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ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



今日は、「The man who became Sherlock Holmes」の概略の続きです。
今回は、137ページ半ばから138ページ始めまでをご紹介します。

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「最後の事件」は、ジェレミーがシャーロッキアンに挑戦した回でもある。コナン・ドイルへの忠誠心に取って代わり、自由な演技があった。視聴者は、ホームズがスイスの丘陵の斜面でリラックスし、カラバッシュ・パイプを吸う姿をみた。このパイプはホームズの物として一般には認知されているのだが、しかし原作の中で、ホームズが吸っているシーンはない。

ジェレミーは、カメラマンにこう言っていた。
「カラバッシュ・パイプは、私からラスボーンへのちょっとした挨拶さ。それにもしかしたら、ホームズもスイスへこれを持って行ったかもしれないし。」


ジェレミーは、電話を切ると、呆然と部屋の中を見つめた。見つめているのだが、心ここにあらずであった。電話の相手は、妻のジョアンからで、ガン検査で陽性反応が出たと話していたからだ。彼女のすい臓は、ガンに冒されていた。

しかし、こんな状態であっても、その夜は撮影の打ち上げのパーティがあった為、出席しなければなかなかった。カラフルな服を着て、会場の入り口で微笑み、会釈し、退場の際には、見送らなければならない。誰もがジェレミーの悲しみを知らなかったし、落ち込んでいる彼を理解できなかった。ジェレミーは、妻と一緒に購入したクラパムの自宅や、ニューヨークやハリウッドでの慌ただしい日々、そして彼女が与えてくれた安らぎについて考えていた。ジェレミーは、落ち込み、泣いていた。

数時間後、ジェレミーはホテルで行われた打ち上げパーティで、他の出演者達とシャンパンを開けていた。そして、次の日の朝には、ジョアンの元へ飛んで帰った。ジェレミーは、もうこれ以上ホームズを演じたくは無かった。

しかし、ジョアンはこう告げた。
「でも、ダーリン、貴方は演じ続けなきゃ。契約書にサインしているし、それに貴方も知っているとおり、私は頑張り屋よ。ガンを克服してみせるわ。そして以前のように過ごしましょう。」

しかし、死は現実のものとなり、ジェレミーは悲惨な状態になってしまう。

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今日は、ジェレミーの最愛のジョアンさんがガンだと分かる悲しみの回でした・・。
ちょうどスイスで「最後の事件」の撮影が終わり、打ち上げパーティがある日の事でした。

みんなは、撮影が終わり、達成感と満足感で明るいムードのところへ、水を差すようなことはせず、
いつもと同じように振る舞っていたことでしょう。
確か、パーティにバルーンがいるとかで、膨らますお手伝いもしていたはずです。

こんなパニックに陥るような場面でも、なお周りに気遣いが出来るジェレミーは凄いです。
日本だけかな、よく「親が死んでも舞台は最後までやり通す」みたいな事が言われますが、
俳優は、そういう覚悟をしているのでしょうか。
撮影が残っているならともかく、パーティぐらいなら欠席でも良いと思います。
それなのに、今まで共に頑張ったスタッフやキャストの為に、隠しちゃう人なんですね、ジェレミー。
もうちょっと自分に我が儘に生きても良いのに、と思うくらいです。
本当に、素晴らしい方ほど、早死にするものですね。

また、奥さんのジェレミーに対する優しさも、読んでいてジーンとなりますね。
死ぬ間際でも、奥さんはジェレミーを心配して、「貴方は大丈夫?」と言うぐらいですから。
本当に二人は深く愛し合っていたんだと分かるエピソードでした。


さて、ホームズのパイプの事も出てきましたね。
ホームズといえば、あのパイプですが、実際はラスボーンが使っていて、有名になっただけで、原作には出てこないんですよね。
いつもは、原作に忠実に!と言い続けたジェレミーですが、
最後の事件で、このパイプを持ってくるなんて、遊び心がありますね。
結果は、成功したと思います。
やはり、ジェレミーがカラバッシュ・パイプを吸う姿を見たいという方も多かったと思いますし。
結果として違和感なく、素敵だと思いました。


いよいよ、この章もあと一回で終わりです。
さー、次は、「Bending the Willow」の訳にでも戻ろうかな♪

そういえば、今週に入って本サイトのアクセスが伸びているのですが、
お盆で時間に余裕があるので、皆さんネットサーフィンを楽しまれているということでしょうか。
有り難うございます、嬉しいです♪

では、また金曜日にー。


りえ(rie_002@goo.jp)


この本はジェレミーファンの間では、内容に偽りがあるなどとされ、評価の高い本ではありませんが、ジェレミーの一生涯の伝記はこの本が一番詳しいため、概略をご紹介しています。内容が一部事実と違うところもあるかも知れませんが、ご了解の上、お読み下さい。





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