【ロンドン=共同】
デンマーク司法省は1日、同国自治領グリーンランドの警察が拘束した反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン容疑者について、日本から7月31日に身柄の引き渡し要求があったと明らかにした。
日本の調査捕鯨を妨害したとして、日本の要請を受け国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配していた。
反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者のポール・ワトソン容疑者
(2006年)=ロイター
司法省によると、同省が身柄引き渡し要求を拒否する根拠がなければ、グリーンランドの警察が引き渡しの是非について調査し、その上で司法省が最終的な決定を下すという。
ワトソン容疑者の勾留期限は8月15日だが、それまでに決定が出るかどうかは不明。
ワトソン容疑者は7月21日、日本の捕鯨母船「関鯨丸」の操業を妨害するためグリーンランド中心都市ヌークへ船の給油などで立ち寄り、拘束された。
団体は声明で「政治的な目的」で行われたとしてデンマーク政府に釈放を要請していた。
欧米には反捕鯨国が多く、フランスではマクロン大統領がワトソン容疑者の身柄の引き渡しに反対を表明した。
報道によると、釈放を求めるオンラインの嘆願にも約67万人の署名が集まった。
ワトソン容疑者は環境保護団体「グリーンピース」を脱退した後、1977年にシー・シェパードを設立。2022年に同団体を離れた。
日経記事2024.08.01より引用