服の内ポケットから、銀の銃を取り出して、エドワードの
     方へ差し出す。)・・・最後の我が儘だ・・・おまえの手で・・・」
  エドワード「ルイ・・・!!」
  ルイ「(笑って。)さぁ、早いとこ殺っちまってくれよ。(エドワードの
     手を取って、銃を握らせる。)」
  エドワード「(顔を伏せて。)ルイ・・・」
  ルイ「俺は幸せなんだぜ。おまえの手で終われることが・・・。も
     し・・・こんな俺達でも・・・もし・・・生まれ変わることが出来た
     なら・・・来世でも・・・おまえとアンソニー・・・3人でまた・・・
     同じ時を過ごせたらいいな・・・。(微笑む。)」
  エドワード「ルイ!!(銃をルイに向ける。)」

         ライト・アウト。一発の銃声が響き渡る。

  エドワードの声「ルイ・・・俺達に・・・来世はないんだ・・・」

    ――――― 第 14 場 ――――― B

         紗幕前。アンソニーとリーザ、フェード・イン。
         寄り添うように。

  アンソニー「(銃声で2人の死を悟り。)エド!!ルイ!!・・・」
  リーザ「・・・アンソニー・・・」
  アンソニー「・・・俺は何時も一人だった・・・。何時の時代を生き
         た時にも・・・幾度、春が巡ってこようと・・・たった一人
         で生きて来た・・・。それが当たり前かのように・・・。
         そんな時、エドワードやルイに出会ったんだ・・・。彼ら
         は何も言わず、俺を認めてくれた・・・。初めて受け入
         れてくれる奴らに出会ったんだ・・・。今まで、疎外され
         続けて生きて来た俺を・・・初めて理解し・・・共に生き
         ようと・・・!!(言葉に詰まる。)」
  リーザ「(アンソニーの肩を抱くように。)これからは・・・私がいる
      わ・・・。何時も・・・あなたの側に・・・」

         音楽で暗転。

    ――――― 第 15 場 ―――――

         紗幕開く。と、舞台はシャンドール邸の中。
         呼び鈴の音が激しく鳴らされる。
         奥より執事ヨハン、慌てて登場。扉の方へ。

  ヨハン「はい!!只今!!」

         ヨハン、扉を開けると、村人達なだれ込むように、
         家の中へ入って来る。

  ジェラール「アンソニー・ヴェルヌはいるか!!出て来い!!ア
         ンソニー!!今こそおまえを殺める時が来た!!」
  リチャード「アンソニー・ヴェルヌ!!」

         皆、口々にアンソニーの名を叫び、1階を
         捜し回る。
         ヨハン、その様子にオロオロと。
         奥よりエリザベート、クリス、その騒ぎに
         怪訝そうに登場。ミシェル、続いて登場。

  エリザベート「何ごとですの!?」
  クリス「一体如何したのです、皆さん揃って・・・」
  フィリップ「エリザベート、クリス!それが・・・!!」
  ジェラール「(エリザベート達の前へ進み出る。)あなた方が、こ
         の家の?」
  エリザベート「・・・ええ・・・」
  ジェラール「アンソニー・ヴェルヌは何処にいる・・・。」
  ミシェル「・・・彼が如何したのです・・・?」
  フランツ「落ち着いて聞けよ・・・。奴は・・・人間ではない!!」
  エリザベート「・・・何ですって・・・?」
  ミシェル「(引き攣った笑いを浮かべるように。)・・・人間じゃない
       って・・・?」

         と、その時、一発の銃声が響き渡る。
         村人達、一瞬顔を強張らせて、一斉に
         2階を見上げる。

  ミハエル「何だ・・・今の銃声は・・・!?」
  クリス「リーザの部屋からだ!!」
  ミシェル「・・・姉さん!?」
  エリザベート「一体何があったの!?」

         ミシェル、階段の方へ駆け寄り、上がろうと
         する。と、2階奥より、エドワードゆっくり登場。

  エドワード「・・・私を捜しているんだろう・・・?ジェラール。」
  ジェラール「・・・エドワード・・・アンソニーは・・・!?」
  エドワード「おまえの狙いは、飽く迄私の筈だ・・・。」
  ミシェル「姉さんは!?」
  エドワード「安心しろ、リーザはアンソニーに、生きる希望を見出
         したんだ・・・。(ミシェルに微笑みかける。)しかしジェ
         ラール・・・とうとう追い付いたな。(笑う。)全く・・・狙っ
         た獲物は逃さない・・・。そのしつこい性格は、私に似
         たのかな・・・?」
  ジェラール「(杭を握り締め、下を向く。)・・・お祖父さん・・・神様
         の定められた運命に逆らって生きることは罪なこと
         です・・・。父が亡くなる時に、初めてあなたのことを
         聞かされた・・・。その時、私は父は亡くなる前の幻覚
         から、そんな奇妙なことを口走っているのだと思った
         ・・・。だが・・・(絞り出すような声で。)父の葬儀の日
         ・・・人込みの間に、あなたの顔を見つけた時・・・体
         中に戦慄が走り・・・父の言ったことは正しかったと・・
         ・!!(顔を上げ、エドワードを見詰める。)あの日か
         ら、あなたの運命を正す為に、私は生きることを誓っ
         たのです!!」
  エドワード「(微笑んで。)その正義感溢れる態度は、私の妻・・・
         おまのお祖母さんにそっくりだ・・・。」

         エドワード。ゆっくり階段を下りて来る。

  エドワード「さぁ・・・もう私は何も思い残すことはない・・・。おまえ
         のその手で、この罪な体を終わらせてくれ・・・。」
  ジェラール「・・・お祖父さん・・・。」
  エドワード「だがジェラール・・・これだけは覚えておいてくれ・・・
         私は自分の運命に感謝していることを・・・。奴に巡り
         会え、同じ時を共有できたことに、心から幸せだった
         と・・・今は言い切れるんだと言うことを・・・!!」

         エドワード、ゆっくりとジェラールの前へ。
         ジェラールが手に持っている杭を、自分の
         胸へ突き立てる。

  エドワード「・・・私の為に・・・ありがとう・・・。」

         ジェラール、躊躇うように下を向いたまま、
         涙を堪え立ち尽くす。

  ジェラール「・・・お祖父さん・・・。」
  エドワード「(力強い声で。)さぁ殺れ、ジェラール!!自分の正
         しいと思った道を進んでここまで来たんだろう!!そ
         れならば、最後までその意志を貫き通せ!!そうし
         てこそ、我がパーカー家の人間だ!!」

         ジェラール、顔を上げエドワードを暫く見詰める。
         エドワード優しく微笑み頷く。ジェラール、杭を
         エドワードの胸に立て、もう一方の手に握って
         いた、きねを振り翳す。
         ライト・アウト。
         娘達の悲鳴が響き渡る。
         ミシェル、一人スポットに浮かび上がる。

  ミシェル「・・・あれは・・・決して忘れることの出来ない・・・誰にと
        っても思い出すのも躊躇されるような・・・出来事だった
        ろう・・・。エドワードは跡形もなく消え・・・駆け上がった
        2階のどの部屋にも、アンソニー達の姿はなかった・・・
        。僕にとって、そのことよりも何よりも、姉さんが・・・あ
        の時一緒にいなくなった姉さんが、如何なったのか・・・
        捜す術もなく・・・幸せで行ったことを信じ・・・願わずに
        はいられない・・・。」

         ライト・アウト。

  ミシェルの声「あの時生きた者で、今なお残っているのは私一人
          だけとなった70年たった今も・・・」

    ――――― 第 16 場 ―――――

         舞踏会の音楽が流れてくる。
         ライト・インする。と、舞台はシャンドール邸の広間。
         美しく着飾った男女、左右より手を取り合って登場。
         ワルツを踊る。途中、奥より孫娘マリーに手を引か
         れ、年老いたミシェル、ゆっくり登場。
         壁際の椅子へ腰を下ろし、微笑ましく回りを見回す。

  マリー「ミシェルお祖父様、シャンペンでも如何?」
  ミシェル「ああ・・・いや、今はいいよ。」
  マリー「こんなに盛大な舞踏会は初めてよ。何だかワクワクしち
      ゃうわ。(嬉しそうに。)」
  ミシェル「(マリーの顔を見上げて微笑む。)私のことはいいから
       、おまえも踊っておいで。」
  マリー「でも・・・」
  ミシェル「(横からマリーの方を見ていた青年を、チラッと見て。)
       ほら、おまえに相手を願っている青年が待ってるよ・・・。
       」
  マリー「(その方を見て。)まぁ・・・」
  ミシェル「さぁ、あまり待たせると可哀相だ。」
  マリー「はい、お祖父様!(嬉しそうに、その青年の方へ駆け寄
      り、踊りの輪に加わる。)」

         ミシェル、再び人々の踊りを見ている。
         と、曲に紛れるように微かにミシェルの
         名を呼ぶ懐かしく愛しい声が聞こえる。

  ミシェル「(少し不思議そうに、ゆっくり辺りを見回す。)・・・今・・・
       誰かに呼ばれたような気がしたが・・・。もう私も年だな
       ・・・。(フッと笑う。)だが・・・あの声は何処かで・・・。」

         ミシェル、あまり気にも止めない風に、
         再び踊りを見ている。と、その踊りの輪の
         中から、立ち止まり自分の方を見ている
         2人の男女に気付き、息を飲み思わず
         立ち上がる。

  ミシェル「・・・姉さん・・・!?」

         それは正しく、70年前に消えたその時の姿の
         ままのアンソニーとリーザであり、寄り添うよう
         に立った2人は優しく微笑んで、ミシェルを見詰
         める。音楽少し小さくなり、薄暗くなった舞台上
         スポットにアンソニーとリーザ浮かび上がる。
         回りには何も気にせず踊る人々。
         ミシェル、2人に駆け寄りたい思いに駆られ
         ながらも、足が進まないように一歩だけ踏み
         出し、2人を見詰める。
         その時、今度はハッキリとリーザの声が響き
         渡る。

  リーザの声「・・・サヨナラ・・・」
  ミシェル「姉さん!!」

         再び明るくなり、音楽大きくなる。アンソニーと
         リーザ、踊る人々の波に掻き消える。
         ミシェル、慌てて2人を捜すように中央へ。

  ミシェル「アンソニー!!姉さん!!(何故か安心したような微
       笑みを洩らす。)あれは・・・正しく姉さんだ・・・。それも
       あの頃のまま・・・屹度・・・幸せに暮らしていたに違いな
       い・・・。そしてこれからも・・・永遠に・・・」











            ――――― 幕 ―――――
         

 

 

 

 



    

    さて、ではここで次回掲載作品のご紹介をしておきたいと
   思います(^^)v
   次回は刑事もので、熱い青年が主人公の“アルベール”
   をご覧頂こうと思っています(^.^)お楽しみに♥
   

                                  どら。





    ※ よく“微笑む”青年です^_^;



― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



    (どら余談^^;)

   今日は、グーグル版“ワールド”に「蝶の国の仲間たち」の
   一部動画を投稿致しました(^^)v
   またよかったら、見に行ってみて下さい♥
   とってもぎこちない動きをしているコロンちゃんです・・・^^;




       (おまけフォト^^;)
       

    来週行く、保育園のボランティア公演作品の登場人物の
   うち、この“黄色い小鳥のチュンコちゃん”だけ、見つけること
   出来ず、仕方なく作り直すことにしました^_^;
   初代のチュンコちゃんは、もっと平面な感じがあったのですが、
   今回はより球体に近い作りにしてみました(^^)v
    
   一週間も切ろうかと言う今頃・・・
   慌てて作り始めた私って一体・・・(>_<)



          (も一つおまけ^^;)
          

         “柿”でしょうか?“ミカン”でしょうか?
         正解は・・・“木の実”でした~(^.^)

      “楽しい森の仲間たち”で出てくる小道具なのですが、
     来週公演はでは“ピンクのももちゃん”との2本立てに
     なったので、この場面はカットした方のバージョンで行
     ことになり、必要なくなったので、その辺に転がしてあ
     ったのをパチリと撮ってみました^_^;
      



 









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