Renaissancejapan

哲学と宗教、財閥、国際政治、金融、科学技術、心霊現象など幅広いジャンルについて投稿しています

「宝の星」は1000京ドル? NASA、金属の小惑星探査

2023-10-14 00:35:04 | 宇宙・地球・航空宇宙ビジネス・星座神話・


        小惑星に接近する探査機「サイキ」(想像図)=NASA提供

 

 

米航空宇宙局(NASA)は12日、貴重な金属でできた小惑星を目指す探査機を打ち上げる。鉄やニッケル、プラチナ、レアアースなどでできていると考えられ、資源としての価値は1000京(京は兆の1万倍)ドルにのぼるとも推定される。


地球では直接観測できない惑星中心部の様子を知ることにも役立つ。宇宙資源開発と科学研究の両面で期待は大きい。

「プラチナは間違いなく多くある。また鉄が豊富にあると確認できれば重要な一歩」と宇宙資源に詳しい宮本英昭東京大学教授は期待する。


価値が日本の国家予算の約1000万年分という天文学的な数字になるのは、プラチナのような貴金属が豊富というだけではない。

「将来、宇宙で構造物などを作るときに金属があるのは魅力的」(宮本教授)。宇宙での活動が盛んになれば、月やより遠い宇宙空間に建設する基地や宇宙ステーションといった構造物、そこで使う機械などが必要になる。

NASAが探査する小惑星「プシケ」はその資材を作る金属の供給元と期待されているのだ。

 

6年後に小惑星「プシケ」到着


建設資材や機械を地球から宇宙へ運ぶことも可能だが、多くのエネルギーやコストがかかる。月まで資材を運ぶのに1キログラムあたり1億円かかるとされる。

宇宙にある資源でまかなえれば、コストの抑制や採掘・精錬による地球環境の汚染防止にもなり、宇宙開発の進展に大きく貢献する。

鉄の場合、地球上の鉄鉱石と違って宇宙の鉄は酸化していないため、高温で還元する必要がなく使いやすいメリットもある。

NASAの探査機「サイキ(プシケの英語読み)」がめざす小惑星プシケは地球から約40億キロメートル離れた火星と木星の間の小惑星帯を周回している。探査機は約6年かけて小惑星に到着し、約2年上空をまわりながら詳しく調べる。

<picture class="picture_p169s49k"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=426&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0ce80c7ddef3433b2f3a2bcff2d621ac 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=852&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=95d5fd28eb1016362c17d4f4f277081b 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=426&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0ce80c7ddef3433b2f3a2bcff2d621ac 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=852&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=95d5fd28eb1016362c17d4f4f277081b 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=400&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0acba1e1c23def8d7a114b36c37d2c27 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=801&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=ef009606721815d9953664d78c237b2e 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=400&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0acba1e1c23def8d7a114b36c37d2c27 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=801&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=ef009606721815d9953664d78c237b2e 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=400&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0acba1e1c23def8d7a114b36c37d2c27 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3916240004102023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=801&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=ef009606721815d9953664d78c237b2e 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>

 


        探査機サイキは小惑星を周回しながら詳しく調べる=NASA提供

 

小惑星には様々なタイプがあるが、プシケのように金属に富むタイプはM型とよばれる。M型小惑星は欧州の探査機「ロゼッタ」が目標の彗星(すいせい)に向かう途中で「ルテティア」に接近・調査したことがあるが、本格的な探査はサイキが初めてになる。

ひとくくりにM型小惑星といっても、純粋に金属の塊とは限らない。地球からの観測や地球上で発見されている金属質の隕石(いんせき)の分析から、金属の塊だけでなく金属と岩石が混じり合ったいろいろな種類が存在すると考えられている。

成分や金属と岩石の混じり方などで「20種類ほどの違いがある」と荒井朋子千葉工業大学惑星探査研究センター長は説明する。


地球を知る手掛かりに


M型小惑星は小さな天体が集まって大きくなり、地球のような惑星に成長する過程でできたと考えられている。

一定の大きさになると内部の熱で金属が溶けて岩石成分と分離し、重い金属が中心部に集まり岩石成分が表面に集まる。

そのまま成長すれば地球のような惑星になるが、途中で壊れて金属部分がむき出しになったり、十分に分離しないままになったりしたのではないかというわけだ。

そのためM型小惑星を調べれば地球のような惑星の成長過程がわかり、現在の中心核やマントルといった地球内部の様子を知る手掛かりにもなると期待される。M型小惑星を詳しく調べることは、我々が住む地球そのものを知ることにもつながる。

 


 小惑星プシケは金属でできていて、将来の資源としても期待されている(想像図)=NASA提供

 

 

プシケは直径が約280キロメートルと小惑星としては最も大きい部類だ。

惑星の成長過程で金属や岩石が分離していくには一定以上の大きさが必要と考えられているが、プシケを詳しく調べて金属と岩石の混じり具合がわかれば、分離していくためにどのくらいの大きさが必要かがわかってくる。

またプシケ全体が均質ではなく、場所によって組成に違いが見つかる可能性もある。

そうすると惑星内部で金属や岩石が種類によって分かれていく過程を詳しく知る手掛かりになる。「不均質の具合で壊れる前の状態もわかる。不均質の度合いが一番のかぎになる」と荒井センター長は話す。

地球からの観測だけではプシケの詳しい様子はわかっていない。

1000京ドルと見積もられる資源価値は全体が金属でできていることを前提にしているが、岩石と様々な形で混じり合っていたり、場合によっては岩石成分が多い可能性もある。中心部は金属だが、周囲は岩石成分に覆われているケースも考えられる。

宮本教授も荒井センター長も「行ってみないとわからないからおもしろい」と口をそろえる。

6年後に探査機が小惑星プシケのどのような姿を見せてくれるのか。1000京ドルの資源が本当に眠るかどうかは定かではないが、科学的に地球のような惑星がどのようにできてきたかを知る「宝の星」であることは間違いない。

 

 

 

日経記事  2023.10.10より引用

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。