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りんのお散歩

一児の母になりました。
のんびり、ときに激しく語ります

聖なる黒夜               柴田よしき

2007-02-11 15:01:11 | 本♪
言霊、という美しい言葉があるように、
私は言葉には、暖かな安らぎの力と同時に、暴力的な力さえもあると感じる


けれどそれと同時に、言葉には何の力もないんだと思い知らさせたのが
「聖なる黒夜」です。



例えば
「消えてくれ」という言葉の裏に抑えられない程の熱情が込められていたり

「好きだ」という言葉には、諦めだけが内包されていたり。






この物語は、人から言葉を取った時に残るもの、そのものだけで構成されたものです。


私から魂がすっかり抜けてしまうほど、痛くて、切なくて、苦しくて、愛しく、もどかしい、やるせない物語です。







誰かと繋がりたいと感じるとき、頭の中にはなにがあるのか。


打算がある、欲望がある、独占と支配、利用価値、そして自己満足がある。
なのに愛情も優しさも与えたくなるから、そこに矛盾が起こる。



その矛盾から目をそらしたいから、人は何かを諦めるのかも知れない。




そしてこれは、諦められなかった人間の話。










そういう精神的な描写の「巧さ」があって、でも
それと同時に勿論、ミステリーとしても間違いなく一級ものです。
すごいハラハラするし、ドキドキするし、
先が気になるし、謎解きも見事。



そして、

場面場面の情景が目に浮かぶような筆致。
う~ん、映像化して欲しいなぁ…
間違いなくR18でしょうけど(笑)。


さて、

人物みんなそれぞれめちゃくちゃ魅力的なんだけど、中でもやっぱり練がきれいどころ(笑)なので。
つまり練の役を演じるのが誰になるかが、映画化成功にむける最も重要なポイントになるわけなのです。

で、ひとりああでもないこうでもないと考えを巡らせていたわけです(暇人)。



ちなみに練はどんな人物かというと

純粋すぎる感性
無邪気なしたたかさ
思わず守ってあげたくなる弱さ
負けず嫌いで毛の生えた心臓の持ち主
一途で愛情が深くて泣き虫
かなり綺麗な顔立ち(幼く見える甘い顔)
天才的な商才を持つ、頭脳明晰さ


なわけでありまして。
ほんでもってお酒がめちゃくちゃ強い。



まぁそんなこんなでワタシ的・練候補としては、

山田孝之
安藤政信
藤木直人

あたりでしょうか




ただ、
山田孝之は見るからに影を背負いすぎてる
安藤政信は真面目すぎる
藤木直人は優しすぎる(甘すぎる)

ということで、結局は却下。



ふむふむ。どうしたものか。

とか思いながら本屋で見つけた雑誌の表紙。




どか~~ん。




発見。そして決定。


松山ケンイチ。


映像化の際にはひとつ、練ちゃんは松山ケンイチでお願いします。



いやはや、マジでピッタリ!ドンピシャリ!!!

影があるけど重くなくて、優しいけど冷酷で、無邪気だけど嘘つきで、強いのに脆くて、汚れているのに無垢で。

うんうん、パソコンもなんか似合う。
勘も良さそう。



ん~~~~っ

良いね!!!






……などと、考えたところでなにも起きないことに頭を悩ませている非生産的な私ですが、

だってしょうがないじゃん!!!(突然大声)

正直言わしてもらっていいなら今、私本気で寂しいんだよ!!!


なんでもう彼らに会えないんだ私。



なんで小説には終わりがあるんだろう。



今までかなり興奮しながら5分でも時間があったらページをめくり続けてきたわけなのですが、残りのページが少なくなるにつれ
「早く最後まで読みたい!でもまだ私、彼らと別れたくない!!」
って。


読み終えた今、なんとも言い難い虚無感が私を取り巻いていて。


読み終えた人がみんなそうなっちゃうくらいに、「聖なる黒夜」に出てくる彼らには血が通っていて、質感があった。

何不自由なくのほほんと暮らしている私が言うのはおかしいんだけど、ずっと彼らの人生に付き合っていけるような錯覚まで感じた。





寂しいな。













愛するとは何か
そしてその愛にはどれほどの真実があるのか

真実とは何か
そしてその真実にはどれほどの意味があるのか


人が人であることのもどかしさを、感じずにはいられない。

パーフェクトプラン           柳原 慧

2007-01-17 23:45:00 | 本♪
ミステリーずきが本を買うときに、かなり信頼できる情報源。

このミスこと「このミステリーがすごい!」が、それにあたるということは既に周知の事実なわけで。





だからまぁつまりは、このミスで大賞取ったとなっちゃ読まない手はないわけで。



読んだわけっす~、パーフェクトプラン。












やっぱり悪党はいい!!

「陽気なギャング」ほど明るいワルじゃないにしろ、このパーフェクトプランに出てくる4人組(+2人)はなかなか憎めないわけで。



誘拐を大筋に、代理母、美容整形、ES細胞、幼児虐待、ネットでの犯罪行為と、現代特有の影の部分を扱っているのにも関わらず、




「こいつら……

いい!!!!」




なわけであります。









私的には
「卵子を提供した彼女と、お腹を痛めた私と、どっちが母なのであろー」

を、勝手に課題として読んでいたわけですが。


ほんで、


泰夫と龍生にも言えることですが、
「親子とは、何をもって親子となりうるのか」

という点が論点だったわけですが。(私的に)






どちらが親子と言えるのか、は、
ラストできちんとまとめられています。




でも、それは、この本の中の彼らが導き出した答えでしかないわけで。




はい。


結局は人それぞれ、ってことです。



人それぞれ。ケースバイケース、というか。

誰しも同じ人間じゃないから、
人によって心地いい形が少しずつ微妙に違うんでしょうね。



そしてその中で、

答えが見つからなくてもわからなくても、ちゃんと個人が個人に一番合った型にはまっていく…
それが人間の強さであり、たくましさなのだと感じたりしました。







それにしても、誘拐騒動はかなり早い段階で締結しますので、そこから先はまさに「人間劇」です。


「まとも」とは何か。









色々なことが紙一重になっている世の中で、
理性と狂気が隣り合わせの世の中で、



龍生の愛情の深さと、ラストに流した泰夫の涙こそが、その答えなのでしょう。

13階段 高野和明

2006-12-31 12:18:55 | 本♪
ミステリーって、仕掛けや展開だけではなく、作家さんの質感やタイプもかなり、作品の評価に左右されると思う。





とにかく興奮気味に読み進める本に…



ほんっっっと~~~に











出会いたかったぁ~~~。



だから…『13階段』との出会いは、まさに感動っす~!!!









いやもう…、なんて目が離せない、スリルある展開。なんて鋭い観察眼。なんて人情味溢れる人物描写!!!





何度も裏切ってくれます、いい意味で。


「あれ?もしかしたらこういうことかな」って中盤で先が読めたあなた!
ご安心ください、それじゃありません。

「おっ。こういうことだったのか!!」と後半にて閃いたあなた。
大丈夫です、それでもありません。




中だるみが本当に一回もなくて、勢いがあって、「すごいっす~」の一言です。






でも、わたしがこんなにはまりまくり寝る間も惜しんで読みまくった理由は、実は巧みな人物描写によるものだったんだなと思うのです。



思いっきり重いテーマなのに、重たくならない。
主題を楽観視したり、奇麗事を並べるような軽さは勿論ない。


微妙であり絶妙なさじ加減で、三上が、南郷が、樹原が、存在している。



チョイ役ででてくるたくさんの人物も、どこか暖かくてユーモアがあるのもなんだかほっとして、嬉しかった。





そういうふうに全体に漂って心地いい空間というか、空気。



そのおかげで、読んでいる私としては
「重…重い………」ではなく、


「………深いなぁ~………」



となったわけです。






考えるべきことはたくさんあるから、頭の中や心の奥では色々な気持ちが渦巻くのだけど、それは重さではなく深さなんだよね。



久々の、匠の技です。





テーマを掲げて、自分の意見を押しつけるのは簡単。特に、扱うテーマが重く暗い場合は、文体もタッチも深刻になりがちだしね。
だから、個人の主観を入れずに描くのはかなり難しい作業なのです。


そしてこの作品はというと、勿論後者なのです。



押しつけられない。
押さえ込まれない。
考えを改めるのも自由、更に深めるのも自由。




だから




読むべきです。これは。




でもどんなに考えても、やっぱり悩んでしまいます。



私がこの世のすべてではないように、この世の全ては私ではないから。


あらゆる人にそれぞれの立ち位置があり、それぞれの立場があるから。








う~ん



深い。




良い作品は、重いのではなく、深いのです。





本当に、久々の星三つ!!!

8の殺人        我孫子武丸

2006-11-14 20:46:05 | 本♪
最近、良いミステリーに出会わなくなりました。



今までチェックを入れてた自分の好きなタイプのミステリーは一通り読み終え、最近は書店で本棚とにらめっこの末に手に取ることが増えました。

このやりかたって、なかなか良い本に巡り会いづらい。

盤上の敵やクラインの壺を読み終えたときの興奮を、もういちど味わいたいものです。






で、本屋にて自分で選んだミステリーがあまりにも不作続きだったため、最近はエッセイなどを読んで食いつないでいました(小説中毒)


といってもいわゆるオシャレなエッセイみたいなのは苦手なので、活字マニア・三浦しをん(最近直木賞作家になった)のエッセイや、J・ヘリオットの獣医エッセイを読んだりしてました。




その二つがなかなか面白かったので、
ミステリーにこだわらないでこれからはエッセイとかもっと読んでいこうかな~
などとも考えたのですが、










ごめんそれ撤回!!!









そろそろ久しぶりにミステリーでも読むか~ということで手に取った「8の殺人」。



読みながらドキドキしてしまった。







だぁ~(意味不明)



私…
やっぱりミステリーマニアだ~!!!



ミステリー読んでいるときはもう。。。

読書タイムが楽しくってしょうがない。







「8の殺人」は、本屋でなんとなく手に取ったものだったので私が今まで面白いと思ってはまってたタイプのミステリーとはちょっと違ったのですが、
でも楽しかったです。



今まで読んでたやつは、トリック自体に感動する…というか、謎解きではなく謎自体に興奮する…みたいなのが多かったのですが(こういうミステリー書ける作家さんは天才)、
今回のは謎解きに重きを置いています。

だから、今までのような爆発的な感動は無かったのですが…




でもやっぱりミステリーは面白い!








あ~
まだまだ私が出会っていない、超超興奮するミステリー…





出会いたい!!!







ある一点に達したときに、突然霧が晴れたように今までの話がつながっていく…

そういうの。







ないすか???

はじめの一歩(未完結)

2006-10-19 19:33:47 | 本♪
あの感動的なラストシーンでパトラッシュがネロを呼ぶよう声のように、切なげな声で呼ぶのはあなたの名前。





あなた無しでは生きていけないんだよぉ。







この芳しきは恋の香りなのか。



あぃや~~~
宮田くんラブ!!!!



久しぶりに恋しました。2次元恋愛。

「はじめの一歩」に出てくる宮田くんがもう好きすぎて好きすぎて。






割と2次元恋愛しがちなわたしではありますが、
今回ばかりはかなり重症です。


マンガの資本家でもある兄の部屋に2、3時間居座り、迷惑省みず語る。

このマンガを読んですらいない母の横で、聞かれてもいないのに語る。




この話題では常に目尻下がり気味な私は、

「宮田くんがカッコ良すぎて溜まらなさすぎてますわ~~!!!もう文句無しですわ~~~!!!」

と、妙なテンションで盛り上がる。







と。




そこに
「宮田だって、色々苦労してんだよ」
と、何故か突然知ったような口を利く兄。





何なのよ!!あんた宮田くんの何なのよ!!!






「完璧で最高な宮田くんがどんな苦労してんだよ!!!」
と怒り露わな私。




それに続いたのが兄の言葉 ↓









「……マンガ読んでる女に好かれたり」


















あ。


痛い。
それ痛い。



………そりゃあかなりの苦労だわ。






ごめんよ宮田くん。
いつかきっと……た…多分、、いつかはこの熱も冷めるだろうから……もうしばらく苦労人でいてくれよぅ。








で。


何故こんなにも宮田くんにはまってしまうのか、のテーマについて、今回私なりに考えてみたのですが(試験前の体でこんなことを論じるのもアレではあるが、こればかりは…止むを得ない選択とも言える)、結構面白い結果がでました!




まぁ、基本は、はっきり言って宮田くんがかっこいいから♡の一言にて始終するのですが、今回は更に突き詰めてみたんですよぉ~~~。



で、わかったんですょぉ~~!!!





読者(私)を魅了する宮田君の秘密


一歩(主人公)が宮田くんにベタボレだからなんですよね!!!

一歩にとっての宮田くんは、最大のライバルであり、最大の憧れであり、(勝手に)友達でもあります。
だから、宮田くんの試合を観ている一歩は、常にポー・・・♡っとしてしまってます(笑)




そして、宮田くんもまた、一歩との戦いがしたいが為に、ウェートを変えることなく、キツい減量にも耐えてフェザー級に居続ける。




なんといういい関係!!!

そして、こんな風に、一歩の宮田くんへの憧憬の気持ちこそ、宮田くんの魅力を二倍三倍にしているものなのではないでしょうか。と、思うのです。







はい。
只今77巻読み終わりました。もうすでに穴があくほど読んでますが。




いゃあ~~~~宮田くんの謎の行動の理由が気になりますね。
結構マジで眠れなくなるくらい気になってます。
複線はないものか、と読み返したりしてます。(1巻で怪しいシーン発見(笑))。









宮田くんの謎の行動の理由とは、について私が兄と(無理やり)話し合った内容↓




「宮田くんなんであんなこと言ったのかなぁ~~。不可解すぎるよ。やっぱあのタイ人関係だよね!!」




「出生の秘密だよ!!親父関係に違いないな!!生き別れの親父にまつわる……」













あのぅ………



宮田くんのお父さん、優秀なセコンドとしてほぼ毎日宮田くんの隣にいますけど………















☆*:・°















だめだ、





ここまで書いといて何なんですが、

なんて…なんて面白くない日記なんでしょうか。
























お~~い。

誰かいますかぁ~??




こんなところまでカーソル持ってきてくれている人・・・


……いますかぁ~??










あ、いたいた。




こんにちわ、どうも☆

ありがとうございます。
こんなところまで足を運んで(カーソルを下げて)くれるなんて、
感謝感謝です。










お礼にちょっくらご一緒にラーメンなどはいかがですか?





私のうちの近所のラーメン屋で、マガジンでもひとつ。
マガジンのついでに、ラーメンが食べられます。








ちなみにマガジン、只今宮田くん試合中。

ハチミツとクローバー          羽海野チカ

2006-10-01 22:20:29 | 本♪
私の青春が終わってしまった・・・





というのはちょっとオーバーかも知れないけど(笑)


でも、一緒に大学生活を謳歌したハチクロのメンバーとの別れ・・・




切ないなぁ。。




ほんわーーとした絵で、和ませてくれて、話もとっても温かくて、
なのになのにとってもリアル。

大学生ってみんなこんなだよね。
あー、みんなを集めて飲みに行きたい。
みんなでもう一度笑い転げたい。


学生生活の中でも、大学生活ってなんか特別。
みんな自由で、のびのびしてて、
午前中バイトしてから授業に出たり、
友達の休みの日にはその子の分も代返したり。
授業の空き時間に映画見に行ったり、ゼミ室にたむろしたり。

だけど、みんな大学まで来る子達だから、
どんなに遊んでいるようでいても、基本の基本はしっかりしてる。
なんだかんだいってももう大人なんだね。
なんというか、ハメの外し方も、刹那的じゃないんだよね。


だから、私にとってもとても居心地のいい場所でした。





そんな大学生活を、一緒に過ごしてきたハチクロの皆さん。
彼らの大学生活も、もう本当に楽しさを凝縮させたようなのびやかさで。

大体のことにおいて、「あるある!!」とか「いるいる!!」と思わせるようなことが多くて、
新刊が出るたび欠かさず購入していました。



最後の巻はなんだかまとめにはいっていたので、
いつもみたいな興奮(笑)はなかったのですが、
ラストが凄く凄く凄く、

もう本当に泣けて。
久しぶりにマンガで号泣。







最後の巻はまあいろいろですが、


特に、
永遠のテーマである(笑)男女の友情について、信じてみたくなります。







そして、



人はどこまで素直になれるのか。
人はどこまで優しくなれるのか。






その答えがここにあります。








きっとまた、はぐは森田さんと同じ世界に立つ。

また同じ世界で生きていけるから、
一緒に歩いていくことはなくても

寂しくはないよね。







「私もずっとあなたの事見てる」



その言葉の意味は、深い。

人生激場          三浦しをん

2006-09-25 20:23:13 | 本♪
最近読みたい本が減ってきて(読書熱はあるのですが、読みたいと思う本がない。。。本選びのスランプに陥っています)、最近悲しい。。

心熱く興奮が抑えられないそんな最高のミステリーになかなか出会えないのは、あまりにも好きな作家さんに偏りすぎたためパターンに飽きてきたのと、情報源が少ないことに起因しています。




私にとって面白い本とは、もうとにかくトリック(というか仕掛け。しくみ)が鮮やか過ぎてぐうの音も出やしません!!!って時。

ミステリーは推理とイコールではないと思っているので、人が死ななくても推理しなくてもいいのです。
ただ魅力的なキャラクターが魅力的な舞台で活き活きと踊りまわり、うえっと目を見張るようなラストのどんでん返しさえあればいいのです。
むしろどんでん返しという言葉すら的確ではない。
ある一行(時には一言)を境いに、世界観がまるっきりかわる。
世界の色が違ってくる。

何でいままで私こんな事思ってたんだろう、って思う。その一行を過ぎると。
でも、真剣なんです、その一行までの私も。





話が長くなりました。






つまり本は読みたいのに読みたくなるような本に出合えず、読んでみたってそんじょそこらの本じゃ唸るような感動も覚られない、スランプのまさにドツボにはまりにはまった挙句、にっちもさっちも行かなくなって半ばやけくそ、こんな題からして私が期待しているようなミステリーでは絶対にありえないギャグエッセイに手を出してしまったらしいですよ、このお嬢さんは。←一気読み。せぇぜぇ。






で、いかがだったかというと。



立ち読みしたら凄く面白かったから買ったというのに、何故か、もう一つの方の本を買ったんですよ。何故か。


買わなかったほう(立ち読みした方)のインパクトが強すぎて(笑)。やっぱあっち買っとくべきだったかなーー。


・・・でも、これも面白かったけどね。





どんな内容かと言うと、かなり毒を吐く筆者の回りで起こるマニアックな日常。。。でしょうか。


面白いのは白鳥の話とか、ガンダムの話とか。特にガンダムの話は妙に納得(笑)。

全体を通していえることは、凄く笑えるけどその笑い方はあくまでも「ニヤリ」、みたいな。
「あはは」でも「きゃはは」でもありえない、みたいな。





褒めてます。



ちなみにお勧めは「救助犬」。泣けます。
健気で純粋な犬もさることながら、消防隊員の優しさも沁みます。

これだけでも立ち読みしてみてね(*^^*)g




さて。
そろそろそろそろ、、、、ミステリー。

ラッシュライフ           伊坂幸太郎

2006-09-05 19:42:48 | 本♪
ラッシュライフ。これはきっと人生の本。




分岐点に迷い、猛ダッシュで振り切り、発車電車に駆け込み、時には誰かを改札で見送る。


愛してくれる人に出逢い、許しあえる友に出逢い、師となる人に出逢い。
増やしたり減ったりしながら私の人生は続く。




忘れてはいけないことは、今隣に座った彼にも、斜め前にいる彼女にも、私が持っているのと同じ位、劇的でリアルで無情で優しい…そんな人生があること。

大好きなあなたにも、大嫌いなあの子にも、人生があること。




人との関わりは出逢いではなくめぐり逢い。めぐり逢いではなく、交差。










なんでだろう…伊坂幸太郎の作品を読むと、いつも抽象的な感想になってしまう。
一言では言い表せないっていう感覚なのに、私の持つ言葉なんかじゃ語りつくせない・・・って感じ。
ミステリーなので謎もあるしハラハラもするし、わくわくもするんだけど、
それよりなにより「こんな風にして人は出会うのか。」ってちょっとかなり感動でした。
私が体験してきた数多の出会いも、こんな風に出来ていたものだったんだな。






出会うはずではなかった人に出会うことがある。
出会うべくして出会った人がいる。








出逢いは一瞬でもいい。

私が出逢う誰かの人生は、もう始まっている。

豆腐小僧双六道中ふりだし         京極夏彦

2006-06-24 18:03:03 | 本♪
その本さ、、
一体、どこからどこまでが題名なのかわからないよ。



…と何度言われたことか、豆腐小僧双六道中ふりだし。


さぁみなさまお立ち合い、楽しい愉快な珍道中、豆腐小僧のお噺の、始まり始まりでございます。





一昨日ロードオブザリングを地上波でやってましたが、紙の中のこちらの世界(豆腐小僧)も、映画に負けず劣らず大冒険でしたよ~。
彼に珍道中は、日にちに直したら3日程度しかたってないのですが、いゃあなんと一日一日の内容の濃いことか。

豆腐小僧は生まれたばかりも当然、の子供。
実際、子供の一日って、これくらいたくさんのものに出会ったり触れたりするんだろうな。なんて思いながら見てました。



さて、

豆腐小僧が出会った様々な妖怪(みんな人が良い)、奇怪な出来事、お節介な仲間とそれぞれの価値観、存在意義。
そして彼ら妖怪の存在を証明しているもののあやふやさ。



哀しいね。



「だって、居ないから居るのがおいらの居る理由だもの」



なにかが目の前を通った気がする、でもよくよく見回すと誰もいない。
そういうときに妖怪が生まれる。つまり、居ないから、居る。それが妖怪。



哀しいね。




このお話は、京極夏彦の確立されたお化け観が前提であり主題でもあるのですが、妖怪たちはその前提をちゃんと弁えているので、その前提が《お約束》として無理なく生きています。

相変わらず緻密で矛盾のない設定のもと作り上げられる世界なので、突飛な世界もなんでか説得力がある。
でももし京極夏彦のいうようなお約束のもと妖怪が生まれるのだとしたら、この世の中妖怪だらけですね。いや、そうなんだろうけどね。うん。
そう思って暮らしてみると、毎日が面白くなる(ё_ё)


でも、やっぱりどこまで行っても人の敵は人なんだってことを思い知らされます。
いつの時代であっても、どんな場所であっても。
そこに人がいる限り、最大の敵は私であり、あなたでもある。




京極夏彦の小説は、なんとも個性的なキャラクターが多く登場しますが、今回もかなりバラエティー豊かに取り揃えております。


私はなんと言っても久太郎狐が好きです♡



しゃべり方も好きですが、九太郎狐が憑いている久助もあれでなかなか良い青年なのです(妄想含む)。
いい子なんだなぁ・・・(遠い目)。
・・・なにやら、非行に走った少年を昔から良く知る人のインタビューみたいになってますが(笑)
いい子なのよ、本当は(笑)。

ちなみに出番多くないし見せ場も特にありません。



・・・。







そんな久太郎狐を筆頭に、いつでもどこでも見得を張る狐たち。
そんな狐を見てうんざりしている豆腐小僧一行に向かって、しれっと言い放ちます。




「要所要所で格好つけないで人生どこが面白いんだ。」




ごもっとも!





でも、本当に確かに狐たちのシーンは面白いんです。

人間の頭上で繰り広げられる大騒動。豆腐一行巻き込んで、ああだこうだの引っ張り合い。

それが人間たちと頭上の狐の連携ドタバタ劇場(…勿論人間には無自覚ですが…)に発展して、かなりかなり笑えます。言っとくけど大爆笑です。




そんなこんなで、
話が膨らむだけ膨らんで、収集つくのかしら…?と思案もしましたが、そこは京極夏彦。



最終的にはピリッと精神的な解決が得られるわけです。








題名通り、ふりだしに戻る…ような終わり方ではありましたが、妖怪の世界はいつでも、ふりだしのひとマスにしか存在しないのかもなぁ。


豆腐小僧双六道中あがり、とか…






変だよなぁ。

百器徒然袋――雨          京極夏彦

2006-06-07 19:51:17 | 本♪
「そうだ!僕だ!お待ちかねの榎木津礼二郎だ!」

容姿端麗・頭脳明晰・元子爵家御曹司。
本編でも大人気!の榎木津が、満を持しての登場です。


かなりの面白さだったっすーー!
京極堂シリーズよりも又一シリーズの方が好み♡と言っておいてなんですが、
やっぱり最高です、京極堂シリーズ。

話の内容としては断然又一シリーズのほうがいいですが(難しい説明が比較的少ないし、物悲しい読後感も絶妙)、キャラクターは京極堂シリーズ・・・向かうところ敵なしです。

うん、だから京極堂は、キャラ萌えします。



私は中禅寺も好きだし榎木津も好きだけど、ダントツは木場でっす!
カッコいいこと火の如し。
"全然まともな奴がいねぇ"京極堂シリーズの面々ですが、
木場ちゃんは・・・ちょっとだけマシなんです(笑)。

ちゃんと人の話も聞くし、状況把握が早いし、常識人というか、ちゃんとした大人なのです。

ま、信念を曲げないとか喧嘩っ早いとか融通が利かないとか色々困ったところも多いですが(;^_^A


で、そんな木場萌えの私にとって実はこの本、「どーでもいいわい」だったのです。
だって、指揮官榎木津だし。
榎木津興味ないし。


しかし



面白かったぁーー( ≧∇)ノ"



榎木津にとって、「仲間」はおらず、自分を取り巻く人間はみんな「下僕」だから、絶対わたしなんか仲間にはなれないのでしょうから、
あえて仲間に入りたい!とは言いませんが。

でも、彼らの輪に入らないと、めっちゃくっちゃ疎外感があるのです。

「結局、あなたは傍観者でしたね」
といわれている気分。


それこそ、片足突っ込んだ位で仲間なんて言ってはいけないのです。



っていうか、のめりこんで付き合わされて巻き込まれてこき使われても、
最後には
「君には関係の無い話ではないか」な空気。




(-"-)




役割があって飛び回ってピンチに見舞われてさんざんな目にあっても
最後には
「なんでこんなところにいつまでもいるんだ」な、雰囲気。




(-"-)




いいかげんにしろぃ。




ってなことで、悲しく悔しい疎外感に悩まされないためには
かなりの覚悟を持って

「一味」

に、入らなくてはならない。


悪者じゃないけどいい人でもない。
同じ目的のために動くけど、お互いが仲良しなわけではない。
だから、仲間ではなく、一味。

一味って、そういう関係に凄くしっくり来るね。
ルパンだって、仲間というよりは、一味だと思うし。



まぁ、どちらにせよ、かなりの覚悟の上・・・が最低条件ですが。

しかも、そこまでしても入れない可能性が高い(笑)
つまり、入ろうと思って入るのではないということですね、一味っていうものは。






余談ですが

京極堂って書こうとしたら



今日極道



って変換された。。




う~~~~
私にはまだ覚悟無いかもぉ(笑)