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ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



今日は、本「Dancing in the Moonlight」のご紹介です。
今回は、41ページを中心にご紹介します♪

「入院患者」「赤髪連盟」あたりの裏話です。


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「入院患者」で、ジェレミーは患者の部屋の捜査シーンに自信を持っていた。ホームズは、関係者のいる前で、台詞なく部屋を調査した。有名なジュールズ・ダッシンの映画の作品に似たようなシーンがあり、ジェレミーはそれを参考にしていた。特に今のTVに素晴らしいシーンで、2分半もの間、台詞がない。それは、ホームズ物語の犯罪捜査のシーンの典型だった。床を這い、壁を調査し、小さな封筒のゴミやタバコの灰を分析する、ドイルの調査手法を、このシーンに上手く凝縮した。ジェレミーは、それを分かってやっていたのだ。

「赤髪連盟」では、古い俳優仲間と再び共演した。マンチェスター・ライブラリー・シアター時代の友達である、ロジャー・ハモンド。役どころは、ウィルスン氏だったが、ジェレミーが若手のホープとして活躍していた頃、彼はアシスタント・ステージ・マネジャーだった。ジェレミーは、この作品の撮影をすごく楽しんでいた。
「とても喜劇的だよ。赤毛の気取った男が、百科事典の書き写しを毎日している、そして銀行強盗だ。ベン・ドラバーズの笑劇の要素の全てだよ。コナン・ドイルは、良い喜劇作家になれただろうね。」

しかし、この作品の真の面白みは、モリアーティ教授の見事な登場にある。マイケル・コックスは、犯罪界のナポレオンという魅力的な存在が、1話だけでは勿体ないと考え、この作品でモリアーティを登場させた。また、マイケル・コックスと脚本家のジョン・ホークスワース(「赤毛連盟」と「最後の事件」を担当)は、ホームズの敵を早めに登場させておけば、「最後の事件」がよりドラマチックな演出にできると考えた。現代の視聴者は、「ストランド」誌の頃の読者より、疑問を持つであろう。1893年当時の読者は、大きな犯罪組織を指揮し、ホームズを亡き者にしようとしたモリアーティの存在を疑問無しに受け入れたが、現代ではそうはいかない。もし、彼がそんなに重要で危険人物ならば、なぜもっと早く彼の事を聞かなかったのだろう。実際、ドイルは大急ぎでホームズ死亡の話しをでっち上げたのだが、現代の感覚からいうとリアリティーに欠ける。グラナダは、その辺を踏まえて、ライヘンバッハよりも前にモリアーティを登場させた。

「最後の事件」がイギリスで放映されたのは、撮影されてから一年が経過した1985年9月29日だった。それは、色々な点で特別な番組となった。デビット・バークがこれを最後にワトスン役を降りた。マンチェスターでの撮影よりも、妻と幼い息子がいるケントで過ごそうと決めたのだった。

「当時、息子は本当に幼かった。2歳か3歳の頃なのに、家族は離れたところで別々に住んでいた。僕がいなくて、妻は大変だったので、これ以上この状態を続けることは無理だと思ったんだ。この作品が大好きだったから、別れは悲しかったよ。ジェレミーとは上手くやっていたし、グラナダは僕らの面倒をよく見てくれていた。」

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「入院患者」の捜査シーンは、ジェレミーの演技力が研ぎ澄まされた良いシーンですよね。
台詞なく長回しで、2分半の演技を見せられて、飽きないどころか、固唾を呑んでもっと見ていたいと思わせるなんて!
ジェレミーの演技力の素晴らしさ、この一点に尽きますよね-♪

日本のドラマをちら見することがあるのですが、台詞を言ってるシーンでも見ていて退屈しちゃうことがあるというのに。
(そもそもイギリスの神ドラマと比べる私が可笑しいかもしれません)

台詞なくても、その所作一つ一つが完璧にホームズ!
部屋を手がかりを見つける為に、鋭く観察するその瞳がホームズ!
自分の推理に基づいて、あるべきところにヒントを見つけた満足げな笑みがホームズ!

もうどっから見ても、ジェレミーはホームズなんですもの。
捜査シーンだって、台詞無しで何分やってくれても見飽きませんね。
しかし、完璧にホームズに見せるために、ジェレミーの演技への凄まじい情熱と努力があってこそなのですが。
5分見ただけで、幸せな充足感に浸れますね、グラナダホームズ。さすがです♪

「赤髪連盟」では、なんとマンチェスター・ライブラリー・シアター時代の古い仲間と再会。
コミカルなウィルソン氏ですが、ライブラリー・シアター時代は、「アシスタント・ステージ・マネジャー」という事は、俳優でなくスタッフだったのでしょうか。
ともかく、マンチェスターの同じライブラリー・シアターで働いていた仲間とまた共演できるのは、ジェレミーにとって嬉しかったでしょうね。
同じライブラリー・シアター仲間のプロデューサーのマイケル・コックスと3人で、わいわい昔話していたのでしょうか♪

「最後の事件」のモリアーティの存在は、読んでいて「なるほど~」でしたね。
確かに、ホームズと同等の才能と知力を持っている存在は、とても魅力的。
もっとモリアーティと絡む作品があっても良い!そう考えるのは、現代のファンならば当然ですよね。
BBCの「シャーロック」でも、モリアーティの存在は原作より強調されていましたし。

次も「最後の事件」のお話しが続きます。



さてさて、前回の更新よりまただいぶ間隔が空いてしまいました~、すみません(T-T)
今年に入って、息子は中学受験の準備が始まったのですが、その送り迎えや夕食代わりのお弁当作り、勉強の付き添いに私の自由時間が削られています。
正直、ここまで大変だとは思っていなかった中学受験・・・。親もこんなに振り回されるのかと、あと1年半もこの状態が続けられるのか心配です。
娘もだいぶ手が要らなくなったなー、と思っていたら、これですよ・・。
しかし、こうしてジェレミーの事を考えられる時間は、とても幸せで有意義です。これからも細々と楽しみます♪

では、また♪


りえ(https://twitter.com/riekojeremy)



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