「シャーロック・ホームズの事件簿」シリーズ 1

久々に戻って参りましたー、「Bending the willow」のご紹介です。

舞台「シャーロック・ホームズの秘密」を終え、とうとう「事件簿」シリーズまで来ました。
「レディ・フランシス・カーファックスの失踪」のエピソード話です。
今日は、125、126ページをご紹介しています。


---------------------------

1988年の10月、舞台「シャーロック・ホームズの秘密」は、ウエスト・エンドのWyndham's劇場で始まり、1年の間、公演を続けた。この長きにわたる公演で、大衆がシャーロック・ホームズとジェレミー・ブレットに興味を持っているということを証明した。このロンドンの公演に続き、英国中の都市を3ヶ月間回る過酷なツアーも始まった。

1989年のクリスマスには、主演のジェレミーとハードウィックは極限に着ていた。休暇を取る時期にきていたのだ。二人はオフを別々に過ごしたが、1990年の春にはグラナダの新しいシリーズ「シャーロック・ホームズの事件簿」の撮影に入るので、また再会することになっていた。

ジェレミーは、いまだ躁鬱病に病んでいた。「事件簿」の撮影の直前まで海外に休暇に行っていたのだが、息子が彼を迎えに行った。エドワード・ハードウィックは、「レディ・カーファックスの失踪」のリハーサル時、ジェレミーが沈んでいたことを語った。

「最初の10日間、ジェレミーは台詞や演じ方を心配していた。あんなに緊張して不安定な彼は見たことがなかった。ジェレミーがマシンガンのようにとても早口で話していて、彼が病んでいると唯一感じた瞬間だった。でも結局、最後には、ジェレミーはとても良い演技になった。いったん撮影が始まると、ジェレミーは元気になった。彼は、やるべき事をやり遂げる奇跡的な人物だ。

そのことがあって、ジェレミーは僕に病気を病んでいること、そして精神的に落ち込んでいる状態だと打ち明けてくれた。「レディー・カーファックス」は、ジェレミーが大好きだった湖水地方でロケ撮影が行われた。ここの風景と陽気な春の気候が、ジェレミーの精神を高揚するのに、すごく役だったよ」

私(=作者）は、グラナダスタジオで「カーファックス」の撮影をまる一日、見学したことがあるのだが、大変興味深いものだった。午前は、冒頭の短いシーンの撮影を見ていた。

ジェレミーが、居間のマントルピースの上から、小さい人形を落とす撮影をしていた。人形は、散らかった新聞の上のある場所に落ち、ホームズに事件の糸口を示す。このシーンに台詞は無い。

しかし、なかなか正確に落とした場所に人形が落ちず、ジェレミーは何度も何度も落とし直した。ジェレミーは、ユーモアを持って、上品に、忍耐を微笑みながら、撮り直した。なんと20秒のシーンに2時間以上かかったのだ。


---------------------------


今日は、「レディ・フランシス・カーファックスの失踪」の舞台裏でした。

ジェレミーがすごく精神的に落ち込んでいた時に撮影されたんですね。
舞台「シャーロック・ホームズの秘密」は大好評で、ロンドンで1年間のロングランに続いて、3ヶ月の英国縦断公演。
本当にお二人とも、もう疲労でいっぱいだったことでしょう。

舞台が終わってから、「事件簿」シリーズまでは、ジェレミーは海外でオフを過ごしたみたいですね。
どこへ行ったんでしょうか、気になるところです。

このエピソード撮影時に、とうとうハードウィック氏に躁鬱病のことを打ち明けたんですね。
なんかそう思って、見返してみると、感慨深いです。

しかし、精神的に辛い状況だったのにもかかわらず、撮影が始まると完璧に仕事をこなすんですね。
本当にジェレミーの仕事への真摯な態度には、感動します。
ジェレミーはいつも役者として生きていたのですね。

これに書かれていたので、注意してジェレミーが人形を落とすシーンを見てみました。
あれに2時間以上かけていたとは
しかし、ユーモアを持って、優雅に演技するジェレミー。
周囲にも細やかに気を遣うジェレミーのならではのエピソードですね

あと、ジェレミーは湖水地方が好きだったんですね！
私は行ったことがないので、今度イギリスに行くときは是非訪れてみたいです。
綺麗なところと聞きますものねー♪


そういえば、先日竹内まりあのCDを聞いてたんですが、最後に「君住む街」のジャズバージョンが入っていました。
もちろん、「マイ・フェア・レディ」でジェレミーが歌った（本当は歌っていないんですが）あの曲です。
なんか聞いた途端、ジェレミーのフレディの様子やあの曲の思い出なんかが駆けめぐって、胸がいっぱいになりました。

高校生の頃、ジェレミーが歌っていると信じていて、何十回、何百回と聞き直し、歌詞カードを見て必死に記憶しました。
これをいつか、ジェレミーが住んでいる街に行って、歌うんだって希望を思っていました。
それにあの曲は、初恋の高揚感をうまく表現したもので、それが私のジェレミーへの想いに通じるものがあるし、
なにしろジェレミーが歌っている！
本当に何もかもが大好きな曲なのです。

そういう想いが駆けめぐり、急にジェレミーがすごく愛おしくなりました。
もちろん、いつもいつも大好きなジェレミーですが、
何かの拍子にこうして「愛しい」という想いが溢れて幸せになります。
こうして日常生活の中で、ふとジェレミーを想う瞬間が本当に幸せです
皆さんは、どんな瞬間、ふとジェレミーを思い出すんでしょうか。


では、また来週の水曜日に。
今回の続きをご紹介しますねー


りえ（rie_002@goo.jp）


まだまだ「NHK版シャーロック・ホームズの冒険」復刊投票応援中です！
こちらをご参考下さい。ただ今、217票！！あなたの一票が復刊への第一歩です。よろしくお願いします

「NHKにグラナダ・ホームズ再放送をリクエストしましょう♪」キャンペーンも新たに加わりましたので、NHKコールセンターもしくは、メールでリクエストをお願いします。