ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



ジェレミーの新刊「Dancing in the Moonlight」のつづきです。

今回は、筆者の「前書き」の続きをご紹介させていただきます。
ちょっと読んでいて、辛いところもありますが、最後までお付き合いくださいませ。


まだ読んでいない方は、以下ご注意くださいね!!



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ジェレミーが得た名声は、彼にふさわしいものだ。演技とは簡単なものだという考えを抱いている人もいるようだが、そうではない。ホームズの世界的な成功までに、彼は30年近くも舞台、TVそして映画で長きに渡り懸命に仕事をしている。それも幼い頃から行動や性格に不安定な要素を内包しつつも、それらを成し遂げている。最後の10年、彼は内面の悪とまっすぐに向き合っていた。一生の間、ジェレミーは躁うつ病と立ち向かっていたのだ。

他の病気と違って、躁うつ病は切断したり、取り除くことが出来ない。この病気は、生涯を通して、ずっと消えないものだ。普通の病気なら、自分が病にかかっていると認め、薬や友達の助けを得て治療するだろう。しかし治療するという決意が、自分の内面の敵により揺らぎ、このテンションを保つのが非常に困難なのだ。

現実と向き合うだけでも大変であるのに、ジェレミーは俳優という職業柄、役作りと言う非現実のストレスもある。自分が何者か考えるだけでも悪いのに、役作りするのはより悪いことだ。

運命の無情さは、躁うつ病だけで終わらなかった。1980年代ジェレミーの心臓の状態が、徐々に悪くなり始めていた。しかも彼が飲んでいた躁うつ病の薬は、心臓に処方された薬に、悪く作用した。ジェレミーの体の中で大きな反乱が起き、色々な問題が生じた。彼の体内の水分保有率が崩れ、ほっそりとした体は一気に太った。ジェレミーはもはやグラナダ・シリーズのオープニングに出てくるホームズでは、なくなっていた。ジェレミーもこのことについては、大いに動揺した。

しかし、注目すべきことに、ジェレミーは、不満を訴えなかった。躁うつ病としての症状は現れていた。が、いつも笑顔、ハグ、微笑み、そして思いやりある振る舞いがほとんどだった。彼は、大げさな身ぶりで痛みを隠していたのだ。

ジェレミーは、戦っていたのだ。最後まで。彼は、心筋症と躁うつ病をわずらい、この二つの強敵の繰り出すパンチは相当なものだった。そして最後には、ジェレミーはノックアウトされてしまったのだ。


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・・・なんか読んでいて辛いですね、この回・・
本当に生涯を通じて、躁うつ病に悩まされつつ、
しかし懸命にがんばるジェレミーの姿に胸を打たれました・・。

そんな中でも、「JE did not complain」。
そんな状態のジェレミーを想像するのも辛いですが、
こんな過酷な状況でも不平を言わず、周りには笑顔だったんですね。
ジェレミーの素晴らしい人格が、窺えます。

しかし、薬の飲み合わせが悪かったなんて、もう悲劇としか良いようがないですね。
本当にどうにかならなかったのか、残念でなりません。


次で前書きの部分が終わって本文に入ります。
次回の更新は、来週金曜日を予定しています。

あ、ここで皆様にお知らせがあります。
NANAさんにジェレミーに実際会った時の事などを書いて頂きましたので、クリスマス頃に公開予定です!
グラナダのセット(撮影に使った本物)の写真や、ジェレミー直筆のカードなど色々公開できそうです。ぜひお楽しみに待っていてくださいませ♪


・・・今日もまだ風邪中です。
なんと旦那も息子も引きました
旦那なんてふらふらで仕事行ったら、クライアントに自分の携帯番号と間違えて私の番号を教えていたほどです(笑)
いつになったら風邪ループから抜け出せるでしょうか。
(とかいって早く寝ようよ、私・・・)

あ、ヤフーの動画でまだグラナダ・ホームズ配信中です!(こちらをクリックしてください)
今度は15日まで「第二の血痕」以降長編も配信中です。
悔しい・・・ランキングが二位に転落してしまいました。
また一位巻き返せればいいですが!(私もとりあえず流してます)

ではまた!


りえ(rie_002@goo.jp)


まだまだ「NHK版シャーロック・ホームズの冒険」復刊投票応援中です!
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コメント
 
 
 
ブログ素敵ですね★ (ゆり)
2006-12-09 13:31:38
中学生のころ大好きで
今ヤフー動画でジェレミー熱が再燃です!
この勢いでDVD買うかもしれません!

ブログ拝見して、
世の人も、かっこいいと思うポイントが
みんな同じだ!とうれしくなりました。

わたしも髪がバサバサのときとか
くすっと目が笑うところ
黒のスーツ?でカツカツ、
ステッキ振り回しながらあるくとことか
きゃ~~~!かっこよすぎる。セクシーすぎる!と
悲鳴あげつつヤフー動画みてます!

一番好きなのは、黒の手袋しているときですね。
なんであんなにセクシーなんでしょう・・。

rieさんのブログでジェレミーの素顔を知り
さらに深く好きになりました。
人としてもとても愛されるべき方だったこと
そして私生活がちょっとダサイとこも大すきです笑

彼がもういないことを
本当に本当に残念に思い、悲しくなります。
ほんとに彼の舞台を見れなかったのが
くやしいです。

これからステキなブログつづけてください。
楽しみにしてます!

 
 
 
Unknown (ゆり)
2006-12-09 13:35:29
あ、さきほどのコメントは語弊があるやもです。

私生活がださい

は、彼が服装に無頓着だったりして、本当に
飾らないということに対しての愛情表現です。
決して、けなしているわけでないので~~。

でも、世の中みても
たしかにいい男ほど服装は無頓着率高いです。
ジェレミーもその類だな、と思います。
 
 
 
完全制覇までまだかかる・・・ ()
2006-12-09 20:14:40
こんにちは、りえさま。
大学の図書館で「The Adventure of Sherlock Holmes」を毎日二本観ているのですが、今日やっと二十話です。まだ半分もいってない!
なぜにこんなにスピードが遅いかというと、クリスマスまでに「The Blue Carbuncle」を完璧に理解しようと思い立ち(せめてJeremyの台詞だけでも!)、こればっかり繰り返し観ているからです。ペーパーバックとテレビを交互に見つつ。
英語字幕ないんですよ、学校のDVD(泣)
しかし難しい。"amid"なんて今時誰も使わんぞ、ホームズ!
John Milton の本の中くらいしか見たことなかった単語だったのに…
この調子では和訳なしでマスグレーヴの儀式書を読めないかもしれない…

あ、学校といえば、図書館に「NHKテレビ版 シャーロック・ホームズの冒険」ありました。
DVDといい、この一月ほど我が大学を褒め称えたくなったことはありません。
もちろんその場で借りてきましたよ。

Yahoo動画は嬉しいですよね!
ただ私は自他共に認める声フェチで、Jeremyの声が聞けないのが辛いところ。
あの声量、あの声質、あの発音!
あれで昔はtとrを発音し分けることができなかったなんて信じられません。
よっぽど努力したんでしょうね。あらためて敬愛しました。
し・か・し、おかげで私も語頭のrを巻き舌で発音するようになってしまったぞー。
だってイギリス人の英語の先生からお墨付きもらったんだもん。
Jeremy に恋をした、と言ったら、
"Oh, Jeremy Brett! He's also a good English speaker."
容認発音とかクイーンズイングリッシュとか、イギリス英語の発音の話をしていたときです。
彼を手本にして勉強するのは大いに結構だよ、と言われたときは天上の鐘の音が聴こえました。
このごろ英文を読むとJeremyの声が聞こえるし(私はいつも文章を読むとき頭の中で誰かが音読しているように感じるのです。たいていは自分の声なのですが)、末期ですねー…
一月足らずでここまで魅了されてしまうとは、おそるべし Jeremy Brett!
 
 
 
ジェレミーの英語 (Motoko)
2006-12-10 00:01:33
ゆりさん:
「私生活がださい」とは、服装に無頓着で飾らない人柄のことを指しているって、もちろんよくわかってますよ~。だって、私もホームズの洗練された姿と私生活の飾らない姿のギャップに魅力を感じている一人ですから。
そうなんですよね、ぱさぱさの前髪パラリや黒の革の手袋をしている姿、セクシーですよね。
思わず、同士よ!と思ってしまいました(笑)。
あなたも、ジェレミー病に罹ってしまいましたね。
この病は、簡単には治りませんよぉ。

悠さん:
私も大学の図書館で、数年前に「NHKテレビ版 シャーロック・ホームズの冒険」を借りて読みました。
ジェレミーの英語を初めて耳にした時は、こんなにクリアーなrの発音を聞いたことがないと思いました。
現在の勤務先では、公用語は英語なのですが、アメリカン・イングリッシュ、シングリッシュ(シンガポール人の英語。彼らは自分達の英語をブリティッシュ・イングリッシュと主張していますが。)、ジャパニーズ・イングリッシュ,フレンチアクセントの英語などが氾濫しています。
英国人もいますが、ジェレミーほどクリアーな英語を話す人は本当に少ないです。
ジェレミーの英語をお手本に、ぜひクイーンズイングリッシュを習得なさってくださいませ。
 
 
 
JBの疾患 (まめこ)
2006-12-13 11:58:13
 10年、20年と精神科での治療薬や、その治療方針は、確実に変遷しています。
 そして、彼は10代後半にリュウマチ熱に罹患しているので、現在ならもっと予後が良好となる治療・処方があったのですが・・・非常に残念で悔しいです。
 日本で専門的な治療をして欲しかった・・それでもだめだったのか?・・・本当になんとかならなかったのか?
 彼の主治医はいったい何をしていたのだろう?とずっと思っていました。
 振り返れば、「全てにおいて時代が違う事実」というこの重みは私自身認識しているのに、もっともっとJBには幸せであって欲しかった。
  こんなに、過去の人に幸福を願った事はありませんでした。
 りえさんは私達にJBを語る場を与えてくださった。本当にありがとうございます。
   ふざけていない本当のまめこから 感謝
 
 
 
 
>ゆりさんへ (りえ)
2006-12-16 12:09:27
ゆりさん、初めまして&コメント有難うございました!

ジェレミー熱再燃!ですか。いいじゃないですか。いいじゃないですか♪
ボーナス時期ですし、勢いでDVDも購入しちゃいます!?

黒い手袋姿もカッコいいですよねー
スーツも帽子も靴も手袋も黒。全身黒がこれほどセクシーでスマートでクールだとは知りませんでした。
いや、ジェレミーだからそうなんでしょうが。
本当になんであんなに素敵なんでしょう♪

ジェレミーの魅力は、容姿はもちろんのこと、仕事に対する厳しい姿勢も
そして病気を抱えながらも頑張る彼の姿も、性格、その全てが魅力溢れていますものね。
仰るように、私生活ではちょっと抜けているところもまた親近感あふれキュートです♪
(わざわざ気を使っていただいたのですね。大丈夫ですよ、ここに集まるみなさんはゆりさんの意図したことがわかりますから

ジェレミーの舞台を見れなかったことは、残念ですが、
来週にはNANAさんの観劇日記を載せますので、ぜひ見てくださいませ。
また彼の違った一面に触れることができると思います。

お時間のありますとき、またコメントいただけたら幸いです♪
お待ちしています
 
 
 
お返事遅れました。 (りえ)
2006-12-18 00:16:54
>悠さんへ

そうですか、完全制覇までの道のりはまだあるんですね。
でもまだ見ていないジェレミー・ホームズがあるなんて、素敵じゃないですか♪
存分に楽しんで下さいませ。
(でも後期にいくにしたがって、やはり「冒険」シリーズほどの面白さは残念ながらありません)

ペーパーバックを見つつ、TVをご覧になっているとか。
英語力が飛躍的にアップしそうです!
英語の字幕は確かにジェレミーが何を話しているか分かって良いですが、
悠さんの勉強方法の方がずっとジェレミーの台詞が見につきそうです。
amidなんて言ってたんですねー。さすが19世紀が舞台なだけあります。

「NHK版シャーロック・ホームズの冒険」もありましたか♪
裏話が結構ありますので、楽しめると思いますよー。
写真もカラー、白黒とも満載ですし。
私服のジェレミーもいますよね。

ヤフー動画は便利でいいですよね!
確かにジェレミーの声が聞けないのは辛いですが、また露口ホームズも素敵なんですよね、これが♪
もちろんジェレミー声は大好きですが、こちらもお楽しみくださいませ。

ジェレミーが分かる先生が学校にいて良いですねー!
私なんかイギリス人に会うと「ホームズ演じたジェレミー・ブレット知ってる?」って聞くんですが、たいてい知らない人ばかり・・・。
確かジェレミーの英語の発音ってすごくいいから、本国の語学のなんかにも採用されてた気がします(ちょっとうる覚えですが)

またジェレミーらぶ話、お待ちしています!


>Motokoさんへ

本当にジェレミー病だけはなかなか治りません。
というか一生かかっていたい不治の病かも(笑)
これからも末永くジェレミーを応援していきましょうね♪


>まめこさんへ

そうですよね、だいたい「うつ」という言葉さえ、ここ数年で浸透してきた気がします。
10年前に「躁うつ病」にジェレミーがかかっていたと知っても、それに関する情報を集めるのが大変でしたし。
ジェレミーが最後に同居していた女性が書いたジェレミー本があるんですが、
その中で、ジェレミーはあまり熱心に治療を行っていなかったような記述があります。(病院になかなか行きたがらなかったり)
もしかしたら、最愛の奥さんを亡くして、こころのどこかで自分も召されるのを待っていたのかもしれません。

とにかくこのことに関しては、残念と言うか、どうにもならなかったのだろうかと思います。
まめこさんの仰っていましたが、私もこんなにも誰かの幸福を願ったり、その人の人生について考えたことはありません。
今となっては、みんなで彼を想うことしかできませんが、それでもジェレミーの魂には届いているんじゃないかと思います

これからも、ジェレミーのことを色々語れたら嬉しいです♪
 
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