カケラを結ぶ×8。(その11)

★「青ムシ抄」(主人公：青井則生)

あの「絶望の世界」を思わせる背景画像があるのは、
偶然ではないだろう。
「虫」という単語は共通項だとも言えるし。

実写での気持ち悪さを弱めるためか、
一見可愛らしいアニメ画で話は進む。
が、なまじ可愛げのある絵柄のせいで、
気持ち悪さは逆に増しているようにも思う。

同人でエロ漫画を描いてるのは別にいい。
が、それ以外はもう犯罪行為のオンパレードだ。

雑踏で下着の盗撮にはじまり、チクリ魔は言わずもがな、
気に入らない奴を自作品の作中で苦しめ、
挙げ句に徒党を組んでカップルやホームレスをエアガンで襲う。
恐ろしいのは、この青井が常識人に思えるほど、
他のキャラがもっと異常であるという点。

そして何より許せないのは、
そんな青井だからって最後に人を殺させた事だ。
実はあの人が撃たれて死んだわけじゃないって信じていたかったんですがね……。

他編の全主人公と関わったシナリオ構成は見事だが、
それ以外の欠点が多すぎた。
残念でならない。