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りんのお散歩

一児の母になりました。
のんびり、ときに激しく語ります

変身   東野圭吾

2006-03-13 15:55:34 | 本♪
直木賞を受賞したということで、本屋さんに平積みされている東野作品。
そこで見つけたのがこの「変身」

すぐに買おうとしたのですが、しばし考える


「もしかしたら、うちにあるんじゃないかな・・・」


じつは、うちの父が東野圭吾大好きで、家には彼の作品がずらりと並んでいるのです。

似た様な表紙、似たような題が多いので、
果たしてうちにあったか・・・良く分からなかったのですが(笑)

とりあえず、家で聞いてみようとしたわけです。


そして・・・
ありました♡


ということで感想です↓





本当に良かったです。
せつなさ、という点では、それこそかなり上位ではないかと。
ミステリーなので勿論謎解きがあるのですが、その謎の答えは案外早い段階であっさり判明してしまいます。

ミステリーで答えが早く出て、どこが面白いねん!!といわれそうですが。




・・・この本の見所は、謎解きよりも、心理描写なんです。
理系作家東野圭吾にしては珍しく、心の動きの描き方が秀敏です。



もう、純の性格が徐々に変わって行く様がとてもリアルで、
そして、それを自分じゃどうしようもない・・・というもどかしさもリアルで。

悲しくて切なくて、泣きたくなりました。



泣きませんでしたけどね。
いつもそうですが、東野圭吾は泣かせてくれないんですよね・・・。

東野圭吾自身が、
客観的に、あくまで客観的に、と
そういう目で状況を見つめているからでしょうか。

だから余計に切なかったりする。


SFチックな話なのに、(この人のは大体そう)
凄く人間的な(この人でこう思うのは珍しい)話でした。





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博士の愛した数式   小川洋子

2006-03-10 18:26:38 | 本♪
全ての物事をいとおしく思える
それが、この本のラスト二言。



ラストの二言を見つめて、「この本に出会えて本当に良かった」
と、心から思いました。






本屋さんが選んだ最も読んでほしい本―――本屋大賞、ということで、
出版当初からかなり興味があった本でした。
文庫になったので、読んで見ることにしました(私は専ら文庫派です(-.-;)y-~~~ )


全体の流れはとてもとても穏やか。
だけど、それだけじゃどうしても退屈になってしまうものです。
特にバリバリのミステリー好きの私にとっては、穏やかなだけの本は物足りない!!

だから、ちょっと不安もありーのという感じで読み始めたのですが・・・


穏やかな、静かな軸に、突如現れる数式たち。
この数式がなんとも・・・絶妙!!!
数式が現れるたびに、私は少し背筋を伸ばす。
平坦な中に命が吹き込まれていきます。



自分は80分しか記憶がもたないのだと、80分ごとに思い知らされる・・・博士。

どんなに一緒にいても一生、博士に覚えてもらえる日は来ない・・・私。

母子家庭で、何かを強くねだったことがない、他人を思いやる心が充分すぎるほど備わっている・・・ルート。



それぞれ、それぞれが、
心の奥に悲しみとかやるせなさを秘めています。



その悲しみが、すうっと解けていく。

それが、あのラスト二言だったような気がします。






だから、ラストを先にチェックしないように!!(笑)
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殺しの双曲線   西村京太郎

2006-03-08 22:33:54 | 本♪
遂に…
遂に……



彼が帰って来ました(≧▽≦)♪


今日の19時に新横浜に着くと言われたので、横浜で待ち合わせ。3ヶ月振りに2人でお夕飯を食べに行きました(^-^)


ちなみにりんが大好き、中華料理ですo(^▽^)o美味しかったぁ~~~。

彼は1ヶ月くらいこっちにいられるようなので、嬉しいな♪(*^ ・^)ノ⌒☆




・・・所で、今日横浜で彼と別れてから、ちょっとした事件が起こりました。

帰宅のサラリーマンやOLさんで混雑していた車内。
戸塚でドアが開いたとき、どっと波のように人が押し寄せ入ってきました。
その時、あらかじめ車内にいた男性(推定年齢25)に、乗ってきた男性(多分40)がぶつかる形になったんです。

確かに、25は不愉快だったでしょう。
人にはパーソナルスペースと言うものがあり(心理学用語:他者に侵されたくない自分の範囲)、それを侵されるのを嫌います。
突如、全く知らない人が何の前振りもなく自分のパーソナルスペースに侵入してきたら、きっとそれはかなりのストレス。


だけど


それにしても…


25はなんと、40を思いっ切り突き飛ばして、ホームの床に転ばせたのです。

無関心な他者(私含む)は唖然…


起き上がった40は、よせばいいのにそのままこの車両に乗り込みました…


そして次の駅(大船)で25に降りるように促し、ホームで



殴り合いに発展!!!!


しかも1発や2発ではなく、もう取っ組み合って殴り合い…


電車が通るホームだけに、無関心な他者(私)は、怖いというより「危ない」と思いました。




さて、その時私が車内で読んでいた本が「殺しの双曲線」です。
私は本当に…心臓がバクバクになるほどビックリしました。


なんと今日私が体験した「電車で接触事故(笑)」事件と、その時読んでいた箇所の内容があまりに酷似していたのです。


私は今日の自分のことを、「無関心な他者」と位置付けましたが、この本を読んでいるとそれを痛感します。

この場合、復讐と称して殺されるのは、無関心な他者―――つまり私なのです。



・・・だけど、無関心な他者を責められるか。と言ったら責められないわけです。

何故なら無関心な他者にも一人一人にパーソナルスペースが存在しているから。
喧嘩を止めに入れたり、転んだ40に手を伸ばせる人もいます。その人は、パーソナルスペースがきっと狭い人。

だけど、喧嘩を離れて見たり、倒れた40を避けて通る人もいる。パーソナルスペースが多分広い人。



私は後者です。



だから、なんだかこの本を読んで、後ろめたい気持ちになりました。
タイミング良く同じような実体験をしてしまっただけに特に強く感じます。




・・・ちなみにこの本は、密室内で起き、犯人はこの中にいる――の、いわゆる「雪の山荘事件」です。

趣向を凝らした作者の腕が光ります(^-^)面白いですよ(*^^*)
おおっっ!!っていう感動はなかったけど、読後、色々考えてしまいます。


ちなみに…

この本を読んだ双子さん達、現代社会で同じ犯罪をするのは不可能ですので思いとどまってくださいね(笑)



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嗤う伊右衛門    京極夏彦

2006-03-04 22:06:33 | 本♪
時代劇を見たり歴史小説を読むと、必ずといっていいほどそこに出てくる人々は、人を斬り、人に斬られる。

その度私の頭の中には、同じ疑問が生じます。

それは、
『なんでこの人たちこんなにも平気で人を切れるんだろうか?』
です。

毎日剣を磨き、敵を殺す技を磨く。
フィクションだけどあずみ観ても思うもん。
あの若さで人を殺めて平気でいられるんだろうか。

でも、よく考えたら年なんて関係なく、人を斬るなんてできないものだと思うんだけどね。

でも、その答えに誰が答えてくれるわけでもなく、
私は勝手に
『昔の人は今と違って平和ボケしてないし、それが日常だから案外できたのかもしれないな。』
とむりやり納得していたのです。


でも、その疑問の答えを、この本で知ることが出来たのかもしれない。


京極夏彦『嗤う伊右衛門』です。



題名に伊右衛門とあるように、これは伊右衛門とお岩の話です。
ご存知、東海道四谷怪談。提灯於岩。いわゆる、お岩さんです。

醜く顔の崩れた岩と、酒飲み女遊びのし放題、伊右衛門。
そんなこの四谷怪談の基本が、覆る位独自の視点で切り込んでいます。

京極夏彦の描く岩は凛として正しい。そして伊右衛門は、寡黙で謙虚。
この二人ならば、とても平安な明るい家庭が築けそうだ、と思う。

しかし。

周知の事実であるのは、お岩さんは怨霊だということ。
だから、絶対にハッピーエンドでは、ありえない。

悲しい、悲しい物語なのです。


なのに。


読後感はとても幸せで優しいのはどうしてだろう。
世界広しといえども、愛の描写をまったく用いずに、
こんなにも深い深い深い愛情を表現できるのは、京極夏彦だけではないでしょうか。

殆ど言葉を交わさず、幸せかと問いたら首を縦には振らないであろう夫婦生活。
愛してるだとか好きだとか慕っていますとかそういう言葉は一切ない。
交わすのは罵声ばかり。怒鳴りあい。夫婦喧嘩。


なのに。


お互いが愛し合っていることが、痛い位、悲しいほどにわかる。


この世には、言葉を尽くさないと伝わらない愛がある。
そして、言葉なんて必要ない愛。
そして、いくら言葉を尽くしても伝わらない愛がある。

この二人の形は、この3つのどれに当てはまるのでしょうか。

私は3つとも、だと思います。

だからこその悲劇でしょう。


私はこの本で、久しぶりに胸中かき乱されるような思いをしました。

悲しい、本当に悲しい生き方。
そして、背景に流れるのは、京極夏彦特有の、読み手を江戸時代にいざなうような空気感。
切ないです。



この話は四谷怪談です。
私は実は、怪談だから非現実的だろうと思って読み始めました。
でも、そう思って読み始めるべきものではありませんでした。
これは、江戸時代、日常化された情景だったのかもしれない。

やっぱりいつの時代でも人は弱くて、臆病だったのではないでしょうか。
だけど、明日のこともわからない日々、やらねばやられるような毎日。
人を斬って得る生。生まれながらに親の敵を憎むこと。

きっと今も昔も、そんなこと辛いに決まってますよね。

岩が伊右衛門を憎み全てのものを怨み呪ったのは、彼女が怨霊だからではなく

人だったから。

なのではないでしょうか。



この世には不思議なものなどなにもないのだよーーーーは京極堂の決まり文句ですが、そうだとすると、昔江戸の町に数え切れないほどいた妖怪や怨霊の類は、そんな時代に疲弊しきった人々の姿なのかも知れないと思います。
お岩がそうだあったように。



『何でこの人たちこんなにも平気で人を斬れるんだろうか』

平気でいられたわけではないのでしょう。



『嗤う伊右衛門』、読み終わるまではただ悲しくてどきどきします。
でも、読後襲ってくるのは切なさと優しさと、幸福感。
最後の1行を読み終え、しばらく放心してから、泣きました。   



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どすこい    京極夏彦

2006-02-13 17:54:17 | 本♪
頭捻り完結!!!



・・・と思わず膝を打ってしまいましたよ私。



京極夏彦『どすこい』です。
生真面目でデンジャラスな作家・京極夏彦の最初で最後(?)のお笑い中編連作相撲小説の登場です。


もう頭の中パンク寸前で(京極作品を読んだあとはいつもこうなのですが、今回はまた一つ違った意味で…)何から話したらいいのか良くわからん状態なのですが、まぁ一つ冷静に(?)作品紹介をばしたいと思います。



『四十七人の力士』

読み始めたという事実に、早くも後悔しました(´ヘ`;)何でしょうこの話は!!
何が言いたいのですか、あなたたち、状態です。
あまりにも内容の無い話にげんなり。
そこに唯一残ったのは「頭捻り(相撲技らしい)」への執着ですか…。
はぁ。


さて早くも憔悴しきった私は、この本をお風呂用に設定することにし、次の『パラサイトデブ』に続きます。


『パラサイトデブ』

相変わらず何がしたいのかさっぱりわかりません。
田力村を舞台に事件が起こる様は、ドラマTRICKに似ていないこともないと思いましたが、内容はもぅつまらないです。
・・・いゃ笑いどころはありましたが(^▽^;)

…言っちゃ悪いが本当に京極夏彦はどうされたのでしょうか…。



それでもお風呂で根気よく読み進め、遂に『すべてがデブになる』です。


『すべてがデブになる』

いゃあ、ここまできて言うのもなんなんですが、ここまで来なきゃ言えないんだからしょうがない。

これは……、好きでした♡

くだらない伏線が張られていて(くだらないけど伏線があるなんて小説っぽくなってきたじゃん!!)、くだらない伏線がくだらない形で回収されます。
いゃ、くだらないけどね、その回収作業は流石京極作品だなとか思いましたよ。
流石は生真面目作家京極夏彦、くだらない相撲本にも生真面目に取り組んでいます。

で、前章にもリンクしてきます。
中編集なので全て独立しているはずなのに(実際話の内容は全く違うし)、微妙に関わりがあるんです。
そこがウケ狙いなのでしょうか、よくわかりません。

全章にレギュラー登場の女性編集者・遅塚久美子さんの性格も確立されてきます。まぁ全て違う名前での登場ですが(一人の名前でこんなにレパートリー増やせるんだなぁと感心)。

とにかくこれはなかなか…といった感じで、やや軽い手つきで次の『土俵(リング)・でぶせん』に続きます。


『土俵(リング)・でぶせん』

これも全章とのリンクです。しかも間接的ではなくかなり直接的に。
話の内容はもうお分かりのように、ありません。

が、ここにきて「頭捻り」。
・・・「頭捻り」、しぶとく登場です。はぁ。


『脂鬼』

またまたここまできてなんなんですが、なんだかやっぱり京極夏彦さんは☆天才☆だと思い知らされました。

だって面白いんだもん。

面白いとは、笑えるの方と興味深く興奮気味に、の意味のどちらも含まれた面白さのことです。

これはもぅ、サクッと読んでしまいました(^-^)

時事ネタだから…と、文庫になるに際して「SPEED」→「あやや」にセリフが変わっている所も面白かった!そいえば『土俵』でも「綾波レイ」→「鋼の錬金術師」になってたなぁ…。

で、面白く読んだのですが、唯一気になるのはまたしぶとく登場、頭捻り…。
はぁ。



『理油』

文章構成なんかは、宮部みゆきさんの『理由』に似てました。だけは…ね。しかも途中から崩壊してます(汗)。

・・・さて、ようやくというか早くもというか、ラスト前の作品までたどり着きました。

今回の話は親子三代相撲大会に発展します。

くだらないのに…なのに…。

最後まで読んで、「読み切った~」という気分になりました。
中編集でありながら、長い一冊の小説を読み終えた気分。
そして長い一冊の小説を読んでいたとおもってみると、最初の方の作品があまり面白くなかったのにも頷けます。
どんな本も最初は問題提起でしかないから、そこに意味を見いだすことなんかできないんだし。

あらゆる世界の住人が、全く違う世界で右往左往しながらバトンタッチするようにテーマを次の章に繋げていく様は、見ていて小気味よかったですよ(^-^)

そして…


そして…


なんと言っても、「頭捻り」!!!


頭捻りここに完結せり。


私、もうそれだけで充分です(感涙)!!!
いゃ、泣いてませんけど。




ちなみに、もう解るとは思いますが、全章の題名すべてパロディです。
しかしベストセラーばっかり。
ただし内容は全く違うので、それぞれの作家さんのファンの方はご安心を(^o^)9



最後にもうひとつ。
お勧めですし面白いんですが…

まだ京極作品を読んだことがない人は購入を控えてください。

京極夏彦先生が「こんな小説家」だと思われたらたまんない!!!

私は京極堂シリーズしか読んだことありませんが、もう伏線は果てしなく緻密に張られているわ、心理描写は繊細だわ、時代背景・描写は完璧だし、背景には思想も盛り込まれ(勿論客観的にです)、私などはその美しい文体にいつも驚かされ感動し興奮するのが京極本です。

だから皆様、どすこいから入らないでください。。。笑
大作の息抜きとして読むのがお勧めですよ。
ちなみに、従来の京極本はちと苦手という人にもお勧めできます。



最終章『ウロボロスの基礎代謝』はあとがきとして一読されてみては。話は『理油』で完結してますので(^-^)


さて、この流れで次は…


『嗤う伊右衛門』いっときますか!!


貴方には買えないもの名鑑   原田宗典

2006-01-31 23:38:53 | 本♪
テスト終了です!!!
学校もあと、残すところ卒業式だけになってしまいましたp(;`ー´)q

いやはや、一時は焦りましたが、、、
テスト、大丈夫だったと思います☆


で、あまりの開放感に、今置かれている状況を「夏休み」と呼びたい(笑)。
この開放感に乗っかって、今回はちょっと、浮かれた感じになってみたいと思います♪

つまり、
どういうことかというと、、


今もんッの凄くアホになりたいのよーーーーょーーーょーーー・・・・・・



・・・ってことで登場するのが、原田宗典『貴方には買えないもの名鑑』
貴方には買えないものですよ。私には買えないものなんですよ!!
そして、名鑑!!!
どうでしょうかこれ、お客様こちらの商品いかがでしょうかこれ。

ナイスとしか言いようがないようなくだらなさが期待できるではないですか!!!



さてさて、頭の中を空っぽにするという準備は完了しています。
ひょーひょー♪
読むぞお!






いやー、驚きました。

この本、マジでくだらないわ。
期待していた以上にパンチの効いたくだらなさです。

もう、何をどう説明したらいいのか、どういってもネタばれしちゃいそうですが。

とにかく私には買えないものがずらり陳列されているといった趣です。
そして、手が出るほど欲しい!!!
何が欲しいって、商品名【気合】の例のアレです!!!
【ゴキブリチョウチョ】です!!!
いやいや、本当に欲しい。え?買えないんですか??問い合わせしてもですか?あ、そうですか、ハァ、ハイ。

中には絶対いらないようなものもあります。
そういったものは大体、大金積まれてもモニターにはなりたくないものばかりです。。。
モニターになってる原田さんはすごいなぁ。。。(笑)
エッセイなのか、小説なのか、はたまたただの冗談なのか・・・とは解説の長岡毅(イラストも担当)の弁ですが、そんなんどうでもいいんですよ、わたしゃぁ。とはっきり言えてしまうほど私の人生にとって意味のない本です。





褒めてます。





人生に疲れたそこの貴方。
疲れちゃいないが休みたい貴方。
コーヒーブレイクのお供に、この本を読んでみてください。

でも、本当はクリームソーダのアイスをすくいながら読むほうが楽しめます。




☆注

とてもとてもお勧めですが、本当にくだらないので、
購入の前に少し書店で立ち読みしてみた方が良いと思われます。
読む前の環境作りも重要ですよ♡(開放して欲しい、逃避したい現実が重くのしかかるものであるほど有効)

直木賞受賞☆☆

2006-01-20 17:16:57 | 本♪
何度も候補に挙がっておきながら、ずっと陽の目を見られずにいた東野圭吾さんが、ついに直木賞を受賞しました☆

私としては、「東野圭吾って、直木賞まだだったの??」(ノミネート5回)って感じだったのですが、
確かに直木賞って、必ずしも良い作品が取るわけじゃないしね。

以下に審査員の好みの作品を書くか・・・という「賞ねらい」の作品が要求されるわけですね。

とりあえず渡辺淳一は審査員から外すべきでしょう(断言)。
津本陽も、長編嫌いってありえません。
・・・しかし京極夏彦はかなりの長編なのに直木賞とってるしなぁ。ミステリー・・・。



しかし、伊坂幸太郎も大好きな私としては、彼が取れなかったのもまた残念・・・。
死神の精度、文庫になったら読みます。
ちなみに彼の作品で読んだのは陽気なギャングが地球を回すです。

恩田陸は、6番目の小夜子読んだけど、凄く・・・いまいち。
あんまりスキじゃないかもな。



さて。
晴れて直木・芥川受賞した方の本は文庫になってから読むとして。

今日は、ドラマ白夜行についてです。
直木賞作家(←太字で読んでください(笑))東野圭吾原作のドラマです。



あらすじを見た感じでは、切ない展開が期待されるストーリーですが、原作と少し違う所もあるようですね。原作は、ドラマが終わってから読みます。


りんが今回最も感じたのは、俳優さんの演技の上手さ!!!
特に、山田孝之君と、福田麻由子ちゃんです。

山田孝之君
好きな俳優さんの1人です。昔やってた漂流教室のイメージが強くて、陰のある優しいひとって感じがします(りんの萌えポイントはこの一点に絞られています。竹野内君もここに該当♡)。
今回の亮二も、そんな感じ。
優しくて非情になりきれない感じとかね。

それにしても、演技が上手いです。
綾瀬ちゃん演じる雪穂との再会のシーンとか、かなり感動しました。
雪穂にすがりつくように抱きしめるところとか、哀し過ぎます・・・。
そして、皆さんも思ったこととは思いますが、ゴミ箱の横で緊張と恐怖に息を殺すとこ、上手いですね。
ハサミかっしゃんかっしゃんやりながら「殺しちゃおうかな~」言ってるとこも!
感情高ぶると舌ったらずになるところも!!!

上手いな。

話もさることながら、山田君の演技の上手さがこの話の重みを加えているんだと思う。



福田麻由子ちゃん。
もともと、麻由子ちゃんのことは好きだったんだけど、今回さらに好きになったよ。
正直言って、綾瀬ちゃんが可哀想になっちゃうくらい、この子は上手かった!!!
なんというか、麻由子ちゃんが演じる雪穂は、どんな境遇にもまけないような強い意志を感じたんだけど、綾瀬ちゃんの雪穂は、ただ耐えるだけって感じしかしないの。きっと、目が違うんだろうな。
どんな大人になるのでしょう。大物になりそうだな。



・・・そんな上手いキャストを迎えて、タイミングもバッチリに直木賞作家原作で。

愛することが罪だった 会えないことが罰だった、というあおり文句にもあるように、殺人事件にハッピーエンドはないんだなぁと改めて感じる、切なくて哀しい話。
亮二と雪穂の再会のシーンの会話、泣けました。私、感情移入しすぎています。

・・・来週もたのしみだなぁ(*^^*)

絡新婦の理    京極夏彦

2006-01-06 01:04:56 | 本♪
「あなたがーーーー蜘蛛だったのですね」


この一言から始まり、この一言で終わるのが、今回の京極堂シリーズ第5弾。
読み終えた後、誰もが(多分読んだ人は全員が)黙って、直ちに冒頭に戻るでしょう。
そして、そこで気づくはず。京極夏彦、天才です、と・・・。

皆さんも、神業、一刻も早く堪能してください!!




さて。
作品についてです↓


私…、この本にはまりました、感動しました、はらはらしました!!!・・・でも一番の表現は…凄く凄く凄く…のめり込んだ!!!でしょう☆なんか、夢中になって読んでしまったもん。


織作家の女系一族、閉鎖的な女子寮、娼婦に降りかかる事件、目潰し魔事件、絞殺魔事件…どの事件が本筋なのか、主体が誰なのか、要点が何なのかが全く掴めないまま、『場』が幾度もくるくる変化します。

つまり、同時進行で(あるいは過去に遡って)、全く別の事件が起こり、全く別の人々が、全く別のアクションを起こします。その様々な事柄は、蜘蛛の巣のように方々に張り巡らされており、最終的には一つの場所に集まってくる。

つまり・・・・・・伏線の量が半端じゃないっす…!!!
その様は、もう、芸術に近いと言えましょう☆

・・・あ、ちなみに伏線が半端ないってことは、大筋は勿論、小さな事柄も何らかの形で絡んできます。
「うわ、前にこの人が言ってたあれってまさかこれの事?」とか
「なるほどだからこの人こんな風に言ってたのか!」とかね。こういうのがかなりあります。
小さな事柄は、筋には関係ないものが多かったりするため、そこを読み飛ばしていたとしてもチンプンカンプンにはなりません。
でも、しっかり読み込んでった方が小さな複線や関連性に気づけて楽しいと思いますよ☆彡(それにしっかり読まないとやっぱり話についていけないし・・・汗)

しかし・・・話の筋に関係なくて読み飛ばしても平気な箇所にまで、伏線を張るって・・・凄くないですか??!!



そんな中、主役の京極堂…こと中禅寺秋彦が現れるのは、実に301ページ目(しかもこの時点では名前しか登場しない)。←ちゃんと出てくるのは、408ページ目(笑)

基本的に京極作品は、事件を直接的に形どる事柄の出現や主要登場人物の出現をもったいぶる傾向があります(笑)。だからでしょうか、敦子ちゃん、和寅くん、増岡さんなど、主要キャラが登場するとがぜんワクワクしちゃいます☆ページを捲る手も早くなります☆☆
1人1人がまさに、満を持しての登場、なわけ!!

中でも特に感じたのは、木場や榎木津や中禅寺がその場その場に現れるタイミングや演出!本当に心躍りました☆
出た出た、ついに出た!!!さて・・・何をやらかしてくれるのやら。という感じです。
そして、ちゃんとみんなそれぞれに、やらかしてくれるわけですね。

シリーズで読んでいて、このキャラが大好き♡っていうのが確立している人は特に楽しいかも(関口君ファンは大荒れでしょうが)。確立していない人は、この本で確立するかも♪



最後に。

蜘蛛が誰か知りたいなら巣に掛かるしかない、かかったら手足に糸が絡み付いて二度と抜け出せない、そして蜘蛛の姿が見えたときは蜘蛛に食べられる時である・・・…わかりやすくいうとこの本はこんなタイプの話です。

だから、
事件解決の際、名探偵(またはそれに準ずる人)が現れて、ほいほいっと解決に導く時、水面下に貼られていた伏線が浮き出てくる。そして、読み手はまさに光が差し込むかのように真相を手に入れる。。。という、トントン(話の進む音)、さーーーっ(解決する時の音)、という推理小説が好きな人には向いていないと思います。(私はこっち系もかなり好きですが)
この本は、主要人物が現れなくても、彼らがてんで役に立たなくても、事件を取り巻く人々は、本人のできる範囲で自主的に事件を解きあかしていきます。出来ることは自分で解決、効率的です。『探偵待ち』という言葉は存在しない、自立してます。
この本に至っては、誰もが当事者であり、被害者であり、首謀者なんですね。



本作品はシリーズ5作目なので、前作のいくつかを読んでからの方が良いと思います。
私は、1作目の姑獲鳥の夏、2作目の魍魎の匣をよんでから読みました。
魍魎~の内容が結構絡んでくるので、魍魎の直後に絡新婦いくと良いかと思います。

ちなみに、うぶめのなつ、もうりょうのはこ、そして今作品は『じょろうぐものことわり』です。


ここ見てみてください☆
レゴで再現した絡新婦!!!かなり楽しいですよ。本を読んでからどうぞ♡

超・殺人事件~推理作家の苦悩~    東野圭吾

2005-12-10 11:33:42 | 本♪
りんは、ここ最近ミステリー小説にはまっています。
昔は推理ものって『限られた空間で殺人事件が起き、難解なトリックを名探偵と思しき人物が解き明かす』スタイルのもの!って決め付けていました。
そんな先入観があった頃は、勿論推理小説など手にした事は無く、ミステリーはもっぱら漫画で読んでいました。
でもやっぱり、そういうタイプのミステリーって、一度読んだら、つまり種も仕掛けも分かっちゃったら、全く無用の長物と化してしまう。
だから、結局買うことも無い。

この悪循環、突破したのは岡嶋二人の明日天気にしておくれです。
人が1人も死ななくても、めちゃくちゃ面白いミステリーは成立するってことを教えてくれたのは、岡嶋二人です。
トリックも、そうくるかーー的な要素がふんだんで、「探偵にしか分かりえない」ややこしいトリックじゃなくて、とにかく一緒にはらはら、わくわく。種明かしにも、大興奮。
(・・・コナンとか金田一君も、面白いとは思うけど、謎解きの感想は「・・・へー・・・」って感じだもんね。)
そんなりんですが、今では面白いミステリーに囲まれる生活♡
どれもこれも「うぅーーーん。うまい!!!」とうなります。


今回は、そんなおもしろーーーい推理小説の存在を前提として。
ちょっと視点を変えてみました。

東野圭吾の「超・殺人事件」です。
短編なのですが、題名の通り毎回殺人事件が起こり、副題の通り毎回推理作家が苦悩します。どれもこれも、「どへーーー」といった感想。
超税金対策殺人事件、超犯人当て小説殺人事件、超高齢化社会殺人事件・・・どれもこれも、「どへーーー」(この言葉でしか形容できません・・・)。

今後、推理小説を読むとき、「この面白い小説の裏では、作家さんがあんなことしたり、こんなこと葛藤したり、時にはこういうことしちゃってたりするんかーーームフフ♡♡」みたいな気持ちをいちいち持ってしまうのでしょう・・・(笑)。

描写があまりにも突飛で皮肉なので、現実の推理小説界では全く受け入れられず、その事実を裏付けるように文庫本なのに解説がありません。つまりどの作家さんもこの本についてはコメントしたがらなかった・・・ということ?

私としても「どへー」としか解説できていないんだもん、それもわかる気がします(笑)東野圭吾は、近未来トリックがお好きなのかと思ってましたが、今回の小説を一言で表すなら、「来るところまで来てしまった・・・」でしょう。。。

でも、ニヤリとしたい方、お勧めですよ☆彡