りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“ミリィの旅” ―全6場―

2011年08月28日 17時09分08秒 | 脚本


  
   今回は、隣の区の区役所であった、お祭りに呼んで頂いた
   時のビデオ写真と、幼稚園のお誕生日会か何かに呼んで
   頂いた時のビデオ写真の混合です^^;
   あまり写りが良くありませんが、お許し下さい<(_ _)>
     
     (上の写真、緑のカーテンからチラッと見えているのは、
   カーテンにひっ付けてある、緑色の食べ物です(^^)


                                  どら。


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    〈主な登場人物〉

   ミリィ ・・・ 本編の主人公。ピンク色が好きな女の子。

   ミロ ・・・ ミリィの双子の弟。

   エメラルド王子 ・・・ 緑の国の王子様。

   グリーン(小鳥) ・・・ エメラルド王子の部下。

   リンゴ姫 ・・・ 赤の国のお姫様。

   じい ・・・ リンゴ姫に仕える。色の神様の化身。

   ブラックタイガー ・・・ 黒の国の主。

   ママ ・・・ ミリィ、ミロのママ。

   小鳥2.

 
 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

         音楽流れ、幕が開く。(紗幕前。)

    ――――― 第 1 場 ―――――

         ピンクのパジャマ姿のミリィ、歌い踊る。

         “ピンク色が大好き
         とても似合う
         華やかで可愛い色
         私にとても似合う
         綺麗な色
         どの色より素敵な色だわ”

         紗幕開く。(パジャマ姿のミリィ、ピンクのドレス
         に変身する。)    ※
         舞台中央にテーブル。ママ、ミロ座って食事を
         している。      ※2

  ママ「ミリィ・・・あなた、またそのピンクのワンピースを着て、学校
     へ行くの?」
  ミリィ「だって私、ピンク色が大好きなんだもの。」
     

  
           (左より)ミリィ・ママ。  ※3


  ママ「いくら、好きだからって・・・他の色の洋服も沢山あるでしょ?
      毎日毎日、同じ色のワンピースじゃ・・・」
  ミリィ「いいの!!ご馳走様でした!!(立ち上がって、下手方
      へ行こうとする。)」
  ママ「ご馳走様でしたって、まだピーマンもブロッコリーも残って
      るでしょ?」
  ミリィ「もう、いらない!!行ってきます!!(下手へ走り去る。)」
  ママ「これ、ミリィ!!(溜め息を吐いて。)もう、あの子ったら・・・。
      ピンクが好きで、緑が嫌い・・・。どうして緑の野菜を、
      ちっとも食べないのかしら・・・。双子の弟のミロは、緑の
      野菜に限らず、何だって食べるのに・・・。」
  ミロ「でも、ママ。僕だって、ミリィの大好きな甘いお菓子は、そん
     なに好きじゃないし、ピンクの服だって着ないよ。みんな、
     其々好きな物、嫌いな物があるんじゃないの?」

         音楽流れ、紗幕閉まる。

  ママ「でもね、ミロ・・・」

         ママ歌う。

         “緑の野菜
         なんて美味しい
         栄養一杯
         体にいい
         お陽様浴びて
         自然の恵み
         成長の為 必要よ”

  ミロ「ふうん・・・そうなんだ。」
  ママ「だから、ミリィにも何でも食べてもらいたいのに・・・。本当
      に困ったわ・・・。」

         音楽、フェード・アウト。
         ママとミロ、上手へ去る。

    ――――― 第 2 場 ―――――     

         紗幕開く。と、森の風景。
         楽し気な音楽流れ、小鳥達歌う。

         “ようこそ 僕らのこの森へ
         ようこそ 緑のこの森へ
         初めまして 入りなさい
         ようこそ 素敵なこの森へ”


  



         その時、下手より回りを見回しながら、
         ミリィ登場。

  ミリィ「ここは・・・どこかしら・・・。」

         一羽の緑の小鳥(グリーン)が、ミリィに話しかける。

  グリーン「こんにちは、ミリィ。」
  ミリィ「(グリーンを認め。)まあ・・・あなた、お話しが出来るのね、
      緑色の小鳥さん。」
  グリーン「うん。」

         小鳥達歌う。

         “ようこそ ようこそ 僕らのこの森
         ようこそ ようこそ 僕らのこの森”

  ミリィ「どうして、私の名前を知ってるの?」
  グリーン「知ってるよ、君のことは何だって・・・」
  ミリィ「これは夢・・・?」

         その時、上手方からミリィを呼ぶミロの声がする。

  ミロの声「ミリィー!!」

  ミリィ「(上手方を見て。)・・・ミロ・・・?」

         上手より、ミロ走りながら登場。

  ミロ「(息を切らせて。)ミリィ、待ってよ!!」
  ミリィ「あなた、どうしてここにいるの!?」
  ミロ「分からないよ。」
  ミリィ「ここは、私の夢の中なのよ?」
  ミロ「いいじゃない、そんなこと。それより、僕もミリィと一緒に行く
     よ!」
  ミリィ「行くって一体・・・」
  ミロ「さあ、行こうミリィ!!(ミリィの手を引っ張る。)」
  グリーン「そうだよ!折角来たんだから、君の森をたっぷり楽しん
        でおいでよ。」
  ミリィ「・・・私の森って・・・どう言うこと・・・?」
  グリーン「ここは君の心の中の森さ、ミリィ。」
  
         小鳥達、ミロ歌う。
         その様子を楽しそうに見回すミリィ。

         “さあ心合わせて
         気持ちを一つ
         皆で揃え歌いましょう
 
         さあ心合わせて
         気持ちを一つ
         皆で歌いましょう”

         その時、小鳥達がざわめき、飛び去る。

  ミロ「ねぇ、ミリィ・・・小鳥達ざわついてるよ・・・。(回りを見回し、
     不安気に。)」
  ミリィ「(回りを見回して。)どうしたの?小鳥さん達?ねぇったら
      ・・・」
  グリーン「・・・黒鳥(コクト)・・・?」
  小鳥2「黒鳥が来た!!」
  グリーン「黒い国の黒鳥が来たー!!」
  ミロ「黒鳥って誰・・・?」

         そこへ、大きな黒い鳥が飛んで来て、足でミロ
         を掴んで連れ去る。     ※4

  ミロ「わあっ!!ミリィ!!」
  ミリィ「ミロ!!」
  ミロ「離して!!助けて!!ミリィ!!ミリィー!!」
  ミリィ「ミロ!!ミロ!!ミロー!!」

         ミリィ、呆然と佇む。

  ミリィ「ミロ・・・(ヘナヘナと座り込む。)・・・今のは一体・・・」

         そこへ下手より、緑の国の王子(エメラルド王子)
         登場。

  
              ミリィとエメラルド王子。



  エメラルド「こんにちは、ミリィ。」
  ミリィ「(エメラルド王子を認める。)」
  エメラルド「どうしたの?こんな所に座り込んで。」
  ミリィ「ミロが・・・」
  エメラルド「ミロ・・・?」
  ミリィ「(立ち上がり、エメラルド王子に詰め寄る。)弟のミロが、
      大きな真っ黒な鳥に連れて行かれちゃったの!!」
  エメラルド「(呟くように。)・・・黒鳥に・・・?」
  ミリィ「どうしたらいいの!?どうしたらいいの、私!?そうだ・・・
      ミロを助けに行くわ!!ミロ・・・待ってて!!今すぐ助け
      に行くから・・・!!」
  
         ミリィ、上手方へ走り掛けるのを、エメラルド王子が
         遮る。

  エメラルド「待って、ミリィ!!」
  ミリィ「邪魔しないでよ、緑君!!私はミロを助けに行かなけりゃ
      ・・・。私の夢の中で、ミロに怖い思いをさせられないわ
      !!」
  エメラルド「僕は緑君じゃないよ。(笑う。)緑の国の、エメラルド
         王子だ!!この先の緑の国に住んでる。(上手方を
         指差す。)」
  ミリィ「そんなこと、どうだっていいわよ!!私は早くミロを・・・」
  エメラルド「君の弟をさらった黒い鳥・・・それは、黒の国に住む
         ブラックタイガーの家来、黒鳥だよ。」
  ミリィ「黒鳥・・・?その黒鳥の所へ行けば、ミロを助けられるの
      ね!?」
  エメラルド「うん・・・。」
  ミリィ「じゃあ、早くその黒鳥の所へ・・・」
  エメラルド「待って!!黒の国へ行くには、僕の緑の国を抜けて
         行かなけりゃいけないんだ。その次が・・・赤の国・・・。
         その向こうに真っ黒な黒の国がある。だから、僕が
         道案内するよ、ミリィ!!」
  ミリィ「本当・・・?」
  エメラルド「うん、行こうミリィ!!」

         音楽流れ、紗幕閉まる。
         (見たことのないような、珍しい食べ物が、
         色々咲いている緑の国。)


  
  後ろの緑の紗幕に付いているのは、緑の野菜、果物です(^^)



  ミリィ「わあーっ!何もかも緑色なのね・・・。(珍しそうに回りを
      見回す。)」
  エメラルド「そうだよ。」
  ミリィ「(食べ物を見て。)これは・・・何?こんな食べ物あったかしら
      ・・・。」
  エメラルド「これはリンゴだよ。」
  ミリィ「リンゴですって!?リンゴってこんな色じゃ・・・。じゃあ、これ
      は?」
  エメラルド「これはバナナだよ。」
  ミリィ「えーっ!?バナナって、黄色の筈よ・・・」
  エメラルド「いいんだよ、僕の国じゃ。それよりお腹は?」
  ミリィ「空いた・・・。」
  エメラルド「(リンゴを取って、ミリィに手渡す。)はい、どうぞ。」
  ミリィ「・・・ありがとう・・・」
  エメラルド「とっても美味しいんだから、食べてごらんよ!色は
         こんなだけど・・・。(ボソッと呟く。)」
  ミリィ「(恐る恐る、リンゴをかじる。)・・・本当・・・リンゴだわ、これ
      !!美味しい!!」

         エメラルド王子、ミリィ歌う。

      エメラルド“色々なものがある”

      ミリィ“本当ね 何もかも緑”

      エメラルド“食べてみて美味しいよ”

      ミリィ“いや いらないわ 緑色はいや”

      エメラルド“栄養たっぷり光を浴びた”

      ミリィ“緑色した野菜は嫌い
         いらない 食べない”

      エメラルド“どうして?緑の野菜は愛情一杯”

      ミリィ“ママみたい うるさいの
         食べろって聞き飽きたわ”

      エメラルド“僕はママと同じ
            ミリィの為を思って言っている”

      ミリィ“私の為って・・・”

      エメラルド“その通り 食べてごらん
            体にいい 美味しいんだよ

            栄養たっぷりさ”

  ミリィ「私・・・食べてみるわ・・・緑の野菜・・・。」

         ミリィ、エメラルド王子下がる。
         紗幕変わる。(赤いカーテン。)










            緑の国で、緑の大切さを学んだミリィ・・・。
            次は赤い国です。
            さあ、それでは“2”へと続きます・・・。














   ※ ご察しの通り、お人形なので“衣装の早変わり”は
     出来ません^^;なので“変身”と、表示させて頂いて
     います(^^)v・・・はい・・・ミリィちゃん、2体作りました^^;

   ※2、勿論、“座って食事”など出来る筈もありません(>_<)
     当初、セットにも拘っていたので、テーブルは作りましたが
     ・・・あまりセットに意味はない・・・と気付いてからは、現在
     では、殆どセットらしい“もの”は出てこなくなりました^^;

   ※3、ママの持っているフライパン・・・分かりますか~?
     直接、ママの手に縛り付けてあるのですが、重くて、
     お人形の“手”が上がらなくて、この作品以降、
     お人形の手に、直接何かをひっ付けて持たせる方法は、
     取らなくなりました^^;

   ※4、この場面、確かハリボテの鳥の足に、小さな“ミロ”
     もどきのお人形をひっ付けて、連れ去られる演出を行った
     ・・・と、記憶しております(^.^)“ミロ”の代わりになった
     お人形は・・・多分、犬か何かのぬいぐるみだったかと・・・。
     それに髪の毛をひっ付けて、ベストを着せて・・・と、変身
     させて使用したのですが、すごく近くで見ると・・・可笑しな
     “ミロ”だったのです^^; 





 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    この頃は、色んなことがしたくて、冒険的に試したり、日々
    試行錯誤を重ねていましたが、結局、人形劇舞台は、
    限られた小さな空間である為、あまり色んなことをすると、
    ごちゃごちゃとして、目が忙しくなることが分かり、現在の
    極力邪魔になるものは出さない・・・と言う方針に、辿り
    ついたのでした(^.^)・・・決して、面倒臭いとか・・・そう
    言った理由から、舞台セットを簡潔にした訳ではありません
    ので、あしからず・・・^^;




                                 どら。






      http://www.geocities.jp/littlepine2005/ 

    http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta

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“公演日記” ―いのちの水―

2011年08月27日 22時17分08秒 | 公演日記


    2011年8月25日(木)  くもり。


   8時30分  →  小学校到着。

   8時50分  →  舞台組み立て開始。
               (本日は簡易舞台使用の、“いのちの水”
               40分バージョン2回公演です。)

 
   
     (1教室を貸して頂いて、舞台組み立ての途中です。
     なぜか、今日は“片ハネ”から組み立てていきました^^;)

                     ↓

   
   (チラッと見えていますが、“ハネ”は、パイプハンガーです。)


                     ↓

   
   9時30分  →  組み立て完了。


   
       左から、カイちゃん・エリィちゃん・パパ・魔女。


  (組み立てが終わった舞台で、出番待ちしている出演者達^^;)
 


   
       
       左から、カイちゃん・ママ・エリィちゃん・パパ。
   下は、その後ろ姿。宙ぶらりん状態で、可愛くないですか^^;


   
   

                     ↓


   10時00分  →  第1回目、開演。(1、2年生。)


   
   
   
   1回目終演後、挨拶に慌てて出て言行った為、頭巾を(肩を
   安全ピンで止めているので、取っても後ろにぶら下がった状態
   なのです。)脱ぐのに、多分、めちゃくちゃ脱いでたんでしょうね  
   ~(>_<) 2回目が始まった時、被ろうと思っても、どう
   引っ繰り返ってしまったのか、被り口が分からず、被れないの
   です(-"-)すぐにエリィちゃんの登場になるし、どうしよう~!!
   と焦っていたら、絵本持ち係りの団員が、助けてくれました^^;
   毎度ご迷惑をお掛けします・・・m(__)m



   
        後ろの絵は、絵本の1ページです(^^)v




    
    カイちゃんとカイちゃんママの場面の舞台裏です(^^♪
    まだ“汗だく”・・・まではいっていません^^;

    今回は、教室・・・と言う場所的なこともあり、真っ暗には
    ならない為、ライトは使用していません。

   
   
   本舞台は、もう少し裏スペースがありますが、簡易舞台の時
   は、その場所に合わせて組み立てる為、上のような、1m
   ちょい程のスペースに、みんなでひしめき合って、人形操作
   しています(~_~メ)       (開演前より。)


   
   
   これは・・・どう見ても“おばあ様”と“ママ”・・・ですよね?
  この2人が揃って出る場面なんて・・・あったでしょうか・・・???



   
            カイちゃんママとカイちゃん。
  

  
   
            おばあ様・パパ・エリィちゃん。



   
               エリィちゃんとカイト。

  春公演同様、何てことないポーズですが、今回の方が決まって
  ると思いませんか・・・?^^;(なんとな~くカメラ目線のエリィ
  ちゃん♥)


  本来は、ここで“1部幕”となるのですが、短縮版ですので、
  このまま2部へと続いていきます(^^♪


  




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    おまけフォト^^;
   
      開演前、スタンバっているメンバーと私(^^)v
  
  はてさて、どれが私でしょうか~・・・?って、分かる訳ないです
  よね^^;(本当は“ヒミツ”にしたかった1枚・・・でした^^;)


  今回、本来1時間作品である“いのちの水”を、時間の制約が
  あった為、40分作品として作り直して行きました。が、“歌”が
  多い今作品、上手い具合に歌をカットしたりして、いい感じに
  短縮できた♥と思っていたのです・・・。(こんな短縮作品は、
  結構どの作品でも作ります。)それが・・・練習は、立ったり
  座ったり、比較的、体に負担の掛からない格好で、行っていた
  為、実際、どれくらいの負担が、体に掛るのか分かってなかっ
  たのです、実は・・・^^;(ちゃんと練習しろ(-_-;)ってね。)

  そうしたら・・・カットした為に、エリィちゃん、ほぼ出ずっぱり
  状態になっていたのです(>_<)正直、倒れるかと思いながら、
  滝のように流れる汗と共に、頑張りました・・・。

  砂漠の場面では「はよ、魔女やられてくれ~!!」と、心の中
  で叫んでいました・・・(>_<)

  只今、全身エライことになっております・・・(~_~メ)

          
                                どら。












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“ジョニー・クラウン” ―全9場― 2

2011年08月27日 14時05分16秒 | 未発表脚本



  ジョニー「ばぁか!!泣くな!!それより金はどうなった?」
  ジョン「それが・・・」
  ジョニー「全く・・・。まんまとブライアントにしてやられたな!!
        くっそう!!俺が命懸けで奪った金を、横からかっさらい
        やがって!!こうなりゃ奪い返して、あいつの息の根を
        ギュッと・・・!!(急に手首を押さえて。)いてててて・・・
        !!」
  ジョン「あ・・・兄貴?」
  ジョニー「・・・いってぇなぁ!!・・・わ・・・分かったよ!!いいこと
        だろ!?分かってるさ!!(溜め息を吐いて、手首を
        摩る。)」
  ジョン「どうしたんだよ・・・兄貴?」
  ジョニー「それが、どうもこうも・・・。俺、やらなきゃならない仕事が
        あんだ。悪いな、折角会えたのに・・・。もう行くわ!
        (下手方へ行きかける。)」
  ジョン「ま・・・待ってくれよ、兄貴!!何処行くんだよ!!俺も連れ
       てってくれよ!!」
  ジョニー「おまえ、俺に付いて来ても仕方ないぜ。俺は“いいこと”
        ってやつを探しに行くんだから!!」
  ジョン「・・・いいこと?」
  ジョニー「ああ!いいか、付いてくんなよ!おまえは、そろそろ俺
        から独り立ちしねぇとな!!」
  ジョン「・・・い・・・いやだよ・・・。一緒に行くよ・・・!!」
  ジョニー「じゃあな!!」
      
         ジョニー、手を上げ下手へ去る。

  ジョン「ま・・・待ってくれよ!!兄貴!!兄貴!!いいことしたい
       なら、俺いい場所知ってるよ!!兄貴!!」

         ジョン、慌ててジョニーを追うように、下手へ去る。
         暗転。

  ――――― 第 3 場 ―――――

         音楽流れ、明るくなる。と、舞台中央、1人の少女
         (ミシェル)幸せそうに佇む。
         ミシェル、何かソワソワと回りを見回し、鞄の中から
         鏡を取り出し、覗き込んで髪をセット為直す。

  ミシェル「初めてのデートって・・・こんな感じなのかしら・・・。なん
        だか、ドキドキして落ち着かない・・・。髪は・・・OKね・・・
        。(自分の服を見る。)このワンピース・・・マークは気に
        入ってくれるかしら・・・。いつも病院で会ってる時は、
        パジャマ姿だもの。それに比べれば・・・。(クスッと笑う
        。)先週、マークが退院していっちゃって、とても淋しか
        った・・・。けど、彼は退院してからも、毎日お見舞いに
        来てくれたわ!ここ2、3日は、彼、仕事が忙しくて会え
        なかったけど・・・。いいの!!今日はマークと一日中、
        二人っきりなんだもの・・・!!」

         ミシェル歌う。

         “何て幸せな気分なの?
         世界中が私を祝福してるよう
         何て満ち足りた気分なの?
         まるで地球は私の為に回るよう
         こんなに幸せでいいのかしら?
         この思いがあれば
         何でも乗り越えられる
         未来で手を振る幸せが
         目の前に見えるもの!!”

         その時、上手よりマーク登場。
         マークに続いて一人の女性、登場。

  マーク「ミシェル!」
  ミシェル「(マークを認め。)マーク!!」
  マーク「遅くなって御免。」
  ミシェル「ううん、いいの!」
  マーク「こいつが、中々仕度できなくてさ・・・。(笑う。)」
  ミシェル「・・・こいつ・・・?」
  マーク「ああ!(女性を前へ。)紹介するよ。こいつは僕の奥さん。」
  女性「こんにちは、ミシェル。(微笑む。)あなたのことは、この人
      から色々聞いてるわ。今日はお弁当作ってきたのよ。」
  ミシェル「・・・奥さん・・・ですって・・・?」
  マーク「あれ?言ってなかったっけ?さあ、ミシェル!今日はどこ
       へ行きたいんだい?どこへでも連れて行ってあげるよ!
       君の行きたい所へ・・・。」
  ミシェル「・・・酷い・・・酷いわ・・・」
  マーク「え?」
  ミシェル「私のこと、騙してたのね!!(鞄を振り回すように、
        マークを叩く。)マークの馬鹿!!」

         ミシェル、下手へ走り去る。

  マーク「ミシェル!!待ってくれよ、ミシェル!!(溜め息を吐いて。
       )どうしたんだ・・・。彼女、何か誤解してたのかな・・・?
       騙したって・・・何のことだろう・・・?」
  女性「きっと、あなたに恋してたのよ・・・。初めてのね・・・。」
  マーク「初めての恋って・・・20も年上の僕に?まさか・・・。(笑う。
       )」
  女性「女心が分かってないのね、あなたは・・・。」

         暗転。

  ――――― 第 4 場 ―――――

         明るくなる。と、舞台は教会。
         上手方、懺悔室。狭苦しそうに、ジョニーと
         ジョン、肩を並べて座っている。

  ジョニー「おい!!狭いんだよ!!なんでテメーまで一緒に入って
        るんだよ!!」
  ジョン「・・・いいじゃないか・・・!俺のアイデアじゃない、ここに
       いれば、自分の行いを懺悔したい人が一杯来るって・・・。」
  ジョニー「だからって、いいことをするのはこの俺で、おまえじゃ
        ないんだよ!!」
  ジョン「一緒にいたいんだよ・・・!」
  ジョニー「煩いよ!!」

         その時、下手よりミシェル登場。
         ゆっくり、懺悔室の方へ。(仕切りを挟む。)

  ジョニー「早く、あっち行けってんだろ!!」
  ジョン「いやだよ!!」
  ミシェル「(不思議そうに、声のする方を見て。)あの・・・」
  ジョニー「押すな、馬鹿!!」
  ミシェル「あの!!」

         懺悔室の中、一瞬静かになる。

  ジョニー「(咳払いをする。)・・・あなたの行いを、懺悔しなさい・・・
        。」
  ミシェル「・・・はい・・・。今日・・・私は、とてもいけない心を持って
        しまいました・・・。私を傷付けたマークを許せなかったん
        です・・・。だって、今日の日を凄く楽しみにしてたのに・・・
        初めてのデートだったのに・・・昨夜から眠れない程、
        ワクワクしてたのに・・・!なのにマークは、待ち合わせ
        場所に奥さんを連れて来るなんて!!(泣く。)彼、結婚
        してたなんて!!」
  ジョニー「ひでえ野郎だな!!」
  ジョン「しっ!!」
  ミシェル「・・・え・・・?」
  ジョニー「それで・・・?」
  ミシェル「マークと一緒に行きたい場所があったのに!!もう私、
        絶対に恋なんてしないわ!!二度とこんな思いしたく
        ないもの!!(再び泣く。)」
  ジョニー「ああ、うるせえ・・・。分かったよ・・・!!分かったから
        泣くな!!どうして女って、そんなつまんねぇことでビー
        ビー泣けるのかね?」
  ミシェル「酷いわ!!つまらないことだなんて!!」
  ジョニー「そのマークとやらと、どこ行きたかったんだ・・・?一緒
        に行ってやるから、もう泣くな!!」
  ミシェル「え・・・?」
      
         ロック調の音楽流れ、証明クラブ風。
         懺悔室から、僧衣を身にまとったジョニー、
         勢いよく飛び出し、ポーズを決める。
         ジョン、続いて出、深呼吸する。  ※ 

  ミシェル「牧師様・・・?」
  ジョニー「イエス!」
  ミシェル「・・・冗談でしょ・・・?」
  ジョニー「(舌を鳴らし、指を立てて振る。)チッチッチッ・・・」
  ミシェル「あなた一体・・・」

         ジョニー歌う。
         途中、僧衣を脱ぎ捨てる。

         “俺はおまえを幸せにする者!
         おまえの望みを叶える者!
         何がやりたい?どこへ行きたい?
         何でもおまえのお望み通り
         俺は誰もを幸せにする者!
         皆が望むことを何でも叶える
         どうしたい?これからどうする?
         何でも言えば 忽ち誰でも幸せ者!”

  ジョニー「カモン!!ベイビー!!」

         3人下手へ走り去る。
         暗転。

  ――――― 第 5 場 ――――― 

         上手より、一人の老婦人ゆっくり登場。
         鞄から紙を取り出し、それに見入る。
         一時置いて、下手よりジョニー登場。下手方を見る。

  ジョニー「おっせえなぁ・・・チンタラ歩いてんじゃねえ!!俺は
        時間がねぇんだ!!あぁあ・・・。(舞台の縁に腰を下ろ
        す。)どっかに、“いいこと”ってやつ、落っこちてねぇか
        なぁ・・・。(下を探すように。)大体だぜ?俺の辞書に
        “いいこと”なんて文字はないんだ!“いけないこと”
        なら、いっくらでもあるけどよ!(笑う。)畜生・・・。」

         その時、上手より一人の不良少年、走りながら
         登場。老婦人にぶつかる。(老婦人、倒れる。)

  不良少年「何、ボケッと突っ立ってんだよ、糞ばばぁ!!」

         ジョニー、その声に気付き、2人を認める。 ※2

  老婦人「・・・悪かったの・・・僕・・・。」
  不良少年「・・・僕?僕だと?誰が僕なんだよぉ!(老婦人に
         突っかかるように。)」
  ジョニー「(2人の側へ。)おい、餓鬼!!」
  不良少年「あ!?(振り返り、ジョニーを認める。)何だ、
         おっさん!!」
  ジョニー「・・・おっさん?おっさんって言うのは誰のことかなぁ・・・
        ?」
  不良少年「えめぇだよ!!てめぇ!!」
  ジョニー「そんな悪い口をきくのは、どの口かな!?(少年の頬
        を抓る。)」
  不良少年「いてててて・・・!!何すんだ、離せ・・・離せよ!!」
  ジョニー「二度と俺に“おっさん”なんて口きいたら、てめぇの命
        はないと思え!!(手を離す。)」
  不良少年「くっそう!!覚えてろ!!糞親父!!」

         暴言を吐いて、少年下手へ走り去る。

  ジョニー「(下に落ちている石を拾って、少年の方へ投げる仕草
        をする。)誰が親父だ、糞餓鬼!!全く・・・最近の
        悪餓鬼は・・・。ばあさん、大丈夫か?」
  老婦人「すまんの、僕・・・。」
  ジョニー「あ!?僕?僕って誰のことだよ、ばあさん!(溜め息
        を吐いて。)まぁいいっか・・・。(老婦人が紙を見て、
        何か探している風なのに気付いて。)ばあさん、何処
        か探してんのか?何処行こうとしてんだよ。その地図
        貸してみな!俺は今、丁度“いいこと”ってやつを、
        やらなきゃならねぇとこだったんだ!探してやるよ!!
        (紙を取ろうとする。)」
  老婦人「・・・いや・・・これは・・・。(紙を離そうとせずに。)」
  ジョニー「離せよ!!馬鹿、離さねぇと、見れねえだろ!?何処
        かへ行こうとしてんじゃないのかよ、ばあさん!!」

         その時、紙が真っ二つに破け、ジョニー尻餅をつく。

  老婦人「あ・・・」
  ジョニー「・・・やっべ・・・。」

         老婦人、放心したように悲しそうな顔をして、
         紙を見詰める。

  ジョニー「ハハハ・・・(作り笑いをする。その時、手首が締まる
        ように、手首を押さえて。)いてててて・・・!!何しやが
        んだ・・・!!やめろ!!やめろってんだよ!!俺は
        いいことをしようとして・・・!!分かった・・・分かったよ
        !!ばあさん、俺が悪かったよ!!だから許してくれ
        !!(手首を押さえたまま、頭を下げて土下座する。)
        ・・・ふう・・・。危ねぇ時計だな・・・。手首がちょん切れる
        かと思ったぜ、全く・・・。(老婦人の紙をサッと取り上げ
        て。)貸してみなよ!(下で2枚の紙を、上手く重ね合
        わせ見る。)ほら・・・これで地図は元通り・・・。どれどれ
        ・・・何処に行くんだ・・・?ここが今いる場所で・・・(地図
        に見入る。)

         老婦人、ジョニーの様子を、黙って見ている。
         その時、下手よりジョンとミシェル、楽しそうに
         話しながら登場。

  ジョン「(ジョニーを認め。)あ!!いたいた・・・。兄貴、歩くの早い
      よ・・・。(老婦人を認め。)あれ・・・?ば・・・ばあちゃん・・・?
      ばあちゃんじゃないか・・・?」











          分からないまま“いいこと”を探すジョニー・・・
          本当に“いいこと”なんて、出来るのでしょうか・・・?
          それでは“3”へと続きます・・・。
          












  ※ こんな“ト書き”は、人形劇では有り得ないので、なんだか
    とても新鮮な感じがします(^^)
    もうすでに、いつもの人形劇脚本のセリフ回しとは異なった、
    珍しい感じは受けられているかも知れませんが、ここから
    ちょっと読み直してみて・・・「恥ずかしいかも・・・」的な、
    台詞が数行・・・続きます・・・が気にせずお読みください^^;
    
    (書きながら、これは・・・と思う台詞は、書き直している・・・
    と、先にお伝えしましたが、この場面は敢えて、書いた当初
    のままで読んで頂こうと思います。) 
    
  ※2、ここだけに限ったことではないのですが、数字の表記が、
    “1”になったり“一”になったりすることが・・・多々あります。
    あまり拘って書いている訳でない為ですが、読み難くなる
    としたら、お許し下さい<(_ _)>
        



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


   (どら余談^^;)
 
   ある劇団のお稽古場にお邪魔して、初めて自分の作品の
   読み合わせに参加させてもらった時の感動は・・・一生・・・
   忘れないでしょう・・・♥










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“勇気の石” ―全5場― 完結編

2011年08月25日 20時24分21秒 | 脚本


  
              ミカエルとピエローラ。


         ――――― 第 4 場 ―――――

         紗幕開く。と、山の頂上の様子。
         静かな音楽流れる。(岩の上に、老人座る。)
         ミカエル、ピエローラ下手より登場。
  

  


  
  ドライアイス・・・見えますか~?老人の座り位置が、上の写真
  と違います。下の方が先に公演した時の写真なのですが、1回
  目で、ドライアイスは断念したんでしょうね~^^;どうやって、
  ドライアイスを登場させたか・・・ですか?実は・・・水の張った
  バケツにドライアイスを入れ、出てきた煙を、ホースのような
  物で吹き上げているのです^^;・・・が、ドライアイス・・・・重くて
  、下に落ちるんですよね~・・・(>_<)


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


  ミカエル「ここが山の頂上・・・?」
  ピエローラ「うん・・・そうみたいだ・・・」
  ミカエル「(老人に気付く。)ピエローラ!誰かいるよ!!」
  ピエローラ「・・・こんにちは・・・あの・・・」
  老人「・・・分かっておるよ・・・。おまえさん達もまた、勇気の石を
      探しに来たんじゃろうて・・・」
  ミカエル「そうなんだ!僕、その石を取りに行く、勇気があるか
        どうか確かめたくて・・・」
  ピエローラ「勇気の石はどこにあるんですか?」
  老人「(岩の上方を杖で指す。)この崖の天辺に、七色に光る
      石コロが埋まっておるんじゃ。それが、おまえさん達の探す
      ものじゃよ・・・」
  ミカエル「(独り言のように。)これを登るの・・・?」
  ピエローラ「(上を見上げて。)これは大変そうだ・・・。ね、ミカエル
         ・・・。」
  ミカエル「あ・・・ぼ・・・僕・・・さっき、あの岩陰を下りる時に、足を
        ちょっと・・・挫いて・・・。いたっ・・・(足を押さえる。)」
  ピエローラ「本当に?大丈夫かい?」
  ミカエル「うん・・・。でも、崖を登るのは・・・」


  
  (老人の持つ“杖”、分かりますか?これは拾って来たのではあり
  ません^^;某ホームセンターをブラブラしていて、たまたま見つけ
  た、まさに“杖”と言った形をした“枝”です(^^)v大きさ的にも、
  お人形に丁度いい♥と飛びついて買ったはいいのですが・・・これ
  また重いのです~(>_<)よって、これ以降の作品でも“杖”は
  登場するのですが、どこぞで拾った、軽いものを使用することが
  多いのです^^;)


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


  ピエローラ「そうか・・・。仕方ない・・・僕が取りに行くよ。」
  ミカエル「え・・・?」
  ピエローラ「大丈夫!!なんだって、やろうと思えば出来るって
         分かったじゃないか。高い所はまだ少し怖いけど・・・。」
  ミカエル「・・・ピエローラ・・・ごめんね・・・」
  ピエローラ「任せとけって!」
  ミカエル「・・・うん・・・」

         ピエローラ、崖をゆっくり登っていく。

  ピエローラ「よいしょ・・・よっ・・・(一時置いて。)あ・・・あった!!
         この七色に光る石がそうだね、おじいさん!!」
  老人「そうじゃ、それじゃよ。」
  ピエローラ「・・・でも・・・手が届かないや・・・もう少し・・・あ・・・あっ
         ・・・わあーっ!!」

         ピエローラ、崖の上から落下する。

  ミカエル「(慌てて駆け寄る。)ピエローラ!!」
  ピエローラ「やっぱり・・・僕は・・・高い所は苦手だな・・・。でも・・・
         ほら・・・取って来たよ・・・(石を見せる。)勇気の・・・
         石・・・(気を失う。)」
  ミカエル「・・・ピエローラ・・・ピエローラ!!しっかりして!!目を
        開けて!!ごめんよ!!僕、嘘を吐いたんだ!!足を
        挫いたなんて嘘なんだ・・・!!あの崖を登るのが怖く
        て・・・高い所が苦手な君に行かせるなんて・・・!!
        勇気なんか・・・勇気なんか確かめるものじゃないよ!!
        本当に勇気があるのは、ピエローラの方だ・・・!!」


  


  老人「今言ったことは本当かな・・・?」
  ミカエル「(顔を上げる。)」
  老人「勇気は確かめたりするものじゃないと・・・」
  ミカエル「(頷く。)うん・・・!!こんな石・・・こんな石を取りに行く
        勇気を確かめたいなんて・・・。僕は間違っていたよ・・・。
        ピエローラは、本当の勇気が何かを、僕に教えてくれた
        んだ・・・!!」
  老人「では・・・おまえの願いは・・・?」
  ミカエル「ピエローラを助けて・・・!!」
  老人「よく言ったミカエル・・・。勇気の石の代わりに、友達を助け
      て欲しいと言ったミカエルの優しい心に・・・嘘を吐いたこと
      を正直に言ったミカエルの勇気に・・・おまえの望みを・・・
      ピエローラを助けてやろう・・・魔法の力で・・・」
  ミカエル「・・・魔法使い・・・?」

         老人立ち上がり、ゆっくり杖を振り上げる。
         と、ピエローラ起き上がる。

  ミカエル「ピエローラ!!」
  ピエローラ「ミカエル・・・」

         ミカエル歌う。

         “ありがとう僕の為にピエローラ
         勇気の石なんか なくてもいいこと
         教えてくれた君は
         何が一番大切なことかを示してくれた
         本当の勇気が何であるかを・・・”

         ピエローラ歌う。

         “僕のほうこそ ありがとうミカエル”

         2人歌う。

         “君に出会えて本当によかったと・・・”

         (紗幕、閉まる。)

  老人「勇気の石なんてものは、最初からないんじゃよ。ただの
      まやかしの石を、人々が勝手にそう思い込んでおったもの
      なんじゃ・・・。勇気は自然に心の奥底から湧き出すもの・・・
      そうありたいと願う力によって、誰の心の中にも、芽生える
      ものなんじゃよ・・・」

         老人下がる。

  ――――― 第 5 場 ――――― 

         紗幕開き、曲調変わる。
         ミカエル上手、ピエローラ下手より登場。

  ミカエル「ピエローラ!!」
  ピエローラ「ミカエル!!」
  ミカエル「もう行っちゃうんだってね・・・」
  ピエローラ「うん・・・」
  ミカエル「淋しいな・・・」
  ピエローラ「ミカエル・・・」
  ミカエル「はい、これ!(石をピエローラに手渡す。)」
  ピエローラ「これは勇気の石・・・」
  ミカエル「うん。ただの誤魔化しの石かも知れないけど、これは
        ピエローラと僕の、友情の石なんだ。持って行って!」
  ピエローラ「ミカエル・・・ありがとう!!」
  ミカエル「僕の方だよ・・・ありがとう!!元気でね!!」
  ピエローラ「うん・・・君も!!」

         2人、手を取り合い歌う。

         “誰でも心に秘めた
         勇気だと分かった今
         あの山 2人で目指し
         手に入れた勇気の石”


      ――――― 幕 ―――――  ※


   


   
         「さよなら~!!」ミカエル・ピエローラ。







   ※ このラストの場面も、実は先に書いた方とは違っています。
   先に書いた方の作品は、バスケットボールや、玉乗りの玉など
   小物が色々あって、結構裏方が大変な場面だったと、覚えて
   います(>_<) 下の写真は、その場面の1枚です。後ろに見え
   るのは、バスケットゴールですが、どうすればミカエルに上手く
   シュートさせることができるか、色々と考えた、場面の1つです。
   

   
   
                   ミカエル。




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    さて、それでは次回掲載作品のご紹介をしておきたいと
    思います(^.^) 次回は、まだ自分達で録音をしていた頃
    の作品で、リトルパイン作品としては、頭から数えた方が
    早いもの、“ミリィの旅”をご紹介したいと思います(^^♪
    主人公のミリィちゃんは“ピンク”色が大好きな女の子なの
    ですが、実は・・・私が“ピンク”大好きなのでした~^^;
    余談でしたね・・・(~_~メ)


     
                                 どら。
 











      http://www.geocities.jp/littlepine2005/ 

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“ジョニー・クラウン” ―全9場―

2011年08月24日 12時04分43秒 | 未発表脚本



     
 
   この作品は、人形劇作品を書き始めるまだ、少し前の
   作品になる為、人形劇は、子ども達の持ち時間を考え、
   だいたい30分前後をメドに書き上げるのですが、(最近
   は、内容の濃さに比例してきて、公演時間が若干伸び気味
   ではあります・・・^^;そうですね~・・・ここ最近の作品では、
   エリィちゃんが、1時間でしたね・・・^^;)この頃の制約の
   ない作品に関しては、場数にあるように、人形劇作品に
   比べ、多少長めのお話しになっています<(_ _)>

   まだまだ未熟な作品ではありますが、読み直してみて、
   とっても面白かったので・・・人形劇とは全然違う、どらは
   こんな言葉使いをする登場人物も書くんだ・・・と言うのを、
   是非お楽しみ下さい♥   




                                 どら。



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


      〈主な登場人物〉

     ジョニー・クラウン ・・・ 本編の主人公。

     ジョン・クラウニー ・・・ ジョニーを兄貴と慕う。

     ミシェル ・・・ 体の弱い少女。

     死の国の裁判官。

     

     その他。


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


         開演アナウンス。
         客電落ちる。  ※
 
  ――――― 第 1 場 ―――――

  男の声「待て!!路地裏へ回ったぞ!!逃がすな!!」
  男2の声「捕まえろ!!」
  男の声「抵抗すると、撃つぞ!!」

         その時、銃の音が響き渡る。
         一時置いて、スモーク流れ、舞台明るくなると、
         舞台中央、1つの机の後ろに、神々しい態度の
         死の国の裁判官立つ。裁判官、その前に大の字
         に倒れている男(ジョニー)に、見入っている。

  裁判官「起きなさい、ジョニー・クラウン・・・!!」
  ジョニー「・・・ん・・・(目が覚める。寝っ転がったまま、そこがどこ
        だか分からないように、回りを見回し、裁判官を認める
        と、驚いたように起き上がる。)誰だ!!(慌てて、服の
        ポケットを探り、銃を取り出し、裁判官に向け構える。)
        やれるもんならやってみろ!!」
  裁判官「そんなものは仕舞うのだ、ジョニー・・・」
  ジョニー「(銃を構えたまま。)・・・誰だ、爺!?・・・なんで俺の
        名前を知ってんだ!!」
  裁判官「私は死の国の裁判官・・・。ここは、天国と地獄をつなぐ、
       中継ステーションだ・・・。」
  ジョニー「ちょ・・・ちょっと待てよ・・・。死の国・・・って・・・何、可笑
        しなこと・・・(笑う。)」
  裁判官「おまえは死んだのだ、ジョニー・クラウン・・・。(机の上の
       紙を、ジョニーに見せるように差し出す)」
  ジョニー「死んだ・・・?死んだだと!?(裁判官の差し出した紙を
        、奪うように取り、見入る。)・・・ジョニー・クラウン・・・
        1998年12月24日・・・午前3時16分・・・銃により
        死亡・・・死亡!?(自分のシャツの胸の辺りを、慌てて
        見る。と、そこには血の跡がついている。)・・・待ってくれ
        ・・・俺は・・・えっと・・・(思い出すように。)そうだ!!俺
        は、嵌められたんだ!!ブライアントの奴に、いい儲け
        口があるとか言われて・・・それで警官に見つかって、
        路地裏に追い詰められ・・・(遠くで銃声が聞こえる。と、
        ジョニー、自分の胸を見る。)撃たれた・・・。(全て理解
        したように。)・・・なんだ・・・死んじまったのか・・・。(笑う
        。溜め息を吐いて、胡坐をかいて座り込む。)それで・・・
        ?今まで散々、悪事を働いてきた俺様は、地獄へ
        真っ逆様か?」          ※2
  裁判官「・・・天国、地獄が最初から分かり切っている人間は、
       ここへなど来ない・・・。死んで直ぐに、其々の場所へ送ら
       れるからだ・・・。」
  ジョニー「じゃあ、ここは地獄の入口か!?(笑う。)」
  裁判官「ここは、天国へ送られるのか、地獄へ送られるのかが分
       からない人間が、連れてこられる所だ・・・。ここで、どちら
       に行くのが正しいか、判断するのだ・・・。」
  ジョニー「俺は天国なんか、行けるような人間じゃないぜ!俺様
        が自分で言うんだ!さっさと地獄へ送ってくれ!」
  裁判官「それは、最近のおまえを見ていれば一目瞭然・・・だが
       ・・・」
  
         裁判官、歌う。

         “おまえが遠い昔から 
         悪だけ背負って生きたなら
         何も迷わず辿り着く
         そこは地獄の何ものでもない
         おまえが歩き始めから
         正義の塊だったなら
         誰も迷わず行き着く先は
         誰もが求める天の国
         だけどたった一度でも
         優しい思いが見えたなら
         そこで分かれる2つの道
         そこで迷うおまえの道”

  裁判官「これを見るがいい・・・。」

         上手方、スポットに子ども(ジョニーの子ども時代。)
         、しゃがみ込んで膝に抱いた何かを見ている。

  子ども「大丈夫かい・・・?もう、行き成り車道に飛び出すんじゃ
       ないよ・・・。今日は助かったけど、とっても危ないこと
       なんだ・・・。君がいなくなったら・・・(顔を上げて、遠く
       を見る。)ほら、あそこで見てるママが、悲しい思いを
       する・・・。ね、分かっただろ?(その時、子犬の吠える
       声がする。)よおし!!いい子だ!!」

         子ども、フェード・アウト。

  裁判官「おまえは自分の命を賭けて、あの子犬を車から守っ
       た・・・。」
  ジョニー「そんなこと、あったっけ?(笑う。)」
  裁判官「そのたった一度の行いが、おまえがここへ送られて
       きた理由だ・・・。そこでだ・・・おまえに少し時間を
       やろう・・・。再び地上へ舞い戻り、1つだけ“いいこと”
       をしてくるのだ・・・。」
  ジョニー「いいこと?何だそれ!」
  裁判官「そう・・・いいことだ・・・。そうすれば、おまえは晴れて
       天国行き・・・。」
  ジョニー「俺は地獄でいいさ!!」
  裁判官「いいことをする自信がないのか?」
  ジョニー「ああ、そうさ!!自信なんてないね!!いいことが
        なんなのかも分かんねえ!!そんなことやってまで、
        天国なんて行きたくねえ!!」
  裁判官「(ボソッと。)・・・駄目な人間だ・・・。たった一度の
       チャンスも、ものにできないようでは、生まれ変わっても
       、おまえは同じ人生を繰り返すだけだ・・・。ならば、
       いっそ虫にでも生まれ変わるか?」
  ジョニー「ふん!!好きにしろ!!」
  裁判官「(溜め息を吐いて、首を振る。)・・・そうだ・・・おまえに
       いいものをやろう・・・。」
  ジョニー「(その言葉に興味を惹かれたように、裁判官の方を
        チラッと見る。)・・・いいもの・・・?」
  裁判官「ほら・・・これだ・・・。(差し出す。)」
  ジョニー「(裁判官が差し出したものを見る。自分の目を疑うよ
        うに、目を擦る。近寄り、驚いたように見る。)・・・これ
        、くれるのか・・・?」
  裁判官「ああ・・・おまえにやろう・・・。(微笑む。)」
  ジョニー「も・・・勿論タダだろうな・・・?(受け取る。)・・・うわぁ
        !!金で出来た時計じゃねぇか!!本もんだぜ、
        こりゃあ!!ま・・・まぁ、くれるって言うんなら、有り難
        く・・・(腕に嵌める。)」
  裁判官「(ジョニーが、時計を嵌めるのを見計らって。)・・・では
       ・・・さっきの話しの続きだが・・・。」
  ジョニー「悪いが、それとこれとは話しは別だ!いくら、こいつを
        貰ったからって、俺はもので釣られるような馬鹿じゃ
        ないぜ。(笑う。)あんたの話しだと、俺はこのままじゃ
        天国にも地獄にもどっちにも行けないんだ・・・。って
        ことはだぜ・・・?俺はずーっとここで世話になってりゃ
        いいんじゃないか!!俺は地上には行かねぇ!!
        そんな面倒なことは御免だね!!(大の字になって、
        ゴロンと寝っ転がる。)」
  裁判官「そうか・・・ならば・・・。」
  ジョニー「いっ・・・いてててて・・・。(手首を押さえる。)いててっ
        !!畜生・・・!!なんだ、この時計・・・?なんで締め
        付けられ・・・いててっ・・・!!」
  裁判官「(ニッコリ笑って。)それは、おまえがちゃんと地上に行
       って、1つの幸せを見つけてくるまで、おまえを見張る
       腕時計だ・・・。」
  ジョニー「なんだと・・・!?こんな時計・・・!!(外そうとする。)
        畜生!!なんで外れないんだ!!やい、爺!!外し
        やがれ!!」
  裁判官「心配せんでも、おまえが1ついいことをすれば、ちゃんと
       外れるようにできておる・・・。」
  ジョニー「馬っ鹿野郎!!俺は孫悟空じゃねぇ!!いててててっ
        ・・・!!外せ!!外せ!!(騒ぎながら、手首を押さえ
        跪く。)」
  裁判官「どうだ?私の言うことを聞く気になったかな?」
  ジョニー「畜生・・・!!(観念したように。)わ・・・分かったよ!!
        地上に行きゃあいいんだろ!!行くよ!!行くから、
        時計を締め付けるのはやめてくれ!!」
  裁判官「よしよし・・・。(微笑む。)」
  ジョニー「くっそう・・・。(手首を摩る。)いってぇ・・・。なんて力
        なんだ・・・。」
  裁判官「おまえに与える時間は24時間・・・。その間に、1つの
       いいことを無事、達成してくるがいい!!くれぐれも、
       よからぬことは考えんようにな。いつでも、左手には
       見張りが付いていることを、覚えておくのだ・・・。」
  ジョニー「忘れるかよ!!」

         音楽流れ、ジョニー、スポットに浮かび上がる。

  ジョニー「(時計を見て。)全く・・・なんて時計なんだ・・・!!
        あの糞爺、俺にいいことをしろだと!?いいことって
        何なんだ!!俺は今まで、悪いことをするのに頭は
        使っても、その反対に頭を使ったことなんてないんだ
        !!しかも24時間以内にだなんて・・・。何すりゃ
        いいのさ!!」

         ジョニー歌う。

         “いいこと?なんだそれ・・・
         そんなこと考えたこともねぇ!
         いいこと?何すりゃいいんだ
         全く俺には分かんねぇ!!
         天国でも地獄でも
         俺には関係ないんだそんなこと
         死んじまったら何処でも何でも同じこと
         面倒なんて真っ平ごめんだ!!”

         暗転。

  ――――― 第 2 場 ―――――
        
         泣き声が段々大きく聞こえる。
         と、同時に明るくなると、舞台中央、墓が1つ立って
         いる。1人の青年(ジョン)、その墓に縋り、声を上げ
         て泣いている。

  ジョン「兄貴!!兄貴!!なんで死んじまったんだよ!!兄貴
      !!オイラ、これからどうすりゃいいんだよ!!兄貴!!」

         その時、ジョニー上手より登場。ゆっくり、泣いている
         ジョンの側へ。横にしゃがみ込む。

  ジョニー「おまえ、兄ちゃんなんかいたのか・・・。」
  ジョン「(伏せって泣いたまま。)違うよ!!本当の兄貴以上に、
      俺にとっちゃ大事な頼れる兄貴・・・(顔を上げる。ジョニー
      を認め、その驚きに腰を抜かしたように。)あ・・・兄貴・・・
      !?」
  ジョニー「よっ!!元気にしてたか?」
  ジョン「(墓とジョニーを見比べる。)兄貴・・・確か・・・死・・・死・・・
      死・・・」
  ジョニー「ああ、死んだんだ!なんだこれ、俺の墓か?(墓を見
        て。)ジョニー・クラウン・・・ここに眠る・・・か・・・。(笑う
        。)」
  ジョン「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・」
  ジョニー「まぁ、幽霊みたいなもんだな。足はあるけどよ。(足を
        見せて。)ほれ!」
  ジョン「あ・・・あ・・・兄貴・・・警官に撃たれて・・・」
  ジョニー「ああ、ここを1発ズドーン!!(服の胸元を見せる。)」
  ジョン「・・・ズドーン・・・って・・・」
  ジョニー「おまえは大丈夫だったのか?」
  ジョン「う・・・うん・・・。ほら、流れ弾でここんとこ掠っただけ・・・。
      (服を捲くって、腹を見せる。)」
  ジョニー「そっか、よかったな!」
  ジョン「ゆ・・・ゆ・・・幽霊でも・・・そ・・・それ・・・それでも嬉しいよ
      !!(ジョニーに抱きつき泣く。)淋しかったんだ!!」









         はてさて奇妙な再会を果たしたジョニーと
         ジョンですが・・・。ジョニーはどんな“いいこと”
         をするつもりなんでしょうか?
         それでは“2”へ続きます・・・。










   ※ こんな言葉は久しぶりです~^^;

   ※2、人形劇作品は、ご承知の通り、子ども対象作品の為、
      際どいセリフや、難しい言葉使いなど、まず使わないで
      あろう文章が、今作品には沢山使われています。
      これは、一応、“ファミリーミュージカル作品”となって
      いても、大人が見る“ファミリーミュージカル作品”だと考
      えていた為、今とは私が向いている対象者が違うから
      です。(キャシーも舞台の方の作品では、どちらかと言え
      ば、大人対象となっていたものを、人形劇では、完全に
      子ども対象に書き直したものです。)
      このセリフに出てくる年数が、この作品の生まれ年です。
      随分前ですね~・・・^^;
      まだまだ未熟な作品ですが、お許し下さい<(_ _)>


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


   久しぶりに、少し大人チックな言い回しのセリフを書いてみて、
   なんだか人形劇とは、また違う楽しさがあるなどして、
   “面白いな”・・・と感じています・・・(^^♪



                                  どら。








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