(開演前。)
この作品は、随分前になりますが、一時住んでいた地方
で、初めて人形劇を子どもたちに見せる為に書いた作品
の、リメイク版です。その当時は、まさか何年か先に、本当
に自分で、人形劇団を立ち上げるなどと知る由もなく・・・。
ただただ、喜んで見てくれた子どもたちに、感動の涙を
流した思い出深い作品です♥
この作品は、地球環境がテーマになった作品でもあるので、
機会があれば、また近い内に再演できれば・・・と考えて
います。
どら。
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〈主な登場人物〉
ブルー ・・・ 未来の少年。本編の主人公。
そら ・・・ 過去の少年。
アクア博士 ・・・ 未来で色々な発明をしている。
花 ・・・ そらのクラスメイト。
黒ずくめの男1 ・・・ 過去の泥棒。
黒ずくめの男2
ロボ太 ・・・ アクア博士の作ったロボット。
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音楽流れる。
「今から200年後の未来・・・地球上の草木は枯れ、
花も咲かない程、空気は汚れ、人々は外出する時
には、特別なマスクをつけなければ、息もできない
ような世界になっていました。」
幕が開く。
――――― 第 1 場 ―――――
ブルー。
後方、窓から一人の少年(ブルー)、外を眺めて
いる。
ブルー「・・・この本に載っているような青い空・・・昔は本当に
あったのかなぁ・・・。」
ブルー、本を持って前方へ。歌う。
“青い空と 花が咲く
そんな夢みたいな世界が
本当にあったのだろうか・・・
分からない・・・”
下手より、買い物袋を持ったロボ太登場。
ロボ太とブルー。 ※
ロボ太「ブルー、いらっしゃい。どうかしたんですか・・・?」
ブルー「ロボ太・・・買い物に行ってたのかい?」
ロボ太「はい。博士に頼まれて、そこのスーパーまで。」
ブルー「ロボ太はいいよな・・・。マスクなしで外を歩けるんだか
ら・・・。」
ロボ太「マスクなし?それはどう言う意味ですか?」
その時、上手よりアクア博士登場。
アクア博士「ブルー、また来ていたのか?」
ブルー「あ・・・アクア博士。」
アクア博士「こんなとこで遊んでたら、母さんに叱られるぞ。
明日の準備はできたのか?」
ブルー「いいんだ・・・」
アクア博士「どうした?」
ブルー「明日この地球を捨てて、皆で違う星に移り住むんで
しょ・・・」
アクア博士「仕方ないんだよ。この地球は空気が汚れてしま
って、作物も育たない・・・。我々が生きる為には、
この地球以外のどこか・・・違う星を探さなければ
いけないんだ。」
ブルー「・・・昔は、この本に載っているみたいに、青い空だった
の?」
音楽流れる。
アクア博士「そうとも・・・。200年前の世界は、その図鑑に載っ
ているような青い空に、山には草木が茂り、小鳥
達が囀り花々が色とりどりに咲く・・・。私も実際に
は見たことはないがね。(笑う。)」
ブルー歌う。
“そんな世界が本当にあるの?
青い空 色々な花 見てみたい・・・”
アクア博士「ブルー・・・?」
ブルー「・・・ねぇ、博士!ずっと前に空気浄化装置を作ってる
って言ってなかった?どうなったの!?それがあれば、
地球の空気が綺麗になって、また僕達、この地球に
住めるんじゃないの?」
アクア博士「ほら、そこにある装置・・・それが、おまえさんの言
っている空気浄化装置だよ。」
ブルー「(駆け寄る。)わあーっ!!これ動くの!?完成してる
んだったら早く動かして・・・」
「わあーっ!!これ動くの!?」ブルー(後ろ向き)と、博士。
アクア博士「それが・・・たった一つの材料が手に入らなくてな
・・・。」
ブルー「・・・一つの・・・材料・・・?」
アクア博士「そうんんだよ・・・」
ブルー「それは・・・何?」
アクア博士「・・・アルミホイルと言ってな・・・」
ブルー「アルミホイル・・・?」 ※1
アクア博士「そうなんだ・・・。今の時代では、決して手に入らな
い物なんだ・・・。」
ブルー「でも・・・それがあれば、この空気浄化装置は完成する
の?」
アクア博士「ああ、そうとも。」
ブルー「いつの時代に行けばあるの?その・・・アルミホイル・・・」
アクア博士「そうだなぁ・・・今から200年前の世界なら・・・」
ブルー「200年前・・・。僕、200年前の世界に行って、探して
来てあげるよ!!」
アクア博士「え・・・?」
ブルー「それがあれば、この本のような世界にまた戻って、僕達
他の星に行かなくて済むんでしょ?博士が作ったタイム
マシンに乗って、200年前の世界に行って来るよ!!」
アクア博士「ブルー!!そんな無茶な・・・」
ブルー「無茶かどうか、行ってみないと分からないでしょ!!」
アクア博士「だが、無事に200年前の世界に着いたとして・・・
アルミホイルが直ぐに見つかるかどうか・・・。私も
知らない時代のことだから、確かなことは・・・」
ブルー「大丈夫!!僕達の地球を救う為に、僕は行く!!」
音楽流れ、ブルー歌う。
“僕達の明日には明るい未来を
希望があるのなら この手に掴むまで
僕は行く!!
未知の国目指し 勇気を出すのさ!!”
アクア博士歌う。
“我々の明日に
希望を詰め込み
送り出そう願い込めて
我々の未来の為”
ブルー、タイムマシンに乗り込む。
(タイムマシンに乗り込んだブルー。) ※2
アクア博士「気を付けてな!」
ロボ太「いってらっしゃい。」
ブルー「2008年の地球へ、出発!!」 ※3
紗幕閉まる。(タイムマシンの音。)
ブルー歌う。
“今 旅立つ希望乗せて
今 向かおう明日に光を!!”
※4
――――― 第 2 場 ―――――
音楽流れ紗幕前、上手より1人の少年(そら)、
後ろを気にしながら抜き足差し足で登場。
そら「もう、うるさいよなぁ・・・花の奴・・・」
花の声「そらくーん!!」
そら「来た!!(下手へ走り去る。)」
上手より、一人の少女(花)登場。
花「もう、一体どこへ行ったのかしら!今日は一年に一度の、
全校生徒による地域大掃除の日だって言うのに、そら君った
ら、さぼってばっかり・・・。そらくーん!!どこなのよー!!
(下手へ走り去る。)」
紗幕開く。と、裏山の様子。
下手より、そら登場。
そら「あぁあ・・・ゴミ拾いなんてつまらない・・・。(ゴロンと横に
なる。)」
その時、上手より空を見上げながら、ブルー
ゆっくり登場。
※5
ブルー「本当に青いんだ・・・。本当に緑なんだ・・・。(そらを認め
。)あ!!誰かいる!!(そらにゆっくり近寄る。恐る恐る
。)あの・・・」
そら「え?(ブルーを見る。)」
ブルー「わあっ!!(飛び退く。)」
そら「(起き上がり。)なんだよ。失礼な奴だな。声掛けたのは
そっちだろ。」
ブルー「ごめんなさい・・・。ねぇ・・・ここは・・・どこ・・・?」
そら「どこ?学校の裏山に決まってるじゃないか。」
ブルー「(そらの顔を見て。)わあっ!!君、どうしてマスクして
ないの!?」
そら「何だよ、さっきから・・・。マスクって・・・俺、風邪なんてひい
てないし・・・。おまえこそ風邪?そんな分厚いマスクして。」
ブルー「・・・かぜ・・・?かぜって・・・何?」
そら「か・ぜ・ひ・き!!何とぼけてるんだよ。マスクしてるんだか
ら風邪だろ?」
ブルー「・・・かぜは知らないけど・・・外を歩くなら、マスクがない
と息ができないじゃない・・・!!」
そら「何、可笑しなこと言ってるんだよ。マスクなんか風邪ひきの
時か、給食当番の時か・・・風邪でないなら、そんなの取れ
よ!(ブルーのマスクを取る。)」
ブルー「わあーっ!!何するんだよ!!息が・・・!!息が・・・!
!息が・・・できる・・・。マスクがなくても家の中にいる時
と同じように息ができる!!息ができるよ!!」
無事に2008年の地球に到着したブルー
ですが、“アルミニウム”を見つけることは
できるのでしょうか・・・?
それでは“2”へつづきます・・・。
※ この作品に登場する“ロボット”君は、“未来の海へ”や、
“勇気の石”に登場するロボット達と違い、一番機械的な物
にしたくて、こんな形になりました。声も、エンジニアさんに
手を加えてもらい、よりロボットっぽくなっていて面白いの
ですが、聞いて頂けないのが残念です・・・(>_<)
この写真の公演では、私は“ブルー”君を操作していますが、
春公演ではこのロボ太を、持っていました。・・・が、実は
このロボ太、持つ所がなく、とーっても持ちにくい・・・動かし
にくい代物だったのでした~(-_-;)
余談ですが・・・
ロボ太が手にしている紙袋・・・家にあった“某店”の紙袋
です・・・。「どこに買い物行って来てん!」ってね・・・^^;
(ブルーとロボ太の間に、チラッと見えているのが、“空気
浄化装置”です。)
※1、誰もが知ってて、それっぽい材料は何か色々考えた結果
・・・なぜか“アルミホイル”に行き着いたのでした~(^_^;)
初代の作品では“アルミ・・・二ウム”でした・・・^^;(言葉的
に、それっぽいので“アルミニウム”と表現していましたが、
探しているものは“アルミホイル”だったので、リメイク版では
初めから“アルミホイル”と、書き変えました(^^)vその方が、
子ども達に分かりやすいですもんね^^;)
それに・・・
“アルミニウム”だと、見つけるのにもっと深いお話しになり
そうですよね~(~_~;)
それと追記しておきますが・・・、
200年後に、“アルミホイル”がない訳ではなく、「もっと凄い
商品に変身して、きっと存在しているだろう・・・」と、考えて
いることを、付け加えてお話ししておきたいと思います^^;
※2、どうしても“タイムマシン”と言えば、某アニメ^^;の・・・
“タイムマシン”を思い浮かべてしまう為、必然的にこんな
形になってしまいました(^_^;)
※3、はい、2008年に書いたお話しです・・・(^.^)
※4、後ろの“渦巻き”は、クルクル回ります(^^)v何となく、
タイムマシンに乗ってる感じ・・・しませんか?
※5、そら君、ゴロンと横になっているのであって、引っ繰り返
っている訳ではございません・・・^^;
ブルー君のマスクは、耳に掛けるゴムをちょん切った、
フツーのマスクにテープを付けて、お顔に直接張り付けて
あります(^^)v
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(どら余談^^;)
このお話しを書いた頃は、現在のように日常的に誰もが
“マスク”をつけて外を歩いている・・・と言った光景は、
あまり見受けられなかったような気がします・・・。
最近の、地球環境的な問題もあり、“マスクなし”とまでは
言いませんが、“マスクをつけて”普通に外出する世の中が、
正直こんな近い未来に訪れようとは、私自身、想像もして
いなかったことです。
願わくば・・・これ以上、ブルー君の時代のような世の中に、
一歩たりとも近付くことのないように・・・、
そう思い止みません・・・。
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